ようこそ選択肢に振り回される人生へ   作:らら

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堀北さんに夢見てます。


第十二話 挑発の行方

【あっ、はい】

 

【ブホォwww】

 

改めて見てもおかしいだろこれ!?ぷんぷんって言ってくれたじゃん!!可愛いかったじゃん!!

 

それで満足だろ!?なんでわざわざ煽るんですの!?ワケワカンナイヨー!

 

もしかしてアレか?もっと感情込めて言わないとダメだよーんとでも言うつもりじゃないだろうな!?

 

勘弁してくれ!!難易度高スギィ!!ルナティックかよ!!バランス調整ミスってんぞ運営!!

 

「あっ、はい」

 

「……ちょっと、人にこんな事言わせておいてその反応はいくら何でも失礼だと思うのだけれど?」

 

正論ドストレートパンチ本当にありがとうございます!!まっことその通りにございます!!

 

でもダメなんです!!

 

貴方に本気のぷんぷんして貰わないとギャン泣き懇願させられちゃうんです!!

 

だから頼む!!ぷんぷんと言えぇェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!

 

「いや、君だったらもっと素晴らしいぷんぷんを披露してくれると思ったんだけどな…どうやら期待外れみたいで俺はそう、がっかりしたんだ。いやなに、無理を言ってすまなかったな。人間誰しも得手不得手があるものだよ」

 

「何ですって?…それはこの私に対する挑発と見做してもいいのかしら?」

 

「挑発もなにもただ無理なものを無理と言っているだけだが?でもそうだな…君がもっと感情を込めたぷんぷんを披露してくれるなら俺が間違っていたと判断し、誠心誠意謝罪しようじゃないか。……無理だと思うがね」

 

ゔぜぇぇぇぇぇぇえええぇえぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇええぇ!!!!!!!!!!!

 

俺、うっぜぇぇぇええぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!!!!!!

 

もういっそのこと死ねよ!!挑発しか芸がねえのか俺はっ!?人間レベル低すぎんだろ!!

 

「…いいわ。その挑戦、受けて立ってあげる。そこまで言われて大人しく引き下がるほど私は優しくないの。後悔しないことね」

 

やっぱ優しいなこの娘ッ!?

 

普通に付き合ってらんねえ失せろカスってぶっ叩かれるレベルの非礼を働いてると思うんだが!?

 

ノリよくない!?いいよね!?全く、黒髪美少女は最高だぜ!!(唐突)

 

「では魅せてもらおうか、君の最高の演舞を!!」

 

「望むところよ。…ぷ、ぷんぷんっ……!」

 

「声が小さいっ!」

 

「なっ…ぷんぷんっ……!」

 

「思い切りが足りないっ!!」

 

「くっ…ぷんぷんっ…!!」

 

「もっとォ!熱くなれよォ!!」

 

「っ…ぷんぷんっ( `Д´)ノ!!」

 

「wonderful!!」

 

思わず口からそう溢れるほどそれは、紛れも無く史上最高のぷんぷんだった。

 

これにはさすがの選択肢も満足しただろうと胸を撫で下そうとしたその瞬間、

 

【「おいおい!バス内ではちゃーんと静かにしろよぉ!じゃねーとみんなの迷惑だぜぇ!!」】

 

【しゅき♡】

 

木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!?

 

おかしいだろ!!いや確かにちょっとうるさかったかもしんないけどさ!!

 

それ誰のせいだか分かってる!?

 

テメェだよ!!正確には俺とお前だよ!!

 

自分で焚き付けておいて上なんか言えるかっ!!

 

ド畜生にも限度があるわ!!

 

くっそまた消去法かよふざけやがって!!

 

「しゅき♡」

 

「……気色が悪いわ」

 

なにこれキッツい!!でもそうだよな…なにを考えているんだ俺は……

 

男が言っても吐き気がするだけだもんね!!

