蒼都になったけどバンビちゃんが死ぬほど面倒臭い(※死ぬ)   作:黒兎可

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アニメで遂に出て来たバンビーズ完聖体! バンビーズ完聖体! 色々テンションが上がっておりましたが、本作でも微妙に適用します。
ただ適用の形がそれぞれダイスで違う感じになったので、そのあたりは追々ということでお願いします…


#018.背信の剣

 

 

 

 

 

「リルお姉ちゃん、いる…………? って、えっ!?」

「いやお前ら、何してるのさ!? 意味わかんないじゃんかっ!」

  

 普段の集合場所に現れたブルーこと蒼都とキャンディスだったが、その場にいたリルトットとジジがしていたことを前に混乱した。

 端的に言えば、二人とも完聖体を発動し、なおかつリルトットの羽根から出現した咢が、ジジの背中の骨の牙を「遊ぶように」噛んでいた。「あっ♡」と微妙な声を愉しみながら上げるジジに「気持ち悪いから止めろ」と半眼なリルトットなので、何かしら遊んでいるわけでも折檻しているわけでもなさそうだが、状況が本当に意味不明である。

 そんな彼女たちに「あァ」と完聖体を解除しながら、リルトットは腕を組んで言った。

 

「ちょっと『削りたい』らしいから、調子を見てたんだよ。どこ喰ってどこ喰わないべきかのな」

「?」

「リル~、それだとブルーもキャンディちゃんもわかんないよ~。

 じゃあボクから説明するね、えっへん!」

 

 こちらも完聖体たる背部の「骨の翼」を解除しながら、ニコニコとあざとい笑顔と愛想を振りまいて言葉を続けた。端的に言えば「完聖体を弱体化させたい」というものである。言葉に詰まるブルー。えっそんなこと出来るの!? という疑問と、そもそも何故そんなことを? という困惑とが同時に出ている。

 そのリアクションは予想していたのか、ジジが「リルけっこう凄いからねー」とニコニコ続けた。

 

「ほらボクー、親衛隊の候補リストに入っちゃったじゃん? それ嫌なんだよねー。みんなと離れ離れになっちゃうじゃん!」

「ドンマイじゃんっ!」

「せいせいするわクソ野郎(ビッチ)

「二人ともボクに対して愛が足りないよ~!? ブルー、ブルーは庇ってくれるよね、ね?」

「えっ? あ、うん」

(性癖とダブスタな所以外はまともな方だし。どっちもバンビちゃんよりはマシだし、クズくて性格悪くてもフツー、フツー、うん)

 

 ブルー・ビジネスシティこと蒼都、完全に「普通」の定義が破壊された後のようである。

 もっともこの場合彼のリアクションがパーフェクトコミュニケーションだったのか、「ありがとー! 大好き!」と楽し気に彼に抱き着いて、その場でぐるぐると何周かした。

 

「あーへいへい、あたし達が悪かったよ」

「ま、真面目な話するとな。俺の“神の乾き(ユベシュエル)”は『概念捕食』効果があるだろ。それ使ってジジの“神の地獄(ゲヘノエル)”から『ウィルス感染能力』だけ削除して欲しいって話だァ。その下調べしてたんだよ」

「つまり親衛隊に任命されかかってる原因の方の能力を、少し弱体化できないかな~って感じ? うん。リルってば、戦闘中は全然制御できないけどこういう時は器用だよね~」

「リルお姉ちゃん、えっと、凄い……?」

「おぅ感想なんか混乱してんよ。ま、実戦で使えなきゃ只のカカシなんだが…………って、長ェ。そろそろ離れとけクソ野郎(ビッチ)

「あう~ん☆」

 

 やや自嘲しながらリルトットは雑にジジの背を引っ張り、ブルーから引き離した。借りて来た猫のようにおとなしく、普通に引っぺがされたジジである。 

 

「上手くすれば完聖体の姿も変えられるし、もっと可愛くしたいなー! 今のままだと聖隷(スクラヴェライ)重ね掛けすると、悪魔の大将とかみたいになっちゃうし」

「悪魔の?」

「あーアレね……、ミニーみたいにハートふりふりしまくンのもどうかと思うけど、可愛くはねーって感じじゃん?」

「首元に髑髏じゃらじゃらして尻尾とか角まで生えた上でパンデミックさせやがっからなァ。前にアメリカの現世でゾンビ殺しに追い掛け回された時とか酷ェもんだったぜ」

  

 ゾンビ殺し? と不思議そうにするブルーに、その話はしたくなーい―! と両手を頭にやってブンブン嘆くように振り回すジジ。

 

「現世の人間のくせに尸魂界由来の斬術なんか使いまくる奴とか、あとサーカスみたいな狂人集団だぜ」

「リル、ボクしたくないんだけどーその話ぃ!

