大罪人の黙示録   作:ファイエル

5 / 15
土日なんでストック確保しときたいです。
というか前回普通にオリキャラ出してましたね。
タグに付けますね


第四話

 

この世界に来て一年程がだっただろうか。

一年など早いものだがな。

黒歌はあれから随分と強くなった。

仙術もそうだが妖術や魔法も更に進化していった。

まだまだ強くなるつもりらしい。

新たな隠れ家も見つけ、悪魔達からの追手も、一年前のあの件からは全く無い。

そう言えば最近黒歌がある組織にスカウトされたらしい。

そして、今のこの状況だが・・・

 

「それで?黒歌が君達の組織に入るのは別段気になる事は無いし、止める気も無いが・・・何故《禍の団(カオス・ブリゲード)》の方々が私の部屋にいるのかね?」

そう、何故か隠れ家の私の部屋に《禍の団》のメンバーがいるのだ。

確か名前は、曹操にゲオルクだったか?

英雄の子孫らしい。

「キミの能力はとても魅力的なんだ。その視界に入れただけで相手を飲み込む力。どうか俺達の組織に入ってはくれないか?」

曹操が私にそう言ってくるが、私はあまりそういった組織には所属したくないのだ。

それにこの一年間ルルエルの研究も行えていない。

情報を聞き出す事しかしていないので、組織に所属して時間が奪われるのは困る。

「残念ながら無理だ。黒歌にも言ったが、共に行動すると言うのならかまわんが、組織に所属して時間が奪われるのは困るのだ」

黒歌には一緒に入ろうと言われたが、断った。

説得するのにかなり時間が掛かったというのに、次は三国志の英雄曹操の子孫だ。嫌になる。

「そこをなんとかしてはくれないか?俺は貴方の使う魔法にも興味がある」

今度はゲオルクか・・・

「大体、何故君達は私の能力や魔法について知っている?話した事は無いと思うが・・・」

そう言うと曹操が、

「新しく入ってきた猫魈の黒歌という悪魔に聞いたんだ」

口が軽すぎるのではないか?

やはり情報を教えすぎたか。

だからあまり目立ちたくなかったのだ。

溜め息を思わず吐いてしまうが、曹操は気にせず話を続ける。

「それにキミはカインと名乗っているそうじゃないか。もしかしたらと思うが・・・聖書に出てくるカインの子孫、または魂を受け継ぐものなのでは?」

この世界ではカインと言う人物が旧約聖書に出てくるらしい。

色々とこの世界の書物を読んだが、話の内容は確かに私に通ずるものがあった。

それに私も前の世界では色々な書物にその名前を書かれていたしな。

それにしても・・・

「確かに私はカインと言う名前だが、それだけで子孫である訳ではないし、魂を受け継いでいるとも限らないだろう。それにカインの子孫ならグレンデルと言う者がいたはずだが?」

安直すぎではないか?カインと言う名前だけでその子孫であるはずが無い。

もしかするとこの世界での私が旧約聖書に出てくるカインなのかもしれんが、それでも子孫でも魂を受け継ぐものでもない。

どちらかと言えばカイン本人だろう。

「では・・・カイン本人なのでは?」

その言葉に少し表情を変化させてしまったのだろう、曹操が一瞬驚いた顔をして、笑いはじめる。

「ははははっ!まさかカイン本人とはね!これは掘り出し物だよ。実際に伝説、いや聖書に出てくる人物に会えるとは」

面倒だ・・・

曹操は良き人材を見つける才能があったと聞くが・・・それが私に向くとはな。

隣のゲオルクも驚いた顔をしている。

「まさか、カイン本人だとはな・・・もしかすると貴方の使う魔法は太古の魔法なのか?」

ここでこの者達を消すという強行手段もあるが、それは最善ではない。

最も最善な選択肢は・・・

「はぁ・・・その通りだ、私はカイン本人。弟を殺して聖書の神ヤハウェに追放されたあのカインだよ。実際は違うのだがな・・・」

嘘に事実を織り交ぜつつ話に真実味を持たせて、話した上で断ると言う選択肢だ。

私の前にいた世界で行ってきた事を一部分だけ話す。

そうすれば仲間にしようとは、少なくとも組織に入れようとは思わないだろう。

「どういうことなんだ?聖書ではそう記されていたが・・・」

 

