少年は嘗ての故郷を望む   作:黒いラドン

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ども。多分久しぶりです。
ようやく出来た十三話、まだ十三かよと思っている自分がいます。疲労感が中々抜けないけど頑張ります。

じゃ、どうぞ〜。


十三話 『竜と龍』

 

 

 

 

 

 ────数十分前

 

 

 

 

 

「うーん…見失ってしまった…」

 

 

 ルーナを乗せた車を走って直接追い掛けるのは流石に愚策なので、建物から建物へと飛び移って追うしかなかった。

 ある程度までは視認しつつ移動していたのだが、途中で開けた繁華街に出たことで人目に付かないよう暫くは走っていた。

 

 それが原因で気付けば見失ってしまい、現在は電柱の真上で佇みながら辺り一面を見渡していた。

 

 

「見間違えじゃなければ、確実にあれは拉致だよな」

 

 

 視力に自信はあるのだが気を抜いていたから、姫森の姿は単純に寝ているのか強制的なのか微妙なラインだった。

 しかしその時の光景を良く思い出してみれば座って寝ておらず、横になって眠っていた。なんなら手も紐か何かで縛られていたような…?だったらこれはもう、そうだよな?

 

 

「拉致や監禁と言ったら人目には寄り付かない所にいるのが相場であり、犯罪心理的に考えてみれば…目的は身代金くらいか?だとしたら何で姫森を…」

 

 

 もしかして姫森って何処かの有名な大金持ちの家庭とか?だったらまだ分かるけど。普段の服装から見て明らかな姫様衣装だったもんな。

 金欲しさの犯罪者共からしたら喉から手が出るくらい大きい存在なのかもしれない。それだったらとんだ不憫だな。

 

 

「…とにかくこの先は海岸まで続いてるし、ここら辺から拉致しそうな所を絞り出して消去法で行くか」

 

 

 そう考えながらもう一度視線を移して色々な所を見渡す。

 この辺は工場地帯であり人目が付かない所が多くあって人を隠すには持ってこいだろう、恐らくこの辺りにいるのはほぼ確実とも思える。

 だが一箇所ずつ探している時間も無い。だったらと気配等を探れば意外と簡単に見つかるのだが…。

 

 

「変だな…気配も何か探り辛いし、早くしねぇと姫森が危ない」

 

 

 何か妙な力で対策でもされているのか、曖昧な感じに気を感知出来ない。

 相当な念入りで犯行に及んでいることについ溜息が出てしまう。相手は手馴れていると見た方がいいだろうし、人間以外の種族もいるかもしれない。

 

 そう考えながらもう一度辺りを見回して、いざ姫森を探し出そうと足に力を込めた時───

 

 

「───おい待ちな」

 

 

「…!!」

 

 

 不意に自分の背後から女性の引き止める声が耳に入り、咄嗟に顔を振り返らせた。

 気付かなかった。こうも簡単に背後を取られたことに驚愕していたが、声の主の姿を見れば、魔族とは違った翼でホバリングしながら、自分に訝しむ視線を向けられていることに初めて気付く。

 

 

「お前確か…最近ワタシ達のシマに入った新入りだったよな?」

 

 

「島…?そう言うあんたは?」

 

 

 隠語か何かの単語に首を傾げながらも、俺のことを知っていた感じからもしかすると煌星学園の人なのかもしれないとふと思ったが、どうやらその考えは当たっていたようだった。

 

 

「ワタシは煌星学園三年の桐生 ココっつーもんだ。よろしくな。そんで?お前の名前は?」

 

 

 橙色に金色のメッシュが入っている長髪に赤と紫の二色の双眸。女性にしては珍しい高身長でモデルのようにスラリとした体格に、ある女性の二つの部分にも目が行きかけた。両側頭部には角があり、後ろには薄紫の尻尾が小さく揺れていた。

 

 名前を聞いて思い出した。永先生から強い生徒の一人である、最強格を担う竜族だと。

 そんな彼女が何故こんな所にいるのか疑問に思っていたが、一先ず自分の名前を教える。

 

 

「俺は二年の紫黒 龍成、よろしく。それで何か用か?」

 

 

「色々と聞きてぇことがあんだが、いいか?」

 

 

 取り敢えず敵意は感じられないが、どうも警戒はされているのに少し居心地の悪さを感じながらも、彼女を変に刺激させないよう自然体で話し、彼女の言葉に頷いて返す。

 

 

「先ず一つ…お前一体何もんだ?ただの堅気じゃあねぇよな?言っとくがワタシは竜族のもんでよぉ…″看破の双眸″って知ってるか?船長の異能(千里眼)と似たようなもんだけどな」

 

 

 看破の双眸…だとすると嘘は通じないって言われてるもんだな。各種族に宿る固有能力も存在することを忘れていた。

 これは…明らかに俺が人間ではないと殆ど察しているような目だな。

 

 

「…なるほどな。俺は確かに普通の人間じゃない。だが、そう思う根拠は?」

 

