ラーの翼神竜に転生したけどなんか質問ある?   作:悲しいなぁ@silvie

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第三十話『新たな脅威、カードプロフェッサー!!』

「ぐっ…!俺のターン!俺は手札から機甲虫スカウト・バギーを召喚し効果──」

 

「あら、今…召喚、と言いましたわね?

ならばワタクシはフィールド魔法ふわんだりぃずと謎の地図の効果発動!

相手がモンスターを召喚した場合、ワタクシの手札からふわんだりぃずモンスター1体を召喚しますわ!

さぁ、かわいくない虫さんなんて食べておしまいなさい!

ふわんだりぃず×いぐるんちゃん!」

 

ゴスロリチックな服装の白髪の少女がビシッとポーズを決めながらそう言うと不思議な模様の翼をもつ鷲がフィールドに現れる。

そして、そのたくましい脚には一枚のカードが握られていた。

 

「ふわんだりぃず×いぐるんちゃんは召喚時にレベル7以上の鳥獣族のお友達を連れて来てくれるんですわ!

更に!鳥獣族であるいぐるんちゃんが召喚された事により除外フィールドからもお友達が駆けつけますわ!

そして、ふわんだりぃず×いぐるんちゃんの効果でワタクシは手札から鳥獣族モンスター1体を召喚できますの

さぁ行ってらっしゃい、霞の谷の雷鳥ちゃん!」

 

「ぐっ…だ、だが!俺はスカウト・バギーの効果によりデッキから2枚目のスカウト・バギーを特殊召喚──」

 

「ワタクシは霞の谷の巨神鳥ちゃんの効果発動!

今召喚した霞の谷の雷鳥ちゃんを手札に戻す事でその効果を無効にし破壊しますわ!

更に、霞の谷の巨神鳥ちゃんの効果は手札に戻すカードがある限り何度でも発動できますの!」

 

「あぐ……ならば、俺はバトルフェイズ!

デビルドーザーで霞の谷の巨神鳥を攻げ──」

 

「ワタクシはリバースカード、ライバル・アライバルを発動しますわ!

ライバル・アライバルは互いのバトルフェイズにモンスター1体を召喚できる速攻魔法ですの!

さぁ、あのかわいくないカードを片付けておしまいなさい!

烈風帝ライザーちゃん!」

 

可愛らしい鷹とこまどりから現れるは風を纏いし巨人。

巨人の纏う風は男の場の巨大な昆虫を吹き飛ばす。

 

「烈風帝ライザーちゃんは相手の場のカードと墓地のカードをデッキに戻せますの!

更に、風属性であるいぐるんちゃんをリリースした事によりその伏せカードを手札に戻しますわ!」

 

「あ、あぁ……」

 

男は項垂れながら自分のデッキに手を置く。

それはサレンダー…降参の合図である。

 

「あら、もうサレンダーですの?

ステイツ最強のカードプロフェッサーグループが聞いて呆れますわ〜!!」

 

カードプロフェッサーグループ【バンデット】構成員

ベティア・ストラール

 

 

 

「ウチのターン、ドロー!」

 

「ふん!お前みたいなガキ共がうちに攻め入ってくるとはな…

後悔する事になるぞ」

 

「あー、はいはい…悪いけどウチ、1文にもならん話は嫌いなんや

ウチに聞いて欲しけりゃ儲け話持って来てーな」

 

瓶底眼鏡を掛けた黒髪の少女は算盤を模したデュエルディスクからカードを引き抜く。

 

「待て!俺は永続(トラップ)、生贄封じの仮面を発動!

このカードが存在する限り、互いのプレイヤーはモンスターをリリース出来ん!」

 

「はぁ…?えらい珍しいモン入れとんのやな」

 

(ふん、馬鹿め…俺のフィールドには2体の切り込み隊長により攻撃ロックが完成している!

更にこの生贄封じの仮面で壊獣は封じられ、伏せられた我が身を盾にとスターライト・ロード…更には手札のアーティファクト-ロンギヌスにより除去対策は万全…後は波動キャノンさえ引ければ俺の勝ちは揺るがん!)

 

男は笑みを隠しながら少女を睨む。

しかし、少女はデュエルディスクについた算盤玉をパチパチと弾きながら上の空といったふうに呟く。

 

「うん…中々ええ稼ぎやなぁ

この程度の相手倒して一人4万ドル…リーダーはんに着いていきさえすれば食いっぱぐれんでええわ!

