さぁ、フラグおっ立てるゾ〜。
お待ちかねの方がいたらお待たせです、ハニスト組でっせ。ホロライブがメインとはいえ、めっちゃ後回しにしてもうた。
じゃ、どうぞ〜。
「ふーんふふん♪ふーん♪」
「何かご機嫌だねパトラ。いいことでもあった?」
気怠さを覚える朝の時間帯の学園で、パトラはそれを全く感じさせないくらいに上機嫌で、机に肘をつけて両頬に手を置きながら鼻歌交じりに時を過ごしていた。
そんな彼女の様子に気になったシャルロットが、何気なく聞いてくる。
「うんー?えへへ〜、今日はハニストの皆がシフト入ってるじゃん?」
「そう言えば皆がシフト被ってるのって久しぶりだよね。もしかしてそれで?」
「うん!それもあるけどね〜…今日はなんと!りゅう君も遊びに来てくれるんだよ!」
「え、そうなの!?」
ご機嫌の理由は、彼女達が働いているバイト先に龍成がやって来るとのことである。
前々から彼が訪問することに約束していたのだが、その日その日を待ち遠しにしていたらしく、それが今日とのこと。
シャルはそれを初めて聞いたので、少し驚いていた。
「そう!だから今日はりゅう君を虜にするぞ〜!それにメアリとミコにも紹介しないとね!」
「楽しみだね〜!」
「おはよ〜す…」
二人の女子高生が会話に花を咲かせていると、そこへ龍成が眠そうに目を擦りながら教室に入って来た。
前はバイトに明け暮れていたこともあり、朝は得意な方であったのだが、最近の彼はどうも朝に弱い傾向にあるらしい。
「あっ!おはようりゅう君!」
「おっはよ!って寝癖凄いよ?寝坊でもした?」
「んぇ?そんな酷い?一応直したつもりだったんだけどなぁ…」
「んも〜しょうがないわね〜!パトラお姉さんが直してあげるわ!ほら、こっちおいで♪」
「んぃ」
そこまで酷くはないが、彼の髪の毛は所々跳ね上がっていた。そこでパトラは得意気にふふんと鼻を鳴らしながら、龍成を引っ張って席に座らせる。
すると、自分の鞄から頭髪用具を取り出して、器用に彼の髪の毛を手直していく。
櫛の擦れる音にパトラの優しい手付き、その温もりが心地良いのか目を細めていた。
その間、シャルは何処か構って欲しそうな顔色を薄く浮かべていたが、邪魔は出来ないので終わるまで、そんな仲睦まじそうな光景を彼の傍で机に突っ伏す形で黙って眺めていた。
「はい、何時ものりゅう君に戻ったよ!」
「ん〜…」
「眠そうだね」
「ぅん〜…」
((可愛い…!))
十分も掛からずに元に戻ったのだが、パトラの丁寧な熟しに彼の意識はふわふわにされたのか、取り敢えず返事はするものの、かなり腑抜けた声を出していた。
こんな気抜けた彼の姿は滅多に見れない為、目に焼き付けようと二人は暫く眺めることにした。
それから朝礼の始まる予鈴が鳴ると、意識を戻した龍成は何処か満足気に口角が上がっているパトラとシャルに首を傾げるが、その理由を聞く前にえーちゃんが来たことで聞くに聞けなかった。
しかしそこまで気になっていた訳ではなかったので、暫くする内にそのことは忘れ去っていった。
特に大きいニュースは無かったが、本格的に夏のシーズンが迫って来ている為、暑さ対策の念を押されたくらいだった。
それからは特に何事もなく時間は進み、朝礼が終わった。
「ねっ、ねっ!りゅう君りゅう君!」
「はいはいりゅう君ですよ、どうした?」
懐いた犬のように早足になって彼の所へ来たパトラは、収まらぬご機嫌を醸し出しながら話し掛けてくる。
そんな彼女に少しだけノリながら返事をして、子を相手にするような振る舞いをしていた。
「今日の約束覚えてる?」
「あぁ…?んーと、何だったか?」
「もー!今日はパトラ達のバイトしてるお店に来るんでしょ!女の子との約束はちゃんと覚えておかないとダメだよ!」
「冗談だよ冗談、ちゃんと覚えるって。どんな店なのか楽しみだな」
彼女との仲は日々を通して良好になって来たのか、彼の当初と比べて会話に遠慮がなくなってきていた。
彼からはあまり変に踏み入らないが、周りが関与してくれる為か、特にギクシャクした関係をしている者は今はいない。
龍成もパトラの働いている店が楽しみなのか、あまり表情には出ていないがわくわくしている感はあった。
「むっふっふ…!それは来てからのお楽しみだよ!でもこれだけは教えておくね。今日でりゅう君はパトラ達の虜になっちゃうから!覚悟しててね♪」
「お、おう」
