仮面ライダーコガラシ   作:黒井福

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第十四筆:轟く雷の如く

 普段誰も使用する事のない教室の中で、千里は里香により動きを拘束された状態で押し倒されていた。跨って来た里香により制服の上を半分脱がされ、次は下のズボンの方に彼女の手が伸びたその時、唐突に教室の扉が弾かれるように開かれた。

 

 薄暗かった教室に光が差し込み、逆光で誰が来たのか一瞬分からない。だが開かれた直後に響いた声は、千里は勿論里香にも聞き覚えのある声であった。

 

「南城君ッ!…………なぁっ!?」

「おやおや?」

 

 扉を開けたのは唯であった。椿の口寄せ・目張の術により千里の居場所を見つけた唯は、ここに彼が居ると知りダッシュで近付き扉を開けた。普段風紀や校則に口うるさい彼女らしからぬ姿に、椿も一瞬呆気にとられたほどだ。

 

 ある意味で絶体絶命のピンチだった千里は最初、唯と椿の顔を見て安堵の表情を浮かべた。だが次の瞬間、今のこの状態は非常にマズイ誤解を生む事に気付き顔を青褪めさせる。

 

 彼のイヤな予感は当たった。カーテンも閉め切られ、薄暗い教室の中で千里と里香は制服の上着を半分脱ぎ、里香に至っては下着に包まれた状態ながら形のいい胸が丸見えとなっている。その光景に、連想されるものは1つしかなかった。

 

 見る見るうちに唯の顔が赤く染まる。とんでもない光景に出くわしてしまった羞恥と、学校の校舎内で如何わしい行為に及ぼうとしている2人に対する怒りやら何やらが混じったのだ。

 唯は顔を真っ赤にしながら、般若の様な顔で怒声を上げた。

 

「不潔ッ!? 不潔よッ!? よりによって学び舎で何て事を……!?」

「ちがががががっ!? ごかかかかかかっ!?」

 

 唯の怒りにあてられたのか、千里も慌てて口が上手く回っていない。まだ里香に押し倒され貞操の危機が目の前に迫っていたパニックから回復しきれていないらしい。

 

 必死に言い訳をしようとする千里に構わず、里香は2人を引き剥がそうと教室の中へ入ろうとした。里香にクセジの疑惑が掛かっているとかそんなの関係ない。

 

「2人共、兎に角早く離れて……!?」

「あいや、待たれよ小鳥遊殿。それ以上進んではいかんでござる」

 

 教室に入ろうとした唯を、椿が肩を掴んで引き留める。彼女は一目で、今この教室の中が危険な状態であると気付いたのだ。

 

「何で止めるのよ!」

「如何に千里殿が未熟と言えど、押し倒されて無抵抗な訳がないでござる。察するに、動こうにも動けないのでござろう。目には見えない糸で拘束されている、とか」

 

 椿の目は片目だけだが半分ほど開かれている。普段は隠れて見えない眼光が鋭く教室内を見渡し、非常に見辛い極細の糸がそこら中に張り巡らされている事に気付いていた。

 それを聞いてやっと唯も落ち着きを取り戻した。言われてみれば、千里は教室内で隠れてエロ本を読む様な下劣な輩とは訳が違う。少なくとも自分の身を犠牲にしてでも、他人を助けられる高潔さを持っていた。

 何より彼は以前、体育の授業中に体操着が切り裂かれて柔肌を晒してしまった唯に真っ先にジャージの上着を被せてくれた。紳士とも言える性格の彼が、校内で淫行に走るなどする訳がない。

 

「南城君……!?」

 

 千里に対して酷い誤解をしてしまい、彼を糾弾してしまった罪悪感から唯は教室内に飛び込んで彼を助けようとした。だがそれは即座に椿により止められる。

 

「だから、待たれよ。今小鳥遊殿が飛び込んでも飛んで火にいる夏の虫でござるよ」

「でも、南城君を助けないと……!?」

「心配ご無用」

 

 椿は唯を宥める片手間で、既に千里を助けるための行動を起こしていた。唯の肩を掴んでいるのとは逆の手に、何時の間にか忍筆が握られている。

 

「既に手は打っているでござる」

【忍法、氷遁 霜降(しもおろ)しの術ッ! 達筆ッ!】

 

 椿を中心に周囲の気温が一気に下がる。唯は思わず身を震わせたが、それ以上に大変なのは教室内の千里だった。何しろ今の彼は制服をちゃんと着ていない。露わとなった上半身に冷気が噛み付き、寒さに歯がカチカチと鳴り出した。

 