 

「おめぇから不吉な気配を感じるし、どうも人間にしちゃあ違和感があってなぁ。はっきりとまではいかねぇが…何か隠してんなら素直にゲロった方がいいぞ」

 

 

「…仕方ない。正直に話すよ。簡単に説明するが他言無用で頼むよ」

 

 

 細めた瞳の奥に敵意が出始めている。彼女の気配や威圧も少しだけ溢れているのに、それだけでも強い圧力を感じる。

 そんな彼女の様子に軽く溜息を吐きながら、隠すのは無理だと悟って素直に龍族の血が流れていることを話すことにした。

 簡易的に且つ端的に説明すれば彼女の敵意も段々と薄れていき、疑いの念は晴れていた。

 

 

「なるほどなぁ。そいつは面白ぇ体してんなぁ。じゃあもう一つ確認させてくれ」

 

 

「ん?」

 

 

 真実を聞いたココは、顎に手を添えながら少し考えるような仕草をして見せる。

 彼女の発言の中で″面白い体″という言葉に意味がわからなかったが、まだ気になったことがあるのか、指を立てて健気に聞いてくる彼女に龍成は一瞬吃りながらも頷いた。

 

 

 

 

 

 ────バコンッッ!!

 

 

 

 

 

 すると突然、ココは一瞬にして距離を縮めて殴った。

 

 拳から出るその音は打撃の範疇を軽々と超えている。花火のような爆音と共に衝撃の波紋は次第に消えていき、それを受け止めた龍成はこんな打撃を真面に受ければきっとただでは済まないものだと身をもって知った。

 最強と言われるのも伊達ではないことが分かる。

 

 

「……へぇ、実力は確かみたいだな」

 

 

「満足したか?」

 

 

 だがそれを軽々と片手で受け止めた彼の言動に、ココは不敵な笑みを浮かばせた。

 それに対して龍成は平然としているように見えるが、攻撃を受け止めた手を何度も開閉させている。

 表情には出ていないが、手が痺れているのだ。静電気のような刺激が手に広がっていることに、竜族の強さが如何程のものなのか。この瞬間で大体は把握した。

 

 

「おう!いきなり殴って悪かっな。名前を聞いてから天使に色々と話を聞いたのを思い出してね、強さは自分の目で確認したくってな。でも、このワタシの拳を平気で受け止めたんだ。それだけでも信じるに値する実力だ。こいつは久しぶりに良い相手が見つかったな…なぁ?いつかワタシと戦ってみねぇか?」

 

 

「いや…悪いが俺はそう言うのは苦手なんだ」

 

 

 初めの時とは打って変わって口調も雰囲気も明るくなり、一人で何処か満足そうに口角も小さく上がったままだった。

 その後に嬉々としてサシでの勝負を提案してくるが断っておく。

 

 

「んだよー、面白くなりそうだってのに⋯あっ!そんじゃあよ、ワタシの組に入らねぇか?こう見えても極道の会長をやってるんだけどよ、おめぇなら幹部以上の地位になれるぜ」

 

 

「尚更無理だわ」

 

 

 何故に裏社会に誘おうと思った。

 正直、極道って普段から人を脅して金を巻き上げている悪いイメージしか思い付かない。でも彼女は組を率いる立場にいながら煌星学園に通っているのだとすると、桐生が特別なだけか?

 

 

「にしても龍族…か」

 

 

「…?」

 

 

 そんな時、彼女の表情から微笑みが消えて少し俯き始めた。

 何かを考えているような、と言うより思い詰めているように見えることに違和感を抱いた。何かぼそっと呟いていた気がして疑問の視線を向けていると、桐生はさっきの調子に戻り出した。

 

 

「いんや、なんでもない…って、そうだったそうだった!肝心なことを忘れてたぜ。今ワタシ人を探しててな、こいつ見てねぇか?姫森 ルーナって言うんだけどよ、知ってるか?同じ学園の生徒なんだけどよ」

 

 

 ふと大事なことを思い出したのか、手を叩いた後に懐からスマホを取り出してとある少女の写真を見せてくる。

 知人を探しているらしいのだが、その目的の人物に目をした時、龍成は目を白黒させた。

 

 

「……奇遇だな、俺も探してたんだよ」

 

 

「んぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「状況を整理すると、龍成は偶然にもルーナたんを攫われたと思わしき所を見掛けて追い掛けて来たが、ここら辺で見失ったんだな?」

 

 

 どうやら奇しくも俺と彼女の目的は一致していたらしい。

 お互いに過程を整理すると、既に学園の方では身代金の要求が伝わっていたらしく、それを聞いた桐生は速攻で行動に移したらしいが、場所も情報も分からずに怒りに任せて飛び出して来たことで結局行く先を見失ったとのこと。何してんだ。

 

 

「おまけに気配も探り辛いから何かしら策を設けてるかもな。もっと情報が欲しい所だな…うん、とにかく情報が必要だ。天音達に電話してみたらどうだ?」

 