虜の意味にいまいち理解が出来なかった龍成は、少し困惑しながらもパトラの押しの強さに少し仰け反っていた。
自信たっぷりな様子を見せられて、店に行ったら一体何をされるのだろうかと思うと後が少し怖い。
そうこうしている内に、気付けば時間は過ぎていた。授業を受けて、誰かと昼ご飯を過ごし、特訓をして放課後へ。
パトラのバイト先に向かうのは二十時頃と決めており、夕飯もそこで済ますつもりである。それまでは何をしていようかと考えながら、教材を片付けていた所だった。
「ねぇ龍成、途中まで一緒に帰らない?」
「うん?あー、いいぞ。でも珍しいな、スバルからそう誘ってくるのって」
「メルも一緒にいいかな?」
「おっ、いいよ!メルちゃんも珍しいね」
「偶にはいいでしょ〜?メルも龍成君と話したいし!」
すると、そこへスバルが一緒に帰らないかとお誘いをして来た。
断る理由もないので素直に応じて、珍しい組み合わせの二人で帰宅しようかと思っていた時、そこへメルも参加することになった。
それから何か近況報告的なことや、最近の話題になっていることや、他愛ない話などをしながら帰路に就いていた。
三人もいるとそれなりに話が弾んでいたのだが、スバルがある話題に持ち込んだ。
「そんでさ、龍成はこの生活も慣れてきた?」
「そうだな。色々とあったが、色んな人とも知り合えたし、楽しいことも増えたし、結構満足してるよ」
この学園にやって来てからは色々なことがあった。
知らないことを知り、多くの人と邂逅し、友と戦場を乗り越えたり、送るはずのなかった自分の青春が彩られる感覚はとても気持ちが良かった。
この学園に来れて、彼女達と出会えて、本当に良かったと思っている。
「じゃあさじゃあさ!気になる人とか出来た?」
「気になる人?どう言う意味だ?」
「え、もしかして恋愛とかしたことない?」
するとメルが突然そんことを言い出し、何処か期待のある視線をこちらに向けて来た。
彼女の言葉の意図によく分からなかった龍成は首を傾げたが、スバルの発言で理解した。
「あー……そうだな。俺は…そう言うのには無縁だったから、よく分からないんだよな」
「えぇー意外!結構モテそうなイメージあったんだけど」
「ゲームも未経験な上に恋愛まで知らないって…山にでも住んでたんか?」
「なんでそうなる」
スバルの言うことにジト目で突っ込みを入れてから、恋愛について考えてみる。
自分が交際しているのを少し想像してみるが、何だかパッとしない。
そもそもな話、昔のこともあって恋愛など気にしていられる時なんてなかった。だから恋の感情など、全く知らない。
「なぁ…恋って、どんな感じなんだ?」
「え、興味ある!?」
「まぁ、ちょっと気になった」
本などは良く読んでいるが、恋愛系統は全く手を付けていなかったし、興味がなかった。
けども、こうして恋愛話になると不思議と気になってしまう自分がいる。
「恋愛って言うのはね色んなジャンルがあるけど、それは一旦置いといて…簡単に言うとそうだな〜。例えば…例えばだよ?」
「うん」
ジャンルという単語が気になったが、恋愛に様々な種類が存在するとでも言うのだろうか?さっぱり分からないが、今はメルの例え話に集中する。
「龍成君に好きな人が出来たとします。その人のことを無意識に考えてたり、その人の近くにいると緊張したり、その人と会うと恥ずかしくなったり、それか嬉しくなったり…そう言うことがあったらそれが恋だよ!」
「なるほど。…んー、でもそう言うのって普通によくありそうだけどな…?」
「まぁその内分かるんじゃない?いつか龍成にも恋心とか分かる日が来るかもよ!」
「そうかな…?」
無意識に特定の人に対して緊張や羞恥や嬉々としていたりするのが、恋?そんなのは幾らでもありそうだとは思うのだが…結局分からないまま、この話は終わった。
それから途中で二人とは別の道に行くことになり、そのまま一人で家に帰った。
そして風呂を済ませて出掛ける準備も整ったが、寛ぐ時間があったので試しに恋愛に関するものを調べていた。が、別に引き寄せられる物も見当たらなかったので取り敢えず適当に漁って読んでみけど、特に得られた知識は無かった。
そんなことしていると約束の時間が迫って来ていたことに気付いて、急ぎで外に出て行く。
(恋愛ねぇ…思えばそう言うのには期待していなかったと言うか…余裕が無かったと言うべきか)
自分の過去を思い返してみれば恋愛の概念など無いようなものだった。