「さ、さみぃっ!? ちょ、長谷部さんッ!?」

「暫しの辛抱でござるよ」

 

 今の季節は春先。気温が徐々に暖かくなり、植物が芽吹く季節だ。乾燥している冬場に比べ、空気中の湿気は多い。

 

 そんな時期に氷点下を下回る気温になればどうなるか? その答えを唯は目の当たりにした。

 

「何、これ……? 部屋の中に、糸が……」

 

 急激に空気が冷やされ、糸に水分が結露し目で見えるようになっていく。唯の目にも、教室内は糸だらけで鼠が入る隙さえも無い事がよく分かった。

 

 だが椿の術の効果はそれだけに留まらない。さらに教室内の気温が下がっていき、クモの糸は結露した水分と共に氷結しその強度と伸縮性を失っていった。耐熱性は高いクモの糸も、凍らされることに対しては弱かったようだ。

 

 千里は彼女の狙いに気付き、今なら拘束から抜け出せると全身に力を込めた。果たして、彼を拘束していたクモの糸はパリパリと音を立てて砕け始める。

 

「く、ぬぅぅぅぅ……!!」

「あぁっ!?」

「こん、のぉぉぉぉっ!!」

 

 千里は力尽くで拘束を破り、その勢いを利用して里香を突き飛ばした。そして束縛を脱すると、そのまま唯達と合流した。

 

「きゃぁっ!?」

「南城君ッ!」

 

 千里に突き飛ばされ尻餅をついた里香を他所に、唯は駆け寄ってくる千里に手を伸ばした。千里もその手を取り、互いに相手を引き寄せるようにして2人は抱き合う形になる。

 

 それと入れ替わる様に椿が室内に入り、尻餅をついた里香に忍者刀を突き付ける。

 

「い、つぅ……ぁッ!?」

「おっと、迂闊な動きはしない方が身の為でござるよ」

「くっ!?」

 

 分厚い眼鏡の奥から射殺すような視線で里香が椿の事を睨んでいる。もし里香にもう少し理性がなければ、そのまま椿に襲い掛かっていたかもしれない。

 

 殺伐とした雰囲気の2人に対し、唯は千里に誤解してしまったことを謝罪すると同時に彼の身に何事も無かった事を安堵した。あの状況、もし唯達の到着が遅れていたら本当に千里がどうなっていたか分からない。あの時一番大変だったのは間違いなく彼なのだ。

 その千里に対し、あらぬ疑いを掛けて誤解してしまった事は本当に申し訳ない。

 

「南城君、その……ごめんなさい。私、早とちりしちゃって……」

「いいんだよ。あの状況は仕方ないって」

 

 薄暗い教室の中であんな状態の男女を見れば、千里だって同じ勘違いをする自信がある。あのタイミングで来られたのはギリギリのところで間に合ったと言う意味では幸運だが、勘違いを招くと言う意味では不運でもあった。

 とは言え貞操の危機を千里自身も感じていたので、その状況から助けられたと言う意味ではやはり幸運だったのだろう。だから千里には勘違いした唯に対して悪く思うつもりは微塵もない。寧ろ間に合ってくれた事に感謝していた。

 

「危ないところだったよ、色々と……だから、ありがとう」

「うん……! 良かった、南城君が何ともなくて……」

 

 気付けば2人だけの空間を作り出そうとしていたが、それを破る者が居た。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」

「「「ッ!?」」」

 

 突如里香が、普段の彼女からは想像できない叫び声をあげた。怒りや嫉妬が入り混じった、感情を吐き出す為の叫びは予想以上の気迫があり椿も一瞬気圧され半歩ほど後退ってしまった。

 

 それが隙となり、椿は跳ねるように立ち上がった里香の突き出した拳を腹に受けて殴り飛ばされる。

 

「ぐはっ!?」

「長谷部さんッ!?」

 

 一瞬の油断があったとは言え、椿が里香に殴り飛ばされたのが意外過ぎて千里の意識がそちらに向いてしまう。

 

 その隙に里香は髪を振り乱して2人に接近しつつ、妖蟲変化でクモクセジに変異し唯を糸で捕らえ連れ去った。

 

「きゃぁぁっ!?」

「しま、小鳥遊さんッ!?」

 

 千里が連れ去られそうになった唯に手を伸ばすが、クモクセジの動きが早くて伸ばした手は空を掴むだけに終わる。クモクセジはそのまま教室から出ると、窓を突き破って何処かへと行ってしまった。

 

 急いで後を追おうとする千里。しかし椿をこの場に放置するのも気が引け、一度振り返り椿の方を見てしまう。

 すると彼の迷いを見て、椿が目を開き檄を飛ばした。

 