 

だから別に気にしてないしっ……くそぅ。

 

 

あ、でもそれはそれとして……

 

「悪い。あまりに高レベルな物を見せられて語彙力が消滅したみたいですの。

……あとさっきは散々煽り散らして本当に悪かった、誠に申し訳ございませんでした!」

 

謝罪はちゃんとしないとね。

 

…なんか今日謝ってばっかりな気がするな。

 

汚職まみれの政○家かよ。

 

まあ選択肢が絶好調だからな仕方ないか。

 

何でコイツの尻拭いを俺がしなきゃなんねえんだよ意味わかんねえよ…

 

「ふっ…あなた、私と出会ってからずっと謝ってばかりね?」

 

若干の笑みを浮かべながらそう返してくれる目の前の少女はもう女神か天使に類する崇め奉る存在でいいんじゃないでしょうか。

 

「息するみたいに謝罪案件がぽんぽん湧いてくるからな…いやほんとに」

 

「もう少し考えて喋ったらどうなの?」

 

ぐうの音もでねえ!!

 

「それが出来たら苦労しないさ…思ったこと全部口に出ちまうんだ」

 

「そう。難儀な性格ね」

 

これも全部選択肢ってやつが悪いんだ!!

 

「それはそうと俺たち何の話してたんだっけ?……ウッドチップ?話が脱線しすぎてもうわけわかんねえよ…」

 

「そう言えばまだしりとりの途中だったわね。…あなたが急に関係ない路線に突き進んで行くからすっかり迷子になってしまったわ」

 

その言い回しちょっとおしゃれですね?なんて考えていると再びヤツが現れた。

 

【君の名前を教えてほしい】

 

【俺の名を言ってみろォ!!】

 

知らねえだろ名乗ってないんだから!!

 

そうツッコミながら、確かにまだ自己紹介してないことに今更ながら気付く。

 

俺は名前も知らない少女に喧嘩売りまくってたのか…と辟易とするが、どうせ何時もの事なので考えないようにする。

 

もう嫌なんだ…自分が…(ライナー)

 

「君の名前を教えてほしい」

 

突拍子もなく飛び出した俺の言葉に、彼女は意表を突かれたような、それでいて「ああ、そういえば」と納得したかの様な顔を見せて、此方に向き直って来た。

 

「私は堀北鈴音よ。あなたは?」

 

堀北鈴音…フッ、いい名前だ。

 

そのまま名前を素直に教えてくれた感動に打ち震えていたかったが、俺の名前も聞かれてることに気付き慌てて脳を再始動する。

 

「矯正一択(きょうせいいったく)だ。よろしくな、堀北」

 

「ええ。よろしく、矯正くん」

 

これこれ!!こう言う普通の自己紹介がしたかったんだよ俺はっ!!

 

いいぞ〜これ〜最高やなっ!!

 

鉄扉粉砕して名乗るとか意味分かんないからね!!平和ですなー

 

【いっくんでお願いします】

 

【たっくんでお願いします】

 

うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!?!?!?!?

 

うっそだろおまえっ!?人との距離感バグってない!?

 

いきなりあだ名で呼んでくださいなんて言えるかっ!!しかも絶妙にキモいしっ!!

 

これが許されるのは幼馴染系ヒロインとその主人公だけだよ!!

 

 

 

 

……やっぱ言わなきゃダメ?そっかぁ。あはは…はぁ

 

「たっくんでお願いします」

 

「…聞かなかったことにしてあげるわ。''矯正''くん」

 

あら優しい…うふふ……あれ、なんか涙が出てきた……

 

「そうして貰えると助かる。気にしないでくれ…」

 

堀北の聖人っぷりに圧倒的感謝を送りたい。

 

マジでこれから『あなたが人生で尊敬している人は?』って聞かれたら「堀北鈴音です!!」と即答するくらいには感謝している。

 

その優しさは世界を救えるぜ!!堀きt

 

【連絡先交換しようぜ!!】

 

【性感帯交感しようぜ!!】

 

またお前かっ!!しかも見たことあるしっ!!

