ラーの翼神竜に転生したけどなんか質問ある?   作:悲しいなぁ@silvie

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OCGと別効果、及びアニメ・漫画オリジナルカードは【】で表記しています


第五十話『バクラの想い、3対1の変則デュエル!!』

朔八ちゃん、兄ちゃんちょっとだけアメリカに行かなきゃならなくてなってね

 

ごめんよ朔八ちゃん、瀬人のヤツに頼まれてさ…

 

アカデミアの立ち上げだけ付き合ったらすぐに帰ってくるからさ…ごめんよ

 

本当にごめん!お土産もたんまり買って帰るし、帰ったら朔八ちゃんの好きなトコ行こう!!だから…

 

ゔ………大体三ヶ月間ぐらいです…

 

ごめんよぉ〜!!許して朔八ぢゃぁ〜ん!!!

 

遊斗、そろそろ出ないと今日中に着かないぞ

そうよ、朔八もいい加減になさいお兄ちゃんが困ってるわよ

 

…………ごめんよ朔八ちゃん、兄ちゃん行かなきゃ…

 

 

 

何だコレ兄ぃごめんなさい    

  私じゃない

オレは九重遊斗だ    

朔八は死んだんだ 

おまえがしねばよかったのに

 

 

 

 

───この事故での死傷者は現在三人が確認されており

 

世界的にも有名な決闘(デュエル)学の権威、不動遊斗氏とそのご両親が──

 

大丈夫か!?遊斗の事は……事故だ、誰かのせいじゃない

 

君の兄貴から頼まれてね、これからは私が家族だ…君を一人にはしないよ

 

……………やめなさい、君の兄貴はそんな事を言う奴じゃないよ

 

………やめろ

 

 

 

おかしいよ、わるいのはわたしなのにわたしが死んじゃえば良かったのに」    

  殺してよ、私を…兄ぃのとこに行かせて

兄ぃも怒ってるよ    

そうだ…言ってるんだ 

オレじゃなくて、朔八が死ねば良かった

 

 

 

 

これは……ふむ、遊斗の奴から頼まれて来たんだが

 

私は海馬瀬人、君のお兄さんとは友達でね

 

自分にもしもの事があれば君を助けて欲しいと頼まれていたんだが…

 

そうか、だが約束は約束だ

 

いつか君に何かあれば、私の出来る全てでもって助けになろう

 

 

 

 

誰だテメーは!私なんかを助けないで」    

  お呼びじゃねー!オレに兄貴なんざ居ねーんだ!

オレは    

オレが九重遊斗なんだ!! 

あの日、死んだのは朔八なんだ!

 

 

 

 

鏡が嫌いだ

アレは、オレを映してないから

 

だから割るんだ、泣き顔の女ごと

 

カードが好きだ

何かを考えてる間は、他の事を考えずにすむから

 

だからデュエルする

 

みんなが好きだ

みんなの前ではオレは、九重遊斗なんだ

 

だから…だから、そんな顔しないでよ

 

 

 

 

「おぐっ、げぇ…っ、ぇ……」

 

二人の前で嘔吐する少女。

闘う事から、現実から、全てから逃げた彼女は立ち上がらない

立ち上がれない。

 

『………………』

 

バクラは何も言わず、そっと瞑目した

 

『………死んでまで、迷惑な野郎だぜ』

 

苛立ちと、微かに寂しそうな声だった。

 

『おい!一度しか言わねぇぜ…テメェの兄貴はな

不動遊斗はこのオレ様が殺してやったのよ!!』

 

少女の胸ぐらを掴み上げ、ぐしゃぐしゃになった顔を覗き込むように言い放つバクラの顔は狂笑に彩られる。

歪んだ笑いと、僅かな涙。

言い捨てるとバクラは少女を物のように放り投げる。

侮蔑の視線と共に射すくめる。

 

『傑作だったぜ!教えてやろうか?アイツの死ぬ間際の命乞いなんざ──』

 

「……お前が…?お前が、やったのか……?」

 

ゆらり、と少女が立ち上がる。

消える寸前の蝋燭の火のように、ゆらゆらと揺れ動きながら。

 

