腕の良いアホトレとモブウマ娘   作:リボガンに恨みを抱く物

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今日はダービーめでたいな!

日本ダービーに出場してから凱旋門賞に行く事になった、煮える賞?っていうのに出てから凱旋門らしいです。

 

なんかよくわかんないけどよくわかんなかったね。

 

でもよくわからないなりに観光楽しみなんですよ、フィレンツェ、セーヌ川、オペラ座、ルーブル美術館、サンピエトロ大聖堂、ノイシュバンシュタイン城等々フランスから欧州全体を旅してやろうと観光地チェックやアクセスの確認に必死だったりします。

 

休み時間に観光ガイドとか見ると夢広がりますよねぇ~~!

 

はぁ~楽しみです、今から夢気分じゃダメなのはわかりますけど、学校の単位を貰いつつゆるーくトレーニングだけして後は欧州旅行でおいしい物食べて観光地巡ってと遊び倒すわけです。

 

そして最後には凱旋門賞への記念出場でフィナーレという壮大な計画!

 

いいんですかね!?学生の身分でこんな人生謳歌しちゃって!いいんです!今まで頑張った私へのご褒美!キツイトレーニングはきっと今この為にこそあったんです!

 

獲得賞金も結構凄い事になっているので観光で少しくらい使っても大丈夫でしょう!

 

見て食べて騒いで遊ぶ、その為には事前の計画こそが重要じゃないでしょうか!?

 

いやー何処に行こうかな!?滞在期間が長いから色々いけちゃいますかね!?

 

あっパスポートとかの用意もしなきゃ!旅行に持っていくものを今からメモして今のうちに揃えておきましょう!

 

あー忙しい忙しい!

 

そんな感じで日々を過ごしていたら何故か凱旋門賞に挑戦する事が周りの子にバレてました、なんでなんですかね…?

 

ただちょっと旅行の事を考えてニコニコしながら欧州に行く為のビザ的な物を取ったり旅行に必要なカバンとかを揃えたりしただけなんですけど。

 

色んな人に聞かれましたけどとりあえず発表するような段階じゃないのでと答えたら皆納得はしてくれました。

 

みんな深く聞かないでくれるあたりいい子ですよぉ、本当に。

 

そんなこんなでダービーの日。

 

パドックで他の子を見てもみんな顔が暗い感じです、調子悪いのかな?

 

まぁ良いにしろ悪いにしろ今日も私の勝ちだとは思いますが。

 

純粋に練習量が違いますし、そのせいで能力に差が付いてます。

 

多人数契約で何十人も見てるトレーナーが出した王道テンプレトレーニングが合わなくて肉体改造できないとかならともかく、私の担当以上のベテランのトレーナーが付いているんですからもっとレベルアップしててもおかしくないと思うんですが。

 

そうしないのは怪我が怖いとか、キツイから嫌だとか…?

 

確かにウマ娘としてトゥインクルシリーズでレースするのは三年間程しか無いですし、その三年の為に後に残るような怪我のリスクを負ってまでトレーニングしたくないとかはありそう?

 

まぁトレーナーの言う通りにしてればなんか強くなってる程度の認識で人のトレーニングの事とやかく言える程知識があるわけじゃないんですけどね。

 

とはいえ練習量は正義かな?とは思いますね、トレーニングが足りてないですよトレーニングが~。

 

私は勝ちたいとか別に無いので普通に拷問めいたのは遠慮したいです。

 

ウチのトレーナーは強制してくるんですけど…クソかな?

 

実は体を使う端的な走行技術からポジショニングとかの頭を使うほうの走行技術まで大体全部今出てきている出走者には全然勝てなかったりします…スキルってトレーナーは言ってましたけどよくわかんないです。

 

でもフィジカルが違いますから正直小手先の勝負されても関係ないかなって。

 

私みたいに追い込んでない人だと普通に勝負にならない。

 

ただ人体破壊めいたトレーニングの事を思い出すと鬱になるんで止めましょう…はいヤメ!