 全くぅ……、『指輪』なんてバンビちゃんが『死に際に植え付けた』だけたっていうのに。ホントやっかいだよ真面目にさ~?

 って、そんなことより、ブルーとキャンディちゃんはどうしたの? あっ、ひょっとしてデート? デート!?」

「そう言う訳じゃないよ、ジジさん」

「まだ手は出してないじゃん」

 

「「「…………まだ?」」」

 

 リルトットとジジとブルー三人の反応から顔を逸らしてスルーしつつ、キャンディスはブルーの背中を少し叩いて話の続きを促した。

 

「大した話じゃないんだけど……、一応バンビちゃんからその、ね?」

「何で俺の方見ンだよガキ」

 

 面倒くさそうな気配をかぎ取ったリルトット、早々にブルーへの罵倒混じりな苦笑いであった。

 ちなみに物真似ことしなかったが、ブルーがバンビエッタと話し合った結果については次のようなものである。

 

『あなたのあの銀色のを使った訓練したい? あたしじゃ駄目ってこと? ……あ、そうね。いい加減ミニーと決着つけないといけないから、今日もオハナシアイするところだし…………、何よあのダンベルみたいな武器とか、ちょっと面白いじゃないのあの子。格闘技の本とか読み始めてるし最近。

 へ? 本当に話し合いかって? ま、まー、話し合いよ、話し合い。その目がうっさい。

 で、そうねぇ。だったら一番適任なのはキャンディかしら。ジジはこう、物理! って感じの攻撃じゃないから、ブルーの能力で弾けちゃいそうだし。あなたの銀色のやつって多分、そういうものでしょ? リルに関しても「喰い千切ったのに生えて来てやがった」とか前に言ってたから、多分すぐ飽きちゃうと思う。うん。どうしても必要ならやるけど、あの子燃費が悪いから。ミニーに関しては、もう物理的にダメージしか入らないから、あんまり適任じゃないわよね。

 そういうわけで、あたしみたいに直接攻撃系で、霊子の変換効率がすこぶる良くて、完聖体(フォルシュテンディッヒ)があたしより「絶対に弱い」ってなると、キャンディが適任と思うわ。多分、雑誌読んでる時に飲み物とか御菓子とか持って行って頼めばすんなりオッケーしてくれると思うわよ? キャンディってば、あの乱暴っぽさでけっこう女の子らしいっていうか、ガキっぽいところあるし。

 ……………………あっ! で、でも絶対にあなただけで二人きりで訓練とか駄目よ! 絶対! やるんならリルに監督させること! ジジは火に油注ぎそうだから、こういう時はリルを頼るの、良い? ブルー、「これ以上」増えるのは許容できないよ? ボン(ヽヽ)! するよ?』

 

 最後のフレーズと同時にブルーの上半身を「ボン」してるバンビエッタなので、説得力は十二分過ぎた。ちなみに「まあ二人とも裸だし、ブルーの私室だから掃除とかしないでもいいわよね」という軽い気持ちからの、事後愚痴(ピロトーク)完全破壊の一発であったことは完全に余談である。

 

 そしてそんな話を聞いた流れで「面倒臭ぇ」と言いながらもペロペロキャンディ数本を手にもって立ち上がる面倒見の良いリルトットと「おっもしろそー!」と楽し気に立ち上がるジジ。かくしてミニーニャとバンビエッタの二人以外の全員が修練場に集まる形となった。

 

「なんていうか、こうやって一緒に訓練とかすんの初めてじゃん?」

「そうだね、キャンディお姉ちゃん」

「…………っ」

「どうしたの?」

「な、なんでもない……(あんまり意識してなかったけど、その成長したツラでお姉ちゃんって呼ばれるの妙にくすぐったいじゃんか)」

 

 少しそわそわしながらも、そんな自分の鼻をつまんで「ん~!」と気合を入れるキャンディス。独特な気合の入れ方である。思わず苦笑いするブルーだったが、そんな彼にすぐさま腰元から神聖弓を形成すると、チャージもほどほどに雷撃の矢を放つキャンディス。

