サトラレ ―後藤ひとりの場合―   作:やーなん

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ワイ「どうせこんなチラ裏だれも評価せんやろ」(鼻ホジ
赤評価バー「続き書け」
ワイ「はい……」

正直ぼざろの影響力舐めてましたわ……。



ぼっちと出会い

 

 

 

「(高校に入って一か月たつのに、友達居ないし。

 心の拠り所はこのギターだけ、ひきこもり一歩手前です~♪」

 

作詞作曲:私

『押し入れより愛を込めて』

 

 私はいつものように押し入れでギターを演奏していた。

 やっぱり、ギターは楽しい。

 

「(いやいや、私のクソなオリジナル曲は置いといて、人気バンドのカバー動画アップしなきゃ……)」

 

 お父さんに勧められて始めた“弾いてみた”動画、動画サイトにアップして程なくしてコメントが付いた。

 自己肯定感がアップするのを感じながら私はコメントに目を通す。

 

『めっちゃ上手い、プロだったりして!!』

『エフェクターは何を使ってます?』

『高校生でこれだけ弾けるってマ? 実はサトラレとかじゃない?』

 

『この曲、バンド組んで文化祭で弾きました!!』

 

 バタン、とそのコメントを目にした瞬間、反射的にノートパソコンに優しくない閉じ方をしてしまった。

 

「(私もバンド組みたくて中学の時にメンバー集めしてみたけど……)」

 

 思い出されるのは、私の無意味に終わった当時の記憶……。

 

 

 

 ──CDを机に置いてアピールしたり。

 

『(後藤さん、CDを机に置いてどうしたんだろ)』

(話しかけて……)

『(後藤さん、それだけじゃ話しかけるきっかけにならないよ……)』

『(机にポンってCDだけ置かれてもなぁ……)』

 

 ──バンドグッズを持って行ったり。

 

(話しかけて……!!)

『あ、そう言えば今日、推しのバンドのCDの発売日なんだ!! 

 誰か一緒に行く人居る~?』

『(ナイスフォロー!! 行け、行くんだ後藤さん!!)』

『(ほら、今がチャンスだぞ!!)』

 

(あ、むり……)

 

 そそくさとバンドグッズのカバンを隠す私……。

 

『ごめん、みんなダメだった……』

『また次頑張ろう……』

 

 ──お昼のリクエストソングで、当時はまっていたデスメタルを流したり。

 

【2ーA組、後藤さんのリクエスト曲です】

『お前の頭蓋骨を粉砕してやらぁヴぁええええええ!!!』

 

『ごめん、これはフォローできない……』

『これはあなたの所為じゃないって……』

『(どうしよう、今後藤さんの顔見たら笑っちゃう、面白すぎだろ後藤さん!!)』

『(誰だ、こんな空気の読めない曲を流すことを通したのは、校内担当の者は何をしてる!!)』

『(後藤さん、これじゃあバンド集めにならないよ……)』

 

 それから、担任の先生やクラスの誰もが目を合わせてくれなくなった……。

 

 蘇る、負の遺産。フラッシュバックする黒歴史。

 

 忘れろ、忘れろ!! 床に頭を打ち付けて記憶よ飛んでしまえ!! 

 

 

 

「あらー、今日はもうひとりちゃんの声が聞こえなくなったわねー」

「お母さん、今日はいつもより早いね!!」*1

 

 

 

 私はもう一度、ノートパソコンを開いた。

 そして己の自尊心を回復すべく、またコメント欄を見た。

 

『めっちゃ上手い、プロだったりして!!』

『エフェクターは何を使ってます?』

『※このコメントは不適切な内容の為、削除されました』

『この曲、バンド組んで文化祭で弾きました!!』

 

 一番下のコメントに、返信が付いていたので私はコメントを開いた。

 

『うちの学校にもギター居ないかなぁ』

 

 そんなコメントが書かれていた。

 こ、これだぁ!! 

 

 私の学校も、ギターを探してるバンドが居るかもしれない!! 

