ようこそ選択肢に振り回される人生へ 作:らら
【目の前の少女をチェス勝負でぼっこぼっこにする(オート)】
【目の前の少女をぼこぼこにする】
…この選択肢が出た瞬間は思わず動揺してしまったが、今までの実質一択で選ばざるを得ないにも関わらずクソッタレな内容に比べたら幾分かマシじゃないか?
だってこれ上一択だろ?
散々挑発した挙句最後には手を上げるってそれどこの鬼畜男?
畜生すぎるね、帰ってどうぞ。
…しかしこの場合上選んだらどうなるんだ?
強制じゃなくてオートって事は選択肢が俺の意志と体を完全に操作するってことか?
俺的世界性悪ランキングを猛烈に爆走してるコイツに体を預ける?何の冗談だ?死ぬほど嫌なんですけど。
…ああでもこれで坂柳をフルボッコにしたら少しは印象良くなるか?今のところただの馬鹿だしな。
……えっ!?今からでも建てられるフラグがあるんですか!?やりますやります!
まあしょうがないよな!選択肢で出ちゃったし?神的な存在であるこれに頼って好印象持たれるのは主人公補正みたいで若干心苦しいが…しかたないよね!だって出ちゃったんだもん!!
たまにはいい思いしてもいいよな!!
いやこれで下がもっとマシなヤツだったらそっち選んでましたよ?ほんとだよ?
決して「まだ好かれる可能性はゼロになった訳じゃない!やったぜ!!」とか喜んでないですからね?
………………よしっ!!(本音)
「では始めましょうか。ああ、先手はお譲りしますのでご安心を」
「随分気前がいいんだなじゃあ早速…と行きたい所だがよく考えたらまずチェス盤がない事には始まらなくないか?持ってる?」
「何を可笑しな事を…チェス盤なら頭の中にあるでしょう?」
「……え?」
(;・ω・) ?ナニイッテンダコイツ?
「…もしやこの私にあれだけの大口を叩いておいてこの程度の事ができませんと仰るつもりではないですよね?」
【うるせぇぶっ飛ばすぞ!!】
【あまり強い言葉を遣うなよ…弱く見えるぞ】
情緒不安定すぎんだろ黙ってろ!!
「あまり強い言葉を遣うなよ…弱く見えるぞ」
「!ふっふふっ…この期に及んでまだそんな…ええいいでしょう、ぼっこぼっこにしてあげます!」
ひえっ…殺る気が2倍マシマシに…で、でも大丈夫だ!俺には選択肢が憑いてる!!
コイツの送り主は多分神かなんかの超常存在!!
それがぼっこぼっこにするって言ったんだ!!勝てる!勝てるぞこの戦!!
悪いな坂柳っ!!勝者の椅子は一人用なんだ!!
坂柳が如何に優れていようと…
「勝つのは俺だ。精々後で泣き喚かない事だなっ!!」
天上の意思に勝てる訳ないだろっ!!いい加減にしろ!!
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「……チェックメイト、です」
「……(^ω^)?」
「んふっ…そんな顔しても負けは負けですよ」
あ、あっるぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?
なぜっ!?何故私が敗北している!?有り得ないっこんな結末は有り得ない!!ウゾダドンドコドーン!
いや見てたよ!?意識はハッキリしてたから普通に負けるとこ見てたよ!?
でもだからこそびっくりだよ!!相手は腐っても超常存在だぞ!?勝てるんですの!?
坂柳お前頭良すぎだろ!!すげえ(小並感)!!
はっ…人の身にて天上の意思に辿り着く存在…俺はその存在を知っている!!
「坂柳お前…レベル6だったのか…」
「……はい?」
「いや何でもない…完敗だよ。強すぎんだろ泣きそうになったわ」
「完敗ですか?そういうあなたも意外に健闘していましたよ。…そう、まるで人が変わったかのように」
な、なんで最後意味深な風に言うんですか?もしかして気づいてるのん?そんな訳ないよね?
…いや選択肢に打ち勝つほどの頭脳を持ってるんだから勘づいてもおかしくはないか。
イキって坂柳をぼっこぼっこにするとかほざいた選択肢を打ち負かすくらい頭いいんだからな~♪
ぷぷっ、ねえねえどんな気持ち?目の前の少女をチェス勝負でぼっこぼっこにするキリッ(`・ω・´)とか言って逆にぼっこぼっこにされるのってどんな気持ち?NDK?NDK?m9(^Д^)プギャーwwコポォwww
【うるせえチビッ!!まだ負けてないもんっ!!成長してから出直してこい!!バーカバーカ!!(立ち去る)】
【うるせえチビッ!!まだ負けてないもんっ!!成長してから出直してこい!!バーカバーカ!!(立ち去る)】
同一選択肢っ!?大人気なっ!!いいじゃねえかいっつもお前に弄ばれてんだから少し煽り返すくらいっ!!