やっぱり、男は稼ぎと甲斐性があらへんとな」

 

「この程度だと…?その台詞、俺に勝ってからにしてもらおうか!」

 

「うっさいのぉ…勝っとるから言うてんねん

ウチは手札から魔法(マジック)カード、パワー・ボンド発動や!

手札のリボルバー・ドラゴンとブローバック・ドラゴンで融合召喚!

さぁ、軽ぅいてもうたりぃや!ガトリング・ドラゴン!」

 

ガトリング・ドラゴン ATK2600×2→5200 DEF1200 攻撃表示

 

「ホレ、ガトリング・ドラゴンの効果発動や

3回コイントスして、表の数分モンスターを破壊する!」

 

「くっ…!ならばリバースカードオープン!速攻魔法我が身を盾に!

……な、何故我が身を盾にが発動しないのだ!?」

 

「はっ、どんくさいのぉ…ガトリング・ドラゴンの効果は発動時点やと破壊が確定しとらへんからに決まっとるやろ

いてこませ、ガトリング・ドラゴン!ロシアン・ルーレット!」

 

ガトリング・ドラゴンの3つの砲門がギリギリと回転し…目の前の切り込み隊長を2体共吹き飛ばした。

 

「ば、馬鹿な…スターライト・ロードも発動しないだと…

そ、そんな……こんな筈では…」

 

顔を青くして呟く男を冷めた目で見ながら少女はデュエルディスクを操作してフェイズを移行する。

 

「そら発動時点では破壊枚数も決まってへんからな…

にしても運無いのぉオッサン、1枚吹っ飛ばすだけで良かったのに2枚共吹っ飛ぶやなんて…

ウチはガトリング・ドラゴンでダイレクトアタックや!

千砲撃(ガトリング・キャノン・ショット)!」

 

「ぐ、ぐわぁぁぁ!!」

 

「しょーもないのぉ…ま、銭っ子になるんなら文句はあらへんけどな」

 

カードプロフェッサーグループ【バンデット】構成員

牛尾哲(うしびあき)

 

 

 

「あら!アキさんも終わりましたのね!」

 

「ベティも終わったみたいやのぉ

ま、この程度の相手に負けるとは思てへんかったけど」

 

ゴスロリ少女と眼鏡の少女は倒れ伏す男達に目もくれず和気あいあいと話合っている。

 

「お兄様はともかくとして…レイブンは大丈夫かしら?

さっきから探しても見付からないのだわ…」

 

「レイブンなら心配あらへんやろ、ウチらより強いんやから」

 

「もう!それと心配しないのは別ですわ!」

 

ぷんぷんと頬を膨らませる少女をはいはいと宥めながら二人は歩く。

その後ろではふらふらと一人の男が立ち上がり少女達へゆっくりと迫る。

 

「ふざけやがって…!下手に出てりゃ…もう容赦しねぇ!どっちが上かはっきりさせてやる!!」

 

「へ…?」

「…!ベティ、危ない!!」

 

牛尾は男が拳を振り上げた事にいち早く気付きベティアを庇うように抱き締め目を閉じる。

 

「──ッ!…………なんや、痛ない…?」

 

しかし、いつまで経っても来ない衝撃に恐る恐る目を開くと─

 

「ごあぁぁぁ!!?や、やめ…折れる…!!」

 

二人に殴り掛かってきた男は金髪の青年にその腕を捻り上げられ情けない悲鳴をあげていた。

 

「お兄様!!」

「リーダーはん!!」

 

「ベティア、哲…デュエルで勝った後も気を抜くなって教えたろ

デュエルで負かされりゃあ馬鹿正直に従うヤツばっかじゃねぇんだ」

 

金髪の青年は男の腕を可動域の限界を超えて捻り上げる。

生木を圧し折るかのような生々しい音が響くと悲鳴をあげていた男ががくりと意識を失う。

青年は男を壁際まで蹴り飛ばすと二人の少女に怪我が無いか確認し話し始める。

 

「お前達、帰ったら早速次の仕事だ」

 

「仕事〜!?もう次の仕事かいな…ちぃとは休みくれてもバチは当たらんでリーダーはん?」

 

「ワタクシは構いませんことよ!