「何をしているでござるッ! 早く小鳥遊殿を助けに向かわぬかッ! 拙者の心配などしている暇は無い筈でござろうがッ!!」

「ッ、分かった!」

 

 椿からの檄に気合が入り、千里は割られた窓から飛び出し晴嵐の筆を構えた。

 

「執筆忍法、変身の術ッ! コガラシ、変身ッ!」

【忍法、変身の術ッ! 夜の声、しのぎ削りし、忍ぶ者……コガラシッ! 達筆ッ!!】

 

 千里はコガラシに変身すると、唯を救出すべくクモクセジの後を追う。逃げ隠れするのが上手いのか、もうクモクセジの姿は見えない。

 だが姿は見えなくても、存在を捉えることはできる。風を読む事を覚えたコガラシにとって、姿が捉えられないと言う事はハンデになり得なかった。

 

 適当なビルの上に立ち、構えを取り精神を集中させる。吹きすさぶ風に耳を傾け、全身で風を感じその風が運んでくれる情報を読み解いていく。

 

(何処だ……小鳥遊さん、何処に…………!)

 

 もういい加減に理解した。クモクセジの目的は千里だ。先日の戦闘でも、彼を手に入れる事を目的にしていたのだ。

 だがその為に邪魔な、目障りな存在として唯が居る。クモクセジは、否、里香は邪魔者となる唯を先に始末すべく、彼女を千里から引き剥がしに掛かったのだ。

 

 このままだと唯の身がどうなるか分かったものではない。急いで唯を見つけようと焦りが生まれるが、コガラシはその焦りにそっと蓋をして全神経を集中させる。風を読むにはかなりの集中力を必要とする。焦りはその集中を奪い、風を読む事を妨害するのだ。故に焦りは禁物。心を落ち着け、静かな気持ちで唯の存在を探した。

 

 体感で長い時間が立ったような気がする。全てがゆっくりになったような錯覚すら覚える程の集中力を発揮したコガラシは、唐突に風向きが変わった風の中に求める存在の姿を確かに感じた。

 

「居たッ!」

 

 コガラシは仮面の奥で目を見開き、感じ取った唯の居る方へ向け一目散に駆けていった。

 

 目指すはただ一つ、唯を助け出す。ただそれだけ…………

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 唯を連れ去ったクモクセジは、建物の間の暗がりを利用して誰に見つかる事も無く街中を駆け抜けていった。クモクセジは姿を消せたりする訳では無いが、それでも隠れる事を得意としたクセジ。人々の目を盗んで街中を駆け抜ける事など造作もない事だった。

 

 そうして街中を突っ切り、クモクセジが辿り着いたのは工事の途中で放置されたビルの中であった。所々に穴が開き鉄骨が剥き出しになった部分もあるビルの中に飛び込むと、適当な所に唯を投げ捨てるように解放した。

 

「あうっ!?」

 

 乱暴に解放され床に倒れる唯。受け身を取る間も無く床に叩き付けられ、手や膝を擦りむいてしまった。

 

 床に叩き付けられた衝撃や出来た傷の痛みに顔を顰めながら、唯は体を起き上がらせるとクモクセジから距離を取りながら話し掛けた。

 

「間宮さん、何で……!?」

 

 唯の中で里香は自分と同じく勤勉で大人しい生徒という印象であった。別に親しい訳でも、話した事がある訳でもない。だがそれでも、唯は里香に対して親近感に近い物を感じていた。もし話し掛ける話題やタイミングがあれば、そのまま友達になれていたかもしれないとすら思っていたほどだ。

 

 そんな彼女が、卍妖衆の口車に乗ってクセジになり自分に襲い掛かってくる理由が分からなかった。

 

 その質問はクモクセジの……里香の嫉妬の炎に油を注ぐ結果となった。唯から問われて、クモクセジは感情を押さえるように体を震わせると糸を放ち彼女の手足を床に固定。唯は手足を広げた不格好なXの形で床に拘束された。

 

「あぁっ!?」

「……何で? そんなの、決まってるじゃない……!?」

 

 藻掻く唯にクモクセジは逃げ道を塞ぐ様に上から覆い被さった。例え――そんな事絶対にありえないが――唯が自力で拘束を逃れたとしても、床に突き刺さったクモの脚が檻となって逃げ道を塞いでいる。逃げる術を失った唯の顎をクモクセジの手が掴み、ギリギリと締め付ける。そのまま少し手の位置を動かせば、首を絞めつけられる状態だ。

 