 “T-雷霆-(ザ・サンダーボルト)”キャンディス・キャットニップ。能力はその名の通り、電気や雷を操作する能力だ。自らの霊子をベースに転換したりと攻撃性に関しては応用の幅が広く扱いやすそうである。

 

「ガルヴァノサイクロン!」

  

「新技だな」

「おぉ~、どっ派手ぇ!」

 

 そしてブルーがその矢を避けるより早く、次弾の雷撃の弓を間髪入れずに連射! 矢自体はあらぬ方向に四方八方放たれるが、まるで「避雷針」か何かのごとく、初段の矢の方向へとつられるように、ブルーの周囲を覆い旋回し、そして着弾。

 びりびりしながら「あばばばばばばば」とカートゥンコミックのように痺れるブルー。「ブルーくそ雑魚みたいで可愛い~♡」とあんまりな感想を言うジジに、隣で飽きれるリルトットはともかく。例によって「銀色に輝き」、すぐさまその電撃状態は解除された。

 

「じゃあ今度は僕の番……」

「おぅ、来るかウ〇ヴァリン!」

「いや確かにそれっぽいけど、その呼び方流行ってるの!?」

「恰好良いならいいじゃんよ! こーゆーのはノリと勢いが良い方が勝つって昔っから決まってるんだ!」

 

 思わずツッコミを入れながら接近するブルー。既に両腕からは鉤爪を作り出し、それを構えて斬るように動く。右手を振り下ろす、と同時に左手の小手先からは球状の神聖滅矢を射出した。

 もっとも、機敏な動きでそれを回避するキャンディス。良く見ればブーツのかかと付近へと、聖隷で稲妻模様のブースターのようなものを作り出し、飛廉脚の移動速度を向上させているようだ。

 

「地力そんなに高くないから、意外とああいう小手先の技術はしっかり使うんだよなァ」

「キャンディちゃんも努力家だよね~。完聖体にも全然満足してないみたいだしさ~?」

 

「いいじゃんか、結構楽しい! ガキの頃だったらあっという間にぶっ倒せそうだったけど、ちゃんと歯ごたえある男に育ったじゃん!」

「え? あ、うん。ありがとう?」

「何で疑問形?」

 

 ちなみにその視線が割とばるんばるん揺れるキャンディスの露出過多な上半身の一部分へと向けられていることに気づかないくらいに、キャンディス本人は戦闘訓練として真面目にやっているらしい。ブルーに関しても決して不真面目と言う訳ではないのだが、いかんせん彼女の服装は色々とお色気が強かった。気が散ってちょっとやり取りが適当になっちゃうのも仕方ないね。

 

「それって、銀色のやつ。名前とか決まってるんの?」

「うん。えっと……、使う時にどうも血がメインで銀になってるみたいだから、血を吹き付けて銀になって強化されるー、みたいな感じで。心音流血の銀による蒸着(ビートプレッシングオブシルバー)とかにしようかなって――――」

「長いじゃん!? いや覚えられないって、もうちょっとシンプルにしなよ。あたしも一緒に考えるから。これでもそういうの得意なんだっぜ♪」

 

 そしてキャンディス、リルトットとも別軸で普通のお姉ちゃん的な振る舞いを始めていた。ジジにしても「意外と女の子」だという判定があるので、このあたりは不自然な振る舞いではないのだが、そこまで強い駄目出しでもなく一緒に技のネーミングとかを考えてくれる付き合いの良さに、意外なものをみたとちょっとびっくりした顔のブルーである。

 

 そんな風に色々と話し合いながら近接戦だったり遠距離戦だったりを繰り返していると、約二名が階段から下りて入場して来た。

 

「お~、なんかまたやってるな」

「バンビエッタは……、居ないね! ヨシ!」

  

 トサカのようなモヒカンを撫でつけてブルーたちを観察するバズビーと、びくびくしながら周囲を見回しているベレニケである。また妙なタイミングで来るなと思いながらも、リルトットは思わずといった形でツッコミを入れた。

 

「今頃地獄みたいな話し合いを別なところでしてるから気にすんな」

「そ、そうなのか? ふぅ…………、寿命が縮まるよ」

「トラウマになってるじゃねェか、ベレニケお前……」

「あれでも少しはマシになったんだがなァ、頭バンビエッタのサイコビッチ」

「本当ねー! ちょっとはマシになったよね、髪の毛一本の毛先くらいさー! ねー! ねー! ねー!

