エロゲ世界にTS転生したので好き放題に暗躍した結果   作:影薄燕

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第24話 友理と愉快な仲間たち

 

 

 現在、学園の廊下では姉妹の悲しき別れが起こっていた……!

 

 

「ユウちゃ~ん! 今日こそ、お昼に会おうね~~~!」

 

「お姉ちゃん! 絶対、絶対に会いに行くからー!」

 

 泣き顔の我が姉、決意を胸に秘めたワールドチャンピオン・ザ・妹のボク。

 2人の固い絆で結ばれた姉妹は再会できるのだろうか!

 全米が号泣する(予定)の物語が、今、幕を開ける……!

 

 

 

「………………いや、何? この茶番?」

 

「手遅れ同士の姉妹による、低予算のドラマかしら?」

 

「友理は“尊さ”って言ってるけど、私には分かんないや」

 

 そんな空気をぶち壊す明日奈・小夜・凛子、3人の“幼なじみーズ”は呆れかえり、状況について行けてない他のみんなは目を白黒させている。

 

 

 幼なじみが1人、香坂明日奈。

 主人公の義妹で、転生者で、協力者(スパイ)という属性多めの女子。

 原作では好感度がプラスから始まるので、暗躍をするに当たってどうしたものかと悩んだが、まさかの転生者仲間だったことで問題が解決した。

 

 

 幼なじみが1人、小谷凛子。

 ボクにとって初めての友達で、『ヴァルダン』におけるファーストヒロイン。格闘技に精通している武闘派。

 主人公とぶつかった拍子にパンツを見られるというベタな初イベントがあったけど、ボクの頑張りによって阻止に成功した。

 

 

 幼なじみが1人、柊小夜。

 明日奈の推しヒロインで、メガネを掛けた落ち着いた雰囲気の女子。小さい頃からボクたちと関わった影響なのか、原作よりもノリが良い。

 どうも明日奈が小夜に何かやらかしたらしいが、未だに内容が分からない。正直、大きな変化が見られないだけに怖い。

 

 

 そして我がフェイバリット・お姉ちゃんである、柚木秋穂。

 世界最高の姉だ。異論は認めん。もしも香坂拓也がお姉ちゃんに手を出すようなら、ボクは修羅になる自信がある。というか、絶対になる。

 ……我ながらお姉ちゃんへの愛が天元突破してるなぁ。

 

 

 ――と、そんな付き合いの長い幼なじみと実の家族なのだが、残念ながら幼なじみたちには“尊さ”が理解できないみたいだ。

 

「バッカ明日奈! どこをどう見れば、お姉ちゃんとの別れが茶番に見えるんだよ! 引き裂かれた姉妹が再会の約束してるんだぞ!?」

 

「どこをどう見ても茶番じゃないのよ。何で数時間後のお昼休憩時に一緒にお弁当食べる約束を、そんなドラマ風にすんの?」

 

 何で秋穂さんも涙目で走り去ってるのよ、とお姉ちゃんが去って行った廊下を見つめる明日奈。

 

 

 

 ……いや、確かにボクも「仮にも生徒会所属なら、廊下は走っちゃダメでしょお姉ちゃん」とマジメにツッコむべきか悩んでいるけどさ?

 

 

 

「だって、昨日はお姉ちゃんが生徒会関連で忙しくて一緒にお昼御飯を食べれなかったし、今日の朝はボクが用事(主人公の邪魔)で一緒に登校できなかったし、いい加減アキホニウムが不足しがちなんだよ」

 

「秋穂さんを新種の物質扱いすな。ていうか、学園以外じゃ家でずっと一緒にいるんだから十分摂取してるでしょうが。そのアキホニウムとやら」

 

「最近忙しすぎて、通常時より多くの摂取が必要となっております」

 

「知るか」

 

 

 今日の登校時間で、香坂拓也の邪魔をした数十分後の光景がコレだ。

 ここだけ見ると一種のコントみたいに思えるかもしれないけど、入学式の日から毎日こんな風に家族や友人とハチャメチャで楽しい日々を過ごしているので、同じ1年生の中にはすでに慣れた生徒もいる。そんな生徒たちからボクたちは『友理と愉快な仲間たち』という枠組みで認識されてるらしい。

 

 で、その『友理と愉快な仲間たち』には先程の“幼なじみーズ”以外に高校生になったことで集結した新メンバーがいる。

 

 

「うーん……友理からの話で姉のことを慕っているのは分かってたつもりなんだけど、ここ数日の出来事だけで将来が心配になってきたな」

 

 ボクをとても心配そうな表情で見つめるのは、鬼島めぐみ。

 赤い髪のボーイッシュで背も平均より少し高い、しかしカワイイものが好きな女子。異能による戦闘力が高く、戦闘パートでは頼りになるキャラだった。

 彼女のメインイベントはまだまだ先なので、それまでの期間は主人公の毒牙に掛かる心配が少ないと安心できている。

 

