雨中紀行〜sleepless rainy days   作:お茶会おじさん

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 今更ですけど、今までのタイトル見たら、〜の中とか、〜の中に、ばっかですね。なので、変えました~。

 今回から、変えるようにします。


8.紫陽花の園の管理人

 さっきの、花楽の顔がずっと頭に残っている。ヨモヤマを目指して歩いているがなかなか進んでいる気がしない。目的地をセットし忘れたナビみたいだ。

 

 ぐるぐるぐるぐる

 

 足が重いように感じているのが進んでいないように思う一番の理由だろう。

 そう感じるのは、水が靴下にまで浸透してきただけなのか、罪悪感のせいなのか。良くわからない。

 

 頭に靄がかかっているようにも感じる。若干気持ち悪くなってきた気もする。長靴があれば少しは違うんだろうけどな。

 

 

 しかしまぁ、足どりは重くとも道は歩けているので良かった。まぁ、逆に水溜まりを一回も踏まなかったのはすごいと思う。ぼーっとしながらでも案外なんとかなるもんだな。

 そんなことを考えながら歩いていると、目の前に壁があった。

 

 こう書くと、比喩として言っているような感じに聞こえるが、壁は本当に物理的に目の前にあった。

 

 

 当たらなくて良かった。前に電柱に自転車のかごから突っ込んだことがあったがあの時は大変だった。親父に結構怒られた上に修理代が結構かかった。小遣いが2か月分ぐらい無くなったんだよな。いや~懐かしい。

 

 話がそれたね。毎話のことなので許してほしい。ある程度は作者の実体験からきてたりするんだよ。今回のやつは嘘だけど。

 

 

 まぁ、話を戻して。その壁はアジサイ公園の壁だった。確か名前は...あ、あった。「ミヅハノメ公園」と書いてある。

 確かめっちゃ美人な女の人が管理してるはず。この間ラーメン屋で会ったときに、ここで仕事をしているって聞いた。

 

 そういえば、変なことを言ってたな。「花が見えない」って。今もどんな意味かはわからないけど、人生経験豊富そうだし、少し、このモヤモヤした気持ちを聞いてもらおうかな。気が晴れるかもしれない。

 

 と、そんな謎な決めつけをして進みだした。

 

 思えば、その人の名前とこの公園の名前、一緒だな。

 

 俺はニヤニヤしながら公園に入っていった。(きっも、とかは思わないでほしい)

 

 

 ...のだが。中に入って唖然とした。結構な量の神々がアジサイを荒らしていたからだ。荒らしているは低級の奴らばっかだから荒らすといっても出来ることはとても少ないのだが、

 

        「許せん!!」

 

 俺はそう叫び、そいつらを止めに行った。

 

        ~10分後~

 

 

 荒らしてたやつを、ボコボコにしたあと、(物理攻撃が何故か効かなかったので追い払う仕草をしただけだが)俺は公園の中心に向かって歩いていた。

 

 もちろん、あの人に会うためだ。真ん中に行ってる理由としては、大抵そういうところにいそうだと思ったからだ。安直だな~。

 

 それにしても...低級の神々に対してあんなに苛立つなんて。

 

 許せなかっただけだったのかは曖昧になっている。

 

 いらだちを紛らわせるためだったのか。良くわからないが。

 

 あぁ、なんだか嫌な奴になった気分だ。

 

 

 そんなことを考えていると前から声が聞こえてきた。

 

?「あなたは誰?なんでこんな雨の中外にいるの?」

 俺は答えた。

俺「...どーも。阿波っていいます。理由は特にありません」

 

?「いや、何か理由はあるでしょ。あ、あと、あなたさっきからアジサイをダメにしてた子たちをこらしめてくれたみたいだけど、ちょっとやりすぎじゃない?」

 

 そこまで聞き終わってから俺の頭は意味を理解しようとしだした。口があくまで10秒ぐらいかかった。

 

 どういうことだ?何を言っているんだ?目の前にいるのは誰なんだ?くそっ、頭が全然回らない!きっと頭に靄がかかっているんだ。傘で前が見えにくいっていうだけじゃないはずだ!

 

 俺は狂ったようにして地面を踏んだ。泥が跳ね、水が染み込んだ靴に上書きをするかのようについた。

 

 自分が自分じゃないように感じた。

 

 口があくまで10秒ぐらいかかった。

 

俺「おま...あなたは誰ですか」

 俺の頭は一応敬語を使おうと思ってくれたらしい。

 

?「えーっと。私は『弥都波能売 恵』(みづはのめ めぐみ)っていうの。」

 

 この人、あの人じゃない...?

