ラーの翼神竜に転生したけどなんか質問ある?   作:悲しいなぁ@silvie

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第二話「秘密結社グールズ、奪われたラーの翼神竜!?」

「って、遊斗(ゆうと)…アンタそのカード拾ったって言ったじゃない!

なに勝手に宜しくしてんのよ!」

 

「だってよー、ラーの翼神竜がオレに使ってくれって光ったんだぜ!?こりゃー宜しくするっきゃねぇぜ!」

 

「アンタねぇ…」

 

ラーの翼神竜を持ってはしゃぐ遊斗に呆れる杏子(きょうこ)

しかし、城内(きない)はそんな二人が見えていないかのようにケータイを手に首を傾げる。

 

「おかしいな…なんでだろ……?」

 

「どうした城内?」

 

遊斗は頭のいい友人の珍しい困惑顔に声を掛ける。

 

「遊斗君…そのラーの翼神竜ってカードなんだけど……

何処にも載ってないんだ、KCグループのライブラリもI₂社のライブラリにも…

まるで、()()()()()()()()()()みたいに…」

 

「何よそれ…?遊斗、アンタ…ホントに何を拾ったのよ?」

 

「………よし!じゃあこれからKCに行こうぜ!!」

 

遊斗はラーの攻撃で腰が抜けた本田(もとだ)を引っ張り起こすとニヤリと笑ってそう言った。

 

「……こりゃまた、えらい急だな…

なんでかぐらい教えろよ、遊斗」

 

腰を抑えながらやれやれとばかりにそう言う本田。

この親友が突飛な事を言うのは珍しい事では無いのだ。

そして、その突飛な事はいつも──

 

「ライブラリに無くっても、このデュエルディスクは確かにラーの翼神竜を読み取ってソリッドビジョンまで投影した

なら、ラーの翼神竜の情報があるはずだ…なんせオリジナルカードやらはディスクを通したらエラー吐いてデュエル出来ねぇからな!」

 

確かな考えのもとに存在している。

 

「成る程…確かにデュエルディスクの制御システムはKCのサーバーを使ってた筈だよ。

相手プレイヤーに除去を強制させるなんて珍しい効果にも対応してたし、間違い無いよ!」

 

「へっ、なら善は急げだな…こっから一番近いKCの支社は何処だっけか?」

 

「確か…ネオドミノシティだな!

行こうぜ!城内、本田、杏子!」

 

遊斗達はケータイでネオドミノ行きの交通機関を調べながらそう言う。

しかし…杏子はそんな三人を冷めた目で見ながら自分のケータイの画面を突きつける。

 

「はぁ…アンタらねぇ……ん!」

 

「あー?なんだよ杏子、ケータイがどうした?」

 

「時間よ!じ・か・ん!

今もう17時前よ?今からネオドミノシティのKCまで行って…帰る頃には何時になるかもわかんないじゃない!

明日は学校休みなんだから明日になさい!」

 

「杏子……お前にはわかんねぇーかも知れねぇけどな!男にはこれだと思ったら突っ走らなきゃなんねぇ時ってのが──」

 

「マジかよ!もうそんな時間か…おい遊斗、明日何時集合かまた連絡くれよな」

 

「ご、ごめんね遊斗君…僕も妹が心配するといけないから…」

 

「あらぁー!?」

 

信頼する友人達にあっさりと裏切られた遊斗はそそくさと帰る三人を見送るといじけながら帰路についた。

 

 

 

「悪ぃなラーの翼神竜…お前の秘密は明日までお預けだってよ

はぁ……ったく、これじゃ生殺しだぜ」

 

ラーの翼神竜のカードを見詰めながら口を尖らせる遊斗。

そんな彼の後ろから、声が掛けられた。

 

「知りたいですか?そのカードがなんなのか…」

 

「……は?」

 

唐突に声を掛けられた事で間の抜けた返答と共に無防備に振り向いた遊斗は目の前に迫る鎖を避けられなかった。

 

「なっ…!デュエルアンカー!?正気かよオッサン…セキュリティに見つかりゃ即お縄だぜ…?」

 

自分のデュエルディスクに絡みついた鎖を苦々し気に一瞥すると遊斗は鎖の先に居る男を睨みつけた。

 

