大有双外伝   作:生甘蕉

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ガンダムビルド○○○○○編 5話

 なんかあっちの俺が未解放エリアに拠点を築いたらしい。

 GBNのパーティというかチーム、部隊であるフォースの拠点はフォースネストって名称なんだけど、普段は転送で行ける空間にある部屋でどこかのエリアに設置すれば、そのエリアの構造物となる。

 エリア設置のためにはフォースランクやポイントやコインが必要なんだけど、その辺いいのかな?

 

 一応、あっちの俺が運営には報告したんだけどバグで行けちゃった未解放エリアだってことは誤魔化されて「隠しエリアだからひろめないでね」みたいな返答だった。拠点化もなし崩しにOK貰えたみたい。

 いつアップデートでなかったことにされるか微妙な気はするけどね。アプデで拠点ロス……うっ、オリジナルの記憶が!

 

 わがフォースであるビルドダイバーズもアニメと同じく初フォース戦であるイベントバトルを申し込んでその打ち合わせのために謎空間のネストで会議。

 なんだけど。

 

 ううっ、なんかじっと見られてるよ!

 ダイバ忍ことアヤメちゃんに。

 初対面のはずなのにさ!

 

 プレイヤーはフジサワ・アヤ。ダイバーであるアヤメはかなり胸を盛ってると評価される子だ。名前的にオリジナルの奥さんの五十嵐(いがらし)(あや)との融合を疑っていたんだけど、その心配は今のところないっぽい。

 なのに睨まれてる。ツカサがなにか吹き込んだんだろうか?

 アニメのように握手を拒まれたりしてないのに。

 

「あ、あの?」

 

 ぷいっとされてしまった。

 なんか俺、悪いことしたっけ?

 も、もしかしてJCハーレム野郎って蔑まれてるのか?

 女性に嫌われていたオリジナルの記憶が甦る。ビルドダイバーズで一番好きなキャラにこんなことされるのはツラい。

 

 ……仕方ないか。ツカサをなんとかして、前のフォースのガンプラを回収できれば仲良くしてくれると信じよう。

 それより問題はどこまでやるか、なんだよなぁ。

 俺があんまり活躍するとリク君たちの成長を妨げることになるんじゃないかって思えちゃって。

 リク君たちには強くなってもらわないと困る。

 

 ビルドダイバーズの世界は平和なのに続編だと地球がピンチになるからね。いや、ホビーアニメはなぜかホビーで世界の命運をかける戦いが定番っちゃ定番なんだけどさー。

 ビルド系のはそんなの関係なく、遊びだからこそ真剣にやってるのが好感持てたっていうか。だから俺的には続編の評価はちょっと低い。

 

 続編主人公のヒロトの方はどうするかな?

 ELダイバーのイヴは助けたいから、同じくELダイバー化したZ1を仲間にしたあっちの俺がフォローすればいいか。メイが生まれなくなりそうなのはなんとかデータ片を複製してバラ撒くとか考えんと。その辺はツカサ頼りになりそうではある。

 

「コーイチさん?」

 

「あ、ああ。チーム戦の前に会議なんてちょっと昔を思い出して。バトルの戦場はわかってるんだから実際に行ってみるのもいいかもね」

 

 今はこっちに集中しないといけないか。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 ガンダムベースの店員にはなっていないが、展示やレンタル用のガンプラの制作は頼まれているし、人手がほしい時はこうして妹に呼び出される時もある。

 

「データがあればパーツをキットの状態で作ってくれるってスゴいよなあ」

 

 リク君のガンダムダブルオーダイバー用にも出力した、この射出成形機いいなあ。オリジナルも欲しがるだろうからスキャンしたデータ、ハロ通信で送っておこう。

 

「あ、お兄ちゃん。ファクトリーベースにいたんだ。探したよー」

 

「どうした? またガンプラの区別がつかなくなったのか?」

 

「なんで似たのばっかりあんなにあるかな? じゃなくて! ご指名よ!」

 

 は?

 ご指名?

 リク君たちがきたのかな? 仕事中だからGBNのプレイはできないって知ってるだろうに、なにかあったんだろうか?