でも、レイブンが見付かりませんの…お兄様は此処に来るまでに会ってませんの?」

 

自分の足元にしがみつく二人の頭を撫でながら青年は周囲を見渡す。

 

「そう言うな哲、この仕事は中々()()()が良い…お前もその気になる

ベティア、レイブンなら見てないがもう戦闘音がしない以上負けてはいない…すぐに見付かるさ」

 

青年はそう言いながら適当に扉を開けていき…すぐに目当ての人物を見付けた。

 

「レイブン!!無事でしたのね!」

 

「せやから大丈夫や言うたやろ?ウチらより強いレイブンがこないなしょぼいオッサンらに負けるかいな」

 

三人の視線の先には十数人の男達が気を失って積み重ねられていた。

その頂上に、オレンジ色の髪をした少年が一人タッパーに入ったヨーグルトを黙々と食べている。

 

「レイブン、仕事だ…降りて来い」

 

「……仕事?またかよエース」

 

カードプロフェッサーグループ【バンデット】構成員

レイブン・ホーガン

 

「今度は何やんだ?ステイツ最強のカードプロフェッサーグループの次はプレジデントでも狙う気かよ」

 

少年はタッパーの蓋を閉じるとひょいと頂上から飛び降り青年の前に立つ。

 

「違う、だが…それよりもっと実入りが良いのは確かだ

俺達はこれから、日本(ジャパン)に飛ぶ」

 

「日本ん〜?本気かいなリーダーはん!

旅費まで込み込みなら相当貰わな足出てまうで?」

 

青年の服の袖を引っ張りながら牛尾が眉間にシワを寄せる。

 

「日本ン〜!?無理だ無理!そんなに離れちまったらアジトで作ってるカスピ海ヨーグルトがダメになっちまうだろーがよ!」

 

レイブンは青年の腹部にヨーグルトが入ったタッパーを押し付けながら怒る。

 

「あら!ワタクシは賛成ですわ!!

お兄様やみんなと一緒に日本観光だなんて…ステキですわ!!」

 

青年の脚に抱き付きながらベティアは花のような笑顔でそう言う。

青年はベティアの頭を撫でながら反対する二人を諭すように優しい調子で話す。

 

「哲…言ったろう、実入りは良いとな

報酬は───一億だ」

 

青年スッと指を一本立てる。

 

「一億円…ほーん、まぁ…それなら旅費込みで黒にはなりそうやな

そんでリーダーはん、一億のシゴトや…まさかただの日本観光やないんやろ?」

 

牛尾は携帯端末で為替相場を見ながら尋ねる。

その手はデュエルディスクに付いた算盤を忙しなく弾いていた。

 

「とある日本人からカードを奪って欲しい、カードさえ手に入るならば手段と対象の生死は問わない…とのことだ

そして哲、報酬は一億円じゃない」

 

仕事内容にほーん、と軽い相槌を打っていた牛尾の手がピタリと止まる。

 

「一億円やない…?リーダーはん、まさかカード払い*1やないやろうな!

アカン!アカンでぇ〜!!カードなんぞすぐ値崩れするんや!信じられるんは銭っ子だけ!!ハイ!言うてみぃ!!」

 

つばが飛ぶ程に熱く語る牛尾は青年の腰を掴んでグイグイと揺さぶる。

 

「む、む、む、信じられるのは銭っ子だけ」

 

青年はガクンガクンと揺さぶられながら復唱する。

 

「せや!せやで!!ベティとレイブンも言うてみぃ!!」

 

「信じられるのはお金だけですわ〜!!」

 

「信じられるのはカネだけー」

 

ベティアは楽しそうに、そしてレイブンはめんどくさそうに復唱しその様子を見て牛尾は満足いったと言わんばかりに手を止める。

 

「せや…わかってくれたかリーダーはん」

 

「あぁ、だが違うぞ哲…ちゃんと現金払いだ

キャッシュで一億$、それが今回の仕事の報酬だ」

 

さらりと青年の口から出たそのセリフに牛尾は固まる。

口を半開きにし、目は遠くを見たままに。

 

「一億ドル…?」

 

「一億$」

 

「一億ドル……リーダーはん、一億ドルっていくらや…?」

 

「一億$は一億$だろう?……1$が94円だから日本円だと94億になるな」

 

茫然自失の牛尾はふらふらと青年に寄りかかると徐々に震えだす。

 

「けないやろ……そんな訳ないやろ!!!

詐欺や詐欺!!騙されとんでリーダーはん!今どきガキでも言わんわそんな額!!!