 

有栖ちゃんの時も同じもの出してたよな!?

 

初っ端からがっつかせる攻略スタイルやめません?

 

ある程度仲良くなっててからでしょそういうイベントは?

 

……交換拒否確定ガチャとか辛すぎんだろふざけんな。

 

「連絡先交換しようぜ!!」

 

「連絡先?…ああ、電話番号の事ね?確かに、何となくだけど長い付き合いになりそうだし、交換しておいて損はないかもしれないわね」

 

あ、あれ?意外と好感触?……やったz

 

【「やだやだー!!連絡先交換してよぉー!!」と小声で泣きつく】

 

【堀北の電話番号を出会い系サイトに晒しあげる】

 

結局こうなるのかよぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!

 

わざわざ小声でって書いてあるとこがムカつくわ!!

 

他人に配慮する前にまず俺に配慮しろよ!!

 

いい感じに交換できたじゃん!駄々捏ねなくても交換できたじゃん!!

 

邪魔すんなよこの疫病神が!!

 

…いっ!?あだだだだだだだだだpkvglgqvvsl!??!?くっそ選ぶしかねえ!!

 

「やだやだー!!連絡先交換してよぉー!!(小声)」

 

「え、えぇ?…だから、別にしてあげると言っているでしょう?泣かないでちょうだい」

 

「ありがどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛(小声)」

 

「!?ちょ、ちょっと!な、泣かないで…ほら、私の電話番号よ」

 

ママ!ママ!!(幼児退行)

 

 

 

…はっ!!いかんいかん!!精神的負荷が大きすぎて年齢退行してしまった…気持ち悪すぎるな……口に出さなくてよかった。神様ありがとう

 

【「ママ!ママ!!」】

 

【魔魔を召喚する】

 

神は死んだッ!!

 

「ママ!ママ!!」

 

「……流石に怒るわよ?あと気持ち悪いわ」

 

それだけで済ませてくれるってほんまええ人やなっ!!ありがとナスっ!!

 

 

そんなやり取りを続けている中、ふと周りに目を向けるといつの間にかバス内が随分混んでいることに気づいた。

 

……老婆が一人座れずに困っているみたいだ。どうしようかなと考えていると、耳が痛くなる様な注意が聞こえてきた。「席を譲ってあげようって思わないの?」と。

 

いやね?別に普段だったら喜んで譲ってるよ?でもね?今俺の隣には堀北鈴音さんが居るの。

唐突な奇行を見せられても会話を打ち切らず付き合ってくれる凄く優しい子が居るの。

ここまで最高に楽しかったの。会話たのちぃ。

 

つまり俺はもっと堀北と話したい。

 

だってこれ逃したらこの先俺と仲良くしてくれる女の子なんて存在しなさそうなんだもの!!

 

それはNO!男心的にNO!!ましてやこの矯正一択が歩む青春の道に置いてはなあ!!

 

だからすまん!老婆よ!!俺の青春の為の尊い犠牲になってくれ!!

 

……クズ?なんとでもいえ!!俺はこの道を進み続けるぞ!!

 

【思いの丈を堀北鈴音にぶち撒ける】

 

【思胃丈瑠(オモイタケル)を体の中からぶち撒ける】

 

誰だよ!?そして出来るかぁ!!

 

要は死ねとっ!?俺に今すぐ死ねとっ!?

 

精神的に死ぬか肉体的に死ぬかの二択じゃねえかふざけんな!!

 

「いやね?別に普段だったら喜んで譲ってるよ?でもね?今俺の隣には堀北鈴音さんが居るの。

唐突な奇行を見せられても会話を打ち切らず付き合ってくれる凄く優しい子が居るの。

ここまで最高に楽しかったの。会話たのちぃ。

つまり俺はもっと堀北と話したい。

だってこれ逃したらこの先俺と仲良くしてくれる女の子なんて存在しなさそうなんだもの!!