生活だって、今過ごしている所よりも上古な生活をしていたし、食料も住処も全て自給自足で大変だったけど生き甲斐も楽しさもあった。
けども、そんな生活とは意図せず唐突に離れることになり、もう戻ることは二度となくなった。
確かに今は色々と便利で過ごし易いが、その生活でしか味わえない幸せがあったのだ。
昔のことを考えていると、どうも感慨深くなると同時に悲哀さが心の中を埋め尽くす。これからパトラに会うというのに、こんな感情を持ったまま行ったら駄目だろう。
そこで切り替えてもう一度恋愛について考えてみる。
スバルが言っていた。何時か俺にも恋をする日があるかもしれないと。
確かに恋愛に関する知識は殆ど無いし、自分が恋をしているビジョンが正直見えない。
でも、もしも自分に恋人が出来たら…それは幸せなことかもしれない。恋をして、結ばれて、愛を誓い合い、家族を作り、寿命を全うする。それがどれだけの幸福なのか。
俺も何時かは…。
「っ…いやいや夢見すぎだろ俺、何考えてんだ…」
駄目だ。俺が、俺だけが幸せになる訳には…どうせ、目的を果たしたら俺はあの学園にいる必要はなくなる。
自分の将来など気にしてる場合じゃないし、それに俺は───
「っと…着いたか。此処で合ってるんだよな?」
止まらぬ思考に集中していると、気付いたら目的の店に到着していた。事前に場所は教えて貰っているので、恐らくここで合っているだろう。
周りに溶け込むように眩し過ぎない光で照らされている店。上を見上げると大きく『Honey Strap』と書いてあり、入口には木製プレートで「OPEN」と垂れていた。
間違いないことを確認してから、覗き込むようにして中の様子を見ながら入って行くと、丁度良く手前に見覚えのある少女が通りかかった。
「いらっしゃいませ〜…って、りゅう君!やっと来たぁ〜!」
その少女、パトラは来店して来た客人を元気よく持て成すが、それが龍成だと気付くと、待ち侘びていたと言わんばかりに笑みを浮かべた。
彼もパトラを見掛けると、場所を間違えてなかったと少し安心して中へ入って行く。
「よっ、随分と洒落た店だな」
「でしょー?それにほら、服装も可愛いでしょ?」
「そー…だな。うん、良く似合ってるよ…」
店の雰囲気はとても良く、木製で出来ている少し素朴な内装だが、隅々まで綺麗に掃除がされているし、所々に悪魔のような個性的な飾りがある。
次に目が入ったのは、パトラの仕事服だ。この喫茶店での制服なのだろうが…少し布の面積が少ないのでは?色気があると言うか肌の露出が多いと思うんだが。
胸を強調するように谷間を晒し、更にはネクタイを通して挟むように見せている。それにヘソも丸出しであり、スカートも短い。
目のやり場に困ると言うのに、彼女はそんな思いに気付かないままその場で一回転して全体を見せてくれる。
確かに良く似合ってるし、いつもと違ってより悪魔っ娘と思わせるくらい可愛らしい。
「ちょっとパトラ?まだ仕事中なんだから私語は後に…あら?貴方どこかで…」
「メアリ。ほら、パトと一緒に出掛けた時に『静甘』って珈琲店に行ったじゃん?そこの店員さんだよ!」
そこへメアリと言う紫髪の女性が現れてパトラに注意しようとしたのだが、龍成を見るなり怪訝そうに首を傾げた。
そこでパトラが短く説明すると、メアリは少しした後に目を見開いた。
「あー!あの時の!えっ!?パトラと知り合い!?」
「そーじゃなくて!いや、そーだけど!えぇと…」
「パトラさん!メアリさん!お客様の前ですよ!ちゃんと仕事して下さい!」
龍成もメアリには見覚えがあった為、パトラと同じ所で働いていたとは予想外だったので少し驚いていた。
そんなメアリは、龍成とパトラがいつの間にか仲良くなってることに興味津々だったが、また別の女性が咎めるように割って入った。
「ご、ごめん!ななし!と、取り敢えず後で説明するね?ごめんね、りゅう君。こっちだよ!」
「あぁ」
仕事中なのを忘れて話が盛り上がってしまった所を指摘され、慌ててパトラはメアリに後に説明すると伝えてから、龍成をカウンター席へと案内して行く。
「早速だけど何か食べたいのある?」
「オススメとかって何があるんだ?」
「全部だよ!」
「そう来たか〜」
それからメニュー表に目を通していると、お冷を運んできた彼女にそう問れた。
しかし初めて来る所では何がいいのか分からないので、無難におすすめにでもしようかと思い聞いてみたが、自信たっぷりに全部と返されてしまった。逆に困るやつ。
