エロゲ世界にTS転生したので好き放題に暗躍した結果   作:影薄燕

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作者(;´・ω・)「感情移入してたら、予定の倍以上になった件」


SS 瑠維のターニングポイント(後編)

 

 

 ――ほら、もっと自信を持ってシャキッとしなさいって!

 

 

 お母さんは無責任。

 どうやって心から自信を持つの?

 聞かされただけで変われるなら、誰も苦労しないのに……

 

 

 ――ネガティブじゃなくポジティブに考えればいいんだよ。

 

 

 お父さんは分かっていない。

 そのポジティブな考え方がそもそも思い浮ばないのに?

 がんばって絞り出して、それが何度も裏切られた私にはもう無理。

 

 

 ――ともだちのお姉ちゃんの方がハキハキしてたのに……

 

 

 大切な弟は何も悪くない。

 ……ゴメンね。暗いお姉ちゃんで。

 お友達のお姉さんみたいに、私も弟くんと遊べたらいいなって思うよ?

 でもね? いざその時になると、どうやって接していいのか分からなくなるの。それで迷ってる内に、弟くんの機嫌が悪くなっちゃうの。

 

 

 

「はぁ……」

 

 ため息がまた出ちゃった。

 今日で何度目だろう?

 

 私は黒羽瑠維。今年で8歳になります。小学生です。

 そんな私は今……橋の上で下を流れる川をず~っと見ている。

 

 理由は――特にない。

 強いて言うなら、1人になりたかったから。

 

 学校帰り、家までの帰り道から少し逸れたこの場所でただただ静かに過ごしたかった。ランドセルを背負ったままだから通りすがりの人に何か言われるかもって思ったけど……誰も通らないまま1時間以上は経ったと思う。

 人通りが全然ないのはいいんだけど、誰かに声を掛けられたら家に帰ろうとしていただけに無意味に時間を過ごしていた。

 

「私……どうしたらいいんだろう?」

 

 答えてくれる人は誰もいない。

 ため息の代わりに自分の口から出た言葉は、上手く説明ができないんだけど……何か、こう、自分で自分が嫌になった。

 

 

 私は……ぶっちゃけ、暗い。

 特別何か理由があってそんな性格になったとかではなかったはず。

 ただ、徐々に自分が同い年ぐらいの子と違うんだと知り始めて、気がついたときには……もう自分でもどうしようもなくなっていた。

 

 お婆ちゃんとかは「それが瑠維の個性なんでしょ?」って言ってくれたけど、お母さんとお父さん、それに弟くんは“今の私じゃない、別の私”を求めていた。説明が難しいけど、とにかく暗い性格の私では嫌いらしい。

 

「このままだと……私、どうなっちゃうんだろ?」

 

 クラスでも少し浮いている自覚がある。

 お母さんとお父さんも今はちょっと言ってくるだけだけど、数年後にどんな風に私のことを見てくるのか怖い。

 弟くんも小学校に入る頃になったら、どう接してくるのかな? 今よりハッキリと“嫌い”になられたらと思うとすごく怖い。

 

「はぁ……」

 

 本日何度目かのため息を(以下同文

 

 お婆ちゃんは私のことを「瑠維は内気だけど地頭は悪くないから、それを分かってくれる同年代がいれば化けるんじゃないかねぇ」って言った。

 私は年の割にはキチンと考えられる方だって。

 そのせいで余計なことまで考えちゃうのも原因かもって。

 

「でもそんな子、私は知らないんだよお婆ちゃん……」

 

 少なくとも私の知る限りで同じ学年にはお婆ちゃんの言う“地頭の良い子”はいないと思う。これでも最初は話し相手になってくれる子がいないか探したこともあるし。残念な結果に終わったけど。

 

「何処かにいないかなー?」

 

 

 ……簡単に見つかれば苦労しないか。

 

 

 結局、考えても答えは見つからない。

 私はまた何をするでもなく流れる川を見つめ続ける。

 

「……あ。あれ、カモの親子かな? 珍しい」

 

 いつの間にか、流れに沿って親カモと小さなカモの赤ちゃんが泳いでいた。離れた場所に池のある公園があったし、そこから来たのかな?

