インフルエンザで暇だから三題噺を書く、な話。

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インフルエンザで暇だから三題噺書く

『公共の場』『囁く』『プリン体』

 

 今年の冬は、油断をついて雪が降る。

 テレビなりネットニュースで天気予報を確認するのをサボったせいといえばそうなのだが、雪が降る勘がことごとく外れ続きだ。

 さておき、花粉が飛び始めた自然公園の木々を憎々しく眺めながら鼻をスンと鳴らし、俺は駅へと向かうのだが──やべーヤツがいた。

 公共の場だというのに、青ベンチには大量のカップの安酒とギターバック、二日酔いで呻き声を漏らすサブカルファッションでバンドマンな風貌の女性が転がっていたのだ。

 

「これが東京、伏魔殿か」

 

 イマジネーション元都知事がねっとりと脳内で囁くのを戒めに、都会のヤバさを再認識したところで、やべーヤツがムクリと起き上がっていた。

 

「んあーー頭痛いぃ……鬼ころ……プリン──プリン体」

 

「いやッ、一端アルコールから離れろや酔っ払い!」

 

「うん?どちらさん」

 

 ついうっかり、ツッコミの血が騒いでしまった。

 この後お節介を焼いて知り合い、ライブのチケットを買ったりもしたのだが、インディーズのロックバンドが俺の趣味に追加されたこと以外には語ることはもうないので、このあたりでこの話は終わる。

 

 

『バリエーション』『消化不良』『愚の骨頂』

 

 私らしい、私にしか書けない歌詞かぁ……。パリピ路線は客観的にみても酷い出来で歌詞を見せたときも自信を持てないでいたので、正しい努力の方向性がみえてスッキリしたのと、不安がある。

 歌詞ってどうやって書けばいいんだっけ?

 伝えたいキラーワードを軸に拡げていく?とりあえずストーリーを書いてみる?──思いついたこと、全部試そう。いろんなバリエーションを試行錯誤したら、見えてくることもあるはずだから。

 

 “消化不良な青春”

 

 “眩しいあの子”

 

 “コンプレックス”

 

 ノートに丸をうったワードから枝葉が別れるように、感情の言語化を深めていく。自分らしさって、比喩かな。私だけの共感覚も、誰かには刺さってくれる、うん、そう信じよう。……あははっ!自分を深く見つめると、酷すぎて嗤えてくる。ヘドロ喰らえ!と殴り書き、私が書いたこれをキタちゃんが歌うんだよなぁ……と夢想する。

 

「うぇへへ……へへ」

 

「おかーさん、お姉ちゃんが変!」

 

「そっと見守ってあげなさい……よよよ」

 

 心が荒むのが加速する──

 

「ぼっち、これはやりすぎ」

 

「あ、はい。調子乗ってすみません。私が作詞なんて愚の骨頂ですよね。ほんと、チリメンモンスターは海に帰ります。顕微鏡で探さないでください」

 

「聞いて、よくはなってる。私はぼっちの歌詞面白いと思うし。だから、もう一回書いてきて」

 

「は、はい。頑張ります」




※このとき39.5度でどうかしてました。普通に養生します。

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