それはNO!男心的にNO!!ましてやこの矯正一択が歩む青春の道に置いてはなあ!!

だからすまん!老婆よ!!俺の青春の為の尊い犠牲になってくれ!!

……クズ?なんとでもいえ!!俺はこの道を進み続けるぞ!!」

 

本当に全部言わされた!!キモすぎんだろいくらなんでも!!

 

こんな事言われて堀北も困惑してるよきっと!!

 

「っ…….そ、そう。いきなり何を言い始めたかと思いきや物好きね、あなたも。

 私に話しかけても面白くないわよ?」

 

いやめっちゃ楽しかったんですが?この上ない幸せを感じておりましたが?マジで。

 

「凄い楽しかったけどな。迷惑じゃなければこれからも仲良くしてくれると俺は大変嬉しいです」

 

「……考えておくわ」

 

「前向きに?」

 

「ええ。前向きに検討して善処するから安心して」

 

「それやらないやつじゃん…」

 

「くすっ…どうかしらね?」

 

そうして堀北との会話を楽しんでいると、どうやら老婆の方で状況が動いたみたいで、同じ制服を着た女の子が優先席を独占している男に注意していた。

 

だがそれが無駄に終わると、次はバス内を見回して席を譲ってあげて貰えないかと頼み込んでいた。

 

正直すげえなと思う。こう言う時一番最初に行動するのって死ぬほど勇気がいる事だからな…いつも選択肢に弄ばれて訳わからん行動を一番最初に強要されているからこそよく分かる。

 

……助けてやりたいけどな〜でもな〜ここから離れたくな———

 

 

【「馬鹿野郎お前!!俺は譲るぞお前!!」】

 

【「おばあさーん!!僕の膝の上なら空いてますよ!!」】

 

やっぱり!!来ると思った!!予想通りだよコンチクショウ!!

 

……隣の堀北に何の相談もせず席譲るのか…嫌われるだろうな……はぁぁぁぁぁぁ(クソデカため息)

 

 

「馬鹿野郎お前!!俺は譲るぞお前!!」

 

「!?」

 

「「!?」」

 

突然立ち上がった俺に堀北は勿論、老婆や件の女学生までもが驚愕の視線を向けてくる。

 

やっぱ何回味わっても辛えわこれ!!

 

「い、いいのかい?」

 

「いいんですよ!だから早く座ってください!!ほらほら!!」

 

選択肢がアホ行動する前になっ!!

 

「ありがとうねぇ」

 

無事に老婆と居場所をシャンブルズした俺は通路の後方に下がり立つことにした。

 

……別に堀北の視線が怖かったからとかそんなんじゃないぞ?ほんとだよ?

 

清隆が座ってるから着くまで適当に駄弁ろうと思って下がっただけだからね。

 

 

 

 

……嘘じゃないぞ?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それから程なくして目的地に到着した。

 

東京都高度育成高等学校。こうして改めて見るとすごいな。なんというかデカい、すげえデカい。

 

取り敢えず周りと同じように天然石を連結加工した門を清隆と一緒にくぐり抜けようとしたその時、

 

「ねえきみっ、さっきお婆さんに席を譲ってくれた人だよね?ありがとう!!」

 

先程バス内で乗客に呼びかけた勇気ある少女が話しかけてきた。

 

しかしデカいな…ナニがとは言わんが。

 

それにしても立て続けに美少女と面識を持てるなんて俺、結構運いいかも

 

【その薄汚い仮面を着けて話をかけるな。虫唾が走る】

 

【このでけえおっ○いが。俺が今から吸ってやる】

 

第一印象破壊RTAはぁーじーまーるよおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!




選択肢くん絶好調ですね。
矯正くん可哀相……(他人言)
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