『………ああそうさ、オレ様が殺したんだ

アイツが邪魔で仕方なくってなぁ!!』

 

「……いい、もういい……お前は、それ以上喋るな…」

 

少女が立ち上がる。

消える寸前の蝋燭の火のように、一際激しく燃えるように。

 

「殺してやる……お前は、生きてちゃ駄目なんだ」

 

『…………来な、相手してやるよ』

 

少女がデュエルディスクを構えるのを見ながら、呟くバクラ。

きっと、見方によっては…泣きそうに見えるだろう。

 

『なんのつもりだバクラ…』

 

平坦な、感情を排した声でダーツが歩み寄る。

 

『なんのつもりだと?

決まってんだろうがよ、テメェら腰抜け共に代わってこのオレ様直々に始末してやるのさ!』

 

邪悪な笑みを浮かべるバクラは金属の羽根が重ねられたような装飾品、古代の決闘盤(デュエルディスク)ディアディアンクを構える。

 

『「デュエル!!」』

 

赤く泣き腫らした目で叫ぶ少女に対峙するは古代エジプトで盗賊王と呼ばれた男───そして

 

『さぁ、魂を賭けた闇のゲームを始めるとしよう』

 

『あの化け物の身内…開戦の狼煙代わりには上々か』

 

古代アトランティスの王にして地球の闇を代行する者

バリアン世界の神でありカオスの化身

ダーツとドン・サウザンドがデュエルディスクを構えバクラの隣に並び立った。

 

『テメェら…なんのつもりだ!』

 

『そう騒ぐな、なに…我らも手伝ってやろうと思ってな』

 

『バクラ、君がこの腰抜けの為に矢面に立とうと言ってくれた思いに感銘を受けてね

微力ながら共に戦おうじゃないか』

 

『チッ…!勝手な事ぬかしてんじゃねぇ!!

そもそも3対1でなんざ…』

 

『さっさと構えろよ…三人だろうが何人だろうが関係ない

私がみんなぶっ倒してやる!』

 

バクラの声を遮ったのは深く沈んだ少女の声。

バクラは少女の目が暗く濁っているのを見てこれ以上長引かせるべきではないと判断した。

 

『ならば…私達三人は1ターン目を先行と同じくバトルフェイズは行えず、ドローも無しとしよう

フィールド・墓地は共有するが、互いの手札は非公開としライフもそれぞれ4000ポイント…その代わり君は15枚の初期手札と20000ポイントのライフ、そして私達三人の合計と同じ15箇所の魔法・罠・モンスターゾーンを使うといい』

 

「………舐めてんのかお前は…?」

 

淡々とルールを決めるダーツを少女は震える程の怒りと共に睨みつける。

 

『おや、まだ足りなかったかな?

ならば20枚の初期手札と十万ポイントのライフでも構わないが』

 

「……その御大層な自信ごとぶっ潰してやる」

 

朔八は十五枚の手札と2万のライフをディスクに設定するとデッキを差し込む。

 

『ふふふ、怖い怖い』

 

小馬鹿にしたように笑いながらダーツとドン・サウザンドもデッキをセットする。

 

『………』

 

バクラはケースから取り出した何枚かのカードをデッキの上に重ねると覚悟のこもった目でディアディアンクを構える。

 

『『『「デュエル!!」』』』

 

特殊なバトルロイヤル形式でも問題なくデュエルディスクは作動する。

ディスクが電子音と共にライフポイントとターン順を表示した。

ターン順、ダーツ→ドン・サウザンド→バクラ→朔八

 

『私のターン、私は手札からフィールド魔法【オレイカルコスの結界】を発動!

