蒼都になったけどバンビちゃんが死ぬほど面倒臭い(※死ぬ)   作:黒兎可

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連続更新は一旦今日まで、明日から本連載に戻る予定です。

バンビちゃんがあまりに頭バンビちゃんすぎてもはやバンビちゃんとしてキャラ崩壊起こしてるレベルなんだけど、明らかにダイスの出目が頭バンビちゃんすぎてダイスの女神もやっぱり頭バンビちゃんかな? って思うので、結果頭バンビちゃんな行動判定になってしまった所については色々お目こぼしください汗


#003.愛情ゼロの愛情ではない何か(ゼロ)

 

 

 

 

 

「――――んんっ! 良いですかねぇバンビエッタ・バスターバイン、並びにキャンディス・キャットニップ。本日、あなた達は訓練場を破壊、現時点において使用不能とさせました。この罪を裁くため、事情聴取と、ペナルティを決めるための会議を行います。

 担当は私、騎士団長(グランドマスター)から直々に丸投げされましたキルゲ・オピーが努めましょう。

 なお本日、スペシャル審問官としてベレニケ君とリジェ・バロ様に来ていただいておりますねぇ、ハァイ…………」

「――――『君たちのその嘘すべてに異議がある』!」

「…………」

 

 サングラスの位置を調整しながら頭を悩ませた風のキルゲ・オピー。両者に向かって指を向けてニヤリと何やら能力を使った、銀なんだか金なんだか紫なんだか微妙な髪をした青年、ベレニケ・ガブリエリ。腕を組んだまま無言で圧をかける褐色の男リジェ・バロ。

 そんな三人に見下ろされながら、強制的に正座をさせられているバンビエッタとキャンディスである。バンビエッタはいい加減しびれて来たのか涙目であり、キャンディスは意外と余裕があるのか、膝の先でバンビエッタの膝を小突いて震え上がらせていた。

 

「まず、罪状について異議はありませんねぇ……。弁明だけでも、どうぞ?」

「うっせーな。あたし、悪く無ぇ!」

「な、何よキャンディ! あたしだって悪くないわよ絶対!」

「いえいえ、実行犯はバンビエッタ・バスターバイン、教唆はキャンディス・キャットニップとジゼル・ジュエルより聴取は済んでおりますので?」

 

「「アイツ裏切ったッ!?」」

 

 二人そろって立ち上がろうとし、しかし上手く直立できず転ぶバンビエッタとキャンディス。両者ともに、既にベレニケの聖文字“Q-異議-(ザ・クエスチョン)”の「何かしら異議を唱え存在を否定/制限する」能力により、直立歩行を出来なくされていたのだ。その上で正座までさせられているので、完全に体罰である。もっともそんなことだけで反省するならバンビエッタは頭バンビエッタなどと呼ばれていないし、キャンディスもキャンディスで頭バンビーズ(※他称)などと呼ばれていない。倒れながらも特に後悔する様子もなく二人の目がその内心を語っていた。

 

 なおベレニケにより「本心を話したいんじゃないのかい?」などと発言を能力で無理やり強制されたりする。

 

「「バレたことについては後悔してる。次はもっとバレないように上手くやる」」

「ハァイ! 全く反省の色がありませんねえぇぇッ!?」

 

 あんまりにもあんまりな返答。彼女たちにガミガミと当たり前に叱責をするキルゲのそれを適当に流しつつ、バンビエッタは「焦土と化した」背後の光景を見た。

 

(いやー、我ながら派手にぶっ壊したわねぇ…………。まあブルー()が居たところだけは、なんか全然大丈夫そうなんだけど)

 

 焦土と化した訓練場――――霊子で編まれた城の広場が、見渡す限りにおいてその地面が焼け焦げ、ボロボロと崩れ去りかけていた。霊子の隷属を待つまでもなく既に構成がギリギリであり、つまりは大体バンビエッタのせいである。

 

 ことのきっかけは今より数時間前。いつものようにバンビーズの五人で、ブルー・ビジネスシティ(蒼都(つぁんとう)だがバンビはこう呼ぶ)を使ってストレス解消……、もとい訓練をつけていた時の事。

 いつも私刑(リンチ)じゃ面白くないからとくじ引きを適当にし、チーム分け。なおその際、ジジは「今日はなんか疲れてるからボク、パス。審判やるよ~」と適当に観戦に回った。

 

 バンビエッタ、リルトットとキャンディスのAチーム。

 ミニーニャと(つぁん)のBチーム。

 

