代わりに支援会話がいっぱい増えてきました。解像度が高くなる―
それでは今日も暇つぶしに
どうぞ
なんやかんやでブロディア城に泊まって日がたちそれなりに城へのイルシオン軍の行軍とかがなかったそうなので安全が一応再確認できました。というかこちら側が侵攻をしているはずなのに逆に自分の城を攻められるなど笑い話です。なにせ王城は最終防衛拠点であり最終防衛ラインを越えなければたどり着けない、占領されてしまえば国として負けなのです。そんなことは侵略したくせに地の利もあるのにそこまでたどり着かれてしまうなんてことあるはずがありません。
……おや?でもゲームでは普通にアイビー王女とその臣下とイルシオン軍に普通に突破され戦争で考えると負け一歩手前でした。いやよしましょう、あなたのある程度筋のとったような想像で混乱してしまっては今後の戦闘に響きます。きっとシナリオライターのせいでしょう。やっぱり何も気にしないことにします。
先日のやらかしによりあなたとフランはヴァンドレによるこの世界における礼儀作法的な講座を受けさせられていました。あなたは一平民でありながらも王族に対する無礼がどのような結果を招くか、といった内容の講義を。フランは清濁併せ吞む場合があるとかないとかの状況判断的な講義を受けています。特にあなたは王族に対する首出せ発言に異議申し立てという前者は高確率で斬首、後者は斬首と言わずとも重罪に値しかねないことをやらかしている大問題児です。
長くて厳しい講義を終わらせ自分のやらかしたことの重さを理解すると社会人をやって大きな失敗をしたことを思い出します。端的に言ってものすごく辛いのです。そんな中フランが話しかけてきました。
「でも私ちょっと驚いちゃいました。」
――何が?
「”――”さんってすごいじゃないですか。剣も魔法も武術もできて鍛錬方法も道具も教えてくれたり作ってくれたり、何でもできる人だと思ってましたからあたしみたいにこんな風に失敗するなんて思わなくて。勝手にですけど、こう、親近感みたいなのがわいちゃって」
転生者特有のアレが多く集まっていてここまで言われるといたたまれません。まぁちゃんと努力をしなければ身につかないような感じのアレもありましたが。
――そうなんでもなんてできるものですか。それと失敗なんて腐るほどしてきてますよ。
「えぇー?ほんとですか?」
フランの言葉に自分もこんな風に思っていたなぁと年を取った人間のような感想を抱きます。実際成功というものは多くの失敗を犯した者につかめるものです。あなたはいろんなアニメやら漫画やらでそれを学びました。
――実際王族に対して首を出せ、なんて言ったりモリオン王に意見してしまったでしょう?
「う、確かに。でもでもスタルーク王子の件は、えと…しょうがないじゃないですか」
――しょうがなくないよ。あれは異常事態であったことと絶対に自分は殺されないって確信があったから言えただけさ。別の状況で相手に謝れといえるかどうか……。そう考えると情けないものだよ。
フランはそんなことない、と言いそうになりますが先ほどの講義をフランもおさらいがてら聞いていたものですからあなたの言葉に返す言葉がなく黙ってしまいます。それを悪く感じてしまったのであなたは別の方向に話を持っていきます。
――それにね、ヴァンドレさんだって失敗はたくさんしてきているはずだ。
それを聞いて意外そうにヴァンドレの方にフランは視線を向け、ヴァンドレは大きく頷き答えました。
「もちろんだとも。私だって若いころは多くの失敗を積んできた」
その多くの失敗をしてきて反省をしてきたからこそルミエル様の世話係という役職に就かせていただけたのだからな、と感慨深くなるヴァンドレだがフランはそんなヴァンドレを見てなんだか重く感じていそうである。神竜の守り人であり続けることに異論はないだろうが失敗を重ねて辛く感じる感じないのは別の話です。あなたもよく感じることです。だからあなたはフォローすることにします。
――ついでに言うと失敗して二度と失敗しないなんて出来のいい人間でもないからね。いまでも出来て当然のことで失敗したりするし、それなりに成長してそれで失敗すると……こう、すごくつらいんだよ。普通に怒られるのは。ヴァンドレさんだってそういうのあるでしょう?