「じゃあ折角だし、パトラお手製のオムライスにしようかな。後、食後にパフェと珈琲もいいか?」
「オッケー!任せて!直ぐに超美味しいオムライス作ってあげるから!」
「ゆっくりでいいからな〜」
どうせならパトラの手料理が食べてみたくなったので、メニューに書いてあった彼女お手製のオムライスと、食後にデザートと珈琲にすることにした。
そしてメニューが決まると、パトラはふんすっ!と気合いを入れて早速調理に取り掛かりにキッチンに向かって行った。
そんな健気な彼女に急かすつもりはないので、滾りまくってるやる気の熱を収めるように言葉を送っておいたが、それが聞こえているのかは分からない。
それと…
「じ〜…」
「……」
「じ〜〜…」
「……」
「じろじろじろじろ…」
何かめっちゃ見られてる…
カウンター奥から
けど、変に干渉するつもりはないので、俺はあくまでもシカトして気付かないふりをする。
と言うか実際に擬声語を出すなんて、構って欲しいのだろうか。
「ねぇ、人間」
「……俺か?」
だが、彼女の方が痺れを切らして声を掛けてきた。自分のことかと聞き返すと、頷きながら何処か興味深そうな瞳で俺から視線を外さない。
そんなミステリアスで独特な雰囲気を醸し出している彼女からは、表情の色が上手く汲み取れない。
「初めて此処に来る人間みたいだけど、人間ってぱとぴと知り合い?」
「そうだな…知り合いと言えば知り合いだが。まぁ知り合いって言うだけの仲じゃないと思うけど、通ってる学園が一緒で同じクラスでな。あぁ、最近そこに俺が編入したんだけどね…それでその、君は?」
ぱとぴって多分パトラのことだよな?その体で話は続けるが、彼女の問い掛けに思ったけど俺とパトラの関係性って友達と認識していいんだろうか。
まぁ一旦そのことは置いといて、彼女が何者なのか聞いてみる。
「ボクは堰代 ミコ、ミコって呼んでね。よろしく、人間。ボクもぱとぴとと同じ学園に通ってる一年だよ」
「そうなのか。俺は二年の紫黒 龍成だ、よろしくな」
「せきしー、誰と話して…ってりゅう君!いらっしゃい、来てたんだね!」
ミコも同じ学園に通っていたとは、意外と知らない所で色んな人がいるんだな。
そうお互いに自己紹介を済ませた後にシャルがやって来た。今はピークが落ち着いたのか、ミコの様子を見に来たのだろう。
俺を見るなり少し驚いていたが、それほどでもない反応に俺が来ると知っていたのかもしれない。
そして現在、入店する客は俺以降から来なくなり対応する客人もいなかったのか、ミコとシャルの二人は暫く俺との会話に時間を潰していた。
聞くに二人は良くゲームをし合う仲で、良くどっちかの家で遊んでいるらしい。
そんな話し中になんか「ぱとぉおおおおお!?」ってキッチンの奥から聞こえた。
────────────────────────
「あ、ぱとぴが来たよ」
「パトラ…何があったんだ?」
「あー…気にしないであげて?」
暫くしているとミコからその言葉が出てくると同時に彼女の視線に釣られ、その先を見るとパトラが料理を運んで来てくれていた。
別にそれが変ではないのだが、体に煤のような汚れが目立っていた。シャルがフォローするように言ってるけど、ちょっと無理がある。
「お待たせー…!えへへ、ごめんね?ちょっと気合い入れ過ぎてキッチンが爆発しちゃったけど、上手く出来たよ!」
「何したら爆発するんだよ」
「何時ものことだよ」
いやいや…いや…いや、まぁ俺も当時始めたては大概だったけども!爆発はなかったぞ!爆発は!それ料理下手の域を超えて軽く災害だよ!それが何時も起こってたら解雇案件だけど!慣れちゃいけないだろうに…はぁ、もういいや。
「お待たせりゅう君!パトラお手製のオムライスだよ!この私の愛情も含めてるから絶対…!きっと!…多分、美味しいよ?」
「そこは最後まで自信持って欲しい…」
彼女の作ったオムライスの出来栄えは、お世辞にも形は少し綺麗とは言えないが美味しそうではあった。ボリュームも良くて出来たてが食欲を唆られる。
何でかカニカマが大量に飾られているが、それはいいとしてよくあるケチャップで大きくハートが描かれていると少し照れるな。
初めは自信たっぷりだったのに最終的には微妙になってしまう彼女に苦笑いしてしまうが、いい加減空腹を満たしたいので早速一口食べてみる。
「ど、どうかな…?」