 それぞれ別れた上での戦闘は、意外と拮抗していた。

 

「あらららぁ? 私の“P-力-(ザ・パワー)”を受け止めますかバンビちゃん~」

「当ったり前じゃない! あたし、毎日そこのサンドバッグで訓練してるんだから、つい最近『大きくなった』あなたにだって簡単に負けたりはしないわ!」

「訓練っつーより、あれは只のいじめじゃねーかなって思うんだけど、俺……」

 

 ガリガリとキャンディを齧っているリルトット。真面目に戦闘するつもりはないのか、テンションが色々高まりすぎてるバンビエッタを抑えるために温存しているのか、自らの聖文字は使用せず適当に矢だけで狙撃してフォローしている。

 

 そんなバンビエッタ、何故テンションが非常に高くなっているかというと――――。

 

「――――しっかしアレよねー。二年くらいしか経ってないのにもうキャンディみたいに大きくなっちゃったんだもの!

 でも可愛いあなたも良かったけど、美人なあなたも大歓迎だわ! ねぇ、ミニー!」

「あ~、ありがとうございますぅ、はは…………」

「ミニー、嬉しくなかったら素直に言っていいと思うよ、あたし」

 

 両腕を広げ空中で、大変楽しそうなバンビエッタに、「女子高生くらいに」成長したミニーニャは困ったように微笑んだ。ため息をつくキャンディスの言葉にも、どう答えたものかという「淑やかな」表情。そのスタイルは既に現時点のバンビエッタに迫る勢い、つい数年前まで女の子というべき姿だった面影はほぼ残っていない。

 この二年――――彼女が聖文字を与えられてから、それこそ蒼都も含めて一緒に訓練に励んだ結果。今ではその能力が馴染んだせいか、その「霊格が上がり」、身体的にも大きく成長したのだった。

 

 なお、その点で言えば未だに小学生くらいの姿をしているにもかかわらず、メンバーの中で一番年上なリルトットは「ケッ」と面白くなさそうに唇の端を「大きく変形させていた」。

 

 

 

 なおそんな状況にあって、既に蒼都は考えることを止めている。

 

 

 

 ――蒼都は――やはりバンビエッタは頭バンビエッタだと強く確信した。静止の銀を身体表面に変化・現出させただけでは諸々の頑丈度合いが足りないほどに爆撃されるため、既にその身の霊子はほぼ静止の銀と別な鉱物の合金へと変化させている。彼の仮聖文字“Σ-鋼鉄-(シデロ)”は、最初に発現した能力は「銀への変化」であったが、鍛錬を続けている内に他の金属への変化を可能としていた。

 ただし痛覚は据え置きのままだ。ミニーニャの“P-力-(ザ・パワー)”に全力で殴られた時など、慣れはしてきたが最悪気絶する。バンビエッタの場合でもそれは同様で、そしてどれほど痛覚にさらされようと死ぬに死ぬことは出来ないので――――。

 ――――そのうち蒼都は、考えるのをやめた。

 

 バンビエッタとミニーニャのおっぱいをガン見しながら。

 

(揺れ…………、たわ…………、わ…………)

「……ッ!? ちょっと、何処見てるんですかぁぁ『ブルー』君はっ! めっ、ですよ!」

 

 と、目ざとく彼の視線が成長した自らのだいぶ大きな胸元に集中してるのを察したミニーニャは、バンビエッタの爆撃爆風を柏手一つで蹴散らし(!?)、足早に駆けてチョップ一発。その一撃で蒼都の足は、膝から下が訓練場の地面に埋まった。

 元の外見年代を考えればそこまで不可思議な距離感ではないじゃれ合い方だが、現在の外見から言えば幼児虐待も甚だしい。そこに気が回っていないのか、それとも気にしていないのか。なんだかんだ言って、ミニーニャもまたバンビーズの一員らしい感性をしているらしかった。

 

 なお、その結果が現在のバンビたちの状況に繋がる。

 

 

 

『――――“神の癇癪(ヤルダハトケフ)”!』

『えっ? ――――ッ、“神の独裁(ヤショリニアン)”!』

 

「ヤバ!? いやお前等何考えてんだよ! 俺、庇わないからな!」

「いいぞー、やっちまえバンビ―!」

「(これ後で絶対怒られる奴だ、逃げよっと…………)」

 