 

「それがよ、さっきワタシもしたけど掛からねぇんだ。もしかすっと既にあっちでも行動してるかもしれねぇし、ワタシと龍成だけでも探すしかねぇな」

 

 

 電話しても返って来ないとなると、桐生の言う通り彼女達も動き始めている可能性はある。

 しかし、不用意にヒントも無しに探し回るのは難しいにも程がある。

 

 

「けど手掛かりも無しに無闇矢鱈に探すのは愚策だし、参ったな…───ん?……いや、どうやら探す必要も無くなったみたいだな」

 

 

「あん?一体何言って……あぁなるほどな。手間が省けて良かったぜ!んじゃあさっさと取り返して行くか!」

 

 

 正に難攻不落。まず探す所からとても困難な壁にぶち当たった所だが、ふと視界の端に何か眩い光が見えたと同時に微かに天音の気が感じられた。

 気になってその方に目を向けると、廃れている感じのある倉庫から光が漏れていた光景に不意に口角が上がる。

 一人で盛り上がっていると桐生が不満気に俺を見るが、直ぐに理解すると真っ先に急発進して飛んで行った。

 

 翼を利用しているのであっという間に距離を離されて、俺も慌ててその場から跳んで後を追う。

 何とか建物の上を伝って追い付くが、その同時に廃倉庫の中の様子が遠目から見えて、異型の男達とそれに対抗している天音達がいるのが分かった。

 

 だが、彼女達の方が劣勢のようで、そのことを踏まえて桐生に一つ聞く。

 

 

「状況的にはヤバそうだ。んで、どうやって突入する?」

 

 

「そりゃあ勿論…!」

 

 

 

 

 

「───カチコミじゃあああああああぁ!!」

 

 

 

 

 

 当たり前のように並走する龍成に気にせず、不敵且つ好戦的な笑みを大きく見せながら、彼女はそのまま大胆に突っ込んで硝子を蹴破った。

 割れた甲高い音と共に着地して豪快に横槍を入れに行く。静寂となった空間に硝子の破片が落ちた音がやけに響き渡るが、それを超えるように桐生が男勝りに声を張って注目を集める。

 

 

「オラオラオラァ!!うちのルーナたんを返してもらうぜぇ!!」

 

 

「攫われたお姫様がいると聞いてやって来たぜ」

 

 

「ココ!?紫黒君!?」

 

 

 突如現れた俺達にその場にいた全員が驚愕する。

 一際目立つ見た目をしている巨大な男と対面していた天音を皮切りに他も唖然から冷静さを取り戻す。

 

 

「ココちんはともかく何で紫黒まで!?」

 

 

「どういうこと…?」

 

 

 初めて見る人がいるが角巻までいるとは思わなかった。だがそんなことを気にしている場合ではなく気を抜けない状況な為、俺は声を掛けて意識を切り替えさせる。

 

 

「説明は後だ、今はこの状況に集中しろ!桐生、俺は周りを片付ける。お前はあいつを頼んだ」

 

 

「おう、任せな」

 

 

「なんだァお前らはァ…?余所者が勝手に首突っ込んで来るたァ、いいご身分だなァ?」

 

 

 あの男は俺でも良かったが、何となくここは桐生に任せておいた方が良いかもしれないと思った。

 彼女にそう伝えるとこちらを見ずに心強い返事を返してから歩んで行き、俺はその反対に移動して角巻がいる所まで向かう。

 

 男はココに向かって挑発じみた言葉を並べるがそれに全く反応を示さない、と言うよりかは興味がないと言うのが合っているだろう。

 ゆっくり歩んでいた彼女は途中で大きく一歩を踏み出すと、男との距離を瞬時に縮めて顔面に拳をぶつける。

 

 

「ぅぐああァっ!?」

 

 

 ココの速度に付いて来れず真面に受けた男は、簡単にぶっ飛ばされて奥に転がって行く。痛がる様子に何の情も湧かず、ただひたすら胸の中にある怒りが彼女の今の原動力に拍車が掛る。

 

 

「あぁん?大事なダチが危ない目に遭ってて、このワタシが黙っていられるわきゃねーだろ。おう天使、ここはワタシに任せな。こいつにはたんまりと礼をしなきゃだからよ」

 

 

「…わかった!じゃあ後ろは任せて!」

 

 

「舐めながってェ…!──っ!お前まさかァ…桐生組のォ…!?」

 

 

 男は殴られたことで苛立って彼女を睨むも、改めてココの姿を見て思い出したようだった。

 彼女の組は裏社会ではかなり名を刻まれている存在になっている為、下手に喧嘩を売られることは滅多にない。

 今更気付いた男はたじろいでいたが、ココはそれを鼻で笑って見せる。

 

 

「おーやっと気付いたか?まぁんなことどうだっていい。それよりも…よくもうちのルーナたんに怖い思いさせて、ワタシ達にもカマシ入れてくれたなぁ?今更イモ引いたって、この落とし前は絶対に付けさせて貰うぞ」