悔しかったんか?悔しかったんだろ!?
勝てると思ってたのに負けて悔しいから八つ当たりしてんだろ!?恥ずかしいですね!!
ズッ!?あだだだだたただだっ!!??!?ちょっまってこの痛みはシャレにならない!!死ぬっ!!
選ぶよ!選ぶから落ち着いてくれ!!調子に乗ったのは謝るから!!
痛スギィ!
「うるせえチビッ!!まだ負けてないもんっ!!成長してから出直してこい!!バーカバーカ!!」
「!?ま、待ちなさい!私はチビではありません!!取り消しなさい!!」
ごめんなさい身体がこの場から全力で立ち去っているので無理です!!
あと怒った顔可愛いですね!!
訳分かんないやつでごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!
綾小路!!あとは任せたっ!!
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「うるせえチビッ!!まだ負けてないもんっ!!成長してから出直してこい!!バーカバーカ!!」
「!?ま、待ちなさい!私はチビではありません!!取り消しなさい!!」
矯正の一連の行動にキリがついたと思ったら最後に爆弾発言を残して立ち去っていきやがった。
目の前には憤ってる坂柳有栖が居る。
…オレをこの場に残して行くなよと若干の恨み節を込めた目で矯正が逃げ去った方を睨みつけるが既にその姿は見えない。
坂柳も同じ様にしていたが暫くすると諦めたのか息を整えオレに向けて話しかけてきた。
「綾小路くん、突然ですが私は人はDNAに刻まれた以上の能力を発揮する事は出来ず、生まれた瞬間にその人が発揮できるポテンシャルは決まっていると考えています」
「...本当に突然だな。だがそれはまたここの存在価値を真っ向から否定する様な考え方だな?」
「はい。ですので私はここの最高傑作となるだろうあなたを打ち倒すことにより、後付けの天才など存在しないと証明するつもりでした。…しかし彼のあの身体能力、あれは一体何の冗談ですか?」
「……」
「何時の時代、そしてどんな環境でも人はその身一つで鉄を破壊する事など出来ません。
人と言う生き物はそんな事が出来る様に作られてはいないからです。
だからこそ人は鉄を融解する機械を作り、それを自由に扱えるようにしました。
にも関わらず彼は道具を用いず、己の力のみで鉄扉を破壊しました。…念の為に聞いておきますがここの教育はあんな事が可能になるナニカを施しているのですか?」
「いや...そんなカリキュラムは存在していない」
「ですよね。では、彼は一体何をしてあそこまでの力を得たのでしょう?」
「......筋トレだ」
「......はい?筋トレ...ですか?」
「ああ。一日のカリキュラムを終えた後、矯正は独自に筋トレを行なっている。あの身体能力の源泉は恐らくそれだろう」
「......参考までに内容をお聞きしても?」
「...腹筋背筋腕立てスクワット毎晩10000回だ」
「...それは本当ですか?俄には信じ難いのですが」
「紛れもない真実だ。オレはあいつの最も恐ろしい所はその精神力にあると思っている。
どれほど苦難なトレーニングでも乗り越える事が出来る故に限界がない。
……今日は坂柳にチェスで敗北したみたいだが、努力型の天才であるあいつに次も同じ様に勝てると思わないことだな。
…… 次戦が有るとすれば、成長した矯正におまえはボコボコにされるだろう」
「...なるほど、ふふっ」
「......突然笑ってどうした」
「いえ。私の理念に真っ向から喧嘩を打ってくる存在である彼を完膚なきまでに打ち負かした時、私の理論はこれ以上ないほど完璧に証明されるのではないかと考えたらつい...ふふふっ」
こんな時あいつだったらどう返すだろうか?ふとそんな疑問が頭をよぎり少し魔が差した。
「...矯正に勝てる訳ないだろ!いい加減にしろ!!」
「......綾小路くんにその口調は似合わないと思いますよ。何というか馬鹿に聞こえます」
「そ、そうか...いや、そうだな......」
逆説的にそれは矯正の事を馬鹿だと言ってるようなもんじゃないかとは返せなかった。
否定出来る程の材料がなかったとも言えるが。
そんなオレを尻目に坂柳は此方に挑戦的な眼差しを向け、その小さな口を開いた。
「あなたの事も、矯正くんの事も私が葬って差し上げますよ」
「...お前にオレ達のことが葬れるのか?」
「はい。いつか、必ず」
「そうか...だが悪いな。負けるのは、想像できない」
「そうでなくては潰しがいがありません。...ふふふっ」
...随分と、敵視されているみたいだ。
「...矯正が心配だからオレはもう行くが、アイツに何か伝えといて欲しいこととかあるか?」
「そうですか?...では『次に相見えた時、それがあなたの最後です』と伝言をお願いします」
「分かった。伝えてお「あ、後もう一つ」く...なんだ?まだあるのか?」
「...私の事を小さいと罵ったことは地獄に堕ちても忘れません、と」
......気にしてたのか。
「あ、ああ。了解だ、伝えておく。...またな、坂柳」
「はい。また」
...厄介な奴に目を付けられたな。まあ負ける気はしないが。
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ゴミみたいな捨て台詞を吐いて盛大にあの場を立ち去った俺は、アドレナリンが切れた事による絶大なフィードバックダメージに苦しまされていた。
「ぜぇ...はぁ...なんだこれ痛すぎるッ」
身体中の筋肉がぶっ壊れた俺はその場で完璧なるヤムチャポーズを披露することしか出来なかった。...いやほんとにこの体勢が一番楽なの。
暫くそうして一人でモゾモゾしているとこちらに綾小路が向かってくるのが見えた。......ちゃんとフォローしてくれたよな?俺達友達だもんな?