 テンションが上がり切ったバンビエッタが、訓練なのに周囲の被害含めて後先一切考えず滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)を発動。つられてミニーニャも悲壮な顔で発動し、両者ともに背中に光の羽根と冠をまとう。

 燃え散りなさい! とけらけら笑い、羽根から大量の弾丸というべきかを雨あられのごとく振り散らすバンビエッタ。一方のミニーニャは、敵側にいるリルトットにアイコンタクトすると、すぐさま自らの羽根からハートの鏃の矢を放ち、彼女に「食べさせる」。

 直後、大慌てで蒼都の背後に回り込み、彼の背中にもう一つ矢を刺しそのまま抱き寄せた。

 蒼都に痛みは走らず、不思議そうに彼女を見る。…………間近にあるミニーニャの顔に、少しだけ照れているようだ。

 

(顔近……っていうか良い匂いがするな、この子。お胸も大きいし。性格は割と破綻してる側なのに…………って、そんな場合じゃないや!? )

 

「(ぜ、全力で防御お願いしますぅぅぅ……!)」

「わ、わか()った……!」

 

 と、硬化させた全身の金属を「さらに延長させ」、まるで小さい金属のシェルターのように成型。そこにバンビエッタの爆撃が降り注ぐ前に、リルトットが生成した矢を蒼都の作ったシェルターに向けて狙撃した――――。

 

 果たして、本来なら蒼都といえど一週間は行動不能になるその大瀑布がごとき炎の泉は。かろうじて蒼都が作り上げた「耐火金属」のシェルターにより阻まれ。

 そして、それ以外のエリア全域が全てボロボロの有様となった。

 

 

 

 かくして城の修復のための資材集め(霊子を使用するため器子ではない強力な霊体集め)を一週間命じられたバンビエッタとキャンディスであるが、当然のように二人そろって真面目にやる気は無かった。

 

 というか、解散早々に愚痴を零し合おうと思ったバンビエッタは、目を大きく見開くことになる。

 

「き、キャンディ、あなたそれ誰よ!? 誰なのよ!!?」

「ははーん、悪いわねバンビ。あたし、もうおぼこ(ヽヽヽ)じゃないんだ」

 

 性格の良い感じに嗤うキャンディス。この時ばかりは普段バンビエッタに対してマウントをとってご満悦といったところだ。一方のバンビエッタは、呆然とした様子でふらふらと壁に寄りかかり、頭を押えている。

 

 何がそんなに衝撃的だったのかと言えば――――キャンディスに「男が出来た」のだ。

 

 なお、名前は別に興味ないらしい。

 

「あたしの配下とか補佐に回った男共の中で、ちょっと『興味ある』感じのがいたから、ちょちょいと味見(ヽヽ)を…………、ね?」

「な、何でなのよ!? あたし、あなたとは別ジャンルで可愛いじゃない! おっぱいだって大きいし! 脚だってむちむちしてるし! なんであなたばっかり、ずーるーいー!

 なんであたしの所にはイケメン来ないのよおおおおおおおお――――ッ!」

 

(そりゃ来るわけ無ぇだろ、そっちの評判最悪だぞこの頭バンビエッタ)

 

 本気かよという目で嘆くバンビエッタに返すキャンディスと、明らかに反応に困った彼女と腕を組んでいるイケメン滅却師。既に幸か不幸か、彼女の見てくれの良さはともかくその本性にある残虐性が広まっていた。主に幼児(蒼都)をサンドバッグにして遊んでいる光景が日常的に見られてしまっていたため、仮に付き合ってもその時々の気分で最悪殺されるんじゃ…………、と悪評が先行しているのである。つまりは自業自得だが、そのあたりに何ら自覚も罪悪感もないバンビエッタであり、そんな彼女にまたイケメンが引いていくという悪魔の永久機関が出来上がっていた。

 さらに、実際に「そういう」状況になったらバンビエッタの行動なら、まさに真実そのものである。バンビーズの面々からも当然肯定されているので、原作と異なり彼女はイケメンと縁がなかった。やったね! まだキャンディスの方が扱われ方がマシだよ多分!