「うん、美味いよ。カニカマをふんだんに使ったオムライスも中々面白いな、ちょっと多いけど…」
「えっへへ♪良かった〜!」
見栄えはどうであれ結構美味しかった。チキンライスに刻んだカニカマ、外にもカニカマ、オムライスの天辺に特大カニカマとカニカマだらけである。
そしてパトラは直ぐに仕事に戻って行くと、シャルとミコも他の客人の対応しに行っていた。
俺は直ぐに食べ終えるのも何だか勿体ない気がして、一口一口をゆっくりと味わっていた。
「ありがとうございました〜♪また来て下さいね〜!」
「んぁれ?もう他の客もいなくなっちまったのか」
「そうだよ〜、もうお客さんはりゅう君だけだよ」
「私とパトラが残った時みたいね」
もう周りを見てみれば他の人の気配が全く無いことに食べながら気付いた。
そんな独り言が聞こえたのか、シャルが肯定しながら俺の所へ寄って来ると、続け様に紫のお姉さんとパトラも話し掛けて来た。
「実はね、メアリとミコにも知ってもらおうと思って、今日はりゅう君を誘ったのが理由なの。あ、勿論あの時のサービスしてもらったお礼も兼ねてね!」
「そうだったのか。さっきミコとは知り合ったぞ」
「じゃあ後はメアリだけだね」
「初めまして…はちょっと違うかな?私は西園寺 メアリって言うの、よろしくね。パトラから話は聞いたけど、編入生が貴方と知った時は驚いたよ?凄い偶然だよねぇ。あ、因みに三年だけど…敬語とか気にしなくていいし名前で呼んでいいからね?」
「ならお言葉に甘えて。俺は紫黒 龍成、よろしく。俺も編入した当時は驚いたよ。しかもその時は顔見知りがパトラだけじゃなくて他にもいたからな、余計に世間は狭いって思ったよ」
どうやらパトラはそう言った配慮もあったらしく、それを踏まえて誘ってくれたようだった。
そしてメアリとも自己紹介を交わして、俺が編入した当時の話題に花を咲かせていた。
そうしていると、この店に来た際にパトラとメアリに注意していた女性とミコがひょこっと顔を出した。
「ちょっと皆さん?まだ片付けが残って…って、あれ?まだ居らしたのですか。もしかして、お知り合いの方ですか?」
「あ、ごめんねななし。そう!同じ学園に通ってる人なの!」
「そうなんですね。皆さんが話していたのでどうしたのかと思ってたんですが…なら、私も少し混ざりますね。初めまして、ここの店長を務めてる″灰猫 ななし″と申します。今日はご利用頂きありがとうございます」
「どうもご丁寧に、紫黒 龍成です。そろそろ営業時間も……あ、過ぎてしまってるのに長居しちゃってすいません」
そう言ってお辞儀をした彼女は黒髪ショートに灰色のした双眸と、パトラ達と似た角はあるものの尻尾は存在してなかった。
そしてこの人も少し露出が多い服装であった。
なんとこの人が店長さんだったとは⋯ご丁寧に挨拶をされたのなら此方も丁寧に返さなければ無作法と言うもの。けど気付いたら営業時間を過ぎてしまっていた。
しかし灰猫さんは全く気にした様子がなく、それはパトラ達も同じだった。
「お気になさらず、ゆっくりしていってください。ところで注文の方は大丈夫ですか?まだ来てない料理とかありましたか?」
「あ、やべ…パフェと珈琲忘れてた」
「…まだ作ってなかったんだな」
「パトラさん…?」
「す、直ぐ作ってくるぅ〜!!」
「ボクも手伝う」
灰猫さんの質問に横でパトラが冷や汗をかきながらボソッと呟いた。そのことに灰猫さんはジロリとジト目を送ると、パトラは慌ててキッチンに戻って行くと続いてミコも手伝いに行った。
それを見送った後に灰猫さんは溜息を吐き、シャルとメアリは苦笑いを浮かべていた。
パトラの作ったオムライスは既に食べ終えてある。そして食後のデザートと珈琲がまだなのだ。
それを待っていたのだが、どうやら忘れ去られていたようだった。
「はぁ…ごめんなさい、紫黒さん」
「い、いやいや。俺は全然気にしてないんで。それに良いじゃないですか、俺の所とは違って人も多くて賑やかで」
「りゅう君ってバイトしてたの?」
「『静甘』って言う、知る人ぞ知る珈琲店さ」
「え?静甘…?」
シャルの質問に簡単に答えると、灰猫さんが急に唖然としだした。
そして突然俺の方に前のめりになった。
「あ、あの…!そこの店長さんは、もしかして御矼 啓次さんですか…?」
「そうですけど、知ってるんですか?啓次さんと」
「私、実はこの店を建てる前に啓次さんの下で修行時代を送っていたんですよ」
「そうなの!?」