 

 

 かなた達や煌星学園の後輩達は、ココにとって例え裏社会の道を歩いていても、心から大切にしていて人情や道徳は絶対に捨てないと決めている。

 それが極道らしくなくとも、ココは人との繋がる縁を大事にする心優しい竜族なのだ。

 

 

「────さぁ、ステゴロといこうぜ!」

 

 

「チィッ…!だが所詮は女だァ!今の俺でもテメェにも負けねぇくらいの力持ってんだよォ…!!」

 

 

 素の状態だったら確実に負けていただろうが、今の男はヴィラン並の脅威を持った力を宿していることで負けない自信があった。

 相手は竜族であれど所詮は女の一人だと、自分の力に信じて疑わなかった。

 

 

「おめぇさっき舐めてるって言ったよな?───こっちの台詞なんだよど阿呆が」

 

 

「ぐぅあああああァ!?」

 

 

 だがそんな自信は愚かであっという間に玉砕されてしまう。

 その形容しがたい図体で突進して来た男に対して、ココは軽く裏拳をノックする感覚でぶつけただけで身体を弾かせる。

 

 

「こちとらクソ害悪なヴィランと戦い続けて場数踏んでだぞ、おめぇみてぇな三下がワタシ相手に務まると思ってんのか?」

 

 

「うぐゥ…!黙れぇええええええええェ!!」

 

 

「いやおめぇが黙れよ」

 

 

 竜族の強さは考えるまでもなく人間相手じゃ足元にも及ばない。彼女にとってはこの男は蟻と同等な、いやそれどころか例えることすら必要も無いだろう。

 完全に堪忍袋の緒が切れた男は発狂気味に猪突猛進を繰り出すも、冷静なココからビンタを貰って吹っ飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相手にならねぇくらい軽くいなしてんな」

 

 

 少し気になって様子を見ていたが、流石は竜族なだけあって赤子同然に扱っている。

 そして桐生は怒り心頭らしく、纏うオーラが普通じゃないし大分甚振っているようにも見える。

 軽く叩く程度で毎回吹っ飛ばされているあの男が段々と不憫に思えてくる程だ。

 

 

「相変わらず滅茶苦茶にするなぁココちんのやつ…っと!油断なんないねっ!」

 

 

 その場にいた悪魔の少女は、視界端から来る変わり果てた手下の攻撃を直前で気付いて躱すと、バックステップをして距離を取った。

 そう、俺達もゆっくりしてられない。目の前には数十人といる怪物化となった手下達が立ちはだかっているのだ。

 

 一人一人は中々に厄介なタフネスさを持ち、人間では得られなかった力に過信しているのか気味の悪い笑みを浮かべながら襲い掛かって来る。

 悪魔の少女は鎌を用いて何とか対処しているが、天音は体格差があって攻めるのが困難なのか攻撃を避けるので手一杯に見える。

 

 

「あぁもうっ!こいつら執拗い!オッッルゥアァッ!!」

 

 

「ぐぁあああっ!?」

 

 

「えぇ…」

 

 

 手を貸そうと急ぎで天音に近寄った時、彼女から激しく気が揺らぎだして、普段から見られない荒々しい口調が出てきたことに少しばかり引き気味になってしまった。

 

 小柄な少女から為せるとは思えない程の獣のような咆哮と、破裂したような重い殴打を手下に繰り出していた。そいつは空中に綺麗な弧を描いて真っ逆さまに頭から落ちて行き、そのまま動かなくなってしまった。

 

 

「うわ〜…めっちゃ痛そう。あれ首折れたんじゃない?」

 

 

「ん?待って…アレ元に戻ってない?」

 

 

 痛々しい光景に目を背けそうになりはしたが、倒れ伏せた手下の身体から紫色の煙が出始めたと思えば次第に巨躯は萎んでいき、服装はボロボロであるがそれ以外は血色も体格も元通りに戻っていた。

 

 気絶しているようだが、先の光景のせいで角巻は何やら勘違いしているようだ。

 

 

「かなたんのゴリパンで殺しちゃった…?」

 

 

「殺してねぇわ!!てか何だゴリパンって!ゴリラか!?ゴリラのパンチってことか!?」

 

 

「お〜よく分かってんじゃん!」

 

 

 勢い余って殺してしまったと思っていた角巻だが、天音は速攻でそれを否定する。

 実際にちゃんと生きていることは気の作用で確認済みなのでそこは問題はない…のだが、どうやら天音は角巻の発言に気に食わない部分があったらしく激昂するが悪魔の少女に茶化される。

 

 

「誰がゴリラじゃ!握り潰すぞオラァ!こちとらピチピチの美少女天使だぞ!」

 

 

「え?」

 

 

「え…?」

 

 

「ぁ、いや…失礼」

 

 

「え、やめて?謝らないで?」

 

 

