“皇帝”と愉快な同期たち   作:カミカゼバロン

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 スズパレードとスズマッハは実馬では従兄弟でしたが、本作においては姉妹設定です。引退後は放牧地もお隣のコンビだったそうです。
 あと、折しも今回の更新で名前が出るカツラギエースの実装が発表されましたね。やったぜ。


ニシノライデン 2

 ダブルライデンフィニッシュからのライデン失格でライデン繰り上げ勝利。

 何を言っているか分からないと思われるが、先の天皇賞(春)から4ヶ月半ほど後に、GⅢ朝日チャレンジカップにて起きた珍事であった。

 

 阪神レース場、芝2000m、良バ場。タイムは2分0秒2。

 単純比較は出来ないが、これはこの時期の日本ウマ娘としてはルドルフに唯一土を付けた存在であるカツラギエース*1が前年度に同じレース場、同じ距離、良バ場という大阪杯で出したタイムより更に速いものだった。

 ちなみにルドルフはそのジャパンカップでの敗北の後、およそ1ヶ月後に有馬でキッチリとカツラギエースにやり返している辺りが、なんとも“皇帝”である。引退までに国内で2敗を経験するルドルフだが、負けた相手に負けっぱなしで終わることは国内においては絶無だったのだ。

 

 ともあれ朝日チャレンジカップにてそんな素晴らしいタイムを叩き出したニシノライデン。盛大な斜行による失格で、2番手で入線したワカオライデンが繰り上げ勝利。

 これが先述の「ダブルライデンフィニッシュからのライデン失格でライデン繰り上げ勝利」の真相である。

 

 この頃になると宝塚記念前後の過労も抜けて、秋のGⅠ戦線に向けて調子を整えていたシンボリルドルフ。彼女は生徒会室で簡単な事務をこなす傍らでレース映像をチェックしていたのだが、このレースの映像を見た時には素で困惑した声が出た。

 

 外ラチに向かって吹っ飛ぶような斜行。それだけなら分かる。

 斜行による失格。それだけなら分かる。

 2000mで2分に迫る、昨年のカツラギエース以上のタイム。それだけなら分かる。

 

 だが全部まとめて来るのは意味が分からない上に、1着と2着がダブルライデンからのライデン失格ライデン繰り上げ勝利だと、ちょっとレースの情報量が多すぎた。

 

「えぇ……?」

「ハッ! おいおいどうした皇帝様よ。そんな間抜け面を晒して、なにか面白いことでもあったのか?」

 

 折しもこの時、ルドルフからすれば幼馴染にあたるシリウスシンボリが欧州への長期遠征から日本へと一時的に帰ってきて、遠征の疲れを癒やすように生徒会室のソファに行儀悪く脚を組んで座って寛いでいた。

 日本ダービー制覇の後は国内路線に目を向けず、欧州ウマ娘のレースへと挑みに行っている天狼星(シリウス)。彼女はデビュー世代としてはルドルフの1つ下にあたるが、上の世代のミスターシービーやマルゼンスキーと並び、シンボリルドルフというウマ娘が自己と対等に近いと認めている相手だ。

 

 シリウスシンボリ側もルドルフを「型に嵌まっている」「お固い」「つまらない」と公然と批判して反発を隠さない一方で、ルドルフの事を高く評価してもいる。ルドルフ側も欧州遠征に行くというシリウスシンボリに対して、遠征に対する生徒会からの全面的なバックアップを申し出ている。

 シリウスシンボリ自身がそのバックアップ自体には礼を言って受け入れていることや、シンボリルドルフのことが嫌いなのかと他のウマ娘に問われた際に『好きとか嫌いとかそう言うことではない』と答えていることから考えても、互いに人間的な部分で嫌い合っている感じはしない。

 単純に優先するものが違うだけで、なんならウマ娘の中で最もルドルフと近い視座・視点を持ち、“皇帝”の理解者たりうるのはシリウスシンボリではないかとは、両者と交友があるミスターシービーの分析だ。口には出さない。出したらシリウスがうるさい。

 

「……ダブルライデンフィニッシュから、ライデンが失格になってライデンが繰り上げ勝利になった」

「はぁ……? まだ疲労が抜けてないんじゃないだろうな。性懲りもなくあれもこれもと背負い込んで潰れるようなら、いっそ私が潰してやろうか?」

 

 ノウハウの無い欧州遠征では苦戦を強いられながらも、得たノウハウを少しずつURAや日本のウマ娘の元に持ち帰ってきている挑戦者(シリウスシンボリ)

 しかし欧州での経験の口頭報告を終えて(勝手に)生徒会室で寛いでいたら、夏頃に過労で潰れかかったという皇帝様がおかしなことを口走るものだから、少々様子が気になったようである。