「まあ簡単な話だよ。私が殺したのは弟だけではない。多くのヒトを殺したのだ。それを見た神が私をノトの地に追放・・・いや封印か。それをしたのだ」

曹操とゲオルクの表情が強張る。

上手く嵌ってくれたようだ。

「多くの人を殺したと言うのが事実だとして・・・一体何故?」

曹操が問い詰める様に聞いてくる。

「そうだな・・・憎かったのだよ、ヒトが」

 

「憎い?何故人を憎んだんだ?同じ人間という種族なのに」

ゲオルクはまるであり得ないという風な顔をしている。

「あり得ないと言う顔だな?私がヒトを憎んだ理由だが・・・私はな、ヒトと違うと言うだけで迫害されたのだ」

 

「違った?一体なにが違うのだ?」

 

「君達も知っているだろう?私の力の事を」

 

「まさか、魔法やキミの能力の事か?」

 

「ああ、あの時代では私の力は異質で、恐怖の対象だったのだろうな。だからだろう、私が迫害され、殺されかけたのは」

 

「そうだったのか・・・」

曹操が悲痛な顔を浮かべる。

事実だが、私にとっては訪うの昔話だ。

どうでもいいものなんだがな。

「だから多くの人間を殺したのか?」

ゲオルクがそう問いかけてくる。

ここからだ、ここで真実を話せば、彼らは躊躇う。私を仲間に引き入れる事を。

「いや、憎かったのは私を迫害した連中だけだ。それほど人数が居た訳ではない。その他大勢のヒトを殺したのは、ヒトが醜く、愚かだと思ったからだ。己の私利私欲の為に他人を虚仮にし、身勝手に生きて、同族の人間を簡単に貶める。こんな生物が世界に必要だと思うか?自分自身が同じヒトだと思うと虫唾が奔るんだよ。だから殺し続けた」

 

「なっ!?」

絶句する二人。

こんな話をすれば、その矛先が自分達に向くのではと思うのだから当たり前だろう。

それに多くを殺したなんてものじゃない。

まあ、今はどうでもいい。

「どうした?急に黙って」

 

「いや、大丈夫だ。それでキミは目的も無く人を殺し続けて聖書の神に封印されたと?」

 

「そうだ」

 

「しかし、それこそキミの言う身勝手な生き方なのでは?」

 

「そうだな、だから私も等しく同じ人間なのかもしれん。それに君達の組織もそんなものだろう?それでどうする?私を仲間に引き入れるか?」

そう言うと二人はまた黙りこんだ。

上手くいったか?

「確かに、キミは殺人鬼なのかもしれないな。正直そんな爆弾を抱え込むのは御免だ」

曹操が告げる。

そうだろうな、身勝手な理由で大勢を殺す人間を仲間に入れるなんて正気ではない。

リスクが高すぎる。

「では、この話は無かったという事にしてくれないか」

 

「惜しい人材だが、リスクが高すぎるからね。仕方ないが仲間に引き入れるのはやめておくよ」

そう言って立ち上がり部屋を退出しようとする。

「ああ、そうしてくれ」

やっとお帰りになってくれたか。

「貴方の魔法についてはとても興味深いのだがな。できればまた会って貴方の魔法の事について聞いてみたい」

ゲオルクが口惜しそうに言ってくる。

「そのくらいなら別にかまわない。私も君達の使う魔法について気になる事があるしな」

そう言うと、「それは良かった。ではまたいつか」と言って部屋から出て行った。

さて、黒歌もいないし、曹操もゲオルクもいない。

色々調べたい事もあるし、この隠れ家にいる必要も無くなった。

少し世界を周ってみるかな。

思い立ったら吉日と言うやつだ。

少ない荷物を準備して、隠れ家から出る。

おっと、そう言えばルルエルも外に出してやろう。

『ルルエル、聞こえるか?』

念波で話しかける。

『ん?カインか、どうした?』

 

