“皇帝”と愉快な同期たち   作:カミカゼバロン

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 ガルパン小説のリハビリと練習と気分転換で書いてたらなんか出来ました。


“皇帝”シンボリルドルフ

 ―――“皇帝”シンボリルドルフ。

 日本ウマ娘史上初となる「無敗での」クラシック三冠制覇(無敗でなければ前年のミスターシービー含めて4人目)。天皇賞春、ジャパンカップ、有馬記念(連覇)の合計7冠。2年連続の年度代表ウマ娘への選出。

 

 トゥインクルシリーズにおいてそれだけの戦績を収めた彼女は、日本の期待を背負ってアメリカのウマ娘レース、それも最高峰の1つであるGⅠサンルイレイステークスに出走する事になり―――コースの差に対応しきれず、着外の6着で敗北。軽め(・・)とはいえ繋靭帯炎という故障を発症し、無念の帰国という結果となった。

 

 今は療養しつつもトレセン学園における生徒会長を務めている彼女であるが、この世代は『シンボリルドルフ』という輝きが眩すぎて他のウマ娘の影が少々薄いという印象を受けるのは、一般のウマ娘ファンからすれば已む無しというところかもしれない。

 

 だからというわけでもないだろうが、日刊トゥインクルによる独占取材―――療養中で気を紛らわせたいという事もあり、丸1日の時間をとってくれたそれにおいて、若い記者が不意に失言をしてしまった。

 

「世代特集を考えていたのですが……。貴女ほどの偉業を成し遂げたウマ娘と比べてしまうと、流石に同期のウマ娘の方々の影が薄くなってしまいますね」

「えっ……?」

 

 その言葉を受けた時の“皇帝”の反応は、まさしく鳩が豆鉄砲を食ったような顔だった。

 しかしその驚きの表情も僅か数秒。口元には力ない笑みが浮かび、耳と尾がへにょりと垂れて顔が俯いたションボリルドルフを前にして、年嵩の記者が慌てて腰を浮かせた。失礼な若手記者を叱責し、物言いを詫びようとしたのだ。

 だが、それより早く返ってきたルドルフの反応は、若手・年嵩の両記者の想像とは全く違う言葉であった。

 

「そうであれば、どれだけ楽だったか……」

「えぇ……?」

 

 困惑する記者へと向けて、ルドルフは顔をあげて苦笑する。

 その表情からは“皇帝”というイメージとは少々違った、同期に対する気安い稚気が感じられた。

 

「……百聞一見とは言いますが、まずは語って聞かせましょうか。存外、私の同期は“濃い”世代ですよ」

 

 その言葉の真意を探るべく、行方不明だったウマ娘を探して取材班はアメリカへ飛んだ。

 ―――比喩ではない。ここで聞いたエピソードを特集に纏めるために、月間トゥインクルがガチで取らざるを得なかった行動だ。

 

 これは、シンボリルドルフという一等星の輝きに飲まれてしまった―――というより、シンボリルドルフの“おかげで”奇行が目立たなかった、癖が強い同世代のウマ娘たちについての話である。

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