 不安になりながらも妹に手を引かれた先には2人のお嬢様、それにメイドと執事が待ち構えていて。

 

「あなたがケイワン? ダイバーの面影があるわね。あの時はお世話になりました」

 

 ぺこりと頭を下げる1人のお嬢様はGBNでこの前あったイリヤのプレイヤー。あっちの俺の記憶で知っているよ。

 もう1人も知っている。ガンプラビルド系アニメのキャラだ。

 ただし、ビルドダイバーズのキャラでも、続編のキャラでもない。

 金髪でやや大きめなドリル4本の彼女は「おーっほっほっほ」と笑ってから自己紹介。

 

「私はヤジマ・キャロライン」

 

 え? なんでキャロちゃんが?

 ビルドダイバーズじゃなくてガンダムビルドファイターズのキャラだよねこの子。

 たしかにビルドファイターズのキャラではオリジナルの推しだった気はするけどさ。

 もしかしてこの世界、ビルドダイバーズじゃなくて、ビルドメタバースだったってこと?

 

「は、はあ。ナナセ・コウイチです」

 

 混乱しながらも名乗り返す。

 名刺も作っておくべきだったかな?

 

「あなた、なかなかのビルダーだそうね。私のコーチにしてさしあげるわ」

 

「は?」

 

「ちょっとキャロラインお姉様、私の用事の方が先よ!」

 

「はい?」

 

 え? この子たち姉妹……ではないよな? 顔はあんまり似てない?

 

「この前のV2? はお兄様にさしあげることにしたの。だから、私用の可愛いガンプラを用意して!」

 

「ええと、ケイゼロの連絡先、知ってるよね? あいつに頼んだ方がいいんじゃ?」

 

「だって、お兄様はあなたのガンプラが大好きなんですもの」

 

 むう。そう言われると悪い気はしないが、どっちも同じなんですが。ウソ八君によく見れば違いがわかるとか適当なこと言っちゃったもんなあ。

 

「でもそれなら、お兄さんのガンプラをお兄ちゃんが用意すればいいんじゃない?」

 

 ややこしい提案をするなナナミ。

 

「お兄様、ケイワンさんの作品に手を加えるなんておそれ多いけど、そうじゃないなら自分で改造できるからって、すごい喜んでくれたの」

 

「あれを改良か。それは楽しみだね」

 

「でしょう! だから私も自分の、可愛い! ガンプラがほしいの!」

 

 可愛いを強調するイリヤプレイヤー。可愛いって言われてもなあ。

 まあ、ガンプラを選ぶのに悩むぐらいで可愛いのを作るのは問題ないか。ビルドダイバーズでサラちゃんのボディを作るのは俺なのだからね。

 そうなると、問題はこっちか。

 

「そっちは、コーチって?」

 

「そうよ。私にガンプラを教えなさい!」

 

「あ、あの、ニルス・ニールセンは?」

 

「誰ですの、それ?」

 

 あんたの彼氏で婚約者でしょうが!

 もしかしてニルスまで女性化しちゃってる? ……いや、GPDはビルドファイターズのガンプラバトルシステムと違ってプラフスキー粒子を使用してない。なんで動くかはわからんがプラ粒を使ってないからニルスはGPDに興味を持たなくて、ガンプラに手を出さなかったということかもしれない。

 戦国アストレイも好きなんだけどなあ。

 ……GPD人気が下がってるからニルスはガンプラはやってるけど、ヤジマ商事が彼、もしくは彼女のスポンサーにつかなかったというのもありえる?

 

 

「キャロライン様はお嬢様のご親戚のお姉さんなのですが、ライバルとみなしていた方が最近、ご友人の趣味であるガンプラに染まって、自分にかまってくれないのが寂しいと」

 

「ち、違うわよ!」

 

「それはすみません。私の勘違いでしたか」

 

 なかなかいい性格してそうなメイドさんが事情を説明してくれた。この人もGBNではセラかリズになるのだろうかね?

 真っ赤になって否定するキャロちゃんでだいたい察する。

 でもライバルってチナちゃんでその友人ってセイだよな。

 イオリ・セイ。ビルドファイターズの主人公で重度のガノタ。……オリジナルの奥さんの星と融合してる可能性もあるか? 男の子だったらこのメイドさんはボーイフレンドって説明しそうだし。

 

「ともかく、私がチナさんにGPDで勝てるようにコーチさせてあげるのですわ!」

 

 金髪ドリルお嬢様が得意気にパチンと指をならすと今まで黙っていた執事、というより帝愛で働いてそうな黒服グラサンがやはり無言で小切手を取り出す。……まさかもう1人の主人公っぽいレイジがカイジと融合なんかしてないよな?

