ようこそ選択肢に振り回される人生へ 作:らら
「それにしても今日は色々あって疲れたよなぁ…はよ帰って寝てえですの」
「あはは…確かに、今日の矯正くんは絶好調だったもんね」
「精神的には絶不調だけどな……いやマジで」
俺こと矯正一択は只今現在、佐倉愛里さんと共に帰路に着いている。
……ん?教室内で出たあの選択肢はどうしたって?
……歌ってやったよクソがッ!全力でノリノリでな!マジで有り得ねえ!
それでもうなんか色々耐えられ無くなったので歌い終わったら即机に突っ伏して全力で現実逃避をした。俺悪くない。
ただクラスポイント云々のアレがあったので授業だけは真面目に受けました。あちしえらいですの!わぁい!
そして地獄の1日が終わったので、寮へ向かって帰っていると言うのが今の現状だ。可愛い女の子とな。……可愛い女の子である佐倉とな!(強調)
……てか俺って登下校は大体佐倉としてる気がするな?清隆と堀北はなんか二人で色々話してるみたいだし……はっ!?まさかあの二人……出来てるのか!?そう言うことなのか!?いや確かにあの二人お似合いだけど!気も合うみたいだしね!?ただ…くそっ、清隆の野郎!勝手に一足先大人になりやがって!本当におめでとうございます!……とでも言うと思ったか!?あーくそっ、羨ましい!滅茶苦茶羨ましい!
俺も女の子と仲良くしたい!デートしたいぃぃぃぃぃ!!!!!!
…ん?待てよ?今のこの状況……客観的に見たら放課後デートと言うやつでは?
可愛くて美人で性格は控えめだけどそれと反比例する様に実は発育良くて、しかも眼鏡ッ娘。おまけに優しくて癒しパワー全開な廃れた現代社会に降臨なされた聖守護天使大天使サクラエル。
そんな女の子と一緒に談笑しながら帰ってるんだぞ?
これって……ああ、下校デートだ!
……ふっ、下校デートか…悪くない。
【下校デート(笑)】
【げwこwうwデwエwトwwww】
うるせえェェェェェェ!!!!!!人の心読んでおちょくってんじゃねえぞこのでっけえ害虫が!
お願いだから死んでくださいお願いします!!
「下校デート(笑)」
「えっ……ど、どうしたの急に」
「なんでもないです。気にしないでください」
「う、うん……矯正くんがそう言うなら……」
はい困らせました!教室内でも散々迷惑かけたのにまた困らせました!
センセー!選択肢くんがまーた佐倉ちゃんいじめてまーす!
よーくないんだよくないんだー!
……ほんとごめん。マジごめん佐倉。
いつかこのクソ性悪選択肢女に土下座させるから!絶対にっ!!
「それにしても…思った以上にトンデモ設定な学校だったんだなここ。漫画かよ」
話を変える意味で思っていた事を素直に吐き出す。
「た、確かにそうだね…成績でクラスとか使えるお金とかが変わるって……漫画の世界みたいだよね」
「それなー。……もしこの学校退学になったら腹いせで『ようこそ実力至上主義の学校へ!』とか出版してみようかな」
「駄目じゃない!?守秘義務とか色々あるだろうし……!」
「……バレなきゃ犯罪では」
「駄目っ!」
「はい」
佐倉も当初に比べるとかなり遠慮がなくなってきてズバズバツッコミ入れてくれる様になったな……いい事ですの!
櫛田はこの娘が男性恐怖症の気があるって言ってたけど……そんな事ないんじゃね?って俺は最近思い始めてる。
だってぶっちゃけ俺より怖い男とか居ないだろ、常識的に考えて。奇行三昧だよ?
──俺の未元物資に常識は通用しねえ──
「なんか急に頭に響いてきたっ!?」
「えっ!?ど、どうしたの?」
「い、いやなんでもない……多分気のせい……か?」
頭の病気とかじゃないだろうな…いやある意味頭の病気だけど。てか呪いだけど。
「だ、大丈夫?やっぱり今日色々あって疲れちゃった?……あ、あの……わ、私に出来ることならなんでも言ってね!頼りないかもだけど……ち、力になるから!」
天使ですか?……天使だったわ。大天使サクラエルだったわ。
……それにしても俺の周り、母性的なアレがカンストしてる人多くない?二人も居るって相当レアだよ?
最高だなオイ!
「さんきゅ。あと佐倉にはいつも助けられてるからそう自分を卑下するもんじゃねえですの。感謝の極みですの!」
「っ…な、なにその口調?……ふふっ」
「マイブームですの」
やっぱ佐倉は笑ってる顔が一番可愛いよなぁ……惚れてまうやろ!いい加減にしろ!!
因みに俺はこの娘の笑顔を曇らせるヤツが居たらそいつの顔面を沈没するまで殴り続ける。絶対に。
そげぶですのそげぶ!
「……私、矯正くんの力になれてるのかな……」
途端にシリアス顔になって暗い影が差す佐倉の表情。
……えっ、どしたの?マジでどうしたの?