「...大丈夫か?凄い体勢で蹲っているが」
【これで有栖お姉ちゃんの印象に残ったのなら、安いもんさ】
【大丈夫なわけないだろ。見りゃわかんだろぶっ殺すぞ!!】
まだそのネタ引きずんのっ!?お前有栖お姉ちゃん好きすぎだろ!!
本人居ないところで言うとよりガチ感増すからやめてくれ!!
下はゴミ畜生すぎて話にならんわっ!!
「これで有栖お姉ちゃんの印象に残ったのなら、安いもんさ」
「そ、そうか...それは...よかったな」
その優しさが辛いッ
「そんな坂柳からお前に伝言だ。『次に相見えた時、それがあなたの最後です』と『私の事を小さいと罵ったことは地獄に堕ちても忘れません』だとさ」
「...次に相見えた時?それはつまりもう一度会ってくれる気があるって事か?......勝ったなオイッ!脈アリじゃねえかオイッ!!風呂入ってくるぜ!!」
...後半については聞かなかった事にしよう!うん!!
俺のログには何もないぞっ!!
「ポジティブだな。...それより一つ聞きたいことがあるんだが」
綾小路が俺に聞きたいこと?珍しいな。なんですのん?
【問いを投げるか、雑種風情が、王たるこの我に向けて!】
【うるせえ殺すぞ】
日常会話にしゃしゃり出てくんなっ!!
今日もう疲れたんだよ!お前働きすぎだって!!
疲労困憊で死に果てるわ馬鹿野郎ッ!!
「問いを投げるか、雑種風情が、王たるこの我に向けて!」
頼む綾小路怒らないで!!
「......お前は先ほどの会話でこのホワイトルームからいずれ脱出する気があると言っていたが、あれは本気か?」
ハァッ☆完全スルー!?さすが綾小路!!
俺の扱いをよく分かってらっしゃる...
「...そんな事言ったか?」
「...連絡先のくだりの時言ってただろ」
「連絡先?...あっ、ああ〜確かになんかここから出た時とか口走ってた気がする!!よく覚えてんなそんなことすげえよ!!」
「オレからしたら今日一番衝撃を受けた出来事だからな、忘れられるか。で、どうなんだ?」
...友人がいきなり鉄扉蹴り壊した事の方が衝撃強くない?
俺の奇行に慣れすぎだろお前(愕然)
っていかんいかん!選択肢が邪魔してくる前にさっさと答えないと!!
「そりゃあこんなクソみたいなとこ可能なら今すぐにでも脱出したいに決まってんだろ」
「...本当にここから出られると思っているのか?」
随分と弱気じゃないですか綾小路くんらしくないねぇ!!
発破の一つでもかけてやるかっ!!
【うるせェ!!!いこう!!!(ドンッ!!)】
【無理だから一生ここにいる(死ぬまで)】
お前には頼んでねえっ!!
何俺の出番だみたいな感じで出してきてんだ!!
上の台詞はなぁ!色々葛藤や押し問答があった後によぉ!!
それでも燻ってるトナカイに向けた最高の誘い文句だからこそ感動するんだよ!!ストーリーありきの名言なのっ!!分かりますっ!?
俺が言ったらただの横柄な奴だわっ!!
クソったれめ!!下は論外だ!!
「うるせェ!!!いこう!!!(ドンッ!!)」
「ッ!?...そうか、そうだよな.....オレとお前が協力すれば、こんなとこ脱出する位訳ないよな!」
【当たり前だァ!!!!!(ドンッ!!)】
【当たり前だよなぁ?(ウホッ♂)】
これが言いたかっただけだろキサマァ!!
流れ組んでみましたとかそう言うのいらないから!!
大人しくしてろ!!
「当たり前だァ!!!!!(ドンッ!!)」
下は()にそこはかとなくイヤな予感がしたから選べなかったぜ!!
怖スギィ!
「...まあ、お前の器物損壊のせいで暫くは監視が増えそうだから無理だけどな」
それに関してはほんとにごめんなさいッ!!
次回有栖ちゃん視点が難しすぎる...