 揶揄と軽蔑、そして心配をブレンドした言葉を投げつけたシリウスシンボリであるが、ルドルフ側の反応は梨の礫だ。首を何度も傾げるのみのルドルフに、いよいよ疲労でも溜まっているのではないかと思ったシリウスがソファから腰を浮かせる。

 

「おい、本当に疲れを溜めてるんじゃないだろうな。学習能力がないのか、“皇帝”サマは」

「うーん、このレースに関しては厳格(・・)幻覚(・・)であって欲しかった……。シリウス、このレースを見てくれ。君ならどのような感想が出る?」

「……良いぜ、見せてみな。まったく、レースの分析ひとつも出来ないなら、いっそ春まで休養していろ」

「ところでシリウス、君は私のことを面白みがないと揶揄するが、今の会話はどうだった?」

「……は? 何がだ?」

「……いや、なんでもない。厳格に、幻覚……ふむ、少々不自然だったか……?」

 

 ルドルフが首を傾げながらもブツブツと面白み(ダジャレ)の分析に入るのを『本当に大丈夫かこいつ』と横目で見てから、シリウスシンボリはルドルフが見ていた生徒会室備え付けのタブレットを横から覗き込んだ。

 動画、再生開始。そして5分後。

 

「えぇ……?」

 

 だいたい先程のルドルフと同じような感想がシリウスの口から漏れていた。

 

「ルドルフ、このレースはちょっと情報量が多すぎじゃないか……?」

「ああ、私が呆然としていた理由は納得してもらえたと思う。……ゴールに対して斜めに走ると真っ直ぐ走るより無駄に長く走る事になるだろう?」

「馬鹿にしているのか? そんなことは分かっている」

「なんでこれだけ盛大に斜行して、2分を切るかどうかというタイムなんだろうな……?」

「……それは分からん」

 

 参考程度に、前年ニホンピロウイナーが更新していたレースレコードとの差は僅か0.4秒である。

 

「これは真っ直ぐ走ってさえいれば、レースレコードの更新も出来ていたかもな」

「いや、ニシノライデンは斜めに走ったほうが速いのでそれはない。必要だったのは斜めに走っても斜行を取られない位置取りだったと思う」

「……そいつ体幹歪んでるんじゃないか? 病院にでも連れて行って一回検査してもらえ」

「既に一度行ったが、何故か問題はないそうだ」

「なんでだよ……」

 

 頭を抱えるシリウスシンボリ。自分も頭を抱えたいとでも言いたげに深い溜息を吐くシンボリルドルフ。

 その実力がいよいよ本格化してくると同時に、全力で走ると何故か傾くという奇癖も本格化しつつあるニシノライデン。彼女、そして同期にとっての試練の時だった。

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■

 

 

 朝日チャレンジカップから数日後。

 流石に重賞で勝者が失格になるというのは日本URA史上初の珍事であるため、ニシノライデンの失格のみならずトレーナーの謹慎処分*2が言い渡され、流石に剛毅果断なニシノライデンも気落ちしていた。

 ルドルフからの合同練習の呼び出しに応じて中央トレセン学園にある練習用のコースに来た姿からは、いつもの覇気が感じられない。耳がしおれて尻尾が垂れ、少々しおらしい雰囲気を醸し出している。

 

「よく来てくれたね、ライデン。今日は呼び出してすまなかった」

「ううん。トレーナーも謹慎中だし、僕としても気分転換が出来るのはありがたいよ」

「そう言ってくれると助かる。次の天皇賞に向けて、お互い調整は万全にしておきたいからね。敵に塩を贈らせてもらうとしよう」

 

 斜行ではないとはいえ皐月賞で自分も危険走行を“やらかした”自覚があるルドルフは、ライデンの様子には敢えて触れなかった。トレーナーとの関係が良好なウマ娘であるほど、トレーナーに処分が波及するというのは堪えるのだ。

 加えてニシノライデンというウマ娘の性格・気質も考えると、あれこれ聞いたり嘴を突っ込むよりは、合同トレーニングなどで気を紛らわせるのが良いだろうというのが皇帝の判断である。

 

 とはいえ気落ちしている同期を気遣いつつも、ルドルフも処分そのものに対して否定はしない。斜行というのは一歩間違えばレースでの接触事故に繋がりかねない危険な動きだ。何かしらの処分があることそのものは正当な対応だと言えた。

 一方で、この時代のURAによる処分制度はあまり成熟しているとは言い難かった。それは弥生賞・皐月賞で彼女も当事者として強く感じていたことだ。

 