 ――――――――ケッ」

 

(闇が……、心の闇が隠しきれてないよジジさん!?)

 

 最後のオノマトペのところだけ壮絶に死んだ目をして苦悶の表情を浮かべ吐き出すように言ったジジの姿を目撃したのは、幸い遠方からチラ見していたブルーだけであった。 

 

 さて、そんな訓練も段々飽きて来たのか「もうちょっと強いやついくぞ!」と気合を入れ直して、叫ぶキャンディス。そんな彼女に合わせて、ブルーも自身の能力名を叫ぶ。

 

「――――“神の雷鳴(サガタニトート)”」

銀の蒸着(シルバープレッシング)!」

 

 完聖体の光の柱が伸びる。

 対するブルーは、右手の鉤爪を変形させて剣に。それぞれ左右90度折れ曲がり、真ん中の爪は姿を消し、刃同士の中間へ銀色の血が満ち満ちて一本の剣のような形に。以前、グレミィの造り出した「白昼夢」という「(げんじつ)」を切り裂いた、あの剣だ。

 

「えっ?」

「オイオイ」

「うっそ~!?」

「マジかよ」

 

 さて。いかにも変身中というところである彼女に、ブルーは特に気にせず接近し、未だ「防御膜」の役割も果たす光の柱が消えるよりも先に、思いっきり「切り裂いた」。変身途中というところで、未だ霊子が羽根と聖隷の証たる五芒星の輪を形成しかかっている途中での思い切った一撃。まさか攻撃が貫通されるとは思っていなかったこともあり、キャンディスも、同様から反応が遅れる。

 そんな彼女へ向けて、ブルーは鉤爪を解除した左手で殴るようにその隙間に手を突き入れ――――。

 

「――――――――っ、え、えいっ」

「ひゃんッ!?」

 

 直前までは完全に殴るモーションだったが、途中で急減速して指先を突き出し、わき腹を「ちょん」とつついた。

 思わず変な声が出たキャンディスであったが、羞恥で顔を赤くするよりも先に後退するブルーへ「ど、どんな顔したらいいか分かんないじゃんかっ!?」と微妙なキレ方をする。

 

 ついでに柱が砕けて露わになったキャンディスの姿は、稲妻を模した羽根が背部に二つずつと、両肩に雷の球が形成されていた。

  

「な、何で殴るの止めたのさっ! 意味わかんないじゃんか」

「えーっと、ね? …………ちょっとセクハラみたいになっちゃうから言いたくないんだけど」

「早く言えッ!」

「………………お肌綺麗だから、普通に汚すのがもったいなくて」

「えっ――――――――?」

 

 急速展開。ちょっと照れたように言うブルーのその仕草に、謎の不意打ちを喰らったキャンディスは思考停止。ジジはそんな彼女を見て舌なめずりをし、リルトットは「やっぱりハーレム野郎狙ってるか?」と呆れ気味。ベレニケは「戦闘中にああ言える度胸は、果たして培われて良かったものなのかどうなのか……」と悩まし気にため息をついた。 

 なおバズビーは「あの剣みたいなの、使えるな……」と酷く真剣な顔でブツブツつぶやいている。明らかに彼も彼で、何かしらの私怨が隠しきれていないが、この場の面々は察するところがあるのか特に言及せず気前よくスルーしていた。

 

「そ、そそそ! そんなこと今更言われなれてるから、恥ずかしくなんかないし! 真面目にやれってば、ブルーもさ! 戦場だったら死ぬじゃんかッ!」

「大丈夫、僕、不死身っぽいから」

 

「傲慢さがヤベェぞあのガキ」

「個人の不死性だったらボクよりブルーの方が高そうだしね~実際」

「そもそも『死なない確証がある』ほど死んでいる現状の方に疑問を持つべきと異議を唱えたいが……?」

「そういう文句はバンビに言えよハゲ野郎ォ」

「僕はまだハゲてはいないからね!? 染めてても現状は霊体がベースだから頭皮も痛まないしワックスのカスも出ないし!」

「ヒートアップするのがそこで良いのかベレニケ?