発動時の処理としてデッキから【オレイカルコス・デウテロス】を手札に加える、オレイカルコス・デウテロスはフィールドに表側表示で存在するオレイカルコスの結界の上に重ねる事で発動出来る』

 

「フィールド魔法の上に重ねる…?」

 

聞いたこともないその発動条件に眉をひそめる朔八。

ダーツは警戒する朔八を嘲笑うかのように手早く処理を進める。

 

『発動せよオレイカルコス・デウテロス!そして更にオレイカルコス・デウテロスの発動時の処理としてデッキから【オレイカルコス・トリトス】を手札に加えさせてもらう

オレイカルコス・トリトスもデウテロスと同様にフィールドに表側表示で存在するオレイカルコス・デウテロスの上に重ねる事で発動出来る

これこそがオレイカルコスの三重結界、発動せよオレイカルコス・トリトス!』

 

瞬く間に発動した3枚のフィールド魔法は鈍く怪しい輝きで四人を包み込む。

 

『オレイカルコスの三重結界により私達は魔法・罠ゾーンにもモンスターを召喚出来る…私は500ポイントのライフを支払い、【オレイカルコス・キュトラー】を後衛に特殊召喚!』

 

ダーツ︰LP4000→3500

 

オレイカルコス・キュトラー

闇属性 レベル3 ATK/500 DEF/500

【悪魔族/効果】

『オレイカルコス・キュトラー』はフィールドに1体しか表側表示で存在できない。

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①:自分メインフェイズに発動できる。

500LPを払いこのカードを手札から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り、自分は戦闘・効果ダメージを受けない。

②:フィールドの表側表示のこのカードが破壊された時、手札・デッキから『オレイカルコス・シュノロス』『オレイカルコス・デクシア』『オレイカルコス・アリステロス』をそれぞれ1体ずつ特殊召喚する。

この効果はフィールドに『オレイカルコス』フィールド魔法が存在する場合のみ発動と処理が行える。

 

『魔法・罠ゾーンに召喚されたモンスターは後衛として扱われ、メインモンスターゾーンにモンスターが存在する限り効果・攻撃の対象に選択出来ない…尤も、三重結界の効果で元より対象にとる効果は無効化されるが』

 

ダーツの言葉に耳をそばだてながらも朔八はディスクを睨みつける。

 

「……テキストの確認が出来ない、どうゆう事だ?」

 

『これは神のデュエル、貴様ら人間の理解に及ばぬ事が起きて当然よ』

 

ドン・サウザンドの嘲りに視線をきつく引き絞りながら朔八は手札とフィールドを睨み続ける。

 

(効果がわからない以上、相手の言う事を鵜呑みにするのは拙い筈…あと二人の展開もある、手札は慎重に切るべきだ)

 

『続けさせて貰おうか…私は更に手札から【オレイカルコス・ギガース】を前衛に通常召喚し、永続魔法【双弓のケンタウロス】を発動する

そして、オレイカルコス・トリトスの効果によりフィールドのモンスターの数×500ポイントのライフを回復

これで私はターンエンド』

 

ダーツ︰LP3500→4500

 

オレイカルコス・ギガース

地属性 レベル4 ATK/400 DEF/1500

【岩石族/効果】

①:このカードが表側表示で存在する限り、自分はドローフェイズにカードをドローできない。

②:このカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドの『オレイカルコス』フィールド魔法にオレイカルコスカウンターを1つ乗せる。

自分フィールドのモンスターはオレイカルコスカウンター1つにつき攻撃力が500ポイントアップする。

 

『我のターン、我はカードを2枚伏せターンエンド』

 

ドン・サウザンドは2枚のリバースカードをセットすると早々にターンを明け渡す。

 

『おっと、トリトスの効果によりサウザンドのライフも回復させて貰おう』

 

ドン・サウザンド︰LP4000→5000

 

(………手札事故か?…………いや、なんだあのフィールド魔法!?

発動宣言も無かった…いつ発動したんだあのカード…?)

 

『オレ様のターン!

……オレ様は手札からフィールド魔法、神碑(ルーン)の泉を発動する

そして速攻魔法神碑(ルーン)の穂先を発動!

デッキから神碑と名の付く速攻魔法、まどろみの神碑(ルーン)を手札に加え相手のデッキトップ1枚を除外する!

更に!神碑の泉の効果発動、神碑速攻魔法が発動した場合墓地の神碑速攻魔法を3枚までデッキに戻す事で戻した枚数分ドローできる!

神碑の穂先をデッキに戻し、1枚ドロー!