 

 興味がわいて、もう少し良く見ようと段差に脚を乗せて川を覗き込んで――

 

 

 

「はやまるなああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

 

 

 

「へ? きゃあ!?」

 

 突然体に衝撃が!?

 

 目を白黒させながら確認すれば、オレンジ色の髪をした同じ年ぐらいの女の子が私の肩に手を置いた状態で、覆い被さっていた。

 

「うっわ、あっぶな!! 何だ? バタフライエフェクトでも起こったのか? 危うくこの世の宝(ガチ)が失われるとこだったぁ。いや、今はそんなことどうでもいい! ダメだよru――キミぃ!! その年で人生を諦めるのはまだ早いんじゃないかな!!?」

 

「 ? ? ? ? ? 」

 

 えっと、何を言って……

 

「キミの人生はまだ始まったばかりで、まだまだこれからで、ルート分岐は間に合うはずで、シュレティンガーのネコで、未確定だから諦めるのは早くて! えっとだな、つまり……自殺は良くありません! 命大事に!!」

 

「じさつ……って何?」

 

「え?」

 

「?」

 

 私に覆い被さってる子が首を傾げて、私も釣られて首を傾げる。

 “じさつ”って言葉は初めて聞いたんだけど、どんな意味なんだろう?

 

「「………………」」

 

 沈黙。遠くでカラスの「アホー」という鳴き声が聞こえる。

 

「…………この橋から飛び降りようとしなかった?」

 

「え~? ……そんな危ないことしないよぉ。カモの親子がいたから、もっと良く見ようとしていただけだって」

 

「oh……」

 

 急に真顔になった女の子は私の上からどいて、ごく自然な動作でさっきまで私が寄り掛かっていた場所によじ登り――って!?

 

「ちょちょちょちょ!? ちょっと待って何してるの!? 危ないよ、落ちちゃうよ! 止まってって!!」

 

「大丈夫大丈夫。死にはしないよ。流れ星モドキが直撃したって生きてたんだから問題ない。ちょっと落ちれば今の記憶が無くなるかもしれない」

 

「落ちたら大変だよ! そこそこ高いよここ!!」

 

 その子の顔をよく見たら、ものすごく真っ赤になってプルプルしていた。

 もしかして恥ずかしかったの!?

 よく分からないけど、私とのやり取りで何かを勘違いしたことが耐えられないぐらい恥ずかしかったの!?

 それで自分が橋から飛び降りるってどういうことなの!?

 

 

 

~数分後~

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「ご迷惑をおかけしました」

 

 私の必死の説得(?)で落ち着いた女の子。

 まだ恥ずかしさが残っているからか目を合わせてくれないけど、一先ずはいきなり橋から飛び降りることをやめてくれて安心した。

 

「それで、早速なんだけど……」

 

「はい。何でしょう?」

 

「あなた、誰?」

 

「え~っと、通りすがりの不審者?」

 

 全然答えになっていなかった。

 

 

 

 これが、私の人生における最初のターニングポイント。

 初めてのお友達、柚木友理との出会いだった。

 

 

 

 それからというもの、友理とはちょくちょく会って、一緒にお話したり、友理に半ば無理矢理どこかへ連れて行かれたりする仲になった。

 

 ちなみに“通りすがりの不審者”という意味不明ワードに関しては、日課である学校帰りの1人旅(電車で1時間以内)をしていたら、同じ年頃なのに橋の上でリストラされたサラリーマンのような暗い雰囲気の私がいたんで、離れた場所からこっそり見ていたのが理由らしい。

 

 後日、「“リストラされたサラリーマン”って何?」とお父さんに聞いてみたら、飲んでいたコーヒーを吹いた。

 意味を知って、釈然としなかった。

 私は昼間から公園のベンチやブランコに座っている大人じゃないよ!