 何故か咄嗟に、条件反射みたく天音の方へ疑心の視線を向けてしまった。

 しかし、あんな綺麗なアッパーカットと少女とは思えない程の威力を見たりすれば自然と疑ってしまうのも可笑しくない……と思う。

 でもやはり相手は立派なレディだ、ついとはいえ疑心したことを即座に謝ってその場をやり過ごす。

 

 

「ん゛ん゛っ!まぁ、そんなことはどうでもよくて──「え、どうでもいい…?」気絶させる程の強い衝撃で片付けられるようだし、もう一気に終わらせるか。天音、角巻、そんでー…常闇?だっけ?」

 

 

「こんやっぴー常闇 トワ様です。よろしくね」

 

 

「紫黒 龍成だ。よろしく」

 

 

「いやいやいや今そのタイミングで自己紹介する!?」

 

 

 常闇とこうやって話すのは初めてなので一応ね。天音に突っ込まれるのも致し方ない、まぁタイミングがあれなだけで問題は無い。

 取り敢えず名前と容姿が確認出来れば今はそれでいい。

 

 

「まぁまぁ…取り敢えず、後は俺に任せてくれ」

 

 

 緩んでいた空気に緊張感を入れ直し、三人を俺の後ろへ下げさせて一人で前に出る。

 手下達は大きく敵対心を剥き出しにして獣のように唸りながら鋭い眼光を俺に集中させて来る。

 だがそんなもので怯む筈もない俺は、それを受け流して一人一人顔を見ながら口を開く。

 

 

「一応最後に警告しとく。俺としてはこんなこと止めて大人しく投降して欲しい。何分、人を痛め付けるのは苦手な性分なんでね」

 

 

「誰がそんなもん聞くかヨ…!」

 

 

「根暗なクソガキがカッコつけてんじゃねぇゾ…!」

 

 

「てめぇ一人で何ができるってんダ!?」

 

 

 虚しくも俺の警告に大きい反感を買う結果となった。牙を剥き出し、図体を更に大きく見せる。

 そんな抵抗を止めてくれない姿に無意識に溜息が出てくる。

 

 

「はぁ…何で分かんねぇのかなぁ。まぁそうだろうと思ってたけど。───じゃあ怪我しても知らねぇからな」

 

 

 無駄だと知っていても聞くだけ聞くのは穏便に済ませたいのもそうだが、やはり何時まで経っても人に力を使うのに抵抗を抱いているからだ。

 でも、話で解決が出来ないのなら本当に仕方がない。意識を切り替えて、こちらも敵対心を引き起こす。

 

 溜息を吐いていた拍子に閉じた双眸を、強く鋭利にさせて圧力を突き付ける。おまけに彼の青黒かった瞳は暗い紫へと変色していた。

 張り詰めた空気は更に重みが加わり、まるで抑えていた何かが解き放たれたように、先程の彼とは変わり過ぎる雰囲気に、手下達は肝を冷やしたのか一歩後退る。

 

 

「紫心龍拳奥義・参ノ気──『龍烈演武(りゅうれつえんぶ)』」

 

 

 その一瞬の隙を見逃さず素早く構えながら気を身体中に素早く強く巡らせ、龍のような幻が雷の如く、一瞬にして相手の懐へ飛び込み、音を置き去りにする程の速度を乗せた重い一撃を手前から順番に喰らわせる。

 

 

「え…?何が起こったの…?」

 

 

「わ、分かんない…気付いたら皆倒れてた…」

 

 

「すごっ…これがあやめちゃんを圧倒した力…こりゃあ敵いっこないわ…」

 

 

 見ていた三人の視点からは、刹那の出来事で脳が理解を追い付かず呆然とその光景を眺めていた。

 先程まで立ち塞がっていた手下達は、一度の瞬きした時には既に全員が倒れ伏せており、龍成は少し離れた前方で背を向けたまま佇んでいた。

 

 

「借りた力で強くなった気でいるお前らは到底弱いままだ、覚えておけ。いや…もう聞こえちゃいないか」

 

 

「紫黒君!どういうことか説明してくれる?どうやってここまで…ココと何時会ったの?」

 

 

「分かってるよ、手短に説明するとだな…」

 

 

 事が瞬時に終えたことで伸びている手下達に説教紛いなことだけ短く残しておくと、天音達が駆け寄って事情を求めて来る。

 確かに俺が来ること自体が天音達の作戦ではアクシデントみたいなものだし、何故に桐生と合流したのかを簡単に説明する。殴られて試されたこと除いて。

 

 

「こんな偶然もあるものなんだね」

 

 

「君とココちんがいたらもう勝ったも同然じゃん」

 

 

「紫黒先輩とココが来てくれたお陰でルーナも直ぐに助けられるね!」

 

 

 天音達にとっては嬉しい誤算だったのだろう。信頼に満ちている視線を送って来る三人に、何処かこそばゆい気持ちになる。

 それを悟られないよう自然に体を桐生がいる方へ向けて、話題を無理矢理変える。

 

