現在、ミリシタで開催されているミリオンキャスティングの『生き残りゲーム』で、「地味な大学生」役に星井美希を選び、「ネット配信者」役に伊吹翼を選んだ妄想SSです。
 ちなみに、投稿者は翼P。

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ミリオンキャスティング『生き残りゲーム』 「地味な大学生」星井美希&「ネット配信者」伊吹翼の妄想

 果たして、いつの間に眠っていたのか……。

 星井美希が目を覚ました時、その辺りの記憶は非常に曖昧で、何も思い出すことができなかった。

 唯一、確かであるのは、自分が見知らぬ場所のベッドで寝かされていたという事実である。

 

「ここ……どこかのホテル……?」

 

 ずきりと痛む頭を押さえながら、周囲を見回す。

 一介の大学生に過ぎない美希は、利用した経験がなかったが……。

 この部屋は、テレビで見たビジネスホテルの一室を思わせる造りであった。

 

 ただし、窓はなく、外の景色を眺めることはできない。

 だが、壁掛けの時計は存在するため、現在が午前六時であることはうかがうことができた。

 もっとも、この時計が正しいならば……の話であるが。

 

「スマホが……ない」

 

 それを確認すべくジーンズのポケットをまさぐり、その事実へ気づく。

 いや、スマートフォンだけではない……。

 財布やバッグなど、持ち歩いているはずの品々は室内のどこにも見当たらなかった。

 

「ドアは……」

 

 出入り口だろうドアに向かい、そのノブを掴む。

 しかし……。

 

「開かない……施錠されてる……」

 

 どうやら電子ロック式らしいそのドアは、押そうとも引こうとも動くことはない。

 

 ――拉致監禁。

 

 その四文字が脳裏を掠めたのと、室内に声が響き渡るのは同時のことであった。

 

『あ、美希先輩もう起きてるー!

 さっすが、調達班の人たちは仕事が正確!

 わたしの方が寝坊しちゃったー!』

 

「この声……もしかして、翼?」

 

 聞いていると耳朶の奥をくすぐられるような甘ったるい声には、聞き覚えがある。

 

 ――伊吹翼。

 

 大学のゼミにおける後輩だ。

 とはいえ、交流はそう多くない。

 チャラチャラとして、なんだかムカつく後輩……。

 美希にとって彼女はそういった人物であり、地味な大学生に過ぎない自分とは対極的な人種と思えた。

 それゆえ、強いて接点を持つようなことはせず、距離を置いてきたのである。

 

 ――そんな後輩の声が、なぜここで?

 

 そう思いながら室内を見回すと、さっきは気が付かなかったが、天井部にはスピーカーが備わっており……。

 それだけでなく、コンビニエンスストアの防犯に使われるようなカメラが取り付けられていた。

 どうやら、翼はこのカメラを通じてこちらの様子を見ているのだと直感し、レンズに顔を向ける。

 

「一体、どういうこと?

 あなた、私に何をしたの?」

 

『ん~、それを説明してもいいんですけどー。

 まずは、洗面所で鏡を見てもらえますかあ?

 きっと、気に入ってくれると思うなあ』

 

「鏡……?」

 

 スピーカー越しに告げられ、脱衣所へ続くと思わしきドアを見た。

 いぶかしみながらもそれを開くと、やはりそこには、予想通りの光景が広がっており……。

 ともかく、言われるままに壁へかけられた鏡を覗き込む。

 覗き込んで、驚く。

 

「これ……私……?」

 

 鏡の中にいた人物……。

 それは、星井美希であって星井美希ではなかったのだ。

 

 茶髪だった髪は金色に染められており……。

 しかも、異常な状況だったため意識していなかったが、ウィッグによって腰まで届く長さとなっている。

 

 地味な大学生とは、程遠い姿……。

 まるで、テレビで見るアイドルのような姿がそこにあった。

 

『あは、どうですかー?』

 

 浴室の外から翼の声が響き、慌ててそちらへ戻る。

 

「ちょっと! どういうこと!?

 こんな場所にさらって、こんな格好にして……。

 あなた、本当にどういうつもり?」

 

『え、へへ……。

 美希先輩を、輝かせてあげようと思ってー。

 それに、普段の先輩だと、いい画が撮れないんですもーん』

 

「いい画……?

 これ、撮られてるの?」

 

 全身をおぞ気が走り、室内に目を向ける。

 もしかしたならば……。

 今、話しかけているこのカメラ以外にも、盗撮しているカメラが存在するのではないだろうか……?

 それは、決して心配し過ぎとは思えない直感であった。

 

『それじゃ、あらためて最初の質問に答えまーす。

 ……大丈夫、美希先輩ならきっと、生き残れる。

 だって、わたしもそうだったんだから……』

 

「翼……?」

 

 一瞬だけ、垣間見えた後輩の胸中……。

 しかし、そのことを聞く前に、スピーカーから続く言葉が放たれる。

 

『説明始めちゃいますよー! 聞き逃さないでくださいね?

 題して、狩りのレッスン初級編!』

 

 ……これが、星井美希の巻き込まれた恐ろしきゲームの幕開けであった。


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