 

 でも、友理との出会いは本当に神様に感謝している。

 

 だってそうでしょ?

 少し変わっているけど私と同い年の女の子で、地頭が良くて、同じ視点に立って考えてくれて、そのうえで手を引っ張っていつもなら躊躇っちゃう場所へ連れてってくれる、お婆ちゃんが言った通りの人だったんだから。

 

 

 私の性格のことを相談してみた。

 

 

「そんなの誰かに言われたって中々変えられないんだし、とりあえずはその辺にぶっ飛ばしとけばいいんだよ!」

 

「いいのかな?」

 

「あとで回収することだけ覚えとけばいいって」

 

 

 家族のことを相談してみた。

 

 

「近くにいすぎるから逆に瑠維のことが見えなくなっちゃっているんだ。こういう時は遠くの他人の方が見えやすい。つまりボクだ!」

 

「友理は他人じゃなくて友達だよ?」

 

「普通に良い子か!?」

 

 

 たくさん遊んだ。ボードゲームとか。

 

 

「……おかしい。オセロでボクが負けるだと? 同年代で負けるなど(転生者の意地として)ありえん! ――っ! ここだ!(パチッ!)」

 

「じゃあ、ここに置いたら一気にひっくり返るね(パチチチチッ!)」

 

「なん……だと……!」

 

 

 たくさん遊んだ。カードゲームとか。

 

 

「!? それダウトー!!」

 

「残念ハズレ(ペラッ)」

 

「!!!??」

 

 

 いっぱい遊びに連れてかれた。

 

 

「動物園の触れ合いコーナーに来たのに、動物が一匹も来ない――というか、近づいても逃げてしまう件。エサ代を返して貰うべきか……」

 

「私にはウサちゃんとか寄ってくるのに、どうしてだろ? 友理、今朝でも天敵になるような肉食の動物と触れ合った?」

 

「そんなはずない。今朝は新発売のチャ〇チュールをくれとマルコが必要以上に擦り寄ってきたぐらいで……あ゛っ!!?」

 

 

 気付いた時には、私は変わり始めていたらしい。

 

 

「黒羽さんって、低学年の頃に比べると変わったよね」

 

「そう……かな……?」

 

「うん。変わった。前に私が話しかけたら目線合わせてくれなかったし」

 

「そういやオレが隣の席だった時はもっとオドオドしてたな」

 

「最初の頃に比べると話しかけやすくなったよねー」

 

 

 友理が、私を変えてくれたんだ。

 

 

『――って感じで、ボクの方は忙しくなりそうだよ』

 

「友理の家も大変だね」

 

 中学に上がる少し前のある夜、私は友理と電話していた。

 

 私の方では弟くんの宿題を手伝ってあげたんだよ!って報告を、友理の方ではご両親の仕事が嬉しい悲鳴で忙しくて家にいない日が増えてきたという話をしていた。ついでに、お互いに中学生になるにあたってしばらく忙しくなりそうだということも。

 

『ボクの友達って瑠維みたいに電車に乗らなきゃ会えない距離にいる子が多いからさ、その子たちとも連絡取り合って、帰ってこない日の親のやることお姉ちゃんと分担して、居候とペットの世話して、隣に住み始めた年下の子に関して関係各所と連絡を取って資料送ったりと、まぁ時間がすぐに過ぎちゃう。これで個人的な自主練もあるから、1日なんてあっという間だよ』

 

「う~ん、そうなると中学生になるまではこういう電話も控えた方がいいのかも? 私もちょっと1人で考えてみたいこともあるし」

 

『大丈夫?』

 

「うん。平気だよ」

 

『なら今度連絡を取り合うのは、中学校の入学式が終わったあとということで。……何かあったら遠慮無く電話するんだぞ?』

 

「分かった。おやすみ友理」

 

『おやすみ瑠維』

 

 通話を終えた受話器から流れる寂しい音を聞き終えた私は、ベッドのすぐ横にある窓を開ける。そこには綺麗な星空が広がっていた。

 