 

そんな無駄な事を考えつつも無心の境地でゲートイン、とはいかず私もこのゲートに慣れたものだなぁとか余計な事を考える。

 

一杯走って一杯慣れたこの感じ、最初こそ観客多すぎ煩さすぎ!なんて思ったものですけど今じゃ凄いねーくらいにしか思わなくなりました。

 

今日の競馬場には15万人がぎゅうぎゅう詰めらしいですよ、前日待ちも酷かったらしいです。

 

まーそんな人が集まる年に一度のお祭り騒ぎのレースを一流オーラというかそういうのが無い一般ウマ娘が勝って申し訳ない気もしますけども、一応勝負の世界なんで賞金は頂いていきますね。

 

全員のゲートインを確認すると自分でもびっくりする程意識がクリアになります、全能感に支配されるような、自分で自分を見下ろしているような感覚。

 

この状態になると世界が非常にゆっくり流れてるように感じます、……嫌なトレーニング中は長く感じるみたいな?

 

引き伸ばされた時間の中でゆるゆると時間が流れ、流れる程に集中力が上がっていく、そしてこれ以上ないピークに達した瞬間。

 

扉が開く前兆の音、ゲートのフレームがほんのわずかに軋む音が唐突に聞こえる。

 

ここからほんの少しのタイムラグで扉は開く、それに合わせてダッシュができるように蹴り足に思いっきり力を貯める、力むのはほんの一瞬だけ、すぐにゲートの開放に合わせて爆発させる。

 

自分でも決まったなぁと思う爆発的な一歩目、勢いを殺さないように、もっとのれるようにと二歩目三歩目を繰り出す。

 

もうこうなると後ろなんていうのはどうでも良くなって、最終レースで荒れた芝生を踏みしめた感触に口角を吊り上げながら思うままに加速する。

 

先行みたいな人に合わせて、作戦がどうこうでなんていう走りは私にはまるでできっこないなと実感する。

 

前を向いてただ先頭を走る、こうなると他の人がどうとか全部どうでもよくなる。

 

ただ限界まで走る、それだけが楽しい、それだけが良い、大きなレースとか賞金とかの事は走ってるとどうでもよくなる。

 

自分のベストを無理なく出す、負けたのならそれでいい、自分がベストの走りで負けるのなら相手が凄いんです。

 

走ってると段々気持ちよくなってきた、だからギアもどんどん上げて行く。

 

まだ序盤の序盤なのに自分が止められない、気持ちいいから止まる気もないんですが。

 

加速して加速して加速、この時点でもう後ろを振り向いて見る余裕は無いので何も気にせずタイムアタックを始める。

 

なんだかんだ芝のレース場を走るのって最高ですよね、そう思いつつさらに加速。

 

気持ちよく走っていればもうそこは最終コーナー、あぁもう終わりかという思いとやっと終わりかという相反する二つの気持ちを抱きつつ最終直線に向かってラストスパート。

 

後ろを見るタイミングが無いので後続が来てるかはいつもわかりません、だけど先頭を走ってる間は何にも邪魔されない私だけの世界なんですよ。

 

後ろから迫って来る足音も無い完全な私の世界、半ばトランス状態のようになりながら走り抜ける。

 

 

そして気持ちよく先頭でゴール!

 

完走した感想ですがやっぱり芝走るの気持ちいいですね。

 

あー楽しかった!

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで気持ちよく走れたのでニコニコ記者会見、打ち上げの話とかレースの感想とかいつも通りな事を聞かれる。

 

ニコニコで答えて対応する私、なんでも聞いてください!

 

え?噂の凱旋門?

 

ナナナナナンノコットデス?ワタシガイセンモンシリマセーン?

 

トイウカマダコウヒョウヨテイノジキジャナインデオハナシデキナイデス……

 

あ゛っ誘導尋問なんて卑怯ですよ!記者として倫理観は無いんですか!?

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