カード一枚盗って一億ドル貰えんねやったらウチはとっくに大金持ちやっちゅうねん!!!」

 

烈火の如く怒る牛尾に青年は極めて冷静に返す。

 

「安心しろ哲、支払いは問題ない

なにせ、今回の依頼主からすれば一億$なんぞ屁でもない筈だ

それに…払いを渋るならそのまま依頼主も始末するだけだ」

 

氷のようなその眼差しにスッと牛尾の怒りが消え…

 

「そ、そんな大口からのシゴトなん…?

一億ドル……ほ、ホンマに一億ドルも……!」

 

その両目が$マークに変わった。

 

「俺はやんねーからな、一億だかなんだか知らねぇがそんなにあってもしょうがねぇだろ

数万ドルでもありゃあ食うに困んねーんだしよ」

 

その場に座り再びヨーグルトをかき込むレイブンに牛尾は目を血走らせて掴み掛かる。

 

「ど、ドアホ!!一億ドルやぞ一億ドル!!!

オドレのしょうもないヨーグルトがなんぼ買えると思てんねん!!!」

 

「ああ゛!?テメェ言いやがったな!!俺のカスピ海ヨーグルトを食った事もねぇくせによぉ!!」

 

ギャアギャアと喚く二人に悲しそうな目をしたベティアはグイと青年の袖を引く。

 

「お兄様…ワタクシ、みんなと…四人なら何処へだって行きますわ…

でも、誰かがイヤだと言うなら……ワタクシもイヤですの!」

 

青年はポンポンとベティアの頭を撫でるとレイブンの目を見る。

 

「レイブン、今回のターゲットの名前を聞けばお前もやる気になる」

 

「はぁ〜?一億ドルで狙われるようなカード持ってるヤツの名前なんざ聞いたとこでどうもねぇよ」

 

レイブンは牛尾に頬を引っ張られながらも怪訝そうに青年を見つめ返す。

 

「それはどうだろうな…ターゲットの名は九重遊斗(ここのえゆうと)

そして、狙うカードはラーの翼神竜」

 

「………で?だから言ったろ!そんな知りもしねぇヤツの名前なんて──」

 

「しかし、小さい頃に家族を飛行機事故で亡くしていて九重は引き取ってくれた叔母の名字らしい

旧姓は、()()不動遊斗(ふどうゆうと)

 

その瞬間、レイブンの目が大きく見開かれた。

 

「不動……ってまさか…!」

 

「あぁ…ターゲットはサテライトの英雄不動遊星(ふどうゆうせい)の玄孫

そして何より…モーメントの生みの親、Dr.不動の子孫にあたる」

 

モーメント、その言葉にレイブンの身体が震える。

 

「モーメント……ッ!ゼロ・リバースの張本人の子孫が御大層なカード持ってぬくぬくと暮らしてんのかよ…良いご身分だなぁオイ!!

エース!俺も乗ったぜ…復讐(Payback)だ!

ゼロ・リバースのツケ…キッチリ払わせてやる!!」

 

「せや!!一億ドルキッチリ耳揃えて払わせんで!!」

 

牙を剥き吠えるレイブンと目を$にしてはしゃぐ牛尾。

方向性はともかくとして二人が喧嘩をやめた事にホッと胸を撫で下ろすベティア。

青年はそんな三人の頭を撫でるとスッと気を引き締める。

 

「さぁ、仕事の時間だ…行くぞお前達」

 

カードプロフェッサーグループ【バンデット】リーダー

エース・ハワード

 

「おう!!」

 

「わかりましたわ!!」

 

「何時でもエエで!!」

 

やる気に満ちた三人とは対称的に気怠そうなエースは旅支度を整えようと歩き出す。

 

「ちょ、ちょい待ちリーダーはん!」

 

「…どうした哲?バナナはおやつに入らないぞ」

 

「そんなん聞くかいな!!

いや、その〜…さっき言うとった今回の依頼主ってのが気になってもうて…

支払いが気になってしゃあないねん!後生やリーダーはん、依頼主が何処の誰かぐらい教えてーな!!」

 

牛尾は手のひらを擦り合わせながらエースに詰め寄る。

エースは少し考えるとあっさりと口を開いた。

 

「依頼主は──()()()()

世界有数の大企業I₂社の会長、ペガサス・J・クロフォードだ」

*1
現金相当額分のカードで支払う事

敵キャラのデュエル描写はどれぐらいが良いでしょうか?

  • ほぼ全て描写
  • 最終盤面だけ
  • ざっくりダイジェスト
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