 咄嗟に命の危険を察した唯は抵抗する事を止め、クモクセジを刺激しないようにした。何が理由か分からないが、自分の言葉がクモクセジを悪戯に刺激したと言う事だけは分かった。

 

 唯が動く事を止めると、クモクセジは満足そうに唸り言葉を続けた。

 

「私はね……アンタが邪魔だったのよ。南城君に無遠慮に近付くアンタがね……!」

「ど、どういう……」

「アンタは南城君の価値を何も分かってない! 彼の書く字、あの綺麗で美しい字が書ける彼は、それだけで価値がある! あんな尊い人、他に居ない!」

 

 クモクセジの言葉には狂信的なものを感じずにはいられない。最早まともな思考があるかも怪しかった。

 

 唯の感じたその印象は間違っていない。写経の術は忍術を知らない人にも容易く忍術を使わせることが出来ると言う一見便利な術だが、この術にはある重大な欠点があった。それは術を掛けられた人間から正常な思考を奪うというもの。一つ術を写す毎に自制心が抑えられなくなるなど徐々に精神に異常をきたしていき、あまりにも多くの術を写し過ぎると最悪廃人になってしまう。

 誰にでも忍術を使わせることが出来るようになってしまうと言うこと以上に、術を掛けられた人間への悪影響故にこの術は禁術とされてきたのだ。

 

 今、里香の様子が以前までの唯の印象と異なっているのもそれが原因だ。マンダラにより誑かされたと言う事もあるが、何よりも写経の術で幾つもの忍術を写された結果正常な思考能力を失い自分の欲望に必要以上に正直になってしまったのが今の里香の状態なのだ。

 

「お前は彼の字を見て何を感じた? どれだけの感動を感じた? 彼の心の美しさを、どこまで理解した!?」

 

 次第に口調すら変わってきたクモクセジが、感情に任せて唯の制服を爪で切り裂いた。制服のブレザーとYシャツが首の下から乱暴に引き裂かれ、勢いで下着すら切り裂かれ柔肌が露わになる。

 

 衣服が切り裂かれた事と外気が肌を冷やす感触に、唯は堪らず悲鳴を上げた。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 けたたましく響き渡る唯の悲鳴を、クモクセジは煩わしいと言う様に顎を押さえ付ける事で止めさせた。

 

「んぐぅっ!?」

「彼に、お前みたいな価値の分からない奴が近付く事は許さない。そんな奴は存在しちゃいけない。この場で、その綺麗な腸引き裂いて中身引きずり出して、お前に相応しい姿にしてやる……!」

 

 恐ろしい事を口走りながら、クモクセジの爪が唯の剥き出しになった肌の上をゆっくりなぞる様に動く。クモクセジはまだ本気ではないからか、爪は唯の肌の上を動くだけ。ナイフの様に鋭い爪が自分の肌の上をなぞっていく悍ましい感触に、唯の目に涙が浮かぶ。口が動かせないので、彼女は心の中で千里に助けを求める。

 

(南城君……助けて……!)

「さ~て、まずはここから……」

 

 涙を流す唯に悦に浸ったような声を出しながら、クモクセジは唯の肌の上を這う爪に少し力を込めた。力を込められた鋭い爪が、唯の滑らかな肌を小さく傷付ける。傷は深いものではなく治れば痕も残らない程度の物であろうが、傷付けられた部位からは血が滲み始め唯は熱い痛みを感じた。

 

「ん゛ん゛っ?!」

 

 肌を傷付けられ、血が滲む感触に唯の顔が歪み涙が零れる。クセジに表情はないが、それでも唯にはクモクセジが嗤っているのが分かった。

 

 しかし、ここで不意に唯の意識に変化が起こった。先程まで恐怖すら感じていたクモクセジに対して、怒りにも似た感情を抱き始めたのだ。この後自分の身に降りかかる事を想像し、恐怖し、千里に助けを求めてすらいたのにである。痛みで恐怖が一回転して怒りに変わってしまったようだ。

 

 気付けば唯は首を振って顎を押さえる手を振り払うと、その手に思いっきり噛み付いた。

 

「くう、あっ!!」

「なっ!?」

 

 勿論、鍛えてもいない唯の噛み付き程度がクモクセジのダメージになる様な事は無い。だがまさか反撃してくるとは思っていなかったので、クモクセジは思わず手を引いてしまった。

 

 そしてクモクセジが数歩後退ると、唯はまるで反撃するかのように怒りと共に言葉を吐き出した。

 