 

「そう? 最初は心配したけど、変なことにはならないと思うよ。本当にアレ(・・)な事態になったら、それこそ友達である私たちの出番でしょ?」

 

 そう言って微笑むのは、高森美江。

 若草色の髪をした、お姉ちゃんと並ぶ正統派ヒロインの女子であり、戦闘パートより日常パートで主人公と仲良くなる危険が多い子だ。

 ……昨日はニアミスしそうで本当に焦った。

 

 

 ここまでは割と普通だけど、問題は残りの2人となる。

 

 

「フ、我は良いと思うぞ。美しき姉妹愛、実に良い! 再会の刻《レユニオン・タイム》までの数刻を我々と過ごそうじゃないか」

 

 中二セリフを言って意味も無くターンするのは、黒羽瑠維。

 中二病を発症してしまった自称、地獄の猟犬《ヘル・ハウンド》さんである。もうほんと、何度見ても意味が分からない。原作では気弱だけど良い子のキャラだったのに、どこをどう間違えて中二病になってしまったのか?

 どうでもいいけど、絶対アイツ“時”じゃなくて“刻”って漢字を使ってるな。昔、「こっちの方がカッコイイ」って言ってたもん。

 

 

「ぐぬぬ、負けませんよ秋穂さん……!」

 

 お姉ちゃんに対抗心を燃やしているのは、聖華院マヤ。

 ハーフのお嬢様で、スタイルも良く、将来を期待されているピアニストの優しいお嬢様だ。ただし、ガチの百合属性のせいでボクは狙われている。

 もうホント、何でこうなったのか意味が分からん(2回目)。

 

 

 で、ここに超個人的な理由でボクの怨敵と言っていい存在――この世界の主人公ともいうべき人物が、おまけで加わる。

 

 

「柚木先輩、入学式の日に遠目で見た感じは清楚だったけど……なんつーか、鬼島さんの言うようにここ数日で印象が変わったなぁ……」

 

「テメェ、香坂拓也。お姉ちゃんをディスってんのか? あ゛ぁ゛ん?」

 

「そこまで言ってないだろ!?」

 

 『ヴァルダン』の主人公で明日奈の義兄、香坂拓也。

 女の子と付き合い出すと、早々にエロいことをしたくなる狼だ(偏見)。付き合い始めて1年も経たず――てか、ゲーム内時間で実質1、2ヶ月以内に手を出すという年中発情中の猿でもある(事実)。

 

 

「……変態」

 

「いやいやいや! オレ何もしてないよな!」

 

まだ(・・)、何もしていない……だろ?」

 

「柚木さんはオレをどんな目で見てるんだよ!?」

 

 不本意だとばかりに香坂拓也は涙目になっているけど、マジでこればかりは信用できない。1人の男子としては信用できるのだろうが、こと女子に関することになってくると信用株が破産レベルで急降下する。

 

 ここまで紹介した8人の女子(+おまけ男子1人)にボク自身を加えた計10人が、『友理と愉快な仲間たち』のメンバーとなる。

 実際はさらにアルカ・忍・マルコが加わるし、先日お姉ちゃんに紹介して貰った生徒会長である西園寺八千代が仲間入りしそうだけど。

 

 

 

 ボクとしてはここにもう1人(・・・・)メンバーを増やしたいんだけど……それはボクの頑張り次第だな。

 

 

 

 ちなみに香坂拓也、女の子ばかりの中で唯一の男子という立場からクラスの男子に嫉妬されるかと言えば……そんなことはなかった。

 むしろ哀れまれている。どうやらいろんな意味でボクが原因らしい。

 今もクラスの男子たちに「元気出せって」「同い年の妹持つと苦労するなー」「ストレスに効くサプリがあるけど、いる?」などと言われていた。

 

 香坂拓也は嬉しいのか悲しいのか自分自身でも分からんといった表情で、笑いながら男子たちにお礼を言っていた。

 ……死んだ魚みたいな目をしてたけど。

 




~おまけ1~

男子一同(´・ω・)「「「「「不憫な……」」」」」

拓也( ;∀;)「同情するなら(友理さんの)好感度くれ」


~おまけ2~

秋穂(><;)・゜・。「うぅ、ユウちゃん。お姉ちゃん、ユウちゃんのために少しでも早く駆けつけるからね~~~!(涙目廊下爆走)」

八千代(・ω・)「止まりなさい秋穂。生徒会メンバーが廊下を走ってはいけませんよ?(肩ガシッ!)」

秋穂( ;∀;)「だってユウちゃんと会えないの寂しくt」

八千代(*´ω`)「は?(背後に大鬼のスタ〇ド)」ゴゴゴ……ッ!

秋穂(´・ω・)「あ、何でもないです」
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