 そう思った俺は思わず、顔をバッと上げた。そこには、雫と同じくらいの女の子が浮かんでいた。

 

 しかし、それを見てもぼんやりとしていた俺は理解出来なかった。

 まずは目の前のその子を良く観察することにした。

 

 ・黄色のレインコート。

 ・背中まで伸ばした水色みたいな髪。

 ・整った顔立ち。

 ・俺より低い身長。

 ・なぜか被っている、アジサイの花のブローチ?がついた帽子。

 ・なぜかさしている水色の傘。

 ・反対の手に持っている青みがかった銀のじょうろ。

 ・そして黄色い長靴。

 

 目についた順番にあげてみたが、変わっているなと思った。特に思ったのは、レインコート着てんのに傘さしてるところだな。あんま、意味ないんじゃないか?

 

 まぁ、分かったことと言えばこいつは、あの人じゃないってことだな。というわけで、あの人のことを知っていないか、聞いてみることにした。

 

俺「お前は誰だ?あの人はどこにいるんだ?おい!教えろ!」

 

 今思えば、かなり怪しいやつだったに違いない。だけど、その子はちゃんと答えてくれた。

恵「え、え~と、姫様は別の場所の花達の様子を見に行きましたけど...2ヶ月前くらいから帰って来ないんです。」

 

 姫様というのは、あの人のことだろう。

 そっか、ここにはいないのか。ちょっと話を聞いてもらおうと思ったのに。はぁ、なんかだるいな。

 

 

恵「な、何か心配な事とか辛いことありませんか?」

 

俺「...なんで分かるんだ...?」

 

恵「つらそうな顔してたから、何かあったのかなって思って...」

 

 こんな子どもに心配されるなんて、俺もよほど顔に出てたんだろう。...ちょっと話、聞いてもらおうかな...?

 

 いつもの俺なら考えないことを考えた。ここからして確実に精神状態が不安定だったのだろう。

 

俺「あのさ、実は、知り合いと喧嘩してさ...」

 俺はそこから、近くのベンチに座り、向かい合って話を始めた。

 

 さっきまで溜まってた、ぐるぐるとした気持ちをゆっくりと吐き出した。話を聞いてもらっただけで、幾分と楽になっていた。

 

 

恵「ふーん、そうなんだ...」

 恵は何かを考え出した。が、そこで俺はおかしなことに気づいた。スッキリしたからか、頭が考えれるようになっていたのだろう。

 

 まず一つめ。何でこの子は浮かんでいるんだ?まさか、人間じゃないのか?

 

 二つ目。何でこんな雨の中ベンチに座っているのに、濡れないんだ?屋根もなく、傘も今はさしていない。

それなのに、濡れてないのは何でだ?

 

 

 そんな疑問に答えるかのように、その子は口を開いた。

 

恵「...私、実は姫様の見習いなんだ。見習いって言っても、一応神様なんだよ?近くの雨ぐらいなら止ませることができるんだ。」

 

 

 俺はかなり、驚いた。何故なら、「こいつが雨の原因じゃん」と思ったからだ。

 話を聞いてるもらっといてなに言ってるんだという感じだが、頭がスッキリして有頂天だった俺は無敵だった。(思考が)

 

 

恵「え!私、そんなに力ないよ!?こんな雨呼んでも、姫様に怒られるだけだし!というか、あなたって結構鈍感だし、思ったことがすぐ口に出るんだね。」

 

 思い立ったが吉日、吉タイム。石の上にも3フレームで、行動ダ。

 

俺「くらえ!『核突(かくづき)』!」

恵「えっ!危なっ!」

 ちっ、かわされた。

 

 その子は、体勢を立て直しつつ言った。

恵「さっきの続きだけど、あなたはその人に謝らないといけないよ!はい、以上!というわけで、召喚!『動かぬ線上降水帯』!迷惑をかける人に、花を見る権利なんてないよ!さぁ、公園から出ていって!」

 

 

 その子が技を唱えた瞬間から、強い雨が降りだした。俺はここにいてもやられるだけだと、なぜか判断し、逃げ出した。

 

 傘で雨を防ぎつつ、出口を目指した。途中、転びそうになったり、水溜まりに足を突っ込んだりしたが、なんとか公園から出ることが出来た。

 

 

 公園の門から出ると、さっきまでの雨が嘘のように穏やかになった。(ほんとは未だに大雨です。感覚がバグってます)少し離れながら息を整え、看板を探すも見つからなかった。それに、見ていない風景が広がっていた。

 

 

 どうやら、初めに入ってきたところと逆方向から出てしまったらしい。仕方がないので、目の前に見えている、「ヨモヤマ」の登山道に視線を合わして、ぬかるんだ道をしっかりと踏んで、歩きだした。

 

 

 さっきの奴は本当に、この雨の犯人では無さそうだったので、悪いことをしたなと思う。だから、この山にいるらしい犯人を取っ捕まえて、謝りに行こう。もちろん、花楽にも。

 

 

 気づけば、雨の原因を調べに行くのは、姉のためだけではなくなっていた。

 

 

俺「...ドライヤーないかな。靴下とか乾かさないと。」

 

 そう、言いながら、揺れるヨモヤマに入っていった。

 

 




書くの大変だった。梅雨入りに本当は出したかったけど。無理だった。
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