「ほ、本日はお日柄もよく」
我ながら緊張している、隣の妻も心配そうに見ていて息子と娘も居心地が悪そうだ。
視線が集まるそれも帝国のお偉方ばかり・・・1人の元帥、必死に覚えた出席者の名前から該当者を思い出す。あれはビッテンフェルト元帥だったか、かの御人は興味無さげに料理を食べワインを飲んでいる。頼みますビッテンフェルト元帥閣下、そのまま食べて飲んでて下さい、これ以上プレッシャーを掛けないでくれと願いながらその原因となった姪マリーカ・フォン・フォイエルバッハとその隣に座る結婚相手のウルリッヒ・ケスラーを見た。
何故この様な事態になったかと言えば時は半年前に遡る。
久しぶりに兄が訪ねて来た、姪の結婚が決まったと言う。
「よかったな、少し早めな気もするけど。それで相手はどんな人なんだ?軍人?いいじゃないか食いっぱぐれも無いし自由惑星同盟との戦争も先代のカイザーラインハルトが終わらせてくれたんだし。なんて人なんだ?ケスラー?へえあの獅子の泉の七元帥の1人と同じ名前か」
兄はしばらくの沈黙の末
「そのケスラー元帥がマリーカの結婚相手なんだ」と言った。
聞き間違いかと思い兄に聞き返す。
「流石に・・・冗談だよな・・・」
だが兄は深刻な顔で首を振る。
「マリーカちゃんは皇紀の侍女してるんだったよな、何で元帥と接点が・・・」
「柊館炎上事件がきっかけで知り合ってな、皇紀の仲立ちだそうだ」
「けっこうどころかかなりマリーカちゃんより年上じゃないか?」
「お前と同い年で妻より2歳年上だ」
兄弟の間に沈黙が流れる。
「もしかして結婚式では挨拶とかしないといけないのか?他の元帥とかも出席するんだろ?」
「元帥以外にもお偉方が出席するが、よろしく頼む」
兄はそう言うと頭を下げた。
実際に両家の顔合わせでケスラー元帥本人に会ってみるといい人だったし彼の年老いた両親には何度も
「ウルリッヒをよろしくお願いいたします」と頼まれてしまった。
更にはマリーカちゃんの方がべた惚れだった、その元帥叔父さんと同い年なんだけど・・・何なら君の母親の義姉さんより年上だよ?
こちらの親戚連中と言えば元帥や憲兵総監の肩書に完全にビビってたり父親に至っては
「ええ婿が来た、これでエッシェンバッハ家も安泰じゃあ!」
なんて言ってる、マリーカちゃんは嫁に行くんだよ父さん、近々病院へ連れてった方がいいかもしれない。えぇ⁉あの変な呪文役に立ったんですか⁉
確かに姪の結婚は御目出度い事だ、だからといって帝国の要人達の前で挨拶する事になるとは思わなかったよマリーカちゃん。
ケスラー×マリーカの結婚で一番混乱したのはマリーカの実家の人達だと思う
ケスラーやマリーカの親戚関係はオリジナル設定です。