「勝手な事言わないでよッ!! 私が南城君に近付こうが私の自由でしょッ! あなたにあれこれ言われる筋合いなんて無いわよッ!!」

「何ぃっ!?」

「文字が綺麗だから何? あなたにとって南城君の価値は文字が綺麗な事だけなの? 文字だけで南城君の何が分かるのよッ!? それこそ南城君に対する侮辱よ、ふざけないでッ!?」

 

 先程まで泣いていたのは何だったのかと言いたくなるように次々と言葉を吐き出す唯。なんだかもう自棄になったようにも見えるが、それ故か勢いは凄まじくクモクセジは圧倒される。

 だがプライドがそうさせるのか、クモクセジにも退けない気持ちがあるのか、落ち着くと唯の言葉に反論した。

 

「そ、そう言うお前こそ南城君の何を知ってるッ!? ちょっと知り合う機会に恵まれただけで偉そうに……!?」

「南城君は何時も頑張ってるッ! 私達も知らない所で今までずっと、私達の日常を守る為に戦い続けてくれたッ! それに今も、皆の為に戦ってるッ! それを少しも誇らず、褒められもしないのに戦う強い人よッ! あなた知ってる? 南城君が普段学校終わった後に頑張ってるのを。普段の南城君の頑張りをどこまで知ってるのよ?」

「う、あ……」

「何も知らないのは自分の方じゃないッ!! それなのに偉そうに、そっちこそ何様のつもりよッ!?」

 

 正鵠を射る唯の言葉にクモクセジは何も言えなくなる。彼女の言う通り、クモクセジ=里香は千里の文字の美しさだけに目を奪われ、彼自身の事は殆ど見ていなかった。浅はかな、安い憧れだけで動いていた事実を突き付けられ、クモクセジは言葉を失ってしまったのだ。自分の足元が崩れるような、アイデンティティの喪失に近い感覚に陥る。

 

 だがここで引く訳にはいかない。ここで引いては、自分のこれまでの全てを否定する事になる。自分で自分を否定する事を許容できるほど、里香は強い人間ではなかった。

 

「う、うるさいッ!?」

「ぐぅっ?!」

 

 激昂したクモクセジが動けない唯に拳を振るい、頬を思いっ切り殴打した。破れかぶれ、しかも床に固定された状態の相手への殴打と言う事で狙いが上手く定まらず、綺麗に入りはしなかった。が、それでも同年代の男子に思いっ切り殴られた程度の威力はあり、唯の左の頬は赤く染まり唇の端は切れて血が流れ落ちた。

 

 ここまでされれば普通は痛みと恐怖で押し黙るものだが、これまで千里と行動を共にして度胸が付いた唯は違った。頬を赤くし口の端から血を流しながらも尚、力強い眼光でクモクセジを射抜いたのだ。その威圧感に、クモクセジの方が逆に気勢を削がれる。

 

「間宮さん……あなたが南城君を好きになるのは勝手よ。でもね、これだけは覚えておいて。彼の魅力は書く文字だけなんかじゃない。彼はもっとずっと素敵な男の子よ」

「な、何で……」

 

 何でそんな事がはっきり言えるのか。慄きながらクモクセジがそう訊ねると、唯は何処か清々しさを感じさせる笑みを浮かべながら答えた。

 

「私も……南城君の事が好きだから。好きだから、南城君……千里君の色々なところが見えるのよ」

 

 唯の余裕すら感じさせるその表情は、クモクセジに敗北感を与えるのに十分な威力を持っていた。もしクモクセジが男子であれば、その笑みに心を持っていかれていたであろう。

 だが同性であり、恋のライバルでもあるクモクセジからすればその笑みは忌々しい勝者の余裕でしかなかった。

 

「ぐぅぅぅぅぅぅ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

 突然クモクセジが獣のような声を上げ、頭を掻き毟りながら振り回した。薬が切れて暴れる中毒者の様な有様に唯が息を呑んでいると、クモクセジの姿に変化が起こった。人間からクセジに変異する時の様に、体から黒い液体の様な物が滲み出て文字を形作っていく。

 出来た形は『女郎』。それがクモクセジを本来形作っていた『蜘蛛』の文字と合体し、『女郎蜘蛛』となった。それがクモクセジの中に沁み込む様に入り込むと、クモクセジの下半身がクモの形となり肥大化。クモクセジは見上げるほどの大きさの、半人間半蜘蛛の所謂アラクネ型の怪物『ジョロウクモクセジ』となった。

 

 ジョロウクモクセジは怪人部分の目と蜘蛛部分の目で、動けない唯を睨み付ける。見られただけで背筋が震え上げる程の殺気、凶暴性、最早今のクモクセジに言葉は通じないと言う事が肌で分かった。