 

 あからさまに落ち込むバンビエッタに同情したわけではないキャンディス。これ後で凄ぇ面倒臭ぇやつだなぁ、とか嫌々思いながら、慰めの言葉を発する。

 

「そんなに男に飢えてるなら、ブルー(ヽヽヽ)育ってから妥協すればいいんじゃねぇの? 初めてはどうでも良い相手とするって相場は決まってるし(あたしは違うけど)。

 まあ、ブルーだったらあたしも顔がタイプじゃないから、大きくなっても手は出さないし」

「……? 何言ってるのよキャンディ。ヒトはサンドバッグと恋愛とかしないのよ?」

 

 三度、コイツ正気か!? と現実を疑うような表情となったキャンディスは、立ち眩みを起こしてイケメン滅却師に抱えられ、おそらく私室へと運ばれていった。

 

 

 

「はぁ~~~~、あたしもイケメンと出会いがあるといいなー。どっかに転がってないものかしらね、適当に『散らしても』後腐れなく殺せるイケメン。あたしの『奪って』『見て』『好きにする』とか万死だし」

 

 既に発言が最初から最後まで頭バンビエッタすぎるバンビエッタである。廊下を歩きながらそんな物騒なことを言うから、通路の向こう側で歩いていた一般滅却師たちが「びくり!」と震わせて道を引き返すのだ。

 こうなったらブルー(蒼都)で暇つぶしでもするかしらね、と。そう思って彼を探そうとして、見つけた。

 

「で、最近どうだぁ? 前言ってた安眠グッズは、それこそ羊さんがおねんねするよりも早くなんとかなったみたいだし」

「うん。みにぃ(ミニー)おっ()きくなった」

 

(げげぇ、アスキン・ナックルヴァール…………!?)

 

 自分よりも序列が上の滅却師の男性。どこか包容力のありそうな余裕ある雰囲気だが、言動が独特すぎてバンビエッタ的には歯牙にもかけない相手だ。ただ以前に試合をしたときに基礎能力でコテンパンに倒されてしまったことがあり、以来苦手意識がある。もっとも完聖体を使えばまた事情は変わってくるが、そこは割愛。

 基本的にバンビエッタ、自分の命が何よりも大事な女だ。仲間意識こそゼロでない程度にはあるが、それはそれとして別問題である。

 

 そんなアスキンが、お気に入りの蒼都(サンドバッグ)と何やら話している。何か変なこと言わないでしょうねぇ、とバンビエッタはコソコソ隠れながら話を聞いていた。

 

「ただ、おかあ()さんとか、()らないから、なんか、さみ()しい」

「致命傷だなぁ……。ブルーって呼び方の時もそうだったけど、アイツらがお前を構ってるのはラブじゃないってーのは、十分判ってるみてぇだな」

 

(余計なお世話よっ! ……って、やっぱりママに甘えたいんでちゅね~ブルーちゃんは~)

 

 完全に嗜虐的な笑みと怒りを浮かべるバンビエッタだったが、そんな彼らにリルトットが声をかけて会話に混ざった。どうやらお菓子を倉庫へ取りにいった道中であったらしい。たまたまではあるが、ブルー(蒼都)とアスキンという組み合わせに興味が湧いたようだ。

 

「ミニーニャに枕あげたの、お前だったのか。アイツ、あれだけはスゲー大事にしてっからな? バンビに取り上げられそうになっても、しっかり抵抗してるし。……あなたのものはあたしのもの! とか言わないで、フツーに借りりゃ貸すだろうにアイツだって……、いやどうせパクるから駄目か」

「致命的じゃねーか。……でもミニーニャは、オシャレさんじゃねーの」

 

(ちょっとあのDのやつ、何言ってるか意味がわからないわ)

 

「ま、元気そうで何よりだよ。俺たち結構、お前のこと雑に扱ってるけど、頑丈だからかバンビも中々手放さないしなぁ……。苦労はかけてる」

「オシャレだねぇ、R・R」

「L・Lな? イニシャル。Rだと違う奴と被るだろ。

 ……ま、俺も止めると後面倒臭いから、別に何もやってやらないけど」

「致命傷だねぇ……」

 

 言いながら頭を撫でるリルトットに、見上げながら蒼都は「リルおねえ()ちゃん、ちょっとまとも!」と楽し気に笑った。自分にはほとんど見せたことのないような、楽しそうな笑みである。

 

(なんであーゆー可愛い表情は見せないのかしらねぇ、あたしには……。その表情以外できないようにしてあげるのに)

 

 そういう所が頭バンビエッタなんだぞ頭バンビエッタ。

 

 その後、騎士団に馴染んだかと言う話題でベレニケを「へん()あたま()」呼ばわりして爆笑されたり。アスキンは流石に「本人のオシャレなんだから、言うんじゃないぞそーゆーことは」と笑いながら諭していた。なおバンビーズ2名は即落ちで噴き出している。

