それでは暇つぶしに
どうぞ
ちらりと見ていたリュールは見ていた鉱石をおいてあなたたちのそばへと寄ってきた。
「何を見ているんですか?」
「骨董品の武器ですぞ!もうとにかくこの、あの、その感じがたまらないのですぞ!」
「……???よくわかりませんがユナカはそれが好きなんですね。”――”も好きなんですか?」
――特別武器が好きってわけではなくて美術品とかそういうものに近いものが好きなんですよ。この武器もそういう感性に引っ掛かりまして
そうなんですか、とつぶやいたリュールは許可をもらってほかの骨董品の武器を一つ持ってじろじろと見ます。おそらくあなたとユナカが言った良さというものをその武器からも読み取ろうとしているのでしょう。様々な角度から見たりちょっと振ってみたりじっと見つめてみたりしています。そのたびにあなたたちが言った良さとはどこにあるのかと首をかしげながら探そうとしています。よくわからないといったぽかんとした顔が百面相し、何かを見つけ出そうとするような顔つきに代わっていったりとみて飽きない光景です。ですがそれもしばらくの間のこと。
「うぅん……わかりません。私にはわからないみたいです……すみません」
「それは仕方ないことなのですぞ神竜氏。人それぞれ好きな食べ物嫌いな食べ物があるのと同じです」
――大事なのは尊重すること。私にはわからないけどあなたにとっては大切なものだと思うことですよ。それさえできればいいんです。
あなたがいた現代では生きていくにつれてそれを認める時代になっていきました。そうではなかったときはとにかくそういったものを悪者と仕立て上げかかわりあるものすべてが悪と断罪するような風潮がありました。凶悪な犯罪を犯した者が〇〇をしていた!などともはや古いし偏見が過ぎるのです。それをいうなら呼吸をしているのだから我々全員悪人です、という道理が通らないとおかしいことになります。あなたにもこの世から消えてほしいくらい嫌いなものがありますが自分の認知外で存在することくらいは問題ないと思っています。ただものすごくかかわりたくないだけです。このスタンスは崩していかないように気を付けていきましょう。
「尊重する……。そうですね、わかりました。ありがとうございます二人とも」
「……それでは二人とも、こちらの鉱石についてはどう思いますか?」
リュールはあなたたち二人を女性陣が見ていた鉱石の露店まで連れてくると意見を聞いてきました。先ほどの話を得てあなたとユナカのことをもっと知りたいとのことでしょう。
「ほほう、これはなかなかよい鉱石でありますな。さきほどの武器の色艶にも負けておりませぬ」
「ブロディアは鉱石が良く取れるからな。名産品といってもいい」
「ねぇ”――”、さっき神竜様に合う鉱石を見ていたのだけれどあなたはどれが似合うと思うかしら?」
むむっ、セリーヌに難題を突き付けられてしまいました。あなたは生涯女性にまともなプレゼントをしたことがありません。特に宝石など。そんな彼女いない歴=年齢のあなたにまともなプレゼントを贈れるとは思いませんし、相手は神竜様です。さらに二人きりの時に散々褒め散らかしているというのにこれで自分には荷が重いですのでお断りします、などと言えるような感じではありません。リュールもどこか期待しているような、どんなものを選んでくれるのかという興味の視線をあなたに向けてくるのであなたは渋々真剣に選ぶことにします。それにしても種類が多いです。
リュールは見ての通り青と赤の二色の髪色をもったかなり特徴的な色合いをしています。リュールの綺麗さ可愛さはあなたは前に言った通りなのでそれに合わせるには同じ青と赤系を入れるのはよした方がいいでしょう。うむむ……と悩みながら鉱石とリュールを交互に見ていると似合いそうな色を見つけました。
「緑色……ですか?」
青と赤の髪色に白い洋服。それに合いそうなのが緑とあなたは結論付けました。胸元に飾るとして緑色がリュールの持つ色全てに合うと思ったからです
「私のすべてと……ですか。……あの、特にどれがいいと思いますか?」
おっと今日の神竜様は深く攻め込んできます。緑というだけでもいろんな種類があるというのに周りから見られている中で、あまり時間を使える気分にはなりません。お店や案内してくれているディアマンド王子に失礼だからまた次の機会に来ましょうと提案します。
「いや、私のことは気にしなくてもいい。というより神竜様に選ぶというのなら私が代金を出そう」
「え?そんな悪いですよ。紋章士の指輪を譲ってくださったのにこちらは何もできていませんのに鉱石をもらうなんて……」
「神竜様が来てくれたおかげで兵たちの士気が上がり皆訓練に身が入っている。実際父上や兵たちと稽古をしてくれたのだろう?そのお礼としてだ。さあ”――”殿、神竜様に選んで差し上げてくれ」
おのれディアマンドなんて余計なことを。これであなたはリュールに鉱石を選んであげざるを得なくなってしまいました。とりあえず緑色でリュールに選ぶものを選びます。
真剣に鉱石とリュールを何度も見比べること数回、最終的にあなたが選んだのは深い緑色の宝石の王様であるエメラルドのような鉱石でした。真っ白のリュールの服に合い、赤と青の髪色とも喧嘩しないものを選んだのです。
「ほぅ……エメラルドか」
エメラルドあるのかこの世界。
「店主、エメラルドを。代金は請求書をディアマンドに書いてくれ。ほら”――”、あなたからの神竜様への贈り物だ。お渡しになるといい」
それは道理ですが女性に宝石を送るというのに人に代金を題してもらって送るというなんとも情けなさがあなたの心の中に渦巻きました。
「わぁ……とっても綺麗です。この深くで鮮やかな緑色が本当に……ありがとうございます”――”大切にしますね」
リュールは本当にきれいなものをもらえてうれしそうにしているのですが、この状況に何とも言えない情けなさを感じるあなたには気にするような余裕はありませんでした。そんなこんなでディアマンド王子の案内は続きました。
「ところで神竜様、エメラルドの鉱石の意味はご存じですか?」
「鉱石の意味とはなんですか?」
「はい、鉱石にはそれぞれ意味……それにこめられた想いというものがあるのです」
「そうなのですか。”――”がくれたこのエメラルドにはどんな想いがあるのですか?」
「エメラルドの鉱石の想いは、幸福、幸運、希望……そして愛」
「幸福、幸運、希望、愛……、……愛!?」
「おやおや?おやおや??おやおやおやおや???」
「まぁ……!なんて素敵なんでしょう!主のためならばどんな立場の者への物言いを恐れず、その主に献上した鉱石に込められた想いは愛……なんて御伽話のよう……!」
「か、彼はそのようなことは考えていません!」
「あら?ですがあたくしは聞いておりますわよ?二人きりで”――”に個人的に褒めてもらっているのでしょう?」
「えぇ!?私聞いてませんよ神竜様!」
「は、話したんですかセリーヌ!クロエ!」
「あらごめんなさい神竜様。つい口を滑らせてしまって……王女たるものこんなことではいけないわね。反省するわね」
「神竜様、それでどのようなお気持ちですか?あなたのためならどのような危険をも冒す方から「愛」の想いを込めた贈り物をもらったお気持ちは!」
「ぅ……ぁ……ぇぁ…………か、からかわないでください!おわわわりりです!おおわりです!終わりです!」
一応緑色とか入れても似合うと思うの。なんとなくだけど。多分アイビー王女加入したらペンダント的なものに加工してもらうと思う。
今回も読んでいただきありがとうございました。
そして明日がDLC。楽しみだけど怖い