 

「ワダジノォォォッ!! ナンジョウグンハ、ワダジノォォォッ!! ダレニモワダザナイィィィィッ!!」

 

 獣の雄叫びのような叫び声をあげ、唯に襲い掛か手くるジョロウクモクセジ。蜘蛛部分の脚で串刺しにするつもりなのか、脚を一本上げて振り下ろそうとしている。

 今の唯にはあれを防ぐことはおろか、回避する事も出来ない。そして生身に彼女があんなものを喰らえば、良くて串刺し最悪ミンチ。どちらにしても助からない。

 

 眼前に迫る死の気配に、唯が出来る事はただ一つであった。

 

(南城君……!)

 

 硬く目を瞑り心の中で千里に対し助けを求める。ジョロウクモクセジはそんなもの知った事かと言わんばかりに踏み付け殺そうとする。

 

 動けず無防備な唯の腹に、ジョロウクモクセジの脚が突き刺さりそうになった。

 その時、横合いからコガラシが飛び出しジョロウクモクセジを風遁を纏わせた足で蹴り飛ばした。

 

「このぉぉぉっ!!」

「ガァァァァッ?!」

 

 かなりの勢いをつけて蹴りつけたのか、ジョロウクモクセジは建設途中のビルの壁を破壊して外へと放り出されていく。コガラシはそれを見届ける事無く、床に磔にされた唯の元へと向かった。

 

「小鳥遊さん、大丈……なぁっ!?」

「え、あっ!? きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 唯を助けようとしたコガラシは、制服の前の部分が切り裂かれた柔肌が露わになったあられもない姿を見てしまう。かなり乱暴に引き裂かれたからか、双丘などは少しでも風が吹けばその先端が見えてしまいそうなほどだ。そんな彼女が床に両手足を広げて磔にされた姿は、決して狙ったものでは無かろうがとても扇情的だった。コガラシは慌てて手で彼女を見ないようにする。

 一方唯の方は、コガラシの様子から自分の今の状態を思い出し一気に赤面する。よりにもよって彼にこんな恥ずかしい姿を見られてしまい、恥ずかしさで死にそうになった。クモクセジを相手にした時ですら感じなかった焦りに、唯は頭の中がパニックを起こした。

 

「み、見ないで南城君ッ!? 見ちゃダメぇぇぇッ!?」

「分かってるッ!? 分かってるから、ちょっと待っててッ!?」

【忍法、口寄せの術ッ! 達筆ッ!】

 

 コガラシは口寄せの術を使って適当な毛布を被せてやった。これで彼女の柔肌が外気に晒される事は無い。彼女の恥ずかしい姿を隠す事が出来て、コガラシは一仕事やり終えたと言う様に小さく息を吐くと改めて彼女を床に張り付けている糸を忍者刀で切断した。

 束縛から解放されて、唯は毛布で体を隠しながら起き上がりコガラシに抱き着いた。

 

「南城君ッ!」

「おっとと! 小鳥遊さん大丈夫? 怪我は?」

「大丈夫……信じてたよ、来てくれるって」

 

 本当はクモクセジにより肌を一部切られて血が滲んでいるのだが、コガラシが普段受ける傷に比べればこんなの掠り傷ですらない。比べるのも烏滸がましい。

 コガラシは唯が無事だと分かると、心の底から安堵の溜め息を吐いた。彼女がクモクセジに連れ去られ、見失ってしまった時は本気で焦っていたのだ。

 

 互いの存在を確かめるように抱き合う2人だったが、それを何時までも許すジョロウクモクセジではない。這い上がって壁の穴までくると、そこから巨体を捩じ込もうとしてきた。

 

「ナンジョウグゥゥゥゥゥンッ!!」

「そう言えばまだアイツが居た。ってかあれなんだ? 何か少し見ない間に大分変ったけど……」

「私も良く分からないの。なんか苦しみだしたと思ったら突然……」

「後で父さんに聞いてみるか。取り合えず、小鳥遊さんは危ないから離れてて」

「うん。南城君、頑張って!」

 

 唯からの激励に頷いて応えると、彼女は笑みを浮かべてその場を離れて物陰から彼を見守る。

 

 コガラシはビルの中に入り込んできたジョロウクモクセジの姿を改めて見上げて、その巨体に思わず口笛を吹いた。

 

「うへぇ、随分デカくなったな。これが元は間宮さんだなんて、信じられないな」

「ナンジョウグン、ナンジョウグゥゥゥゥゥンッ!!」

 