「中学校デビュー計画、どうしようかな?」

 

 この前見た雑誌には生活が心機一転するのを機に、容姿や気持ちに変化を付けて新しい生活と自分を作る方法があると書いてあった。

 昔の私だったら絶対に無理なそれ。

 けど、今の私だったら、ほんの少しの勇気で実現できるかもしれない。

 

「やらないって手もあるけど……」

 

 せめて1つぐらいは変わってみたい。

 それで家族や友理に褒めて貰うんだぁ。

 

 ふと、数日前に家に遊びに来たお婆ちゃんが小学校卒業祝い兼中学校入学祝いだとくれたプレゼントをベッドの小物入れの中から出す。

 

 それはロザリオという、大きな十字架の装飾品。

 お婆ちゃんが若い頃から身につけていたお守りだった。

 

「そういえば、お婆ちゃんは将来どうするか決めるときにやらないよりマシだろうって、ロザリオにお祈りしてたんだっけ?」

 

 詳しいことは聞いても分からなかったけど、その神頼みのおかげでお爺ちゃんをゲットしたんだと、自慢げに語っていたような……?

 

「……せっかくだし試そう」

 

 案外、気持ちの整理ぐらいは付くかも。

 

 窓から見える星空にかざすようロザリオを掲げて、願掛けをする。

 

 

「中学では、少しでも変われますように」

 

 

 祈りながらロザリオを握りしめて、

 そのロザリオからほんのり暖かさを感じて、

 急激に瞳が重くなって、

 そして――

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『いくよ〇〇!』「おう! 絶対にオレたちが勝つんだ!」

 

 私は、何処かの廃工場のような場所で顔の見えない男の子と一緒に、顔の見えない大人達に向かって行った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『ぐすっ……』

 

 私は真っ暗な場所で、ただただ無意味に泣いている……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『こうすれば……ほら、簡単に解けた』「ありがとう先生!」

 

 弟くんじゃない、知らない子供に分かりやすいよう勉強を教えている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「今度さ、映画見に行こうよー」『うん! 行く行くー!』

 

 見覚えのある子と遊びの約束をしていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『そ、それでは、お食事をお下げしますねー?』

 

 どこか緊張しながら、病院らしき場所で老人の介護をする。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

――そして、

 

 

「瑠維、後ろは任せたぞ。ボクらの力を見せてやる」

 

『任されたぞ戦友! 我らが真の絆《トゥルー・ボンド》は何者にも負けやせん!!』

 

 どこかの、大勢の観客がいる会場。

 そこで自信満々の笑みを浮かべる私は、友理と背中合わせに戦う。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 ………………

 …………

 ……

 

 

――ピリリリリリリリッ!!

 

 

「――ハッ!?」

 

 ガバッと、目覚ましの音で目が覚める。

 

「あれ? 私……もしかして、あのまま寝ちゃってた……?」

 

 お布団も掛けずに寝ていたみたい。

 ちょっと体が痛いかも。

 

 それよりも、

 

「何だったんだろ? さっきの夢?」

 

 普通の夢、とは違うはず。

 何と言えばいいのか、やけにリアルだった。

 

(正夢……とは違うよね?)

 

 正夢にしては選択肢が多すぎた。

 男の子とボーイミーツガール的な展開になってた私に、悲しいことがあったのか引きこもっていた私、家庭教師の私、普通の女の子な私、看護師のようなことをしていた私。全部、本当にあり得るかも知れない私の可能性でも見せられたかのような感覚だった。

 

 でも、やっぱり――

 

「友理に……信頼されてた」

 

 大きくなった友理と背中合わせに戦う私が、1番生き生きとしていた。

 

 友理が何も心配せずに後ろを任せ、自信に満ちあふれた表情の私がそれに答える。現実的とは思えないのに、とても……とても眩しかった。

 お互いに信じて背中を任せられる光景に、酷く憧れた。

 1番の友達に信頼してもらえることが、嬉しくてたまらない。

 

「……今からがんばれば、あんな風になれるのかな?」

 

 どうせ変わるのなら、ああなりたいなぁ。

 

 

 

 これが、私の人生における2つ目のターニングポイント。

 不思議な夢でみた自分への憧れだった。

 

 

 

 

 どうして、あれほど憧れたんだろう?

