雨中紀行〜sleepless rainy days   作:お茶会おじさん

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 ほぼ半年ぶり。いやそれ以上。いろいろあったのと面白さが出せなくて断念してました。まぁ、人生の暇つぶしにどうぞ。

読む人はかなり少ないからね。


9.三つ巴のヨモヤマ

 晶が恵から逃げ出した頃、ヨモヤマのなかでは...

 

 

 雨が降る山の中を一人の少女が8つの頭を持った大蛇から必死に逃げていた。

 

 

 

 はたから見れば、そういう絵だ。しかし、安心してほしい。そんな問題になるようなことは起きていない。

 二人はお互いに因縁の中であり、神同士だ。だから、全く問題ない。多分。

 

 

 逃げている少女は、茶色で肩までかかった髪、緑と黄色のオッドアイ、白色のワンピースを着ていて、かつ、かなり速いカタツムリに乗って逃げていた。

 

 

 なかなか想像出来ないがこういう神もいるのだ。それにカタツムリ?そんなの遅い生き物の代名詞みたいなもんじゃないか。そう思う人もいるだろう。しかし、速い種類もいるのだ。

 

 

 そして、追っている側の大蛇はというと、一般的な蛇と異なり、全身黒い鱗におおわれていて、端の頭ひとつづつには、緑色の石で出来たネックレスのようなものがかかっている。

 

 だいたいの姿は想像出来ただろうか。出来たものとして話を進めていく。

 

 

 

 少女?は一人呟いた。

「まずい...このままじゃ追いつかれちゃう...これじゃ、目的が達成できない...けど、こんなところでボクは諦めるわけにはいかないんだ!」

 

 彼女?の名前は「忌部 マイ(いんべ まい)」、カタツムリの神の一柱だ。

 

 

 話についてこれない方もいるかもしれないが、ここはタイトル通り、ヨモヤマの中だ。こんな感じで随時補足していく。

 

 後ろから追いかけてきている大蛇は叫んだ。

「達成されてたまるか!毎回、まいっかい、術を壊しやがって!お前には関係ないだろうが!」

「関係あるもん!そっちがつくってる術が発動したら、ボクたちが困るんだから!」

 マイはそう反論するが、落地の怒りにただ油を注いだだけのようだった。

「ええい!ちょこまかと!これで終わりだ!『龍尾一貫』!」

 そう唱えた瞬間、マイの後ろに巨大な黒色のレーザーが迫ってきた。

「う、まずい!『最終最硬兵器·殻』」

 マイの姿は一瞬にしてただの殻になった。そしてレーザーは殻に弾かれ、四方八方に進んでいった。

「な!」

 大蛇はかなり驚いた。レーザーは大蛇の視界を遮り、動きを止めさせる。マイはその隙に逃げ出した...のだが...

 

 しかし!!

 

?「そうはさせねぇ、ぜ!」

 

 声とともに衝撃があたりを動かし、マイは殻を盾に攻撃を防ぎ、落地は後ろに飛んだ。

 二柱は何が起きたのか、瞬間、何も理解できなかった。

 

 「「誰だっ!」」

 

「あぁ?当てたと思ったんだけどなぁ。弾かれたか。」

 土煙がおさまって、それの姿が見えるようになった。

 そこには、金属の棒を持つ男がいた。

「何だ?人間か?邪魔をするな!」

「...誰...?」

 

「やぁやぁ。俺は通りすがりの高砂というものだ。なんだかおもしろそうな気配がしたからな。」

「なんだ、ただの人間か。失せろ、見逃してやるから」

「ん~勘違いしてるようだが、ただの人間じゃないぜ?自分で言うのもなんだが。」

「じゃあ、どちら様?」

 

「神殺しを生業にしてるとかって言ったほうがいいのか?」

 

「なっ」

「ぬっ」

 

「さて、行くぞ」

 高砂は持っていたぼうを振り回して感触を確かめると、マイに向かって振り下ろした

 

 マイはとっさに殻にこもったが、かなり大きい振動を感じた

 いやな予感がして殻を確かめると、ヒビがはいっていた

「うそ...」

 大蛇も思わず驚き、距離をとる

「なんじゃあの人間。気持ち悪い。」

 

「おっと、蛇君、心外だねぇ」

 

大蛇は蛇と呼ばれたことにいら立ち、一泡吹かせてやることにした。

「死ね!『双竜砲』」

 しかし高砂には当たらなかった。

 

「ふざけんじゃねぇ、ふざけんじゃねぇ!なんぜ当たらないんだ!お前はただの人間のはずだろ?」

 

「人間かもな」

 そういいつつも高砂はマイの殻を殴り続けていた。さっきはいったヒビはもう治っていたが、どんどん新しいへこみができていた。

 

「り、『竜の六分儀』!」

 六つの光弾が放たれて、それぞれがレーザーでつながり、光弾から高砂に突き刺さるように針が飛んでいく。

 高砂は、棒で撃ち落としながらそれぞれの光弾を潰していった。

「はっ?」

 

 当たらない攻撃にしびれを切らした大蛇は、また新しい攻撃を繰り出した。

「『恒久の三日月』!」

 