 最早理性を失って、只管に千里を求めるだけの獣と化した。そんなジョロウクモクセジに、コガラシは憐れみに近い感情を抱いた。

 

「ゴメンな、君の気持に気付いてあげられなくて。ある意味俺が原因みたいなもんだ。だから……」

【忍法、口寄せの術ッ! 達筆ッ!】

 

 口寄せの術で取り出したのは、新しくコガラシの力となった長銃・轟雷。取り出したそれでジョロウクモクセジを狙い引き金を引いた。狙うはあの巨体を支えている脚の一本だ。

 

 狙い違わず銃撃は相手の脚に命中し、木をへし折る様に吹き飛ばした。

 

「ギアァァァァァァッ!?」

 

 脚の一本を吹き飛ばされた痛みで悲鳴を上げるジョロウクモクセジ。コガラシが続けて引き金を引こうとすると、蜘蛛の頭から糸の塊が吐き出された。銃弾と糸の塊がぶつかり合い、相殺され無力化される。

 

「むっ……」

 

 続けて銃撃するコガラシだが、痛みから復活したジョロウクモクセジは糸玉で反撃し放たれる銃弾を相殺。そして銃撃で足を止めているコガラシに対し、接近して仕留めようと近付いていった。コガラシは尚も銃撃で対抗するが、最早ジョロウクモクセジに銃撃など意味をなさず目前にまで接近されてしまった。

 

「南城君、逃げてッ!?」

 

 思わず物陰から顔を出す唯が警告するが、対するコガラシは仮面の奥で笑みを浮かべていた。これこそ、彼がこの轟雷を要望した際に想定した状況そのものだからだ。

 

 近付いてしまえば銃より接近戦の方が早いと、ジョロウクモクセジが脚を叩きつけようとする。その瞬間、コガラシは銃身に手を掛けるとそれを思いっ切り()()()()()

 

「ガァァァァァァッ?!」

「えっ!? あれって……」

 

 ジョロウクモクセジの絶叫が響き渡り、唯は目の前で起きた出来事に目を疑った。何故ならコガラシは何時の間にか剣を持っており、その刃でジョロウクモクセジの脚を切り飛ばしたからである。

 

「要望通り……へへっ! これなら……」

 

 コガラシが持っているのは変わらず轟雷。ただ、鞘から抜いただけである。

 

 これこそが轟雷の本来の姿。千里は鞘の状態で銃、抜くと剣になる武器は作れないと言われ悩んだ時、ボールペンを見てある事を閃いたのだ。

 

 剣に銃の機構を組み込んで、納刀状態でも打てるようにすれば素早い切り替えが出来る…………と。

 

 轟雷の鞘は鞘であると同時に、銃として構える際に銃身を支えるハンドガードの役割を持っているのだ。鞘には銃としての機構はなく、ただ刃を隠すだけ。結局作る物はただの銃剣なので、昔楓が要望した様な複雑な機能は必要ない。

 唯一懸念があるとすれば銃に剣の役割も持たせる形になるので、激しい戦いの中で内部機構が歪んでしまわないかという事。だがそれに関してコガラシは心配していない。総本山の職人たちの腕は確かだ。それは彼の父・徹も認めている。彼らが作る物であれば、不安に思う必要は無い。

 

 果たして轟雷は、鞘から抜いた瞬間その本来の力を発揮するかのように一撃でジョロウクモクセジの脚を切り落としたのだ。

 

「オォォォォッ!!」

 

 コガラシはそのままジョロウクモクセジの右側に回り込み、その途中まだ無事な脚を片っ端から切り落とした。次々と足を切り裂かれ、体を支える事が出来ずジョロウクモクセジはその場に崩れ落ちた。

 

「グガァッ!?」

「コイツでぇッ!」

 

 倒れたジョロウクモクセジにトドメを差そうとコガラシが躍りかかる。しかしここでやられるジョロウクモクセジではなく、コガラシの刃が届く寸前蜘蛛部分の下半身を脱ぐ様に切り離しギリギリのところで回避。ただのクモクセジに戻ると、糸のフィールドを作ってコガラシを翻弄しようと糸を周囲に向けて吐き出した。

 

「プゥゥゥゥゥゥゥッ!」

「またこの辺りを自分の巣にするつもりか! だけどな、その手はもう一度見てる! 俺相手に二度同じ手を使おうとするとは、舐められたもんだな!」

【忍法、風遁の術ッ! 速筆ッ!】

 