 

 

「えっと、夢の中の私って《トゥルー・ボンド》が~って言っていたけど、どんな意味なんだろ? たぶん英語だよね? 調べなきゃ」

 

 

 分かってるんだ。本当は。

 

 

「“中二スタイル”? こ、これだ! あの私はこれなんだ! 何だろこの心をくすぐられるような心情? 格好いいセリフとか、服とか、装飾品とか、思い切って変われる要素が満杯! これが私の聖書《バイブル》だったんだ! 店員さーん! この雑誌くださーい!!」

 

 

 何も疑わずに友理を信じてる私が、

 

 

「フフフ、わ、われわぁ……! う~ん、違うもっとハキハキした言い方で。……フハハハハ! 我は黒羽瑠維! ……うん。成功。せっかく姿見があるんだし、ポーズもこだわりたいなぁ。こう、キレッキレでターンしたり……。ん? なーにお母さん? え? いつまでも玄関で何やってるって? しかたないもん、姿見ここにしかないんだから!」

 

 

 迷い無く私を信じてくれる友理が、

 

 

「フフフ、今まで貯めていたお小遣いを奮発しただけあった私――じゃなくて、我って格好いい! 大分夢の姿に近づいたぞ、待ってろ友理!! あ、せっかくだし二つ名とかも決めておこう。何がいいかなー♪」

 

 

 そんな私たちの関係が、

 

 

「る、瑠維……?」

 

「フハハハハッ! 待っていたぞ友理! 驚いているようでなによりだ。月が沈み、太陽が昇ることを繰り返していた日々の中で我はついに自己《アイデンティティー》を確立するに至った! 見よ! この生まれ変わった姿を! 我こそは友理の親友、地獄の猟犬《ヘル・ハウンド》黒羽!!」

 

「何があったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!??」

 

 

 私にとって――

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「どうかしたか瑠維?」

 

「ふむ?」

 

 気がつけば、いつもの調子に戻っていた友理が顔を覗き込んでいた。

 昔のことを思い出してる間に、割と時間が経っていたみたい。

 

「いやなに、友理と初めて会ったばかりの頃を思い出していたのさ」

 

「あぁ、あの橋での……」

 

「そう、友理が羞恥で飛び降りようとした一件だ」

 

「その話ダメぇん!!」

 

「いや、どんな話よそれ? アタシの知らないところで何が……?」

 

 ちょっと振ってみたけど、友理はしっかりあの時のことを覚えているみたいで安心した。忘れられない出来事ではあったけど、ちょっぴり心配だったんだ。友理はたくさん友達がいたから。

 

 顔を真っ赤にして再びうずくまってしまった大事な友達に、改めてお礼を言ってみる。

 

「ありがとう、友理。私の友達になってくれて」

 

「? 急にどうした?」

 

「言いたい時に言いたかったから。それだけだよ。……そろそろお昼休みも終わるし、レイカちゃんを向かえに行くね」

 

 1人で気持ちの整理を付けているはずのレイカちゃんの元へ向かう。

 

 今度は私が手を引っ張って、たくさんのことを知ってもらうために。昔の私に、友理がしてくれたように。

 





~おまけ~

瑠維.婆(*´∀`)「いやー、アタシの若い頃よりイケイケだねぇ」

瑠維.親(;´・ω・) (― ―;)「「柚木さんとお友達になって途中まで良かったのに、どこで育て方間違ったんだろ?」」

瑠維.弟( ;∀;)「流れ星に『元気でみんなの印象に残るお姉ちゃんになりますように』って願ってごめんなさい。もうちょっと落ち着いた頃のお姉ちゃんが好きです」
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