 

「そ、それこそケイゼロのやつに頼んだ方がいいんじゃ? ってGPD? GBNじゃなくて?」

 

「それですわ! チナさんをたぶらかすあの女がやっているGPDでこてんぱんにして、目を覚まさせてあげるのですわ!」

 

 あの女、か。やっぱり女の子なんだセイ君。でもリク君たちも女性化している世界だからなあ。会って確認する必要があるな。母親でありヒロイン扱いされることも多いイオリ・リン子は既に稟、凛子のオリジナルの奥さん2人が見つかっているので心配はないけど、他に誰かいるかもしれないからあとでじっくり考えないと。

 そしてセイ君が女の子だからこそキャロちゃんも仲のいい子を奪われたって感じが余計にしているみたいだ。

 

「あれ? お兄ちゃん、GPDって人気ない、よね?」

 

「GBNに比べたらね。俺たちがやっていたチーム戦なんてもう大会もほとんど無いよ。ただ、筐体は高いからね。購入した模型店やゲーム店はまだ稼働させてる場所もあるし、レンタルも前に比べたら安くできる。地域のイベントでも個人戦の小さな大会はあるみたいだよ」

 

 それなりに気を使ったのか、俺にとってデリケートな質問をゆっくりと聞いてきた妹に答える。

 ()は個人戦よりもチーム戦での大会出場を目指していたから、仲間がいなくなってどうしようもなくなっていたんだけどさ。……あいつらと世界を目指すつもりだったのに!

 

「さすがね。お兄様がGPDにも詳しいって言ってたとおりね!」

 

 その「さすが」はお兄様にかかっているんだろう。かなりのブラコン。プリズマっぽい? 魔法少女か。ガンダムでも選択肢がないワケじゃあない。

 つうかウソ八君、どんだけ俺の情報集めてんのさ。ちょっと怖いぞ。

 

「世界大会もあるのですわ!」

 

「個人戦のね。キャロ……ライン君はそれに出たいってワケじゃあないよね?」

 

「大会の予選受付ももう終了していますから、そこまでは求めませんわ」

 

 ふむ。フォース戦の準備もあるし、断るつもりだったけどGPDと聞いて()が疼き出してしまっている。

 この子に関わっていれば、ビルドファイターズの子たちとも接触しやすくなるか。

 

「そうだね。モモカ君のガンプラ制作のついでに一緒に教えるのならそんなに手間にならないかな?」

 

「私をついで扱い?」

 

「先約だからね。それが嫌ならこの話はなかったことに」

 

 オリジナルの奥さんたちの確認がちょっと面倒になるかもだけど、直接会いにいけばなんとかなるだろう。ビルドファイターズの方はプラ粉がないならアリスタの暴走もないだろうし、世界の命運がかかることはあるまい。

 だから、こっちの方が重要。地球が駄目になったらいるかもしれない奥さん方もまずいからね。

 

「……仕方ありません。それでいいですわ」

 

「キミのガンプラもその時一緒に作ろうか。自分で作るのも楽しいよ」

 

「わ、私も?」

 

「その後の改造はお兄さんと一緒にやればいい。まずは基礎だけでも、ね」

 

 小っちゃいお嬢様は真っ赤になってゆっくりこくんと肯いた。

 そしてナナミ、なんで黙って考え込んでいる?

 

「GPDの世界大会予選……」

 

「どうした?」

 

「え、ええとね……もしかしてお兄ちゃん、エントリーされているかも?」

 

「え?」

 

 急にワケのわからないことを言った妹。よく見ればだらだらと汗をかいて目も泳いでいる。手の動きもわたわたと挙動不審だ。

 

「い、いやあのね、ずいぶんと前にね、GPD世界大会にガンダムベースでも代表選手を出そうって話があって、でも誰も立候補者がいなくて、ほらみんな、今はGBNばっかりやってるでしょ?」

 

「それで?」

 

