雨中紀行〜sleepless rainy days   作:お茶会おじさん

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なかなか良いのができません。
 戦闘形式はstgだと思ってください。分からなかったら、何でも良いんでstg買って下さい。

 前回、ぐだぐだした終わり方だったけどちゃんと話は続いていますよ?前回で見切りをつけた人はしおりを挟んでるんでしょうか。おっと、戯れ言が過ぎました。では続きをどうぞ。


4.旧い神が呼んだ風の中

 戦いといっても、晶には今までクラスの友人と揚げパンの取り合いになって取っ組み合いになった経験しかない。格闘技はもちろん、筋トレさえしていない晶だったが、傘の照準を帝釈天に合わせた瞬間になんとなくだが、この場の全体の様子が見えるようになっていた。

 

「おお!なんでかは全く分からないけど、なんか上手く『戦える』気がする!」

 晶は調子に乗って、アニメで見たような構えを取ってみる。

 

「いや、なんか違うな。こんな感じかな。」

 傘を前に突き出すようにして、体を横向きにする。この姿勢なら前から攻撃が来てもすぐに攻撃できるだろう。時差際のところ、晶は"なんとなく"でこの姿勢を取ってみたのだが、体と銃口を一直線に揃えることが出来るこの形は、この場面においては最も有効なものだった。

 

 

「変なことをごちゃごちゃと!さっさと吹き飛ばされろ!『暴風波』」

 

 帝釈天は風に乗せて緑の光弾を飛ばす。全盛期から果てしなく力は落ちているとはいえ、この程度の神の中では十分な力を持つものであった。

 

「へっ!そんな見え見えの攻撃が当たるわけねぇだろ!」

 

 俺は飛んでくる風を躱しつつ弾を撃つ。風によって方向がいくつか狂わされるが、大量に撃っているため何度も帝釈天に直撃する。

 帝釈天は顔を久しぶりの痛みに顰めつつ、風の強さをさらに強めていく。しかし、晶がぎりぎりのところですべて回避していくので、なかなか優勢に持ち込めることが出来ない。

 

「くそッ!人間のくせによくやるじゃねぇか!次だ!『怒りの又三郎』!」

 

 風が進行方向を変えて、帝釈天を中心に集まり渦を作り出していく。そして集まり切った風がその勢いのまま膨張し、まっすぐ晶へと向かってくる。晶は傘を開いて光弾を弾こうとするが、傘を開いたことが仇となり、そのまま風力に押し負けて飛ばされてしまう。

 

「グッ……!」

 

「馬鹿か?いや、馬鹿だな!傘を開いちまったら風を受ける面積が大きくなるってことに気づかなかったのか!?」

 

「言わせておけば……っ!」

 

 状況が一変し、自身の不利に気づいた晶は傘を思い切って閉じ、頭を地面すれすれに近づけた。

 

「どうした!謝罪か?今更だな!」

 

「はッ!ちげぇよ。こうするだけだ!」

 

 晶は身体をできるだけ丸めて、銃口の先端を"風の隙間"に入れこみ、一瞬の無風状態を探す。風が一度帝釈天に集まって、再び放出されるその隙。そこで一気に打ち込めば相手の姿勢を崩せる。

 

 何度か光弾が頬をかすめる。しかし、それでも目を開いたままタイミングを探る。

 そして、

 

「ここだ。」

 

 風が再び向かってくる前に引き金を引き切る。溜めに溜めた衝撃が帝釈天の手を撃つ。

 

「グッ……!!ッハ……!」

 

 帝釈天はその痛みに驚き、風を離散させてしまう。風が一気に止んで、動いていた光弾が停止する。

 

「さぁ、どうだ?それでよく神様だなんて名乗れたもんだな!」

 

「…………お前、本当に恐れを知らないというか、知識がないんだな。……これで終わらせてやるよ!……簡単に言えば一回死んどけ。というか死ね!『古戦場の壊滅風』!」

 

 今度は暴風が上空からやってきた。雨が信じられないほどの速度で地面に叩きつけられている。それに加えて町中から様々なものが吸い上げられてその渦の中に取り込まれていく。ビニール傘、バケツ、街路樹、葉っぱ、タイヤ、川の鯉など、その種類は様々だった。それらがまだ落ちてくることはないものの、このまま時間が経てばこのあたり一帯に被害が出るのは確実だった。

 

「……こんなときにこんなこと言うのってあれだけど、初めからこういう強い技を使っておけばいいんじゃね?そのほうが早く終わるし……。」

 

 帝釈天にその言葉は聞こえていないようで、ただ人差し指を空に向けて叫んだ。

 

「我はかつて天を統べた風神である。今再び命令する。かの人間に我らの怒りを思い出させよ!」

 

 風が圧倒的な暴力を孕んで、晶を押しつぶす。傘もさしていないし、二本足で立っているのに、そのまま押しつぶされるような感覚。

 

「こ、これはなかなか厳しい感じだなっ……!」

 

 晶は傘を振って、少しでも風の隙間を作ろうとする。しかしその努力も空しく、ただただ押しつぶされる。

 そのとき一つの案を思いついた。

 

「風の向きが俺を狙っているっていうのはさっきのと同じだけれど、こんなに強い風がすぐに方向を変えられるわけがない。となると……」

 

 晶は賭けに出る。風に流されながら横に走り、少しずつ円を描くように帝釈天の背後へと回っていく。案の定、風はゆっくりと晶を追跡しており、背後に回るころには風の向きは半周分しか追跡できていなかった。

 

 その位置で晶は弾丸を装填する。さっき打ち尽くしてしまったので、念入りに倍詰めておいた。……そして、風が晶の向きに吹き、帝釈天にも向いている状態になった。

 

「はぁ、案外疲れたな。家から出たばかりだっていうのにな。じゃあな。」

 

 晶は弾丸を連続して撃つ。風によってスピードが増した銃弾は帝釈天が対応する時間を与えない。

 

 ダダダダダダッ!