「凄い繋がりね〜!」
「えー!何ー!?パトも気になるー!!」
「ぱとぴ、珈琲溢れてる。」
「うわぁあ!パトったぁ!!」
そんな意外な事実に誰もが驚いた。知り合いではなく師弟関係だったとは。
俺は啓次さんからそんな話は一度たりとも聞いたことがないし、どうやらメアリもシャルも知らなかったようだった。
パトラも俺達の驚いた声に気になったみたいだが、どうやら気を取られてミスったようだ。
「啓次さんは元気ですか?あの人、無茶して一度倒れたことがあったので…」
「え⋯?いや、今はそんな素振りは見ないので、大丈夫だと思いますよ」
「なら良かったです。また倒れたならまた私が直接赴かないと行けませんからねぇ…ふふっ」
ちょっと待て、あの人ほんと自分のこと話さねぇな。弟子がいて更にはぶっ倒れたのかよ。
あれだけ俺に相談しろとか言ってたけど⋯あの人も人のこと言ねぇじゃん。
一応、今はそんな無茶してる様子は⋯まぁあまり見受けられないから、大丈夫だとは思うと伝えて置いたが⋯。
灰猫さん、何か目からハイライトが消えてますよ?あと笑顔がなんか怖いです。
「お待たせー!ごめんね、忘れちゃってて!」
「ぱとぴ、気を付けてね?」
「うん!」
「…ほんとに大丈夫か?」
話の区切りが着いた所で、パトラが盆に乗せたパフェと珈琲を運んで来てくれる。
ミコの心配の声に軽く反応して返しながら、嬉々とした雰囲気を全開に出して小走りで寄って来る。
だが少し危なっかしく感じて、転ばないか心配になって注意深く見守る。
だが次の瞬間に、俺の心配は杞憂にはならなかった。
「わぁっ!?」
「───っ!」
予想していた通り、パトラは足を滑らせて仰向けに倒れ出した。
だが、転んでしまう前に瞬時に傍まで動き、彼女の身体を片腕で支え、もう片方で投げ出されたパフェと珈琲と盆に手を翳して気を操る。
すると、空中で一瞬静止してから時間が巻き戻ったかのように手元に戻って来る。
普段やらない繊細で神経を使う気の扱い方だったから、手元が狂わないか心配だったが上手くいって良かった。
これで一先ず両方は無事で済ませられたと、安堵の溜息を小さく吐いてからパトラに顔を向けた。
「大丈夫か?パ、ト…ラ…───」
「ぁ…あぅ…」
顔ちっっっっっ──────!!?
顔を向ければ鼻と鼻が触れ合いそうな距離だった。
今まで女の人をこんな間近で見ることなんてなかったので、硬直と同時にパトラの顔を眺めてしまっていた。
(こ、こうして見ると…パトラって本当に綺麗だな…支えただけでも身体がとても軽いのが分かる…女の人ってこうも身体が柔らかいんだな…)
汚れが全く無い綺麗な肌色は紅潮しており、ぷっくりとした潤いのある唇に、小さく可愛らしい鼻、パッチリとした瞳は小さく揺らいでいて何処か保護欲を掻き立てられる。
遠目から見ても彼女は紛うことなき華麗な女性だ。それをより近くで見れば、何故か心の鼓動が速くなった気がした。
(それに…いい匂いが…って何時までこうしてんだ俺!?)
そして香水の匂いが鼻腔を擽ることで、ふと我に返った。
「っ…す、すまん。怪我は…なさそうか?」
「う、うん…大丈夫だよ…ぁ、ありがとうね?」
直ぐに顔を背けて彼女を立たせて距離を取る。
お互いに言動がぎこちなくなり顔も見合わせることが出来ず、パトラは指同士を合わせてもじもじしており、龍成は気まずそうに少し紅色に染まった頬を掻いていた。
「わーお…」
「りゅう君よく反応出来たね…って言うかさっきの何!?」
「それもそうだけど、私達何見せられてるの」
「少女漫画みたいな展開でしたね…」
「え、皆そっちばかり気にしてるの?もう一個あったよね?」
シャル達もそんな光景に共感性羞恥によって、少し顔が赤くなっていた。
そしてシャルが先程の彼が見せた巻き戻し現象にツッコミを居れるが誰もそこには触れなくて、結局シャルも気にしないことにした。
「さ、ボク達は片付けしよーかねー」
「そうねー、じゃあ彼の接客は任せたわよパトラ?」
「…仕方ありませんね。パトラさん抜きで片付けましょうか」
「え…?い、いやパトラも片付けするよ?」
「いーからいーから!大した量じゃないし、話し相手にでもなってあげなよ」
「ふぇ…!」
それから各自散らばって片付けと掃除を始め出した。パトラも仕事でしなければならない筈が、皆に龍成の接客を押し付けられたことでその場から動かなくなった。
「「……」」
((気まずい…!!))