 

『次の何でもランキング、高校生に人気の部活第一位、軽音部!!』

 

 天啓を得た私を後押しするように、押し入れの扉を開けるとつけっぱなしになっていたテレビがバラエティー番組をやっていた。

 よくあるランキング形式で様々なコンテンツを紹介している番組だ。

 

『やっぱり軽音部に入ってるひとに憧れるよね~』

『うちの軽音部のメンバーのファンクラブもありますよ!!』

 

 今時の女子高生たちが、番組スタッフにインタビューを受けていた。

 

『最近じゃバンドアニメも流行してますし、オタクっぽい人もやっていますよねー』

 

 場面は変わってスタジオ、出演者がそんな言葉を発した。

 

「(や、やっぱり、勇気を出して頑張ってみよう!! 

 よし、明日ギターを持っていけば、絶対誰か話しかけてくれるはず!!)」

 

 ……でも本当は、分かっていたんだ。

 私の行動は全部、所詮は他力本願だって。

 

 

 次の日。

 

 私は手持ちのバンドグッズを身に付け、ギターを背負って登校した。

 こんな格好をしたら、目立たないわけがない。

 声を掛けずにはいられない!! 

 

 自分の姿を姿見で見て、うへへ、とそんな妄想を思い浮かべる。

 

(今年の文化祭は忙しくなるぞー!!)

 

 教室のドアを開けると同時に、ジャージのファスナーを開けてバンドTシャツを露わにしながら、私は死地へ赴いた。

 

 この時、私は話しかけられたらどう返事するかで頭がいっぱいで、緊張でどうにかなりそうだった。

 

 だから私は教室の空気が凍ったのにすぐに気づけなかった。

 

『(え、文化祭? なになに?)』

『(後藤さん、あれ武装かなにか?)』

『(秋葉原によくいる人?)』

『(なんか怖……)』

(さあ、話しかけて~~)

『(いや無理言うなし)」

『(まさか完全にヤンキーか不良の格好だって自覚無い?)』

『(サトラレが居るからってどうせ慣れると思ったけど、こんなん無理だろ……)』

『(やばいやばい、変に反応したらダメ、後藤さんがサトラレだってバレちゃダメ……)』

 

 自分の席に着席して、バンド雑誌を広げて読むふりをする。

 そして気づいた。

 クラスメイトのみんなの表情が強張っていることに。

 

 ……私はおもむろにたった今開けたばかりのジャージのファスナーを閉めた。

 

 気づけば私は心を閉ざし、その日の学校生活を終えていた。

 

 

 ……あれぇ? 

 

 

(なんで誰からも話しかけられなかったの?

 バンドグッズだってわからなかったのかな?)

 

 私は自分の他力本願を棚に上げてそんなことを考えていた。

 ギターを机の横に吊るして進路の邪魔をしていたのに、誰も気づかないなんて無いのに。

 

(あッ、あえて誰も話しかけてこなかったって説は!? 

 あ、いやいや、そんなの精神崩壊する~~!!)

 

 もう学校行きたくない、通学路にある公園のブランコに座り私はそう思った。*2

 

 ふと顔を上げると、公園のベンチにはサラリーマン風の男性が顔を俯かせて座っていた。

 

(ここに居る人は私と同じで孤独を抱えているんだ)

護衛対象に違和感を持たれた。離脱を支援してくれ

(きっとあの人は家庭内で──)

「パパー!!」

(えッ)

 

 私が勝手な妄想を繰り広げると、どうやら待ち合わせしていたらしい子供と奥さんが近づいて来た。

 

「ごめんね、遅れちゃって」

「良いって良いって。B班に護衛を引き継ぐ、以上

 

(絵に描いたような家族団らん!? 