『もう外に出てもいい時期になった。外に出そうと思うのだが、かまわんか?』

 

『ああ、かまわない』

 

『では、出口を開く、そこから出てきてくれ』

そう言って、念波を切り、(創造)で空間の出口を作る。

少しすると、中からルルエルが出てくる。

だが気になる事が一つあった。

「こうして面と向かって会うのは久しぶりだな」

 

「カインからすれば久しぶりなのかもしれないが、私からすればほんの一週間程度だぞ?」

時間の流れが違うからな。

まあそれよりも・・・

「時間の流れが違うからな。それよりもだ、気になっていたのだが・・・その背負っている大きすぎる荷物は?」

そう、ルルエルの背中には異常なほど大きいリュックサックが。

「ああ、これか?むっふっふ~。これはな、お菓子だ」

・・・・・聞き間違えか?

「すまない、なんと言ったか聞こえなかった。もう一度頼む」

 

「だから、お菓子だ」

・・・どうやら聞き間違えではないらしい。

なぜそんなにも大量の菓子が・・・

「どうしてそんな大量の菓子があるのだ?私は生活するのに必要なものだけ揃えたはずだが・・・」

問いかけると、ルルエルは首を傾げて不思議そうにする。

「ん?カインが用意したのではないのか?そこら中に落ちていたぞ?」

どういうことだ・・・

「というか君は菓子が好きだったのか?そんな風には見えなかったが」

ルルエルはどちらかと言うと、男のような口調だ。見た目は確かに女だが。

私と同じ黄金の長い髪に碧眼の切れ長の目。そんな我の強い印象を与えるので、女らしい所はあまり見当たらない。

失礼だがな。

「私だって女だぞ?お菓子くらい好きだ」

その量は好きと言う量ではないと思うのだが・・・

「あまり食べ過ぎて太るなよ」

そう言うとまるで乙女の様に頬を膨らませて怒り出した。

「むっ・・・そういうことを言うのはデリカシーのない証拠だぞ」

こんな奴だったか?

一体彼女の一週間に何があったかは知らないが、どうでもいいか。

「それはすまなかったな。それじゃあ行くとするか」

いちいち取り合っているのも疲れる。

さっさと動こう。

「どこに行くんだ?」

そう言えば伝えていなかった。

「世界中を見て周ろうと思ってな」

 

「ほう、それは楽しそうだな」

楽しいかどうかは行き先次第だと思うがな。

「とにかく、移動しよう」

そう言って歩き出す。

「了承した」

ルルエルが私の後を付いて来ようとした時、

「あっ」

突然声を上げるルルエル。

なんだ?

「どうした?」

 

「いや、すまん。忘れ物をした」

忘れ物?

「あの空間の中にか?」

 

「ああ」

 

「一体何を?」

 

「いや・・・お菓子を少々入れ忘れて・・・その。うん。」

 

「・・・・・・・」

もう何も言うまい

 

 

 




第四話でした。
あれ?これ原作キャラだしてるだけで進展してなくね?

次回もまた時間をすっ飛ばして、早く原作に近づけます。
主人公の過去がほんの一部と言うか、まあ色々やらかしたことが出てきました。
カインと言う名前ですが、まあ人類最初の殺人を起こしたカインから取ってます。
主人公は人類最初の殺人ではなく、人類最悪の大罪人なんですがね。
まあ色々過去話も出して行きたいです。
曹操とか、ゲオルクの口調も違和感バリバリですね。

それと、基本平日は更新できないかもしれないです。
土日メインでの更新をしていきたいです。
すみません。

誤字脱字、指摘お願いいたします。
感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。