「あ、あぁ。私にもある。正直思い出したくもないがな」
どんな話なんですかー?と聞くフランに鬱陶しそうなのを隠そうともせずに言いたくないときっぱりと断るヴァンドレがそこにいました。
そんなこんなでモリオン王にせっかくブロディアに来たんだからゆっくりしていってね!といったような内容の言葉をもらい皆各々に行動しています。とはいえこんなイベントはゲームでは起こらなかったのでこれからどうしたものかと頭を悩ませているあなたです。そこであなたは先日の出来事を思い出します。グランスール大橋での戦闘の件です。グランスール大橋の戦闘には本編ではいなかった異形兵がいました。ゲームでは2章ほど早いというだけで誤差ですが現実ではそうはいかないでしょう。もしかしたら物語中盤以降に出てくる四狗が何かしらの目的でやってくるという可能性があります。例えばモリオン王の血を求めてという理由でなら出張ってきてもおかしくはありません。とはいえ、ハイアシンス王との一騎討ちで全員で襲い掛かった方が確実ですから可能性は低いほうですが。なんにせよ備えをしておくに越したことはありません。とりあえずモリオン王がリュールと模擬戦したがっていたことからあなたも訓練場に向かって周りに見られながらの模擬戦で何か別の刺激が得られるかもしれないので参加しようと思います。
訓練場にたどり着くとちょうどリュールとモリオン王が模擬戦をしているようでした。なんかこう、すごい剛の剣を使う攻撃をするモリオン王に対してリュールは流れる水のごとく柔の剣を使っていなしていたりします。ラオウとトキの戦いのような感じで戦っています。ですがモリオン王の攻撃は激しく威力が高いようでリュールはいなすのに苦労していそうで押されて防戦一方のようです。それからリュールが隙をついて一撃を入れようとするもモリオン王がそれを防いだりして幾ばくか剣戟を繰り返すとリュールの模擬剣が弾かれ手元から離れていきます。モリオン王が剣を突き付け勝利を確信しますがあなたとユナカが育てたリュールはここでは終わりません。
剣を突き付けられた瞬間にモリオン王の懐に飛び込み体術で攻撃します。モリオン王はそれにすら反応しいくつか防ぎますがその中で防御をどうにか崩し、浅いですがリュールの一撃が決まりました。そう、あなたが教えたビスト神拳です。オールマイトがAFOにフェイントで入れた感じのアレみたいな感じで一撃を叩き込み、見物していた兵たちからは一撃入れたぞ!?と驚きの声が上がります。ですがそこは武力の国の王でありモリオン王、シールドバッシュ的な攻撃などで反撃し体制を完全に崩したリュールに剣を突き付けて勝利しました。そこらへんにいたユナカと後方師匠面をしたあなたはなかなかいい感じに成果が出てるなぁと感心します。
「驚きましたぞ神竜様、多少侮っていたとはいえ剣を弾かれても決してあきらめず儂に一撃を決めてくるとは」
「ありがとうございます。モリオン王の剣戟も力強くいなすのがやっとでした。勉強になりました」
そんな感じで互いを称えあい握手を交わすとモリオン王は軍議的なものがあるようなので訓練場を後にしました。
リュールはこちらを見かけると近づいてきます。
「”――”にユナカ。見ていたんですか?モリオン王と模擬戦したんですが防ぐのが精一杯で、剣は飛ばされて打撃を入れたんですけど浅かったです。さすがに強い方でした」
「ですが神竜氏、いい動きでしたぞ。剣を弾かれてからの動きが前よりも早くなっておりました」
そうですそうですとあなたも褒めます。ビスト神拳も身に着けていていて良い傾向です。ちなみにリュールはビスト神拳が暗殺術とは知りませんがあなたが教えるときにちょっと良からぬ格闘術として忠告して教えています。バレたら怖いです。それにしてもリュールの髪の毛には石やら砂やらわちゃわちゃとついてしまっていて綺麗な髪の毛が台無しです。それが戦いと言ってしまってはそれまでですが。さすがに前髪にもついているのでリュールに教えます。
「えっ?前髪にもついていますか。そういえば落としてませんでしたね。えっと、すみません後ろ髪は二人に落としてもらってもいいですか?」
「いいですぞ神竜氏。ですが戦場では気を付けてくだされ。髪についた砂が目に入ることもありえますからな」
ユナカの忠告に対してそうですね、と答えるリュールに対してあなたは自分もやっていいのかと聞きます。髪の毛触っていいよと言われてもさすがに緊急時でもないときにさわる気、もとい勇気など持ち合わせていません。がリュールは何か問題でもあるのかときょとんとした顔をして何も問題ありませんよと言います。純粋にしてもこれはちょっと女としての警戒が足りなさそうなので、そういうのは信頼する人に言ってくださいと言います。ですがもちろんこの言葉に対する言葉は……
「”――”のことは信頼していますよ?」
と、あなたを信頼しているという言葉です。とはいってもあなたはそこまで信頼を得ているとは思ってないので3枚目のような台詞を吐いて流しながら失礼します、と一言かけてリュールの髪の毛から石やら砂やらを落としていくのでした。
その間リュールは手の指を髪の毛に絡めてどこかそわそわしていたそうで……
「えっと、青い髪の方は実は寝癖がつきやすいんです……あっ、これっ、内緒にしてくださいねっ」
なんてことを口走りました。あなたとユナカは互いにどうした急に、という顔をしましたとさ。
それはそれとしてグリッドマンユニバースみんな見ましょう。
どんな映画かというとレストラン行って「これ好きだったよね」と好きな料理が運ばれてくるんですけどそれが2時間続く映画です。