………カードを3枚伏せターンエンドだ』

 

バクラは自身の手札を忌々し気に睨むとカードを伏せターンを渡す。

 

『……バクラ、トリトスの効果は君も使える筈だが?』

 

『テメェの手なんざ借りるかよ』

 

(……神碑か、ようやく知ってるカードが来たな

私のデッキは元から規定限度枚数の60枚構築…デッキアウト*1無い、と言いたいけど初期手札で15枚引いてこのドローも併せるとデッキの残りは44枚

展開もするし、泉は優先的に割る*2

後は…)

 

朔八は燃え盛るような怒りをグッと飲み込んで手札と三人の盤面を見ながらどう展開するかを考える。

 

「私のターン、ドロー!」

 

『この瞬間!リバースカードオープン、大暴落!』

 

「なにっ!?」

 

朔八のドローと同時に張り巡らせた罠を発動したドン・サウザンドは冷徹な笑みと共にカードテキストを宣言する。

 

『このカードは相手の手札が8枚以上ある時に発動する事ができる罠カード

効果により相手は手札を全てデッキに加えシャッフルした後、カードを2枚ドローする』

 

(くっ、初期手札が何枚でも良いっていうのはこういう事か…!)

 

「私はチェーンして手札から速攻魔法クイック・リボルブと緊急テレポート、そしてツイン・ツイスターを発動!

逆順処理により手札から古衛兵アギドを捨ててフィールド魔法神碑の泉とオレイカルコス・トリトスを破壊する!」

 

『無駄だ…オレイカルコスの三重結界はあらゆる魔法・罠・モンスター効果では破壊されず、効果を無効化される事もない』

 

『チッ…………手札から破壊の神碑を発動!

神碑の泉の効果で神碑速攻魔法は相手ターンでも手札から発動できる!破壊の神碑の効果でEX(エクストラ)から融合モンスター、神碑の翼フギンを特殊召喚!

フギンは自分以外のカードが効果で破壊される場合、代わりに自分を除外することができる』

 

「だが、墓地へ送られた古衛兵アギドの効果発動全プレイヤーのデッキトップ5枚を墓地へ送る!

更に緊急テレポートの効果でデッキからNo-P.U.N.K.セアミン、クイック・リボルブの効果でデッキからヴァレット・トレーサーをそれぞれ特殊召喚!」

 

朔八 デッキ→墓地

亡龍の戦慄-デストルドー

陽竜果(ソルドラポム)フォンリー

妖精伝姫(フェアリーテイル)-シラユキ

ライトロード・ビースト ウォルフ

錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)

 

ダーツ デッキ→墓地

【タイム・イーター】

【インパクト・リヴァイブ】

誤爆

【運命の宝札】

破械童子ラキア

 

ドン・サウザンド デッキ→墓地

【ヌメロン・リライティング・マジック】

センサー万別

巨神封じの矢(ティタノサイダー)

ライトニング・ストーム

冥王結界波

 

盗賊王バクラ デッキ→墓地

ディアバウンド・カーネル

魔界発現世行きデスガイド

魔犬オクトロス

死霊操りしパペットマスター

ダーク・オカルティズム

 

朔八は墓地へ送られたカードを瞬時に記憶していく。

 

(見たことも無いカードが何枚かある…でも、ある程度のデッキコンセプトはわかった!

あの水色ロン毛(ダーツ)が破壊される事で動くタイプ、あの黒半裸(ドン・サウザンド)が後攻捲りタイプ、そんで…あの白髪(バクラ)が悪魔族デッキ

ざっくりと外しはしてない筈…なら、とっととぶっ倒してやる!)

 

かくして、平凡で凡庸な少女は…かつて英雄の出涸らしと蔑まれた少女は歪に前を向く。

顔を伏せる事でしか生きれなかった少女は今ようやく前を見る。

その結末が、目も当てられない悲劇であろうとも。

*1
山札が無くなりドロー出来なくなること 遊戯王ではドロー出来なくなった場合敗北となる

*2
そのカードを破壊するという意味




展開ルートとかを文字に起こすととても長くなってダレるので次回はある程度デュエルが進んでいます
お許しください…

この小説にこれ以上シリアス(及び曇らせ)は…

  • 要る(鉄の意志)
  • 要らない(鋼の強さ)
  • やめろー!こんなのギャグ小説じゃない!!
  • それがお前の心の闇か…
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