そんな残された二人は取り敢えず席に座り、片方はパフェを無言で食し、片方は視線が常に泳いで落ち着いていなかった。
「あ〜…パフェ、甘くて美味しいよ」
「そ、そっか〜…口に合って良かったぁ〜」
「「……」」
会話終了。
この空気に耐えれそうになかった龍成が意を決して話し出すが、秒で終わってしまった。
そんな光景をこっそりと遠目で見ていたシャル達は溜息を漏らしていた。
この状況をどうしたらいいと焦り始めた龍成は、パフェを食べながら何か話題を頭の中で探していると、唐突にパトラが大きな溜息を吐いた。
「はぁ…」
「何か…悩み事か?」
「ぁ…その…さっき転んだでしょ?りゅう君が助けてくれたから大丈夫だったけど、あれが初めてじゃないの…パトラってね、何時もドジしちゃってるの。本当は料理は下手だし、物忘れしちゃうし、何も無いとこで転んじゃうし…この間だって配膳の時に転んじゃって料理ダメにしてななしに怒られたばっかりなの…」
咄嗟に聞いてみると、彼女は過去の失敗した経験をぽつぽつと話し出した。
それにさっきの落ち着かない雰囲気から変わって凹み始め、その顔は小さく笑ってはいるが、自嘲だと誰の目でも分かる。
「でも…今日はりゅう君が来てくれるから、パトラも楽しみにしてて、気合いも入れて失敗しないように、格好良くもてなそうと思ってたんだけど…結局りゅう君にいい所見せられなかったなぁって。こうして見ると、パトラって駄目な所多いね……ご、ごめんね!暗い話しちゃって」
「いや、パトラは十分偉いよ」
「え?」
パトラは会話の内容が暗いものになってしまっていたことに謝るが、俺はそのままで話を終わらせなかった。
急に褒められたパトラはキョトンとしてしまう。
「ミスは誰にでも起こりうること。偉い人だって、尊敬する人だって、俺だってミスなんぞごまんとある。取り返しのつかないことだって経験した…⋯この世の中にはな、失敗しない人生なんてそういない。人は失敗して、それを反省して、次に繋げることが大事だ。パトラはそれをちゃんと考えている。どれだけ失敗しても、挫けずに努力し続けているのはとても偉いことだよ。」
「りゅう君…」
「パトラが頑張ってる姿はちゃんと知ってるよ。人の為に戦い、人の為に努力し、人の為に考えている。俺はそんなパトラが…────」
そこまで言葉が出た時に気付いた。これって告白になるんじゃね?そう思ったら咄嗟に言葉に詰まった。
(いや、でも別に告白する訳じゃないし…パトラのこと好きじゃないし…あぁいや!嫌いじゃないけど!えー、あー⋯なんて言えばいいんだ?こう、あれだ!尊敬だ、尊敬。うん)
などと思考が変な焦燥感に侵されてしまい、彼は真面じゃなくなっていた。
しかしその焦りを表面上には出さない鉄仮面っぷりには大したものだろう。勝手に焦って勝手に自己完結したのか、調子を崩さず次の言葉を伝える。
「いや、今のは忘れてくれ…」
「ぇ…?え?えぇ…?」
「何でもないよ。さてと、オムライスとパフェと珈琲、ご馳走様。これ以上は長居はする訳には行かないし、そろそろ帰るよ」
「な、何言おうとしたの〜!教えなさいよ〜!」
何故か逃げるようになってしまい、結果パトラを困惑させることで話は終わってしまった。この男、素直に尊敬と伝えればいいのに。
結局、最後まで教えられることはなく不貞腐れるパトラであるが、何とか謝り倒して機嫌を直してもらって会計へと移った。
「はい、お釣りだよ。今日は来てくれてありがとう!また来てね!」
「ご馳走様。こっちも誘ってくれてありがとう、また来るよ。じゃあな」
「あっそうだ!待ってりゅう君!サービス忘れてた!…はいこれ!」
「これは…?」
「これはね〜、このお店の特別カードだよ!これを持ってると割引出来たり他のサービスも出来ちゃうのよ!」
「いいのかよ?そんなの貰って…」
「いいのいいの!素直に受け取りなさい♪次は絶対格好良くもてなしてあげるからね!」
「じゃあ…ありがたく貰うよ。じゃ、またな」
別れの挨拶を交わした後に、パトラは忘れていたことを思い出して龍成を呼び止めると、一枚のカードを渡した。
贅沢な内容に貰うのを躊躇うが、善意で出された物を受け取るのも礼儀であると捉え、彼女の言う通り貰うことにした。
別れ際に手を振って見送るパトラに、彼も手を振り返してから店を出て行った。
外は既に静かな夜が訪れていて、微風の音しか聞こえない。
(ふぅ…にしても、妙に落ち着かないな…けど嫌な鼓動じゃない感じ…変なときめき感だ⋯───ん?声?)
ハプニングが起きた時のことを思い返し、気持ちが妙なことになった時を思い出す。
恥ずかしいようでそうでないような、感情とは矛盾した気持ちが入り交じってとても変な感じだ。
すると思考を遮るように、静かな空間から女性の声が聞こえた。誰かと話しているような感じではなく、これは…歌?