「ご安心を…君から神のカードを頂戴すればすぐに外しますので」

 

黒いフード付きのローブにピエロのようなマスクを着けた男…変声機の類は使っていないようだが残念ながら遊斗の知り合いにこんな声のヤツもこんな特殊な事をするようヤツも居ない。

 

「神のカード……?」

 

「おや…?おやおやおやぁ?これはこれは…驚きを通り越してお笑いですね…

まさか本当に何も知らずに手にしていたとは」

 

遊斗はすぐさま切り替えて目の前の相手から少しでも情報を得ようとする。

 

「三幻神が最後の一柱、太陽の神ラー…

最高神たる威厳と強さを兼ね備えた神の名に恥じぬ最強のカード」

 

男は鼻歌でも歌いそうな程に機嫌良く語る。

 

「故に……そんなものが価値も知らぬガキの手にあるなど勿体ないと思いませんか?

強きカードは強きデュエリストの手に…

ラーの翼神竜は、我らグールズが頂戴します」

 

「グールズ……?我らって事は他にもこんな事してくるトンチキが居るって事かよ。

つーか、一つ…聞き捨てなんねー事があったぜ…

強きカードは強きデュエリストの手に…ってんならよー…そりゃあやっぱり、ラーはオレが持ってて良いって事だよなぁー!」

 

「これだからガキは嫌いです…目上の者への態度も、己の分というものも…まるでわかっていない」

 

男はやれやれと肩を竦めながら腰に着けたケースからデッキをディスクに差し込む。

 

「そりゃあ悪かったな…こちとら、負けも知らねーもんでよ!」

 

遊斗は手に持っていたラーの翼神竜をディスクに差し込むとニヤリと笑う。

 

「「デュエル!!」」

 

デュエルディスクが赤いランプを灯す。

 

「また後攻かよ…」 

 

遊斗は小さくぼやきながら手札を見る。

 

デビル・コメディアン

多次元壊獣ラディアン

ライトニング・ストーム

影星軌道兵器ハイドランダー

ラーの翼神竜

 

(ゔっ、これじゃ動けねぇぞ…誘発も無ぇし……)

 

「ふふふ…これはこれは……!

残念ですねぇ!ラーの翼神竜はよほど君のもとに居るのが嫌と見える…ここまで理想的なヒキをしてしまうとは…」

 

手札を見て眉をひそめる遊斗とは対照的に男は仮面越しでもわかる程に頬を緩める。

 

「私のターン!私は手札からフィールド魔法、転回操車を発動!

そしてそのまま転回操車の効果を発動させて戴きますよ

私は手札のマシンナーズ・カーネルを墓地へ送り、デッキから重機貨列車デリックレーンを手札に加えます…おっと、灰流うららなどをお使いになられるのならばご自由に?」

 

「………何も無い…」

 

「おやぁ〜?おやおやおや…ふふふ、君も漸く目上の者への態度というのがわかったようですね!

では、私は手札から深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトを通常召喚します。

ナイト・エクスプレス・ナイトはレベル10モンスター…本来は2体のリリースを要求しますが自身の攻撃力を0にすることでリリース無しでの召喚が可能です。

更に!私のフィールドに機械族・地属性モンスターであるナイト・エクスプレス・ナイトが召喚された為、手札の重機貨列車デリックレーンの効果を発動します!

デリックレーンは自身のフィールドに機械族・地属性モンスターが召喚・特殊召喚された場合、自身を手札から特殊召喚出来ます。

もっとも、この効果で特殊召喚されたデリックレーンは元々の攻守が半減してしまいますが…関係有りませんね。

私はレベル10の深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトと同じくレベル10の重機貨列車デリックレーンでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!

現れろ、超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!」

 

2体のモンスターが光の粒子となり、渦の様に絡み合うと地平線の彼方よりガタンガタンと重厚な音を響かせて巨大な列車が現れる。

巨大な車体が小さく見える程に大きな…いっそアンバランスと言って良いほどに大きな砲身を持つその列車は男と遊斗の間で甲高い金属音を立てて停止した。

 

「私はオーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、グスタフ・マックスの効果を発動!

相手に、2000ポイントのダメージを与える!

