オカルト研究部の部員達の前に現れた異形・・・
その正体はカインである。
何故カインが異形となれたのか、オカ研の部員達が感じた不快感は何だったのか。
謎が多いこの異形について解き明かしていこう。
まず、カインが変体した異形の名称は―――魔神―――
魔の神と書くが、実のところ魔神の力に魔の部分は殆どと言って無い。
魔王を超える魔の神ではない。
この魔神と言う力を作ったのはカイン自身である。
理由としては人外へと至る為。ただそれだけ。
それ故に壊すことだけに特化してしまったのだが、それは失敗作の魔人である。
では魔神は? そう疑問に思うだろう。
魔神とは、魂にすら影響を及ぼす力である。
カインは、ただ身体能力強化や魔力量を増やしても人外へはなれないと感じた。
だから、人の手では決して触れられない、それどころか見ることも、あるかどうかすら怪しい“魂”に目をつけた。
魔人から魔神へと至るプロセスは実を言うと一つではないのだが、カインは最も残酷なプロセスを踏んだのだ。確かにそれは効率的で一番早く魔神へと至れる方法だった。
それは他の生物の、人間の魂を集めてそれを一塊にして自分の魂と同化させることだ。
最も非人道的で、苦痛な道をわざわざ通ったのだ。それほどまでに、過去のカインは焦っていたと思ってもらいたい。
一つの体に複数の魂、遂にカインは手に入れたのである。人外へと至れる力を。
魂は莫大な力を持っている。本来ならば人間であるカインが認識できるはずではないのだが、それを手に入れ己を人外へと昇華させ続けた。
幾万の魂を取り込み、自身を強化した理由は、もしかしたら語られることになるかもしれないが、今はまだ語られないだろう。
そして魔神という力は、自分の深層心理にある自分の姿を象る。
故にカインは心の奥底では自分はこれほどまでに醜い怪物だと比喩していることになるな。
さらに、なぜオカルト研究部の面々が不快感に襲われたのか。
簡単な話である、カイン、彼は星を喰らったのだ。
一つの惑星にどれだけの魂があるのだろう?
そんな魂の数とその魂から発せられる狂気や
さすがの悪魔もあれだけの魂の数には耐えられないということである。
それでもカイン自身は限りなく加減しているつもりではいたが・・・
それと、あの口調であるが、あれは昔の口調に戻っているだけであって、特にカインのキャラが壊れたとかそういうのではない。
◆◆
腕に抱えるレイナーレを見る。
かなり気分が悪そうだ。
仕方ないか、幾億の魂が呪詛を発しているんだし、しかも近距離で。
堕天使でなければ発狂しているんじゃないか?
まあそろそろあの町からも離れたきたみたいだ、下に降りるかね。
そう思った
この羽で飛行が可能らしい。
羽を少し縮めると、段々と下に降下していった。
手ごろなビルの屋上に降りて、レイナーレを降ろす。
さて、これから彼女には色々と説明しなくちゃな。
俺はそう思い彼女の正面に立つ。
「ヒッ・・・あ、アナタはなにもの?どうして私を・・・」
そこまで怯えられると悲しくなるな。
まあ仕方ないか、こんな姿だし。
『まあそういうのはどうでもいいから。でさ、レイナーレは今後どうするの?』
そう言うと、見るからに彼女の顔色は悪くなっていった。
まあそうだよな、独断で動いてしかも悪魔にケンカ吹っ掛けて負けて。
しかも相手は魔王の妹。最悪の場合
そんだけの事しといてのこのこと戻れるはずもないし、このまま一人で生きていくとなれば、悪魔に追われる身になる。もしかしたら同族の奴らにも追われるかもな。
ああ、なんてカワイソウなんだ・・・惨めに、地面を這う虫のようにコイツは生きていけるのか?もし生きれたとしてどう成長するんだ?