「あの人か…?」
ちょっとした興味本位でその声のする方へ移動してみることにした。
並木のある川沿い近くまで寄ると、遠くから聞こえた声が近くなった。広い坂下を覗いて見てみると、そこに一人の女性が無人の空間に歌を披露していた。
「────…〜♪」
(凄いな…とても優しい歌声だ…)
街灯は少ないが、今日は天気が良くて月明かりがその代わりになっているお陰で、その女性の姿がより神秘さを纏わせていた。
白銀に輝く長髪は微風に靡かれ、魔族なのか頭にある角はどことなくティアラを連想させる形だった。左目辺りに泣き黒子と本紫色の双眸。特徴的な尻尾、モデルのようなスタイル。
歌の邪魔にならないように少し遠目から聴いていたが、彼女の歌声にはとても惹かれる魅力的な印象があった。
盗み聞きしているようで悪いが、それでも足がこの場から離れない。
「ふぅ…────あれ?」
「あっ…」
「あ〜…もしかして聴いてた?」
聞き入っていたらいつの間にか歌い終わっており、人の気配を感じ取ったのか後ろを振り向いて俺に気付いてしまった。
やばいと思ったが、彼女の言葉に申し訳なりながら頷くと、少し恥ずかしそうに苦笑いしながら頬を掻いていた。
「帰り途中で綺麗な歌声が聞こえたものでね。つい、聴き入ってて…邪魔したかな?」
「ううん、今のを歌い終わったら私も帰ろうと思っての……ねぇ、少し私の話…聞いてくれる?」
「え?まぁ、俺でよければ」
初対面ではあるが、不思議なことに彼女から急にそんなことを言われて驚いた。
特に断る理由もないのだが、少し躊躇いはあるものの、彼女の神妙な顔付きに素直に聞くことにした。
何か悩みがあったのか、何があったのかは分からないが、話をすることで彼女が満足するならば付き合おう。
「実は私ね、昔にあるお店で働いてたの。私以外に四人いて、皆可愛くて優しくて頼りになる大切な友達なんだけど、ちょっと事情があって…そこを泣く泣く辞めて此処を離れたの…」
近くにあったベンチでお互いが座って僅かな沈黙の後、彼女は悩みを打ち明けるようにぽつぽつと話し始めた。
楽しかったこと、悲しかったこと、ぶつかり合ったことも含め、彼女の話は聞いていて中々面白かった。
「でも…最近、皆のことが気になっちゃって。此処に来たのはいいけど…───ん?ごめんちょっと待って。君の持ってるそれって…」
「あぁこれ?さっき知り合いがバイトしてる店で貰ったものなんだ」
その途中、彼女は不意に俺の手元にある物に興味を示した。
それはパトラからサービスで貰ったカードである。Honey Strapの字と可愛くデザインされた絵柄で、俺はそれを見せながらパトラの名を伏せて貰ったと伝える。
「そっか…ねぇ、そこってどんな感じだった?」
「…?そうだな…賑やかで可愛らしく、一人一人個性的な店員が接客してくれんだ。礼儀正しい人に、母性溢れる人に、天然そうな子に、ドジっ子な人。そんな人達が喫茶店で働いてる所だ。料理も美味しかったし、また機会があったら来るつもりさ」
「そう。気に入ったんだね」
やけにこの店に何か興味が持ったのか、詳しいことを聞きたがっていた。
取り敢えず簡単に伝えると、何処か嬉しげな雰囲気になった気がする。そのことは気になったのだが、本題が脱線してしまったことに気付く。
「あ〜…それで、貴方の話は…」
「あぁ、ごめんね?でももう大丈夫。少しだけだったけど、私に付き合ってくれてありがとう。ねぇ…最後に一つだけいい?ここで会ったのも何かの縁だし…君の名前、教えてくれる?」
もう大丈夫だと言われ、俺もこれ以上は何も言わないことにした。
そんな最後に彼女からの要望で、俺は疑いもなく自分の名を教える。
「俺は紫黒 龍成。貴方のも聞いてもいいか?」
「私は────」
「へぇ、綺麗な名前だな。貴方によく似合ってるよ」
そう言うと、彼女は嬉しそうに華麗な微笑みを見せてくれる。
そろそろ帰らなければならないのか、彼女は立ち上がり出した。俺もそれに続いて、彼女と見合わせる。
「ふふっ、ありがとう。じゃあそろそろ帰らないと…またいつか会えたらいいわね?」
「そうだな…少しの間だけだったが、いい時間だったよ。それじゃあ、また」
別れの挨拶を切り出し、俺は彼女に背を向けて歩み始めた。
「またね、紫黒君…」
───あの子達にも…よろしく伝えておいてね?
「……え?っ!」
突然、意味深なことを言われて彼女の方へ振り向くも…既に彼女の姿は初めから存在していなかったかのようにいなくなっていた。
その代わり、そこには神秘的な蒼い蝶が一頭、満月に向かって羽ばたいていた。
(もしかして…あの人は…)
最後に聞いたあの台詞の意味は、きっとそういことでいいのだろう。
俺はそう汲み取り、暫くその場で佇んでからこの場を去った。
書いてて思った。ギャグよりシリアスの方が得意なのではないかと。ま、そんなことはどうでもいいとして、如何でしたかな。
終盤での登場人物は、存じてる方ならば中々いい感じにできたと思うんですけど。エモい感じに出来たかな…。
誤字・脱字等あればご報告お願いします。
では〜。