ようこそ選択肢に振り回される人生へ   作:らら

15 / 37
須藤くんの口調これでいいのかしら…


第十五話 自己紹介?私に任せなさい

「……べふっ」

 

バタァァァァァァン!!!!

 

自分でもびっくりする程の大きな轟音を立てて教室の床と熱い抱擁を交わす。

 

シーン…と静まり返った教室の空気を感じ取り、マジで死にたくなる五秒前に突入した。

 

流石の清隆もあまりに突然な蛮行故かフォローに入ってくれない。

 

……心が、死にそうです。

 

そのまま立ち上がる気力もなくプルプルしていると、恐らく先ほど入ってきた先生であろう人物が心配気な声を飛ばしてきてくれた。

 

「あー…君、大丈夫か?随分派手に転倒していたようだが…保健室にでも行くか?」

 

うふふ…腫れ物に触れるような声色って慣れればすぐ分かるんですのよ?

 

「いえ…大丈夫です…放っておいてください……」

 

不貞腐れてそう返し、席に戻って机に突っ伏し自分の世界に入る。

 

なんでどうしてこうなるんだおかしいだろ間違ってるだろふざけやがってもっと普通の青春ライフ遅らせろよ性格悪すぎだろナンデナンデナンデどうしてどうしてドウシテ…………

 

 

……もういやだ…入学初日で何でこんなに目立たなくちゃいけないんだ……。

 

あれ?俺またなんかやっちゃいました?(邪道)系主人公にはなりたくないよ……。

 

どっちかっていうと圧倒的劣勢でぼこぼこにして「ねえねえ今どんな気持ち?雑魚だと思ってた俺にぼこぼこにされてどんな気持ち?NDK?NDK?m9(^Д^)プギャーwwコポォwww」って煽るタイプの主人公になりたいよ…。

 

目立つならまだそっちの方がマシだ!!くそぉ…なんて事を延々と考えていると隣の佐倉が肩を

ツンツンと突いてくる(可愛い)のを感じた。

 

それと同時にシャットダウンしていた周囲の音が頭の中に響き渡る。

 

具体的にはウェヒヒハシャイジャッテ!な声が大多数聞こえてくる気がする。

 

…なんで?俺が飛んでる間に何があったんだろ…ってそれを伝えてくれる為に多分佐倉は肩ツンしてくれたんだよな。

 

彼女に尋ねるのが一番だ。席隣だしメル友(仮定)だし。まだ嫌われてない筈だし!!

 

その希望的観測を燃料に焼べ、肉体を再起動し頭を上げる。

 

「あっ、やっと反応してくれた……。よかったです…何回か呼びかけてみても一向に反応がなかったので心配してました」

 

佐倉は天使、はっきり分かんだね。

 

「いや、悪い。転んだ衝撃で少し長い走馬灯を見ちまったみたいで……心配してくれてありがとな」

 

「そ、走馬灯?……えっ、それって…大丈夫なんですか?保健室……行く?」

 

シュワット!?言葉のチョイス間違えた!!いらん心配かけちまってるわコレ!!

 

【その必要はない】

 

【その必要はないわ】

 

たまーにお前とシンクロする時あるよな!!

 

正にその通りだよ!!

 

「その必要はない」

 

「そ、そうなの?」

 

「ああ。ただの冗談だからな。紛らわしい事言ってごめん」

 

「う、ううん!何もないならそれで……よかったです」

 

結婚したい(マーレの戦士)。

 

はっ!?違う違う!!いや違わないけど!!半分くらい本音だけど!!

 

しかしほんとにいい娘だな…守護らねば…守護らねばならんぞ……!!

 

佐倉を悲しませる奴は一匹残らず駆逐してやるッ!!

 

その為の地獄(筋トレ)だったんだ!!

 

「さんきゅ。…それはそれとしてこの騒がしさはなんなんだ?随分楽しげに見えるが」

 

帰りに色んなお店見て行かない?いいね!!きゃっきゃっきゃっきゃっしてるのが見えるな。

 

女の子同士って…いいよね……

 

「あっ、はい。あれは…その、この資料を見て貰えば分かると思うんですけど……一人当たり十万円相当のポイントが配布されるらしくて……」

 

「へぇ〜十万ね、太っ腹じゃねえか。…十万ね〜……ん?十万?……はっ!?十万ッ!?マジでっ!?」

 

学生に十万配布!?ほんとに言ってんのか!?

 

詐欺とかじゃなくて!?嘘でしょ!?

 

僕の名前はキュゥべえ案件じゃねえだろうな!?

 

大丈夫なんですの!?

 

「ひうっ…は、はい。ほんとです……マジです」

 

思わずデカい声出して佐倉をビビらせちまった!!

 

一生の不覚だ…消え去りたい……俺が悪いんだよ……

 

「わ、悪い。あまりの衝撃に叫ばずにはいられなかった…びっくりさせたな」

 

「い、いえ…気持ちはわかるので……気にしないでください」

 

気持ちわかるんだ…金銭感覚的な親近感が湧いてくるな。

 

「……佐倉も大金で浮き足立つ気持ちとかあるのか?」

 

「え!?そ、それは…少し…だけなら……ある…かも……」

 

「ほう。意外だな。欲しいものとかあるのか?」

 

「欲しい…もの……?。…すぐには思いつかないけど……強いて言うなら…カメラ…かな……?」

 

【自撮りとかするんですか?】

 

【私を…撮ってッ!!】

 

ここに来て選択肢ッ!?佐倉相手だとちょっと大人しくなるから安心してたのに!!

 

内容は意外とまともだし脈絡もあるからまだマシだけどさ!!