 …………うん、『背信の剣』だな。滅却師の能力をぶった切る武器だから、背信者の剣」

 

 意外と古風なネーミングをするバズビーであるが、実際この訓練の後にそのネーミングが採用されたりする。が、この時点では特に興味が無いのか、誰もツッコミを入れなかった。

 どちらかと言えば、リルトットはもっと別な部分に気が回っている。

 

「そんなことより、バズビーお前ちょっとツラ貸せ」

「しゃがめってことか? 別にいいけど」

「なになに、ナイショ話~?」

「お前はあんまりカンケー無いだろ、『ゾンビの力のタネ』が別なところにあるからよォ。

 どっちかっつーと、対策みたいな話か? 滅却師の能力、聖文字だけじゃなくってこれから無効化されるってのも考えておいた方がいいかもなァ。ブルーだけじゃない、死神や虚にそういう力持った連中がいても不思議じゃねー」

「あ゛? 何だって。普通、ああいうのは無理だろ? ユーゴーだって、ブルーくらいなものだって言ってたし。同族の能力に強いっていうのは」

 

 っていうかどう考えてもバンビエッタのせいだろあそこまで強く無効化するの、というバズビーの台詞に肩をすくめて、しかしリルトットは真面目な表情を崩さない。

 

 

 

「有り得ないって切って捨てて死んだらマヌケやんよ、トサカ野郎ォ」

 

 

 

 髪型への直接的な侮蔑にキレ気味の表情になったバズビーを「まあまあ」となだめた後、ジジはリルトットに詳細を聞く。

 

「要は学者とか研究者とか、そんなモンいたら拙いって話だ。下手すると『虚へ耐性が無い』こっちの生態とかも割り出されるだろ」

「研究者? それって、浦原喜助? 情報(ダーテン)にあった」

「だけじゃねェ。虚の方にもそういう変わったのが居ないとも限らないし、何より一番恐ろしいのは死神の方だ。

 ここ百年内で帝国所属でもない滅却師がどれくらい狩り殺されたかって話だろ。片手じゃ済まないってんなら、明らかに研究材料とかにされて色々探られてるって見た方が良いって話」

 

 死神の方のヘッドは色々と狂ってるタイプだろォ映画みたいに、と語るリルトットに、バズビーは半信半疑、ジジの目からはハイライトが消失していた。何かしらジジ本人のトラウマに抵触したのだろうか、喉元のあたりを両手で覆って「大丈夫、大丈夫だよね」と繰り返し呟いていた。

 

 なお戦闘のみに限って言えばその後、キャンディスが雷球から放った大砲めいた雷撃も、あっさりとブルーの「背信の剣」に切り裂かれて無効化されたりして「もっと鍛えないと駄目かな……」と少し落ち込んだり。代打として入ったベレニケと弓合戦をして遊んだりと、割と充実した一日だったりした。

 

 そしてそんな訓練明け、ミニーニャと一緒に帰ってきたバンビエッタが、セーラームー〇的なアニメのVHS(※まだDVDなど出ていない時代)を両手に持ってホクホクしながら、バンビーズ三人に宣言した。

 

 

 

「今から変身シーン作るよ、皆! あたし達がいかに最っ高にキュートでポップでファンタジーなのかを、相対する敵に知らしめながらぶっ殺すって感じよ! 色もみんな違うしね!」

 

 

 

「また意味わからないこと言ってるじゃんか……」

「ブルーの話してたんだよね? 何でそんなオモシロ展開になってるのかなー」

「キュートでポップでファンタジー? ファンキーでヴァイオレンスでクレイジーの間違いだろビッチ」

「ごめんなさい、私じゃバンビちゃんは止められなかったの~」

 

(そう言いながら僕を椅子に縛り付ける時ノリノリだったよねミニーちゃん……、やっぱり能力使ってなくてもパワフルだよね。腹筋とかうっすらだけど割れてるくらいだし)

 

 そしてそんなことを言われながら、部屋の隅で「審査員」と書かれた椅子に縛り付けられているブルーは、遠い目をしながら身じろぎして脱出を試みていた。

 なお拘束方法は能力などでなくロープでがんじがらめな物理だったりするので、ブルーの「銀の蒸着」効果範囲対象外。なお、わざわざ鉤爪を展開するほどのアレな展開ではないだろうとタカをくくっていたりするため、この後五人それぞれの変身ポーズじみた完聖体発動シーンを見て審査することになった。

 

 審査結果については……、言わぬが花だろうか。一番似合っていたのは、花より団子ではあったのだが。

 

 

 

 

 

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