「だからお兄ちゃんGPD経験者ですよって説明したら、じゃあよろしくって言われてね。リク君たち紹介する前だったし、お兄ちゃんが立ち直るきっかけになるかもって。で、でも、それっきりその話を全然してもらってないから、GPDも廃れたし、世界大会もなくなったのかなー、なんて……すっかり忘れてた、ごめんね」

 

 はあ、とため息。そりゃ()はチームのみんながGPDを離れて落ち込んでいたけどさ、個人戦にエントリーされてもなあ。しかもガンダムベースの代表枠なんて。

 

「どうなってるか、ちゃんと確認してくれ」

 

「え? お兄ちゃん出るの?」

 

「わからないけど、出るにしろ出ないにしろ、きっちりとしとかなきゃマズイだろ?」

 

 まあ、話がこなかったってことはガンダムベースから代表選手を出さなくなったかか、他に出たいやつが見つかっただろうから、そんなに気にすることもないか。

 

 

 ◇

 

 

 そしてすぐに作業コーナーで講習開始。

 

「工具は用意してる? なければここで売ってるから買ってね」

 

「コーチのおすすめはありませんの?」

 

「あるにはあるけど、結局、手で使う物だからね。自分の手に合った好みのやつを使うのがいいと思うよ」

 

 お高い工具をいきなり揃えそうでちょっと怖い。

 

「はーい。手で千切るのは駄目ってのは覚えたよー!」

 

 お嬢様2人に合流したモモカちゃんも当初は驚いていたが、持ち前のノリでぐいぐいといっているみたいだ。

 

「まずは説明書をよく読んで、パーツの確認。それが済んだら今回は普通に組み立てまで行こうか。改造なし接着なし塗装なしの素組み。シールもまだ貼らない仮組みってことで」

 

「仮、ですの?」

 

「うん。それで持ち帰ってじっくり動かしてみて、改良点を考えてみてくれ」

 

「私、どうしたいかもう考えているよ!」

 

 モモカ君はベースとなるカプルを使ったことがあるから、改良点はまとまってるんだった。

 アデリーペンギンの動画を見せられるんだよね、たしか。

 

「実際に自分で組んでみると、また違った部分が見えてくるかもだからね。それにあのカプルも素組みじゃないからそれとは結構違うんだ」

 

「そうなんだ。あの子もスペシャルだったんだねー」

 

 モモカ君は当然カプル。キャロライン嬢も騎士ガンダム。残るイリ子嬢は悩んだけど結局、HGUCのザクIを選んであげた。いわゆる旧ザクである。

 

「ザクI? たしかに丸っこくてかわいい?」

 

「うん。それを1日号っぽく改造しようと思うけどどうだろう? 魔法の少尉ブラスターマリって漫画に登場したMSなんだ。あとで漫画も見てくれると嬉しい」

 

 こっちの世界でもブラマリがある記憶があるので漫画も探せば見つかる。

 まあ、1日ザクはFZ(ザクII改)を旧ザクっぽくしたイメージだけど。ニコイチしちゃうか? 予算はありそうだ。

 面倒なのはステッキだけどそれぐらいは作ってあげてもいいだろう。

 

「ガンダムなのに魔法なの? あ、魔女ってのもいるんだっけ?」

 

「水星の魔女は魔法使わないからね」

 

 だってイリ子ちゃんだから魔法少女は外せないよね。

 V2に合わせたらVセカンドも捨てがたいが、キットないしね。それともV? 旧ザクが気にくわないみたいだったらV系で見繕うかな。

 

「ちょっとランナーを残してニッパーで切って、カッターで綺麗に切る、ね」

 

「ああっ、パーツ一気に切っちゃ駄目だってば」

 

 少女たちはついでに参加したいと言ってきたリク君とユキオ君のサポートを受けて、無事に素組み完了。オリジナルがしたロリ嫁たちとの勉強会の記憶が役に立った気がする。

 でも、疲れた。カッターの持ち方を教えようと手に触ったら、柔らかくて妙に意識することになっちゃったりして焦ってさ。むこうはそんなに意識してないのに!

 

 オリジナルみたいに早く一線越えて女性に慣れるべきなんだろうか?

 相手がいればなあ。

 

 




リアルの方で不幸があってちょっとしんどい
いつもとノリが違ったらごめんなさい
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