発射オーライ、ビッグ・キャノン!」

 

巨大な砲身はギリギリと音を立てて遊斗の方へ向くとその巨大さに恥じない轟音を響かせて遊斗を撃ち据えた。

 

「ぐっ…!」

 

遊斗:LP4000→2000

 

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド…さぁ君のターンですよ?」

 

砲撃の威力にふらつきながら遊斗はデッキからカードを引き抜く。

 

「オレのターン…ドロー!」

「この瞬間!リバースカードオープン、マインドクラッシュ!!」

 

遊斗が引いたカードに目を向けると同時に男はそう叫ぶ。

 

「マインドクラッシュ…?マジかよ、1ターン目に使うカードじゃねぇだろ……」

 

「おや、その様子ならば効果はご存知のようですね?では、私が宣言したカードが君の手札に有った場合、それを全て墓地へ送ってもらいます。

私が宣言するのは……()()()()()()!!」

 

「なに!?」

 

遊斗の手札にあったラーの翼神竜がマインドクラッシュの効果により遊斗の手から叩き落される。

 

『ギャウン!?』

 

実際に聞こえた訳でも無いのにそんな風に言っていそうな雰囲気でラーの翼神竜が墓地へと送られる。

 

「ふん…浅ましくも選ばれた以上、やはり初手に持っていましたか…総帥の言っておられた通りですね」

 

「選ばれた…?総帥ぃ…?さっきから訳ワカンネー事ばっか言いやがってよー

ちっとはオレにもわかるように言えってんだ!」

 

遊斗は苛立ちながらデッキからカードを引き抜く。

口調と態度は苛立ちながらも、その頭は普段よりも一層クールに冷え切っている。

 

(取り敢えず、グスタフ・マックスを処理しねーと次のターンで負けだ…ラーが落とされちまったが、どっちみち今の手札じゃ召喚も厳しかったし問題ねー)

 

「オレはお前のグスタフ・マックスをリリースし、手札から多次元壊獣ラディアンを特殊召喚!

多次元壊獣ラディアンは相手モンスター一体をリリースし、相手フィールドに特殊召喚できる!」

 

多次元壊獣ラディアン ATK2800 DEF2500 攻撃表示

 

「惨めですねぇ…必死に足掻くその姿、やはり君に神は相応しくない!」

 

「うっせーな!人のターン中にベラベラ喋んな!ジャッジ呼ぶぞ!!

更にオレは手札から魔法カード、ライトニング・ストームを発動!

オレのフィールドに表側表示のカードが存在しない時、相手のフィールドのモンスターまたは魔法・罠カードを全て破壊する!

多次元壊獣ラディアンを破壊!」

 

「なるほど……私の墓地に居るマシンナーズ・カーネルが機械族・地属性モンスターの破壊をトリガーとして特殊召喚される事を知っていましたか…お利口さんお利口さん、くくく」

 

「………オレはカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

遊斗は嫌になるほど冷たい汗が背中を伝うのを感じた。

今の劣勢が原因ではない…この程度の劣勢などいつだって切り抜けてきた。

だが、相手のこの異様な余裕と不可解な高揚…それが理解出来ない。

何か、もっと恐ろしい何かが起こる…そんな予感が遊斗を支配していた。

 

「ふ、ふふ…ふふふふふ!!

ターンエンド…ターンエンドですか?ならば、私のターン!

ドロー…と言ってももう関係無いのですがね

私は手札から魔法カード…()()()()を発動!

対象は勿論…最高神、ラーの翼神竜!!」

 

「ラーを……蘇生…?」

 

男のフィールドに黄金の球体が現れる。

その威容ははさながら天に浮かぶ太陽が如き存在感を放っていた。

 

ラーの翼神竜 ATK 0 DEF 0 攻撃表示

 

「更に私は手札から無頼特急バトレインを通常召喚!」

 

無頼特急バトレイン ATK1800 DEF1000 攻撃表示

 

「さぁ、これで全てを終わらせましょう…!