 

「さて、と……そろそろあっちも頃合いだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、ココと男の戦いは一方的な戦況で片方に傾き続け、言うまでもなくココが圧倒した。

 男は完膚無きまでに痛め付けられたことで立ち上がることすらままならず、疲労と怪我により膝を着いて息を荒らげていた。

 

 

「おめぇらが使ったのは最近裏で出回った薬の『Bds-9』だろ?特別な細胞が含まれてるって聞いたぜ。人間の細胞を一時的とは言え破壊し、物理的にも心理的にも人の道から外れたおめぇらは…ただの悲哀なバケモンだ」

 

 

 出処が不明で、裏社会に瞬く間に騒ぎを広めた正体不明だった代物。ココはその薬、『Bds-9』の情報は事前に把握していた。

 だが得たのは名称と効果だけで、その薬が生まれた原因は尻尾も掴めておらず暗中模索となっている。

 

 

「グゥ…!お前らに何が分かるゥ…!?裏の世界に足を踏み入れざるを得なくなった俺達にィ…!何が分かるゥ…!!」

 

 

 男だったその化け物は、それまで心の中で溜め続けていた何かが溢れ出したのか、糾弾するかのように目の前の少女に叫ぶ。

 

 

「虐待はされェ、非難はされェ、真面に知恵も飯も寝床も碌に恵まれずに全てに拒絶されェ…!優しさも癒しも何も無いィ…!安寧なんぞ何処にも無いィ…!!だから己の手を血で汚してまで生きるしかなかったァ…!!」

 

 

 男の人生は大変だなんてものじゃなかった。物心が付いてから出会ったのは…苦痛、飢餓、虚無感、絶望。

 

 まるで生まれてきたことが間違いで不幸にも思っていた。

 そんな世界で生きる価値も見出せずにいても、ある一つの感情が大きく生を突き動かされ、血で血を洗うことにも人の道から外れることにも躊躇はなかった。

 

 

「だから気付いたァ…!こんな世界は俺を絶望させたァ……だから俺がこの世界の浄化の権化となりィ…!」

 

 

 

 

「この世界をォ……全てを消して俺も死ぬゥ…!!」

 

 

 

 

 

 これが男の心からの叫び。この平等も何も無い弱肉強食の世界への怨恨。

 その感情が男の全てを支配し、ただ我武者羅になって怨みを晴らす為に動き続ける悲哀の化け物。

 

 

「随分な思考してんなぁ。けどなるほどな…おめぇの言っていることは嘘じゃねぇようだ。嘸かし死より辛い経験をして来たかもしれねぇが、幾ら何と言おうとおめぇの行いは間違っている」

 

 

「あぁ…確かに同情するよ。そんな境遇で…そんな環境で生きてさえすれば、世の中の全てに怨みを持つのも変な話じゃない」

 

 

 その二人の会話の最中、ココの後ろから龍成達が歩み寄って来た。

 男の怨嗟はその場にいた全員に労る思いを生ませ、その中でも龍成は人一倍に男に同情心を持った。

 環境がこの男を壊した、境遇がこの男を狂わせた。

 

 しかし、全員の意思は変わらない。どれだけ過酷な人生を歩んだ悲劇の持ち主だとしても、許しはしないしこれ以上の悪事の前科を起こさせないのが、彼等にとってせめてもの情けだろう。

 

 

「お前にとっては全てが悪に見えるのかもしれないし、もう善悪も何も関係なのかもしれない。それでも俺達は、お前を止めなければならない」

 

 

 

 

 

「黙れェ……!黙れ黙れだまれダマレエエエエエエェ…!!」

 

 

「────ひゃあっ…!?」

 

 

 あれだけいた手下は一瞬で再起不能にされ、かなり傷だらけの窮地に追いやられた男は暴挙を起こし始めた。

 ルーナに掌を向けた時、その異型化した太い腕が蛇のように柔軟に伸び出して身動きが取れないルーナを巻き付かせて男の傍に引き寄せた。

 

 

「ルーナ!!」

 

 

「てめぇ!!」

 

 

「一歩でも動いたらこの餓鬼を殺すうゥ…!!」

 

 

 嫌な予感が脳裏に過ぎった所で既に遅かった。かなたとトワが足を踏み出そうとした時、男の警告により阻止されて下手に動けなくなってしまった。

 その意図は本気のようで、ルーナを拘束している腕を更に締めて見せた。

 

 

「うっ…ぐっ……ぅ…っ!」

 

 

「やめてぇ!ルナたんを返してっ!!」

 

 

「いい加減にしろよっ!!」

 

 

「はっははハハハハァ…!!油断したテメェらの落ち度だァ…!もう金なんざどうでもいいィ…!ただテメェらも、俺と同じ苦痛の一部を味わせてやるよォ… !!」

 

 

 ミシミシと嫌な音が耳に入り、彼女達強い焦燥感に駆られるがルーナの命が相手に握られている所為で動けずにいた。

 何とか口を動かしているが決まり文句しか言えず、男はそんな様子を見て口角を吊り上げる。

 自暴自棄、それが男を支配した。

 

 

「…っ!……かっ…は……!」

 

 

「んの野郎…っ!!」

 

 

 締め付ける力が強まり、ルーナは呼吸が出来なくなってしまいとても苦しそうに藻掻く。

 ココの額に浮かぶ青筋がはち切れんばかりに激しく激怒して、我慢に限界を迎える一歩手前まで迫った時だった。

 

 

「……お前って奴は────」

 

 

 

 

 ────バキッッ!!!

