転生特典を得て努力しなくて済むようになった幸せ者のお話   作:水属性大好きマン

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ーーーーねぇステルク

ーーーーん?どうした?

ーーーーヴァ……女の子ってやっぱり才能があって強い男に惹かれるのかな?

ーーーーんーまあ世間一派的にそうかもしれないな。
…………だけど、少なくとも俺達の近くにいる誰かさんは才能で強い奴よりも努力で強くなった男の方が好みだと思うぞ?
…………まあその誰かさんは、それに加えて自分より強い奴とかの条件がありそうだけどな

ーーーーそっか…………ま、まあ別に誰かにモテたいわけじゃ無いけどね。
でも本当の意味で認められたい2人は居るんだ。
だから僕は努力を辞めたりなんてしない。
いつかーー憧れの2人と胸を張って肩を並べられる日が来るまでは



再会

 グラの誕生日以降、2人はグラが来ることを何日も待ち続けたが、グラが2人の前に姿を現すことはなかった。

 

 だが二人が自分からグラに会いに行く事は無かった。

 

『神社に来なくなった者に此方から接触する事を禁ずる』

 

 ーーこの神社には上記の決まり事があり、その為二人はグラに会いに行くことが出来なかった。

 

 だからこそ二人は、初めこそは来れない事情があるのだと己を納得させ、普段以上に厳しい修行を行うことで気を紛らしていたが、3日4日と時間が経過する事に2人の集中力は散漫になり、特にヴァジラは通常の特訓だけに飽き足らず、長老との木刀の打ち合い中ですらふと気が抜けるという、一歩間違えれば大事故に繋がりそうになる程支障が出始めた。

 

 そんな日々が1週間ほど経っても改善されなかった為、長老は悩んだ末、特例を出す事にした。

 

 

「……私個人としては、行くべきではないと思っている。

だがそう言ってもお前達は納得しないだろうからな…

……今回に限り特例を認めよう」

 

「本当か!! お爺ありがとう!!!

ーーーーよし、ステルク! 今すぐ向かうぞ!!!」

 

「おう!! …全く、休むなら手紙の1つでも寄越せって説教してやらないとな!」

 

 

 

 

 神社の決まり事のこともあり、グラの家どころか住んでいる島すらも知らない二人だったが、グラがいつも乗ってきている渡航船の乗員にお願いし、島と家の場所を聞き出す事に成功した。

 その勢いのまま二人は船に乗りグラの住む島へと渡った。

 

 

「ここがグラの住む島か……いい島だな!」

 

 

 島に着いた二人は船員に描いて貰った地図を見ながら、真っ直ぐ目的地まで向かっていたが、目的地と呼ばれる場所に近付くにつれ、その足取りは少しづつゆっくりなモノへと変わっていった。

 

 

「1週間ぶりにグラに会うのかと思うと……なんだか緊張するな」

 

「まあ友達になってからこんなに会わなかったことないもな。

……もしかしたら留守かもしれないし、会う前からそんな様子じゃ大変だぞ」

 

「そ、そうだなーーーーあ! これはーーーーグラの匂いだ!!」

 

 

ヴァジラの嗅げる匂いの範囲内に入ったのか、グラの匂いを嗅ぎ取ったヴァジラは目にも止まらぬ速さで駆け出した。

 

 

「緊張してたんじゃ無かったのかよ…」

 

 

先程までとは打って変わって笑顔で駆け出したヴァジラに溜め息を吐きながらも自身も笑みを浮かべてヴァジラを追いかけた。

 

 ーーーーそして、そんな二人が1週間ぶりに見にしたグラのは、

家から少し離れた芝生で頭の後ろで手を組んで仰向けに空を見ていた。

 

 

「……グラ?」

 

 

 久々に目にした友達の姿にヴァジラは少しだけ違和感を覚えた。




『神社に来なくなった者に此方から接触する事を禁ずる』

 この決まりが出来たのには二つの理由がありまして、
1つは善意で神社に寄付してくれたら方にもう一度寄付するように詰め寄る者が絶対に現れない様にする為。

 もう1つは、神社で修行する上で他の者との才能の差を痛感し、鍛える道から離れる覚悟を持った者を身勝手にも連れ戻そうとする事がないようにする為に産まれました。

 長老は、そもそも才能差があり過ぎる二人に無理して喰らい付いているグラをこっそり気にかけていました。
なので来なくなったのは、遂に心が折れてしまったのだろうと確信していました。
だからこそ悪気が無いとしてもグラの心を折った二人は会いに行くべきでは無いという考えを持っていましたが、才能ある二人……特に将来十二神将になる事がほぼ決まっているヴァジラがこのまま修行に集中出来ずに才能を発揮出来なくなる将来を危惧し、ヴァジラ達の才能の為にグラと接触する事を許可しました。

 想定通り、グラが折れてもう来ないとヴァジラから伝えられた場合には、長老はグラに頭を下げに行く決心はしています。
…何が言いたいかと言いますと、つまり長老は悪い人じゃ無いって事です。
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