 

みにぃ(ミニー)ちゃんも、へん()いろ()してる」

「そーゆーこと言うなよ? 流石にあのゴリラ力に殴られたくないだろお前も……。

 って、そういえばだけどお前さー。俺たちの中で誰が好きなんだ? いまいちバンビが振り回してる印象しかねぇから、ちょっと気になってる」

「致命的じゃねぇか………………?」(※振り回してるのはバンビーズ全員なため)

 

 リルトットのその質問に、バンビエッタも多少は興味を惹かれる。そわそわと半眼で蒼都の長い前髪を見つめている。別にそのテの感情ではないが、彼女なりにお気に入りのサンドバッグの動向は把握しておきたいらしい。

 

みにぃ(ミニー)ちゃん、()っきくなってきて、()き」

「あ~、まあ妥当って言えば妥当なのか?」

「おっぱい」

「スケベじゃねぇの」

「オイッ」

 

 満面の笑みでペシリと頭に軽くチョップを入れるリルトット。言外にお前は対象外だと言われたような流れである。もっともそのタイプのいじりは慣れているのか、子供の戯言だからか、彼女もまた軽く流した。

 なおバンビエッタ、「おっぱい大きければ何でもいいのアイツ……?」と謎の危機感をあおられる。

 

じじ(ジジ)さんは、やさ()しいけど、ずれ(ズレ)てるからちが()う」

「ズレてるって『判ってる』のかお前? っていうか感想が結構容赦ねーなー、ハハ。

 胸って言えばキャンディスとかバンビもだけど、そっちだったらどっちだ?」

「…………、ばんび(バンビ)ねえ()ちゃん?」

「何で疑問形なんだ」

 

(何で疑問形なのよ……?)

 

 そんなバンビーズ二名の疑問はともかく、色々と話を聞いていたせいもあってかアスキンはいち早く、その理由に気付いた。

 蒼都が髪をいじりながら、照れたように言う。

 

「おねえ()ちゃん、ひど()いけど…………、かみ()いっしょ(一緒)だから。ほんと(本当)の、おねえ()ちゃんとか、おかあ()さんって、いたらあんなきれい(綺麗)ひと(ヒト)だったら、いいなって」

 

 想像以上に重い理由だった。なお蒼都の人格的にはその場で即興でそれっぽい理由をでっち上げただけである。彼にとってバンビエッタはほぼ容姿スタイルだけが全てだった。ただそれは当然外には伝わらない。そっか、と少しだけ寂し気に笑いながら頭を撫でてやるリルトットと、致命傷だぜ……、と目元を手で覆い、天井を見上げるアスキン。

 

 そしてそんな彼らを見ながら、バンビエッタは視線を下に下げる。

 両手で自分の、最近また久々に育ってきた胸を持ち上げながら。

 

(…………ふぅん、こんなモノそんなに良いのかしらねぇ……。まあ? ママがそんなに恋しいっていうんなら……)

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 そして後日。

 

「バンビお前…………、そーゆー趣味だったのか。俺、ちょっとお前のこと誤解してた」

「わわわ~~~~! そ、そういうのブルーにはまだ早いと思いますぅ! まだ本当に幼児じゃないですかぁぁ!?」

「バンビちゃん、流石に『迎えてない』子供相手にそれは……(ドン引き)」

「……………………」(※対抗意識煽ったあたしが悪いのかな? 的罪悪感の表情)

 

「ち、違う違う違う! これは、そう! 日ごろサンドバッグとしてしか使ってなかったから、ちゃんと機能が爆裂とかしないで『生きて』るか確認してみようかなって――――」

 

「「「「だから早すぎるわ!」」」」

 

 バンビエッタの私室にて。全裸のバンビエッタが泣きじゃくる蒼都を胸であやしつつ、その視線と手が「ナニか」に伸びようとしている瞬間を目撃され、しばらくいじられることになった。

 

 なおバンビエッタから蒼都に対する好感度の種類は、切れ味が良くて持ちやすいお気に入りの百均で買ったマイはさみ程度のものである。

 

 

 

 

 




※完聖体については以下ですが、OSR師匠側で情報公開されたらそちらに併せるかも予定です
 
バンビちゃん:神の癇癪(ヤルダハトケフ)(少女の発作→癇癪)
ミニーちゃん:神の独裁(ヤショリニアン)(単刀直入→パワーは全てを解決する)
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