 

 

 

 

 

「本当に救いようがないな」

 

 

「ぐゥッ…ゥゥ…おごォ…!?」

 

 

 刹那、何かが折れるような痛々しい音が響き渡る。その音が耳に入り、数秒経ってからその光景に唖然としてしまう。

 今さっきまで隣にいた龍成は、何故かルーナをお姫様抱っこで抱えていた。

 悪魔や天使の肉眼ですら追い付かない程の超スピードで男の顔面を陥没するくらいに殴り飛ばし、一瞬を超えた速度でルーナを救出する彼のフィジカルさは計り知れない。

 

 

「……え?…な、何が起きたの…?」

 

 

「龍成……お前…」

 

 

 しかし、そんな中でもココだけは彼の動きを捉えられていた。けどその顔色は驚愕と言うよりも、何か不気味なものを見掛けたように顔が引き攣っていた。

 

 

「ぅ…うぅ……?」

 

 

「大丈夫か?まだ痛むなら無理に喋らなくていい、もう大丈夫だ。直ぐに終わらせるからここで少し寝ててな。」

 

 

 拘束から解放されたがまだ苦痛の余韻が残っていて顔色が優れていない。

 だが、時間がその内彼女の調子を戻してくれるだろう。けどそのままにしておくのも気が引けるので、自身の気を彼女の身体に流し込んで緩和させてから、離れた所にそっと静かに寝かせて置く。

 

 これで何も気にせず男との決着がつけられる。心内から溢れ出す怒気が身を包み、男の方へ振り向いて睨みを利かせながら歩み寄る。

 

 

「もうお前は謝っても許さねぇぞ。本来、裁くのは俺達の役目じゃないが…その身をもって最期まで罪を償え…!」

 

 

「ぅ…ルセェ…ッ!!オレの気持ちも分からねェ下等生物がァ…!!ヒーロー気取りするなァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 崩した体勢を立て直した男はまだ顔に残っている激痛に苛立ちながらも、殴られた怒りや世の中の無慈悲で不平等で理不尽への憤怒が起因となってタガが外れ、更なる力が男に与えられる代わりに理性が少しずつ崩壊していく。

 もう全てを破壊したくて堪らない衝動に駆られ、目に見える全てを壊しに掛る。

 

 

「紫心龍拳奥義・壱ノ気──『紫纏爆(してんばく)』」

 

 

「──っ!?う、動けねェ…!?テメェ…一体何しやがったァ…!!」

 

 

 全力で殴り掛かろうと地面に足がめり込む程に走っていた所を、片手を向けられた瞬間に意図せず動きが止まる。

 男は自身の周りを目だけを動かして確認すると、自分の身体中に紫のオーラのようなものが包まれていることが分かった。その上、呆気なく止められたことに驚愕して、次に困惑が男の思考を狂わせる。

 

 

「最後に一つ言っておく…」

 

 

 何をしたと問い質しても、返ってきた言葉は男の望んだ回答ではなかった。

 さっきまで怒りに燃えていた表情から一転、哀愁とも言えような気難しい顔色を浮かべながら、少し間を置いてから言葉を吐いた。

 

 

「境遇は違うが、お前のその気持ちは俺にも分かる…───こんな止め方しか出来なくてすまない」

 

 

 慈悲の視線を向けつつ不器用な自分に嫌気が差したように伝えながら、翳していた手を握り締めた。

 

 

 

 

 

 ────ズドォオオオオオオオオンッッ!!!

 

 

 

 

 

 男を纏ったオーラが着火したように光った時、倉庫全体がぐらつく程の爆発が男の意識を刈り取った。

 手加減はしていたものの、それでも室内戦での規模で言ったら大きい方だろう。

 かなた達は強い地震に揺らされたようにふらついていて、各々慌てながらバランスを保とうとしていた。それでもココだけは無反応である。

 

 爆発で発生した黒煙は隙間風に運ばれて外まで行き、状況が落ち着いてくると同時に次第に黒煙が晴れてきて、気絶して元に戻っている男の姿が目に入って来る。

 

 

「終わったの…?」

 

 

「そう、みたいだね……あ〜良かったぁ〜!」

 

 

「ルナたん…!!」

 

 