『もし海外のレースであったならば、お前は降着していただろう』*3

 

 皐月賞後のルドルフに対して、トレーナーが向けた言葉だった。危険なレースをしたことへの反省を促して次以降への対策を共に考えようという時の会話であり、ルドルフとしてもそれに対しては猛省して頷くしか無かったものだ。

 “皇帝”に対してその存在や在り方をただ全肯定するわけではなく、間違いがあれば指摘し、共に改善点や対策を考えられる。それはシンボリルドルフという極めて高い視座と大きな夢を持つウマ娘のトレーナーとして必要な資質であるだろうし、彼女のトレーナーは正しくその資質を持っていた。

 この皐月賞での失敗を経て不要な荒々しさが抜け、“皇帝”シンボリルドルフの骨格が出来上がったといえるだろう。あとはおよそ1年後に過労して周囲に助けられる事で肩の力が抜け、レース以外の部分まで含めて“皇帝”としての在り方が完成したわけだ。

 

 そしてこの時のトレーナーの指摘どおり、海外のレースであればルドルフとビゼンニシキの接触は降着―――つまり順位の引き下げという措置が取られてもおかしくないものだった。URAでそれが取られなかった理由は単純で、その制度がそもそも存在しなかったからである。

 ウマ娘に対して取られうる処分は「失格」という大振りなものであり、シンボリルドルフのような「失格にするほどではないが、お咎めなしとするには危ない動き」に対しては、結果としてトレーナーの謹慎や減給という罰則で対応されることが多かったのだ。

 

 それらに対する疑義が取り上げられ、日本ウマ娘のレースに対して降着制度が取り入れられるようになるのはニシノライデン、及び皐月賞のシンボリルドルフが切っ掛けであると言われているが、ともあれこの時点ではまだ降格制度導入の検討がURAで始められたという段階である。

 ルドルフが引退してそちらの制度制定に携わるにはまだ時間が必要であり、この時点での彼女は未だに一人の競技者、一人のウマ娘としてトゥインクルシリーズを走る身だ。

 そんな彼女が次の天皇賞(秋)を前にやっているのは、上手いこと時間が合った同期の友人数名に声をかけての合同練習―――

 

「『敵に塩を贈る』、か。君が“皇帝”と呼ばれるだけの実力・実績を持っていることは、誰よりも同期の僕たちが分かっている。けど、次のレースでライバルになる相手に対して、その言葉選びは如何なものかな」

「……ライデン」

「今は気持ちがささくれだっているんだ。そんな『お前は格下だから手を貸してやる』みたいな事を言われては、大人の対応が出来ないくらいには」

「……いや、レース本番でまた大斜行されたらたまったもんじゃないので、本音をいえば君がなんで斜行してしまうのか確かめておきたかった」

「……あー……それは、はい。そう言われると……その通りです……なんかスイマセン……」

 

 ―――の皮をかぶった、斜行クイーンへの走り方矯正チャレンジ(ライデンのトレーナー許可済み)であった。

 ルドルフの悪癖ともいえる他のウマ娘に対する上から目線の善意かと思ったら、反論のしようがない論旨をぶつけられて気まずそうに縮こまるニシノライデン。ただし、長身のルドルフよりも更に長身である彼女が縮こまったところで、あまり小さくなっていない。

 なんなら胸も尻も大きい、全体的にデカいウマ娘である。マリキータではなく彼女がアメリカで保護されていたならば、家出幼女と誤認されて架空の行方不明事件が発生する事はなかっただろう。

 

「おーい、ルドルフー! ライデンー!」

 

 両者の間に流れる空気が微妙に気まずくなったところで、学園の校舎の方から彼女たちの名前を呼ぶ声が耳に届いた。それに対して振り向くと、よく似た面立ちの2人の鹿毛ウマ娘が連れ立って歩いてきたところだった。

 ポニーテールという髪型と面立ち、体格などはよく似ているが、立ち振舞いと雰囲気、後はワンポイントの髪色が違うために間違われることは殆どない。髪が一房だけ白く、雰囲気が活発そうなほうがスズマッハ。一房だけ黒くて雰囲気が大人しそうなほうがスズパレードだ。

 

 この両者は本格化のタイミングの関係でデビュー年代が同期となった姉妹同士であり、寮でも同室のコンビである。双方ともにマイルから中距離を主戦場とするGⅠ級のウマ娘で、寮での部屋はスズ部屋などと呼ばれている。

