腕の良いアホトレとモブウマ娘 作:リボガンに恨みを抱く物
年度が切り替わって少しした頃、定例の理事会が開かれた。
いつも少しの変化こそあれど開催されるレースは例年何も変わりはしない、だからレースの準備も対応も何もいつも通り何も変わらない、テンプレートの通り手続きをするだけである。
時は春日は朝朝は七時
片岡に露みちてあげひばり
名のりいでかたつむり枝にはひ
神は天にいて
すべて世は事もなし
トレーニング設備への投資や新レース等の話が出る事もあるが今までURAが培ったノウハウや資産を駆使すれば大した問題にもならない。
普段なら、そうである。
長々と前置きした理由は非常に単純で、今回は簡単にはお終いにならない理事会だからである。
それもこれも全てリボンマーチというウマ娘に端を発する。
破壊者、サディスト、求道者、化け物、マゾヒスト、王者、圧政者、親分等々色々な呼ばれ方をしている彼女を知らないなんて人はもはや世間にはいないだろう。
圧倒的な走りで全てを粉砕していく彼女のレースに脳を焼かれた者は非常に多い。
スターと呼ばれるウマ娘がいる、太陽と呼ばれるようなウマ娘もいる、大きな輝きを持ってレースを走るウマ娘がしのぎを削るトゥインクルシリーズ。
しかし彼女が一度走り始めれば星も月も太陽さえも彼女を照らすだけの存在になり、彼女以外誰も存在しないステージになってしまう。
Eclipse first, the rest nowhereを彼女は体現してみせた、URAの理想を成し遂げた、だが其処には並び立つ者も熱い戦いも無かった。
大差で勝利する退屈なる王者はレースに絶望している、戦う相手を求めて苦しんでいる。
会見を見てる人は皆知っている、彼女が熱いレースやライバルを求めている事を、そして普段はそれを見せないように振る舞っている事も。
そんな彼女が勝利のたびに鬱憤を晴らすように大人数のディナーをするようになった。
最初は小さな規模だったそれは積る鬱憤に比例するかのように大きくなり、終には何万人という規模にまでなった。
誰にも表に出せない気持ちが積もり積もっているのだろう、本気の勝負をできない事に憤ってるのだろう。
その感情を発散して紛らわせて、その為に必死に騒いでいるのだろう。
だが、しかし、もうその大規模さから見て限界が近いのは全員が理解していた。
URAの理事会の誰から見ても彼女はもう爆発寸前のようにしか見えなかった。
もはや日本ダービーですら彼女を満足させる事はできないでしょうよと理事会メンバーが苦々しい口調で発言をする。
爆発したら一体どうなる?前に言っていたように突然引退をするのか?それならまだいいほうだ、力あるウマ娘が散々情念を溜め込んだ挙句爆発するなんていうのは想像もしたくない。
まぁこれに対処する方法は簡単である、彼女が満足するような限界バトルの相手を用意すればいい。
そんな物は存在しないという一点を除けば完璧な理論だ。
全員でどうしようも無い状態の時限爆弾を見つけた気分になっていた時、一人がこんな事を言い出した。
聞いてくれ。ちょっとしたことを思いついた。読み通りにいけば、最高な結果になると思う。
そう言って彼が提案したのは凱旋門賞への挑戦だった。
あのルドルフを初めとしてほとんどの者が成功しなかった挑戦です、あのマーチと言えど皆さんが二の足を踏むのはわかります。
慣れない海外芝、合わない水や食事や時差、言語の壁だってあります。
でも私はこの案を押したいと思います。
理由?そんなのたった一つだけです。
私が凱旋門を走るマーチさんを見たいんです。
ただの私の趣味です、そういいつつ口角を上げた。
この話し合いではマーチさんにその気があるなら海外遠征のサポートを全力でするという事で決定しました。
闘争を求めるマーチさんなら恐らくは飛び出す事になるでしょう。
まったくもう…とんでもない事になりましたね。
ですがこれは面白いです、面白いというのは大事な事だと思いませんか?理事長。
掲示板内取ってぬくぬく賞金稼げたらいいなと思うリボンマーチVS国内敵無し消化不良で終わった謎のウマ娘が自身の後継者に託したい思いVSダークライ
後で時間を置いて読んでみて気に入らなかったら消して話を別方向に修正するかも。