この身としもべの魂を糧とし…

我が勝利のため、起動せよ!ラーの翼神竜!!」

 

男は感極まったようにそう叫ぶ。

 

「……………?」

 

『…………??』

 

「………???」

 

遊斗はその台詞に首を傾げ、ラーの翼神竜は球体形の状態ながら器用に頭だけをひょっこりと出して不思議そうに男を見返す。

そして、遊斗とラーの翼神竜から疑問の目を向けられた男は困惑したようにラーの翼神竜を見返す。

 

「な…何故ですっ!?何故効果が発動しない?

ラーの翼神竜よ!何故私のライフを攻撃力としないのです!?」

 

『……ルウァン…?』

 

「……何言ってんだオッサン、ラーの効果は単体除去だぜ?

攻撃力アップなんてねーよ」

 

二人?からの困惑の眼差しに動揺する男はふと思い出したようにデュエルディスクを操作し始めた。

 

「そ、そうか…っ!テキスト……古代神官文字(ヒエラティックテキスト)か!

ふ、ふふふ…私とした事がこんな初歩的なミスを冒すとは

ラーが起動せず球体形を維持している事を考えればすぐにわかったものを…私も高揚してしまっていますね」

 

男はデュエルディスクを操作しラーの翼神竜のカードデータを見付けると意気揚々とテキストを読み上げ───

 

「さぁ!ラーよ…今読み上げ……て………」

 

られなかった。

 

「…………は……?

な、なんですか…これは……!?こ、これは…古代神官文字では……ないっ!?なんなのですか!この滅茶苦茶な文字は!?」

 

男は今度こそ完全に取り乱し頭上に浮かぶラーの翼神竜へ叫ぶ。

当のラー自身はポケーっとした表情でそれを見下ろしていた。

 

「………オッサン、まだそっちのターンなんだけど…」

 

「う、ぐ…ぐぅ……わ、私は……

バトルフェイズに移行し、無頼特急バトレインで…ダイレクトアタック……」

 

遊斗:LP2000→200

 

「ターン…エンド……」

 

男は苦々し気にターンを終えると頭上に居るラーの翼神竜を見上げる。

 

「ぐぅ……私を選ばないと言うのですか、ラーよ…

仕方ありませんね、ともかく…エンドフェイズ時にラーは墓地に戻ります」

 

男がそう言うとラーの翼神竜の身体が光に包まれ──

 

『ギャアァン……?』

 

なかった。

 

「………………………は?」

 

「オレのターン、ドロー!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

 

自分のターンとなりデッキから鋭くカードを引く遊斗を手で制しながら男は叫んだ。

 

「……なんだよオッサン…今オレのターンだぞ?」

 

「い、いえ…その……何故ラーが墓地に戻らないのです…?

もしやデュエルディスクの故障…?ソリッドビジョンが誤作動を起こしているのかも……」

 

「……いや、ラーにエンドフェイズに墓地に行く効果なんてねーよ

なんで墓地に行かねーかより逆に、なんで墓地に行くと思うんだよ…」

 

「…は……?墓地に行かない…?

と、特殊召喚したターンのエンドフェイズに墓地に送るテキストがある筈では…?」

 

男からの質問に遊斗は大きな溜め息を吐きつつラーの翼神竜のカードを手に持つとざっとテキストを見る。

 

「…………別に特殊召喚の制限もねーし、特殊召喚に関する効果もねーな…オッサン、アンタなんか別のカードと勘違いしてねーか?」

 

「か、勘違い…?そ…そんな…筈が……」

 

遊斗はふらふらと今にも倒れそうな男を横目にドローしたカードを見る。

 

「……取り敢えず、続けるぜ…?

リバースカードオープン、デビル・コメディアン

デビル・コメディアンはコインの裏か表かを選択し、当てれば相手の墓地を全て除外し外せば相手の墓地の枚数分オレのデッキの上からカードを墓地に送る

オレは裏を選ぶぜ………」

 

遊斗はディスクのコイントス機能を使う。

数秒の後にディスクから外れを知らせる赤いランプが点灯した。

 

「出たのは表…ハズレだからアンタの墓地の枚数分オレのデッキからカードを墓地に送るぜ

アンタの墓地は…6枚だな」

 

遊斗のデッキから6枚のカードが墓地に送られていく。

 

ネメシス・コリドー

紅蓮の機界騎士

守護神官マハード

蒼穹の機界騎士

バトルフェーダー

灰流うらら

 