 双方ともにニシノライデン同様に、シンボリルドルフには劣るながらも世代を代表する実力者であり、“皇帝”に対しても気後れしていないウマ娘だ。

 そしてルドルフ、ライデンの双方が出走する天皇賞に対して、スズ姉妹も出走を予定している。ファン人気も妹のスズマッハが5番人気、姉のスズパレードが8番人気と、17頭立てのレースにおいて真ん中より上の評価を受けており、ルドルフ世代においては『主力』といって差し支えない立ち位置にあるといえた。

 ちなみにライデンは6番人気、ルドルフは不動の1番人気である。

 

「マッハ、パレード、来てくれてありがとう」

「構うこたねぇですよ。天皇賞を前に、アタシもパレード(ねえ)もやれるだけのこたぁやっておきたいって話をしてたトコでした。加えて、なんでも自分一人でやったろうってツラしてた皇帝サマが、こうして用事を頼んでくれるようになったワケですからね!」

「はいはい、頼らせてもらうよ」

 

 敬語と呼ぶには少々崩れきった荒い敬語で語りながらも、腰に手をやって胸を張るスズマッハに対して、ルドルフは苦笑を返す。スズマッハは日本ダービーにおいては20番人気という位置からルドルフに続く2着という着順に食い込んできて、そこで頭角を現したウマ娘である。

 ダービー以降もセントライト記念、京都新聞杯、菊花賞と入着を続けており、重賞勝利はGⅢエプソムカップのみであるが、どんな強敵にも安定して善戦が出来るだけの能力は高い評価を受けている。

 

「ニシノライデンさんの事は、私もマッハちゃんも気になっていました。あとは……私は大分ブランクがありますので、レース勘を取り戻す練習という打算もあります」

「無理はしないでくれよ? 呼んでおいてなんだが、体調に違和感があったらすぐに言ってくれ」

「ありがとうございます、ルドルフさん」

 

 こちらは綺麗な所作で一礼するスズパレード。妹であるスズマッハがヤンチャ娘という印象を与えるのに対して、こちらから受ける印象は深層のご令嬢だ。顔立ちや体格、髪型まで同じでも、所作や喋り方でこれだけ印象は変わるという実例である。

 夏合宿の余興でスズマッハが白髪染めで髪を染めておしとやかな振る舞いをしてスズパレードのフリをするドッキリをやった時には、ルドルフとライデンが引っかかり、ネタばらし後に顔を見合わせて大笑いをしたものだ。

 

 スズパレードは戦績としてはこの時点で既にGⅢを3勝しているが、身体が強いとはいえないウマ娘であり、3月の中山記念ではレース前日に脚部不安を発症して出走取消。そこから長期休養に入っていた。

 彼女にとって天皇賞(秋)は年始の金杯以来の復帰戦になるわけだが、それでもGⅠで8番人気と決して悪くない評価をされている辺り、彼女の地力の高さが伺える。

 

 ……ここまでの立ち振舞や評価、戦績などから、スズパレードは後のメジロアルダンなどと同様に『ガラスの脚』を持つタイプのウマ娘であるという印象を受けるかもしれない。

 実力はある。ただし、脚が脆く無理がきかない。そういう意味では確かに、ガラスの脚と言えなくもないのだが―――

 

「ですが、大丈夫です。中山記念前には筋肉痛と肉離れがいっぺんに来て爪も割れましたし、なんなら骨膜炎もきましたが完治しました」

「……本当に大丈夫なんだよね?」

「私、骨折や屈腱炎のようなヤバいのをやったことは一度も無いのが自慢なんです。軽いのはだいたいコンプリートしていますけど」

「大丈夫なんだよね!?」

 

 ―――軽めの脚部不安は気軽に発症するし、なんならコンプリートする勢いでありながらも、重症にだけは発展しない不思議体質なウマ娘、スズパレード。

 同期の中でのみ通じる、重症化したことがないからこそ言えるちょっと不謹慎な異名は―――『不死身の死にぞこない』であった。

*1
シービーと同世代。引退済。

*2
史実では主戦騎手に対する騎乗停止処分。

*3
『全日本フリーハンデ1983-1988』で近い内容の事が言われている。




 調教師の富田師いわく、『骨折以外の脚部不安は、すべて経験した』というスズパレード。調べた限りですと屈腱炎は脚部不安に含まれないようですので、この世界のスズパレードは経験していない扱いです。
 その辺りの逸話をコミカル路線に落とし込む感じで、

『病弱だけど回復力高いし、重症にだけはならずに割とすぐ復帰してくる不死身の死にぞこない』

 という感じのキャラ付けとなったスズパレードちゃん。

 全くの余談ですがウイニングポストでは初期にもらえる馬の中では格段に能力が高く、難易度次第ではルドルフとシービーとカツラギエースさえ避ければだいたい勝てる感じになります。
 ウイニングポスト初プレイではお世話になりました。
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