 

邪魔しないでくれよな〜頼むよ〜

 

「自撮りとかするんですか?」

 

「……へっ!?自撮り!?……し、しないよ?風景とか撮ったり……だよ?本当だよ?」

 

滅茶苦茶挙動不審だな…もしかして意外と自撮り系女子だったりするのか?なにそれ萌える。

 

でも触れて欲しくないみたいだしスルーしとくか…自撮り写真、あるなら見たいけど!

 

なんてやり取りを続けていると、「皆、少し話を聞いて貰ってもいいかな?」と声が聞こえてきた。

 

なんだあのイケメン…もげろ。

 

何を言うのかと密かに注目していると、同じクラスなんだから自己紹介して仲良くなろうぜ!!との事らしい。

 

いやこんな言い方はしていないが。

 

自己紹介という単語を聞いてからアタフタし始めた佐倉が可愛いというのは置いておいて…この状況非常にまずい。

 

だって自己紹介だぞ?こんな美味しい状況で選択肢さんが黙ってるわけないだろ?逃げたい…マジで逃げたい……と思うが、ここで釘を刺してくるのがコイツの腹黒いところだ。

 

【自身の自己紹介が終わるまで教室に残る】

 

【佐倉がグラビアアイドルだと嘘を吐き、その間にトンズラする】

 

ほんとにいい性格してるよなテメェ!!

 

大天使サクラエルにそんな背徳行為できるかぁ!!

 

くそっ、結局選択肢からは逃げられないってことかよ!!

 

上だ上ェ!!

 

選んだ瞬間から世界は正常に動き始め、言い出しっぺのイケメン君から自己紹介を行っていく。

 

俺はというと、いつ選択肢が横槍を入れてくるか気が気でなく、全く内容を聞いていなかった。

 

しかし門前で大暴言を吐き散らしたあの娘の番になっても奴が出てくることはなく、少しだけ気が抜けてしまっていた。

 

もう普通にしてようかななんて思案していると赤髪の少年が「俺らはガキかよ。自己紹介なんて必要ねえよ、やりたいやつだけでやれ」とイキリ倒しているのが目に入ってしまった。

 

わかる…わかるよ…俺もそのくらいの歳の時スカしてんのがカッコいいとか思って無気力系気取ってみたりしてたから……強く生きろよ、少年。

 

発症時期に大差がある例のあの病に侵されている(と勝手に思ってる)少年に黙祷を捧げていると、彼は「仲良しごっこするために入ったんじゃねえ」と席を立ち教室から出ようと歩き始めた。

 

うぐっ…な、仲良しごっこ……うわぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!その単語聞きたくねぇぇぇぇぇぇえ!!!!

 

俺が古傷に悩まされていると突然世界が停止した。それはつまりアイツが現れる合図だ。

 

【ちょ、待てよ】

 

【中二病乙と煽る。とにかく煽る】

 

 

うっそだろおまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえぇ!?!?!??????!!!?

 

引き止めてどうすんだよ!!「俺たちは生き残ったイタイ人の僅かな仲間だ…仲良くしようやっ!!」とでも言うつもりか!?無理だろ!!殴られて終わりだよ!!

 

不良と中二はフュージョンじゃねえんだよ!!ポタラなんだよ!!人の言うことなんて絶対聞かないの!!

 

ああもう!!あんたってほんとバカァァァァァァァァ!!!

 

「ちょ、待てよ」

 

少年の近くまで行き、上記の台詞を発する。

 

「ああ?なんだおまえ?…まさか自己紹介しろだなんて言うつもりじゃねえだろうな?」

 

「いや、そんなつもりは毛頭ない。ただ男同士仲良くしたいと思ってな…つい引き止めてしまったんだ。気を悪くしたなら謝っておく」

 

「…ケッ、だったら後で個人的に話しかけてくりゃいいだろうがよ。…そん時は聞いてやるよ」

 

おお…意外と会話が成立するな…俺がこの位の時は『馴れ合いなど不要!!孤高の王にそんな物必要ない!!ハーハッハッハッハッハッ!!!!』みたいになってたのに……これは嬉しい誤算だな。

 

「さんきゅ。じゃあまた後でな」

 

「…おう。俺はもう行くぜ」

 

血生臭い結果にならなくてよかったーマジd

 

【貴様は何者だ!?何しに此処へ来た!!】

 

【お待ちください!!】

 

強制イベントキタァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!

 

ふざけやがって!!アイツの名前聞くまで終われませんってか!?

 

バカヤロウ!!男の名前聞く為にそこまで頑張れるか!!

 

やる気でねぇぇぇぇぇぇえぇええ!!!!!!

 

「お待ちください!!」

 

「…はあ?んだよ、まだなんかあんのか?」

 

鬱陶しそうに此方を振り向いてくる少年。その気持ちわかるわー

 

「…な、名前くらいは教えて貰ってもいいか?」

 

男の名前を必死に知りたがる俺は周りからはどう映っているのだろう?そんな考えが頭をよぎり、なんかもう嫌になる。

 

……一部女子の熱い視線を感じるのは気のせいだろう。女子はほもが好きなんてただの都市伝説だ。

 

「なんでそんなに知りたがるんだよ…ならまずおまえが名乗りやがれ。話はそれからだ」

 

お、おお!意外にも好意的だぞ!!あんま嬉しくないけどな!!

 

でもここで名乗ればループから抜け出せるってことだな!!勝った!!第二部かn

 

【うまぴょい伝説(全部俺)を全力で披露する】

 

【矯正・K(カナラズエラブカラ)・一択に改名する】

 

くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!!




うまぴょい!うまぴょい!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。