 高砂は飛んできた槍を、マイの殻を使って処理しつつ大蛇の上に飛び乗った。そして――

「お疲れさん。『故』」

 

 大蛇の頭にたたきつけた。

 

「ごふっ...」動かない大蛇を横目にマイの姿を探した。

 

「でんでんはどこかな~っと。」

 

『恋矢螺旋』

 高砂に向かってたくさんの矢が降り注いだ。それは雨のように降り、高砂の体を包み込んだ。

 

「ふぅ、これで良しと。ごめんね高砂さん、ボクはあなたを倒したいわけじゃないんだ。」

 

 マイが歩き始めるが、矢の降る音が近づいてきていることに気づいた。

 

「嘘だ。そんなはずはない...」

 

しかし残念ながら、そのはずになってしまった。

 

「『合』!」

 高砂の声が山に響き、マイの体は吹っ飛ばされた

 

「ふぅ。これで終わりだな...うん?まだ生きてるのか」

 

 大蛇とマイはゆっくりと立ち上がり、高砂のほうを向いた。二人はお互いに自分たちが瀕死であるということを理解した。

「まだやるのか?」

「や、やっても意味がない...からな...それに、自分の目的はすでに達成している。この180年ぶりの悲願は間もなく成就するだろう‼...それにしても私は運が悪いな。ようやくあいつがいないときに復活できたっていうのに...」

「「成就?」」

 大蛇は少し頷いたあと首を振った。

「フン、お前らには長い話よ。特にお前みたいな人間にとってはな。」

 

「へぇー。そこのカタツムリはどうする?もう限界だろ。そんな準備してるけど」

 

 高砂はマイがゆっくり出していた大きな槍をみるとそう言った。

(うっ、バレてるか...ボクはそんなに強い訳じゃないのに...それにしても問題なのは、さっきのあいつの話だ...「目的は達成している」だって?このままじゃ本当にまずいんじゃないか...?)

 

 マイは少し俯いたあと、高砂を見て言った。

 

「...確かにその通りだよ。だからさ......その、ボクは戦う理由が全くないから、二人で闘っておいてくれないかな?」

 一か八かで、高砂のアホさに賭けてみた。

 

「別にこいつと戦うのはいいんだ。...だが、原因を突き止めないと意味がない。だから、何か知ってるお前ら二人から聞き出すしかない。さて、原因は何だ?取り敢えず、言ったなら逃がしてやるよ。わざわざな!」

 高砂は、わははっ、と笑って言った。

 

「(よっし!腹立つけど!)こいつ」

 指を指した。

 

「了解〜」

 

「おい、何勝手に私を原因だと決めつけてるんだ。それにマイ、神のプライドはどこに捨ててきたんだ!」

 

「じゃ、じゃあね~。」

 そう言って、マイは頂上を目指して木々の間を走り出した。

「急がなきゃ!今までの苦労が全部無駄になっちゃう!」

 

...

 

「そこの蛇。別に良いじゃねぇか。めんどくさいのは嫌いなんだ。」

     「さぁ、まだやれるだろう?」

 

(くそっ。マイに逃げられることは一番避けたかったのに...ただ、こいつを相手にするのは最悪だ...よし...)

「『五竜霧中』」 

そう、小さな声で呟くと落地の周りにかなりの霧が出始めた。

 

「うん?霧?」

 

 そこで高砂ははたと気づいた。ダメだ、このままじゃ逃げられる、と。

 

(ふぅ。これでやっと仕切り直せる。黄泉への門が完全に復活するまで、マイを惹き付けておくのには骨が折れるな。)

 

「おい、ごら。待て。」

 

「ん?」

 

 高砂は金棒を振りかぶって、霧の中に入った。

 

 ゴスッ!ドスッ!ゴスッ!ドスッ!

 何度もそんな音が響いていた。時々、グチャッという音も聞こえていた。

 

 

 霧が晴れ、静寂が訪れた。

「さてさてと。...あ。逃げられてるなぁ。ま、いっか。どうせもうあいつらはこの山から出られないわけだし。」

 高砂は、また後で出会うであろう蛇とカタツムリを待つ間、黒い血がついてしまった金棒の手入れをすることにしたのだった。

 

 

   ◆◆◆

 

 

 大蛇は、体から大量の血を出して項垂れたまま、木々のなかを進んでいた。

 

「はぁはぁ...危なかった...さっきので頭は4つ潰されたが、2時間もあれば治せるだろう……。だが、問題は黄泉だ。何故、全く反応が無いんだ?そろそろ現世に現れてもいい頃だぞ!?もうあのカタツムリごときが結界を打ち壊したとでもいうのか!?」

 

 大蛇は疑問を抱きつつも、頂上までの岩場で眠ることにした。高砂にやられた傷を治すためにも、使ってしまった霊力を回復するためにも。

「それにしても、あの人間、異常に強かったな。それにあの棒......まぁいいさ。とりあえず寝よう...」

 

 土砂降りの中、こうして三者の戦いは終わった。

 

 しかし、まだ雨は降っている。

 誰が降らしているのか?それぞれが疑問を抱きながら、雨にあたるのだった。

 

 




一応ねそれぞれ設定は考えてあるんですけど。とくにマイは。
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