転生特典を得て努力しなくて済むようになった幸せ者のお話 作:水属性大好きマン
ガブリエル様実装おめでとうございます!!!
ーーーーいいなぁ……
ーーーーん?突然どうした?
ーーーー僕もステルクの『力』みたいな何が秀でたモノが欲しいなっと思ってね。
ーーーー憧れてくれるのは嬉しいが、どうせならヴァジラの『闘いの才能』とかの方が見栄えがいいと思うぞ?
ーーーーヴァジラの場合は大抵の事が『凄い』から逆に憧れ辛いんだよね〜
ーーーー……それ本人には言ってやるなよ?
ーーーー言ったところで出来ない奴の僻みにしかならないから言わないよ
ーーーー頼むぞ?ーーーーそれで誰かに羨まれるような秀でたモノならお前だってちゃんと持ってるぞ?
ーーーーえ!?またまた……
ーーーー嘘じゃ無い。お前は今の時点で既に誰よりも『目』が良くて、一度見た攻撃に対する対処法が俺やヴァジラよりも飛び抜けて上手い。
そんなお前がこれからも修行を続けてもしも見た事もない攻撃にすら対応出来るようなったら……!
ーーーー見えたとしても体が動かなかったら意味ないけどね……
ヴァジラとステルクがかつての幼馴染に敗北してから早4年、空の世界は表向きには大きな事件も起きず平和に存在していた。
だが平和というのはそう簡単に続くものではない。平和に見えたとしても裏では何か蠢いている可能性もあるーーそう考える組織も少なくなかった。
そんな数ある組織の1つーー星の世界と空の世界の境目を見張る役目を持つ組織『十二神将』に所属する『アニラ』は今日も役目の一環として見知らぬ土地を回っては何か困り事がないかを調査するパトロールをしており、
現在はその道中で頼まれた魔物狩に精を出していた。
「ーーーーうむ!このくらい狩れば暫くは問題無いかの?」
そう口にしながら自身の薙刀を地面に突いて辺りに散らばる十数体の魔物の死体に目を向けるアニラ。その立ち姿にはまだまだ余裕が感じられたが、その目には少なからずの疲労が見え隠れしていていた。
そんなアニラの様子を知ってか知らずか依頼主の老人はアニラの問いに満足そうに頷いた。
「えぇ! これ程の魔物を狩って頂いたのなら暫くは安静でしょ。十二神将様、この度は誠に有難う御座いました!」
「なに、これも十二神将としての役目の一環じゃ!」
アニラの言葉に老人は今一度深く頭を下げた。
魔物の討伐の礼としてこの町1番の宿を用意して貰えることになったアニラは巷で噂の温泉に思いを馳せながらも、それを表に出すことなく雑談も兼ねて依頼された時から疑問に思っていた件を老人に尋ねた。
「この町にもいくつか騎空団があるようじゃが、普段魔物のトラブルがあった際はそこ等には依頼せぬのか?」
アニラが町でそれ程小さくない規模の騎空団をいくつも見かけていた。
そうだというのに十二神将と名乗った瞬間にアニラ今回の魔物討伐の依頼が舞い込んだ。
自分で言うのはなんだが、来たばかりで何の実績もない小娘よりも町で活動している騎空士達の方が信用が有るのでは無いかと内心疑問に思っていたのだ。依頼された時にはそれを少しも表に出す事なく請け負ったが。
「基本的な依頼は彼らが解決して下さるのですが、先程のような力を持った魔物の狩りに関してはあまり積極的には動きませんね。
……彼に反感を買う事を恐れているのでしょう」
「彼?」
アニラの問いに老人は言いづらそうに返す。
「この町を拠点にしているとある男の戦士です。彼は基本的には魔物討伐以外の依頼は受けないんですが、その実力は魔物染みた強さを持っていて、噂では一晩で100を超える魔物を狩った事すらあると言われています」
「なんと一晩で100体とは!?確かにとんでもない強さじゃのぅ」
「基本的に問題を自分で起こすような方では無いんですが、手痛い報復を受けたいという噂も少なからず流れているのでこの町の者達は基本的には関わりたがりません。
なので今回のように彼が遠出してる際に魔物トラブルが起こると問題が大きくなってしまいまうのです…」
彼が悪いわけじゃ無いんですがねと、ため息を吐く老人にアニラは苦労を労ることしか出来なかった。
噂の温泉をじっくり満喫し、そろそろ横になろうかと準備をしていると、突如アニラの部屋の扉が激しく叩かれた。
最低限の身支度を整えてから扉を開けると、そこにはこの部屋を用意してくれた老人の姿があった。
「夜分の突然の訪問誠に申し訳ございません!!何卒十二神将様のお力をお貸し下さい!!」
「町の子供の1人が魔物の出る森に足を運んでしまったかもしません…
どうか十二神将様も捜索に協力して頂けませんか…?」
扉を開けるや否必死に頭を下げてこちに頼み込んでくる老人にアニラは一言勿論じゃ、と笑顔で返した。