 

 雨の騒音の中に響く、連続して命中した音。そして風が止み、何かが倒れる音。

 

 

「くっ……。やはり今の時代に我は必要ないのか……」

 

「知るかよ。よし、先に進もう。余計な時間くっちまったな」

 

 

 

     ◆◆◆

 

 

   雫のターン

 

 

 らららら~らら~。ラララ~ララララ~。

 そんな風に歌を歌いながら道路に出た。けど家から出たもののどこに行けばいいのかわからない。

 

 雨が降ってるけど傘をささなくても良かった。お父さんからもらったこの、ちょーれーしほーが勝手に降ってくる雨とか飛んでる神様たちが撃ってくる弾を防いでくれてるからね!

 

 まあ、それはともかく、お兄ちゃんを探さないといけないなあ。どこに行ったんだろう。

 

 ふと花壇のアジサイを見ると元気がないのが分かった。葉っぱが垂れ下がって、花がくすんでいる。

 

 そんなアジサイの元気の無さとは逆に葉っぱの上にいるカタツムリは元気いっぱいだった。あ、カエルもいる。ナメクジもいた。私は、ナメクジよりカタツムリが好きなほうだけど、クラスの人にナメクジのほうが見ていて面白いって言ってる人がいた。

 みんな、ちょっと距離をおいてた。

 

 しばらく雨の雫が音を立てるのを聞いていた。心が少し落ち着く音だった。昔にみんなで旅行に行ったときに泊まった旅館にあった水琴窟を思い出した。

 

「とと、こんなことしてる場合じゃないんだった!」

 私は周りを見渡して歩き始めた。

 

 

   5分後

 

 

「あれ?どこ行けばいいんだっけ?」

 

 お姉ちゃんに聞くために一回家に帰った。

 

 

   3分後

 

 

 走って帰った。玄関が何故か少し重かった。湿気のせいだろうか。行くときは全然そんな感じがしなかったんだけどね。

 

 私はドアを開けてお姉ちゃんを呼んだ。リビングには見当たらなかったので、地下室かな、と思い、階段下に声をかけた。

 そうして返事が返ってきて、お姉ちゃんがやってきた。

 

 どこに行けばいいのかを聞くと、とある神様を祭っている神社がここから南にしばらく歩いたところにある、と言った。そこに晶も向かってると。なんでわかったの?と聞くと、「え、そ、それはさ。えー、……ん。あの傘にさ、GPSをつけてあるからだよ。」

 若干怖いな、と思った。なんだかんだ「ぶらこん」っていうやつなんだな……と。

 

 

 目的地が決まったし、早速そこに行くことにした。

 

 

 歩き出して数分後、風が吹いているのを感じた。歩いていく度に強くなっているなあ、と思っていると色んな小さな神様たちが飛んでいった。

 

 うわー!と言いながら飛んでいくのを見ていると、こっちを見つけたのか、攻撃をしてきた。

 

 あぶないなあ、と思いながら避けて進んでいるうちに風が収まった。それから、葉っぱとか、鯉とかが落ちてきた。今日は雨以外も降るんだな、と思っていた。

 

 さらに歩いていくと、道端に私と同じくらいの男の子が倒れていた。

 

「大丈夫?」

 

 誰かと喧嘩でもしたみたいだった。こんな雨の日なのに、外でわざわざそんなことをする人がいるだなんて。よっぽど暇な人なんだろう。

 

「う、べ、別に大丈夫だ」

 

 大丈夫じゃなさそうだ。とりあえずポシェットに入っていた絆創膏をあげた。

 

「う、ありがと……」

 

 その男の子は、起き上がってケガをしている部分を確認し始めた。お腹に一か所、右の手の平に一か所、胸元に八か所、と、そこそこのケガをしていた。

 

「誰かとケンカしたの?」

 

「う、うん、まあな。そういう感じだな。」

 

「ねえ、名前はなんていうの?」

 

「俺は帝釈天 業風っていうんだ」

 

「……なんだか変な名前だね。」

 

「えっ……。なかなか酷いことを言うな……。」

 

「名前が長いから...天 業風(てん ごうふう)なんてどう?」

 

「おいおい。お前、勝手に改名させようとするなよ。……はぁ、今日は厄日だな。あんな奴に負けるとか、昔の友達に顔向けできないぜ……。」

 

「むう。私の名前は、お前じゃないよ。雫って言うんだよ」

 

「ああ、そうか。悪かったな。」

 

 そこで私は一つのことを思い出した。

 

「あ、そうだ!私、神社に行かなきゃ行けないんだ!ごめんね、また今度遊ぼうね!」

 

「ああ、そう。えっと、神社はあっちの方だ。」

 

 そう言って、左の道をさし示した。この方向にお兄ちゃんは行ったんだろうか?

 

「わかった!ありがとう!」

 

 私はそう言って、指をさされた方向に進んでいった。

 

 

 雨の中っていつもと違う景色みたいだなって思った。すこしワクワクするね!

 

 




二人の話はある程度並行させて進ませます。
投稿までに時間がかかってすいませんね。
ではでは、次のを書いてきます。

 ちなみに、水琴窟ですが、不思議な音がする置物(?)です。一度家の庭に作ろうとしましたが、5分で諦めました。
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