キングダム-デカいあいつ-   作:ガウチョ

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転生先は中国らしい

嫪毐に転生した男がまずびっくりしたのが、どうやら自分は相当古い時代の中国に生まれたらしい事である。

 

家族はアジア圏っぽい彫りが浅い顔の黄色人種で、喋っている言葉も中国語っぽいし来ている服がどう見ても手作りだ。

 

そして偶に見る偉そうな人物とかお金を持ってそうな人物の服のデザインが、質はともかく昔見た三国志の映画で見たものによく似ていた。

 

だが生まれた場所は秦という名前の国で、そんな名前の国は三国志に出ただろうかと首を捻る男である。

 

そして転生した嫪毐の生家は周りに比べて比較的裕福な家で、商家としてそれなりに成功していた。

 

使用人や従業員をそれなりに抱えて忙しく商いをやっており、嫪毐自身は生まれてから両親と使用人達に世話をされて生活し、何不自由なく暮らしている。

 

しかし…嫪毐は至って普通に暮らしていると思っても周りはそうは見ていなかった。

 

前世は日本生まれ日本育ちだったせいか中国語を日本語に脳内で変換してから理解しようとして言葉を覚える事にまごつき、日本とは違う風土や環境に四苦八苦。普通なら元気が有り余って仕方がない子供も老成した魂が入っているので異端に見えていた。

 

幼い頃から人の顔色を伺い、体に染み付いたように空気を読もうとする態度は周りの大人に卑屈さが滲み出てるように見え、更に言葉の習得が周りの子供より遅い彼を知恵遅れと判断するには十分な材料になってしまった。

 

大人はそういう子供だと理解して無関心になれるが、逆に子供はそういう変な子には過敏に反応するものだ。

 

嫪毐はそういった細かい失敗を経て、数えで四才ぐらいにはすっかりイジメの対象になっていた。

 

……が、風向きは変わったのは嫪毐が六才位になった頃である。

 

何とか言葉も覚えて話せるようになり、字の読み書きも覚え始めた嫪毐は物事を理解し始めると、転生前に育んだ学力が機能し始めたのである。

 

それは算術であったり生活の知恵であったり、国や宗教に寄与しない学術であった。

 

曲がりなりにも転生前は大学まで卒業した男が擦り切れた記憶にあった知恵を利用し始めると、周囲の大人達は嫪毐の能力に注目した。

 

両親も徐々に嫪毐に地頭の良さに気がつき、商売の手伝いを任せ始めるとこれが勘所を得たように熟すので、次第に嫪毐はやれ神童だ天才だと称賛されていく。

 

実際は昔取った杵柄なのだが、嫪毐としてもいじめを受けている状態から脱却を図るために賢しらな子供を演じ続けていくしかなかった。

 

そして嫪毐が数えで8を過ぎた頃に体にある変化が訪れた……精通したのである。

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