俺は急変した佐倉の様子に焦って声をかけようと──
【「いいぜ…お前が俺の力になれてねえって言うなら……まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」】
【顔面そげぶ】
ふざけやがれこのバカッ!まずはお前をぶち殺してえよ俺はっ、いい加減にしろ!!
顔面そげぶってなんだ!?殴るのか!?佐倉を!?出来るわけねえだろアホかッ!!
くっそぉ…珍しくシリアスな雰囲気になりそうだったのにまたこれだよ……ごめんな佐倉。
「いいぜ…お前が俺の力になれてねえって言うなら……まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」
「!?」
突然の奇行に目を見開く佐倉。……そりゃそうですよね!分かってましたとも!ええ!!
ただ俺の挽回能力のならここから巻き返せる筈だ!がんばれ俺!!
それっぽいこと言え俺!上条さんを憑依させるんだ俺っ!あの話術サイドのヒーローを!!
「佐倉…俺の力になれてねえだなんて…そんな悲しいこと言うなよ……。俺は、いつもお前に助けられてるんだぞ?」
「……え?」
俺は上条さん…俺は上条さん……俺は上条さん……。
歯が浮く様な、カッコいいセリフを言うんだ……。
「だって、いつも変な事ばかりしてる俺の側にいてくれるじゃんか。友達として一緒に居てくれるじゃねえか。……俺にとってはそれだけで…幸せで、嬉しくて……心の底から救われてるんだ、佐倉。……ありがとうな…一緒居てくれて」
……いや無理だわこれ!滅茶苦茶恥ずかしいわコレ!キャラに合って無さすぎるわコレッ!!
あの熱い台詞って上条当麻が言ってるからカッコいいんだね!?流石主人公、格が違うぜ!!
「あ……うぅ……」
顔を赤くして俯く佐倉。
……これは、どっちだ!?俺の言葉が実は格好良くて照れて赤面してるのか、はたまたキャラに合って無さすぎる突然の臭い台詞に思わず赤面してしまったのか……どっちだ!?
……でもここまで来たらもう止まれねえ!ヤケクソだオラァン!!
締めはもちろん……あの言葉だよなぁ!?もう早く終わらせてやるぜ!
「いいぜ佐倉…お前が俺の力になれてねえだなんて戯言を抜かすなら……まずはそのふざけた幻想をぶちゅごふっ」
噛んだ。おもっくそ噛んだ。マジ有り得ねえ。死にたい。
【もう一度言う】
【今後一生語尾がぶちゅごふっになる】
オレ、オマエ、キライ。
「いいぜ佐倉…お前が俺の力になれてねえだなんて戯言を抜かすなら……まずはそのふざけた幻想をぶちゅごふっ」
もう一度言うってそう言うことかよ!やり直すとかじゃなくてまた同じ様に噛んで言うってことかよ!!
クソがァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
もう羞恥心やらなんやらで居た堪れなくなった俺は、取り敢えず佐倉がどれだけドン引いてるか確認しようと視線を向けた。
すると……。
「ふっ…ふふっ……!」
肩を震わせて必死に笑いを堪えているであろう彼女の姿が見えた。
……いやまあいいけどさ……ドン引かれるより全然マシだからね……うん。
別にいいし。本当だし。
でもなんか少しだけムカついたので、佐倉のおでこに死ぬほど手加減したデコピンをお見舞いすることにした。
「……ていっ」
「あたっ?……あれ、痛くない?」
「手加減してますから。てか笑いすぎでは?」
「あっ、ご、ごめんね?でも…あ、あれだけ大事な場面で二回も噛むなんてっ……ちょっと……ふふふっ」
どうやら彼女のツボに入ってしまったらしい。
……ま、笑ってくれるならいいけどさ。
「でもこれで伝わったろ?俺にとって佐倉は癒しの極みなんだよ。心の中じゃいつも大天使サクラエルって呼んでるんだぜ?」
「な、なにそれ……でも、うん。……矯正くんの気持ちは、伝わったかな」
俺の気色悪い独白に微笑んでくれる佐倉は本当に優しいと思いました。はい。
【冗談ですの!】
【 ヘ(^o^)ヘ ジャッジメントですの!(キリッ
|∧
/
バァーン!! 】
うっせえですの!
うっせえですのおおぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉおぉお!!!!!!!!!!!!
「 ヘ(^o^)ヘ ジャッジメントですの!(キリッ
|∧
/
バァーン!! 」
「…………じゃ、じゃっじ……?」
今までの流れの全てをぶった斬って行われた理解不能な決めポーズと決め台詞。当然彼女は困惑する。
今の状況↓
▼ きょうせいの ちょうはつ!
▼ しかしさくらにはこうかがないようだ……
▼ さくらはようすをみている……!
うん!気まずい!なんとかしないとね!ははっ!……はは……。
【ジャッジメントですの!】
【ですの!ですの!!】
しつけえェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!