「んで…オレの墓地にモンスターが5体以上存在し、それらのモンスターのカード名が全て異なる場合に手札の影星軌道兵器ハイドランダーは特殊召喚できるぜ

来な、ハイドランダー!」

 

影星軌道兵器ハイドランダー ATK3000 DEF1500 攻撃表示

 

「で、ハイドランダーは1ターンに1度デッキの上から3枚墓地に送ってフィールドのカード1枚を破壊できる」

 

再び遊斗のデッキからカードが墓地に送られる。

 

ヤジロベーダー

やぶ蛇

ダイナレスラー・パンクラトプス

 

「オレが破壊するのは……ハイドランダー自身だ!」

 

遊斗がニヤリと笑いそう言うと、巨大な人工衛星であるハイドランダーがカードを破壊すべく溜めていたエネルギーを暴走させ自爆する。

 

「……な、何故自分のモンスターを……?」

 

ようやく落ち着きを取り戻してきた男が遊斗の謎の行動を問う。

遊斗はそれに答えるように、1枚のカードを掲げた。

 

「これで、オレの墓地に10体のモンスターが揃った

コイツは墓地に10体以上のモンスターがいる時、手札から特殊召喚出来る…

来な!()()()()()()()()()()!!!」

 

究極時械神セフィロン ATK4000 DEF4000 攻撃表示

 

「きょ、きょ、きゃ…究極…時械神……セフィロン…?」

 

男は目の前に現れた見上げる程に大きなモンスターを見る。

冷たい汗がダラダラと顔を伝っていた。

 

「バトルフェイズ…オレは究極時械神セフィロンでラーの翼神竜を攻撃!」

 

未だに球体形のままであったラーの翼神竜は機械仕掛けの巨大な天使がどこぞの漫画の主人公のように両手を構えエネルギーを溜めていくのを見ながら何処か遠い目をしていた。

ふよふよと浮かんでいたラーはゆっくりとその高度を下げていく。

遂に地面スレスレまで下降すると今度はゆっくりとしぼんでいき、小型犬程のサイズになるとイラスト通りの竜の姿へと変形した。

ミニマムラーは男の後に隠れ、男を盾のようにしていた。

 

「………ごめんな、ラーの翼神竜…

家帰ったら、ピカピカに磨いてやっから……許せ!」

 

キュウゥーン、という音と共に機械天使のエネルギーチャージが終了し男の後に隠れるラーの翼神竜を狙う。

 

「アカシック・ストーム!!!」

 

機械天使の両手から放たれたエネルギーの奔流は人間サイズの小さな障害物など意にも介さず、纏めて薙ぎ払った。

 

「ぎゃあああああ!!」

 

『ギャアアァァン!?』 

 

グールズ:LP4000→0

 

プスプスと音を立てて若干コゲた男とミニマムラーを見ながら、遊斗はよしっと大きく頷いた。

 

「………一件落着!!」

 

 

 

 

 


 

「総帥、ご報告が」

 

巨大なビルの最上階にて、黒髪の女性は椅子に深く腰掛ける一人の青年に話しかける。

 

木馬(きば)か…どうした?」

 

「三幻神最後の1枚、ラーの翼神竜が見付かりました

デュエルディスクでの使用データがネオドミノシティの近くで検出されました…如何なさいますか?」

 

青年は口元に手を当てると少し悩む素振りを見せた後、すぐに答える。

 

「近場のグールズをあたらせよう…誰か居るか?」

 

「一人、使用された場所のすぐ近くに居ます

ですが……宜しいのですか?近場の者をあたらせるよりもきちんと高レベルの構成員を派遣した方が確実では…?」

 

「ふぅん、持ち主がどれほどのデュエリストかはわからないが…神のカードに選ばれた以上、並とは思えない

試金石代わりにでもなれば万々歳だ」

 

「……持ち主に警戒されては、元も子もないのでは?」

 

青年はゆっくりと立ち上がると白いコートを羽織りながら薄く笑う。

 

「そう真面目になるな──」

 

KC(海馬コーポレーション)総帥 兼 秘密結社グールズ首領

海馬瀬人(かいばせと)

 

「所詮は玩具(カード)だ」

敵キャラのデュエル描写はどれぐらいが良いでしょうか?

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