 暫しの沈黙。思考が今の状況に追い付いたメンバーは安堵して強ばった身体が自然と和らいでへたり込む。

 わためだけは真っ先にルーナの元へ駆け出して、優しく抱き締める。それを見掛けたかなたもトワも続いて傍まで寄って行く。

 

 

「ごめんね…ごめんねルナたん!わためが一緒にいなかったから…」

 

 

「悪いのはルーナの方のらよ…皆に迷惑掛けちゃったのら…」

 

 

「気にしなくていいよ!僕達はルーナが無事なだけで充分だよ!」

 

 

「そうそう!ルーナが気に病むことなんてないよ。悪いのは全部こいつらの所為なんだから!」

 

 

 お互いに自分に責任があると口にするが、誰一人として悪くないのが事実だ。

 相手に如何なる事情があろうと、小さき少女を盾にして悪道をやり遂げようとしている男達が悪である。

 

 

「桐生は行かないのか?」

 

 

 励まし合っている彼女達を見ていた龍成は、まだ佇んでいたココの隣に寄ると、何か難しい表情を浮かべていた。

 声を掛けても反応しなかった彼女に首を傾げるが、もう一度呼んでみると肩を跳ねさせて気付いた。

 余程深く考えていたのか、難しい表情から戻ることはなかった。

 

 

「あぁ…ワタシは後ででいい…なぁ……龍────」

 

 

「警察だ!!大人しく武器を捨てて投降を……ん?」

 

 

 ココが何かを言おうとした時、警察を名乗る武装した集団が銃を構えながら倉庫内で横一列に並んで出口を塞いだ。

 しかし、状況を見て直ぐに疑問の声が漏れるが、ココに目が向いた時に何かに気付いたようだった。

 

 

「君達はもしや…煌星学園の生徒かい?」

 

 

「あぁそうです!でも丁度解決したんでもう大丈夫っすよ!」

 

 

「おぉ…流石だね。では、後処理は私達に任せてくれ。君達にも事情を聞かなきゃならないから、外で待っててくれるかい?」

 

 

 警察がそう確認を取るとココがいつもの調子に戻って頷いた。

 すんなりそれを受け入れた警察達は感嘆しつつもやるべき事を優先し、現場調査をする為に龍成達を外に移動するよう言われ、二人は頷いてかなた達を連れて外に出て行く。

 

 

「なぁ桐生、さっき何か聞こうとしてた?」

 

 

「ん?あぁいや、何でもねぇよ。気にすんな」

 

 

 その途中、龍成は警察が来る前に何か言い掛けていたことを思い出して彼女に聞いてみたが雑に受け流されてしまった。

 それはそれで気にはなったが、まぁいいかと小さな疑問を頭から離すことにした。

 

 

(あの時のは……ワタシの見間違い、だよな?幻覚…にしては、あれが本当の姿のように見えたのは気の所為…の筈だ)

 

 

 その時のココの表情は先程と同じく険しい表情を浮かべていた。

 その原因は、ルーナが男に掴まれていた時に龍成が一瞬にして救出した際のことだ。

 あまりの刹那な出来事だった為に誰もが気付くことはなかったのだが、ココの視点では龍成が男を殴り飛ばした際に…。

 

 

 

 ───彼の姿が人間から″ココと似た姿″へと変貌していたように見えていたからだ。

 

 

 

 けど現実味は無く、ただの幻か何かの見間違えだとは思っているのだが、何故かそれを完全に否定出来ない自分がいる。

 龍と人のハーフと彼から口伝されたからか、初めて見た時のあの独特な不気味さの残る雰囲気、あの時の漆黒の龍人の幻影。

 

 今はそのようなものは全く見受けられないが、ココはその時だけは身体の芯から悪寒が走った。

 そして何かを思い出した。

 

 嘗てこの世に生物としての頂点に君臨していた強大な種族がいたことを。

 けどそれと彼との関係性があるとも言えない、しかし無いとも言えない。

 

 

(……取り敢えず、この考えは一旦置いておくか。所詮は憶測に過ぎないし、あいつがそんな奴には感じられなかったしな)

 

 

 色々と複雑で蟠りはあるが、今は無事に事件が片付いたことに一先ず安心する。

 いつの間にか四人に囲まれていた龍成の姿を見て、小さく口角を上げて混ざりに行くのだった。

 後にえーちゃんとのどかもやって来て、龍成がいたことに驚いていたが全員で無事に戻って来たことに安心し、皆で笑い合っていた。

 

 

 

 

 





A「ココさん、天井を破壊した代償として反省文百枚です」

コ「いや〜……その…「ん゛?」あ、はいスイマセンやります」

龍(一番強いのって永先生なんじゃね?)





これにて四期生絡み、完ッ!
次は誰を出そうかは決めてはいるけど、まだ考え途中なのでまた時間掛かります。そろそろ物語の方も進めたいけど、現状はまだ出していないホロメンとななしいんくキャラ全員と絡ませてから進めたいので…。ま、気長にやってきますよ。

では〜。
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