 すみません、勝手に私と同じとか言って……)

 

 自分の思い描く将来とは無縁の光景を目の当たりにして、私は心を閉ざした……。

 

 そう、私の居場所はネットだけ。

 そう思って自分のチャンネルをスマホで開くと、登録者数が20万人を超えていた。

 

 それに気を取られていた私は気づかなかった。

 

「あ、ギターッッ!!」

 

 公園の入り口から駆け寄ってくる黄金色の輝きに。

 

「それギターだよね? 弾けるの?」

 

 その輝きは、人の形をしていました。

 彼女は天使のように可愛い女の子でした。

 

 でも後から思い返すに、これはきっと運命の出会いだった。

 

「……おーい?」

「ッ、ぁ」

 

「(喋るの久しぶりすぎて、こっ、声が!!)」

 

 私が硬直したのを心配して彼女は私の肩を叩いてくれました。

 

「いきなりごめんね。

 私、下北沢高校二年、伊地知 虹夏」

「あっ、後藤ひとり秀華高校一年です

 

 私が持ち直したのを見て、彼女は──虹夏ちゃんは自己紹介をしてくれました。

 ……また、あって言っちゃった。

 

「私、バンド組んでドラムやってるんだ」

「(バンド!?)」

「ひとりちゃんはどのくらいギター弾けるの?」

「(いきなり名前呼び!?)

 あっ、そこそこかとぉ⤴……」

 

 これが陽キャの距離の詰め方か、と私は戦慄していると。

 

「そっか、ちょっと今困ってて大丈夫なんだけど、大丈夫なんだけど困ってて……」

「(絶対だいじょばないやつ!!)」

 

 それ有史以来大丈夫だったためしがない奴じゃん!! 

 

「お願い!!」

 

 虹夏ちゃんは手をシンバルのように合わせて頭を下げた。

 

「今日だけ私のバンドで、サポートギターしてくれないかな!!」

「(え、バンド?)」

「これからライブなのにギターの子が突然辞めちゃって!!」

「(えッ、今日、ライブ!?)」

「ある程度弾ける人ならすぐ出来る曲だから!!」

 

 なにとぞー、と拝み倒す姿勢の虹夏ちゃん。

 まるで形振り構っていられないという風体だった。

 私は反射的に無理って言おうとして。

 

(いっいやでも、私ずっとバンドしたかったのに、なんでどうして、怖気づいて……)

 

 これは降ってわいたチャンスだ。

 それをふいにするのか、と引き留める自分が居て。

 

(あ、やっぱりバンドしたいんだ。)

 ありがとう、早速ライブハウスへGO!!」

(まだ何も言ってない!?)

「またまたぁ、ひとりちゃんってば、頼むよ先生!!」

 

 私は自分の心境を先読みされた気分で、これが陽キャと再び戦慄してしまったのです。

 

 こうして、私は虹夏ちゃんに手を引かれ、下北沢へとドナドナされていくのでした。

 

 

 

 

「護衛対象が予定外の人物と接触。

 制服から見て、下北沢高校の女子生徒と思われる。

 本部は今すぐ照会されたし。女子生徒はネガティブモード中の護衛対象と接触、彼女がサトラレだと気づいていない可能性アリ。

 同時に予定外の移動発生、至急移動先に厳戒態勢を取れ!!」

 

 制服を着たサラリーマン風の役人が無線で本部に応援を要請していた。

 

 

 

 

*1
※普通サトラレは簡単に思考の伝搬は途切れたりしません。

*2
孤島で生活しているサトラレも居るので、実のところ今すぐ退学できたりする。





正直に言います。
作者の音楽知識は、小学生の頃音符の読み書きで23点。ギターと孤独と青い惑星の歌詞で、エリクサーってゲームのアイテム? ポーションのラベルをエリクサーに張り替えてるの?(喜多ちゃん並感
ってな具合です。悪しからず。

サトラレも昔見たドラマをうろ覚えで、ウィキに設定を頼ってる始末です。
それでも良ければ、需要があるなら続きを書くかもしれませんね。(慢心

正直ぼっちちゃんの奇行を文字で再現できる気がしないので、誰か代わりに書いて・・・。
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