楽しみだ。だからこそ、ここで彼女を助ける。
“あの時の俺と同じように”
ここで惨たらしく死ぬなんてあり得ないし、させない。
『そんな暗くなるなって、俺にまかせろ。そうすりゃ万事解決。ハッピーエンド・・・ではないかもしれないが、ノーマルエンドくらいならいけるぜ』
そういうと全く信じていない、疑いの目を向けてきた。
オイオイ、どんだけ信用無いの?
「本当にアナタにまかせて大丈夫なの?信用できないんだけど・・・」
仕方ないね~・・・
魔神の変体を解いて本来の姿に戻る。
「なっ!?」
驚くだろうな。
それはそうだ、自分を助けたのが自分を殺しかけた者なのだから。
「驚くのも無理はないな。だが、これで多少は信用できるのでは?私は君を一度殺しかけているのに、逃がした。しかも今度は助けた。どうだ?信用に足るかな?」
これでも信用ならないというなら、後は彼女自身が自分の力だけでやっていくだけのこと。まあ陰ながらは観察させてもらうがな。
「た、確かに・・・少しくらいなら信用できるわ・・・でもどうするの?私にはどこにも居場所が無いわ・・・」
良かった良かった。信用には足りたみたいだ。
さて、彼女の不安要素は一つ取り除いた、後は最後の難題。
彼女の今後である。
「いくつか案はあるぞ。一つ、私が君を匿い、存在を隠す。二つ、君の上司、アザゼルだったか?その人物に私が直談判しよう。三つ、別の組織に所属する。これは当てがあるから心配は無い。さて、どれにする?」
「・・・アナタのオススメは?」
そこは自分で決めるのではないのか?
まあいい。
「そうだな、一つ目の案か、二つ目の案が現状では好ましい」
「現状では好ましいというのは?」
「それは、もしかすればアザゼル、グリゴリが他の勢力と和平を結ぶ可能性が高い」
「本当なの!?」
「いや、可能性が高いだけであって、確実ではない。だが、もし和平が結ばれなければ、ある程度君の処罰も軽くなり、最悪死はないだろう。だが、もし和平が結ばれれば・・・」
そこで言葉を切る。まあここまで言えば分かるだろう。
和平が結ばれれば、互いの、それぞれの関係を強固にする為に、見せしめとして殺されることもありえる。
そうなれば彼女は終わりだ。
それは彼女も分かっているようだ。
「それで、どうする?」
そう問うが、やはり決めかねているようだ。
まあこの選択で自分の人生が決まるのだ、無理もないか。
「・・・ッ!・・・無理よ・・・」
「何がだ?」
レイナーレは膝から崩れ落ちて座り込んでしまった。
それほどまでに精神の限界が来ているのだろう、それに先ほどのグレモリー達との戦闘で体のほうも。
「分かってるでしょう!?私に居場所なんて無い!この世界のどこにも私の居場所なんてないのよ!」
限界か?そのまま発狂して終わりなのか?
「どうせアナタに匿ってもらったっていつかは切り捨てられるわ!他の組織もそうよ!私を見下して・・・ッ!最後には切り捨てて!・・・ううっ」
過去の体験を思い出してなのか、レイナーレは泣き崩れた。
だが、私が捨てるか・・・
「無理なのよ・・・もう放っといて・・・ここで私は惨めに死ぬわ・・・」
私が愛しい者を捨てる?
それだけは、それだけはありえない。
仕方ない、少し元気付けてやろう。
「いいのか?それで」
「なにがよ・・・」
「惨めなままで。見下されたままで。君はここまで懸命に生きてきたのに。ただ自分の幸せを掴み取ろうとしただけなのに、ここで死んでしまって」
「そんなのッ!良くないに決まってるわよ!」
「君のしてきたことは確かに人道的ではなかった。だがそれでも君は生きたかった。そうだろう?」
「そうよ・・・そうしてアザゼルさまやシェムハザさまを癒す至高の堕天使に・・・」
「違うな」
「な、何が違うと言うのよ!」
「君は誰かに癒してもらいたかったんだ。ずっと一人で、見下されながら生きてきて。誰かに認めてもらいたかった。上辺ではなく、本心からな。だから別にアザゼルやシェムハザじゃなくても、誰でも良かったんだ」
「ッ!・・・ち、違う・・・そんなこと・・・」
「手っ取り早かったのがアザゼルという存在であっただけだ」
「ちがう・・・」
「まあ例え君があのシスターの≪神器≫を手に入れてアザゼルに近づいたとしても、アザゼルは君を見ないだろうな。君ではなく、君の中にある神器を見ているだろう。結局君は認められない」
「そんなことッ!そんなことは・・・うっ・・・ううっ・・・あああああああああああああ!」
「泣くなレイナーレ、私が君を認めよう」
「えっ・・・?」
随分と驚いた顔だな。目は真っ赤で、鼻水は垂れ放題。酷い顔だ。
だがそんな顔も愛おしく感じるよ。
「認めると言ったんだよ。君の頑張りを、生きようとする力を、這い蹲ってでも上に行こうとするその意志を」
「どう・・し・・・て・・・・?」
「どうして?簡単だよ、君が愛おしいからだ」
「・・・・・ふぇ!?」
何故か急に顔を赤くするレイナーレ。
どうしたんだ?
「と、とととと、突然なんなのよ!?」
「突然かな?だが事実だ。それと、君は私が君をいつか切り捨てると言ったな?勘違いするな、私は君を一生匿おうと思っていったのだ。確かに少し言葉が足りなかったかもしれんが・・・」
ぽかんと口を開けて間抜けた顔を晒すレイナーレ。
そんな顔をするほど驚くことなのか?
「それに、私は愛しい者を絶対に離さない。決してな」
―――そうだ、二度としない。過去の過ちは繰り返さない―――
「あうぅ・・・なんでいきなり告白なのよ・・・」
レイナーレが何か言っているが、少し昔の事で感傷に浸っていた為聞こえなかった。
ともかく、彼女は見捨てない。これから彼女がどうなるのか、それは分からないが、それでも見届けようと思う。
この愛しい感情は、同情から来るものなのかもしれない、それでも、彼女を救おう。私の自己満足で・・・
「だが、君が拒否すれば私は無理に君を引き入れようとはしない。君が決めるんだ。ただこれだけは言っておく、君を認め、君を愛おしいと感じたこの気持ちに偽りは無い。それだけは知っておいて欲しい」
そういって私はレイナーレを抱きしめた。
これだけ近ければ鼓動の音が聞こえる、ドクン、ドクンと、生きている証が、私はまだ生きたいと言うかのように早く音を刻む。
そうだ、彼女はまだ死んでない。まだ希望がある。さあ、君の答えを言えレイナーレ。
◆◆
この目の前の人間の男・・・カインは、私を認めると、こんな惨めに生きてきた私を。
意地汚く他人から力を奪おうとした私を・・・
そんな私を離さないと言った、決して見捨てないと・・・愛しいと。
ああ、意外と近くにいるものなんだな、運命の相手は。
現れる筈が無いと思ってた、私はロマンチストではない。リアリストだ。
でも、存在した。私を認めてくれる、愛してくれる、そんな人が。
「君を認め、君を愛おしいと感じたこの気持ちに偽りは無い。それだけは知っておいて欲しい」
そう言われて抱きしめられた、もう・・・これは完全に堕ちちゃったな。
ああ、信じていなかったけど、大嫌いだったけど・・・ありがとう神様。運命の相手に会わせてくれて。
そう思いながら私は
もう答えは決まった。
―――私を、攫って下さい。カイン様―――
何だこのラブコメ!?(驚愕)
レイナーレが完璧なメインヒロインと化していますが、カインはそういう意味で愛しいとはいってないんだよなぁ・・・
これって勘違いってタグつけたほうがいいんですかね?
それと、少しオリ主の能力について説明できました。
オリ主の過去とかの話を考えてると、オリジナルの話作ったほうがいい気がするのは気のせい。
というか少し説明しただけで、あんまり分かってないって言う。
いつか説明回的な話でも挟もうかなと思います。
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