 吐き出された糸が周囲のものに絡みつき蜘蛛の巣を作る前に、コガラシが放つ暴風が逆に糸を巻き込み外へと吹き飛ばす。クモクセジは糸を操るが、糸その物を動かしている訳では無い。つまり、糸が効果を発揮する状況になる前に糸その物を吹き飛ばしてしまえば意味はないのだ。

 

 しかもコガラシは周到な事に、風を巧みに操り糸の動きを操作し逆にクモクセジに糸を巻き付けて動きを封じたのである。自分の武器が逆に利用されて自分を縛るものになった状況に、クモクセジは驚愕に言葉を失った。

 

「ガァッ!?」

「こいつで、本当に終わりだ! 執筆忍法、雷遁 稲妻斬ッ!」

【忍法、雷遁 稲妻斬ッ! 速筆ッ!】

 

 轟雷の刀身に紫電が纏わりつき、刀身自体も白く発光し始める。コガラシは剣を構えると、紫電を待とう刃で動けないクモクセジを両断した。

 

「タァァァァァァッ!!」

「ギャァァァァァァァァッ?!」

 

 正しく落雷の様な一撃に、クモクセジは体を大きく切り裂かれ力無くその場に膝をつく。

 

「あ、あぁ……南城、君……」

 

 切り裂かれたクモクセジは何かを求めるようにコガラシに手を伸ばすが、力尽きて倒れると爆発四散。後には気を失った里香だけが残されていた。

 

「ふぅ……」

 

 クモクセジを倒せたことに安堵しコガラシが変身を解くと、危険だからと離れていた唯が毛布で体を隠しながら千里に駆け寄った。

 

「南城君ッ!」

「小鳥遊さん、良かった」

 

 改めて彼女が無事で千里は安心した。もし彼女の身に何かあったらと思うと、今でも肝が冷える思いだ。

 

 一方の唯も、彼が助けに来てくれた事に言いようのない心の昂りを感じていた。もう危険は去ったと言うのに、心臓が早鐘を打つように鼓動している。

 それが千里に対する恋心からくるものであると気付くのに時間は必要なかった。しかも今は周囲に誰も居ない。里香は気絶しているし、今の2人を見る者は誰も居なかった。

 そんな状況に、唯の心に魔が差した。

 

「あの、南城君……」

「ん? 何? どこか痛む?」

「そうじゃなくてね……あの、私……」

 

 頬を赤く染めながら、千里に自分の想いを伝えようと口を開きかける。

 

 その時、2人の直ぐ傍に天井からぶら下がって逆さまになった椿が話し掛けた。

 

「何をしてるでござるか?」

「わひゃぁっ!?」

「わぁっ!? は、長谷部さんッ!? どういう登場の仕方ッ!?」

「拙者の登場の仕方などどうでもよろしい。それよりも早くこの場を離れるでござる」

 

 椿の言葉に耳を澄ませば、遠くからサイレンの音が近付いてきている。そう言えばここで派手に壁を破壊したりしたから、何かが起きている事は周囲に知れてしまっている。何時までもここにいては面倒な事になってしまうのは確実だ。

 

「そうだった。長谷部さん、間宮さんを!」

「あい分かった」

「そう言う訳だから、小鳥遊さんゴメンね!」

「わっ!」

 

 椿が里香を担ぎ、千里が唯を横抱きにしてその場を離れていく。

 

 人目に付かないように、だが一見すると大胆にビルの屋根を伝ってその場を離れていく。下手な絶叫マシンよりも刺激的な状況だが、しかし今の唯には浮遊感もすぐそばを通り過ぎるビルの壁も気にならない。

 すぐ目の前にある千里の顔に釘付けだった。

 

(南城君……)

 

 唯はそっと千里の胸に顔を埋めた。移動に集中している千里はそれに気付かない。

 

 一瞬、先程口にしようとした言葉をこの場で打ち明けてしまおうかという誘惑に駆られるが、今変な事を彼に告げるとバランスを崩してとんでもない事になりそうだから止めておいた。

 

 もう暫く、この想いは胸に秘めておこう。ただし、いつか必ず彼にこの気持ちを打ち明ける事を唯は固く誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜、誰もが寝静まった時間……

 

 ただでさえ出歩く者の少なくなったこの時間、昼間にコガラシとクモクセジが戦ったのとは別のビルの中でそれは起こっていた。

 

「あが……が……ぎぃ……!?」

 

 赤黒い装束の忍者・マンダラがスーツ姿の男の首を片手で掴んで持ち上げている。首を掴まれた男は、酸欠とは明らかに違う要因で苦しみ顔を青くし、そして見る見るうちに老人の様にしわがれた顔になり息絶えていった。

 

「……フン」

 

 マンダラは息絶えた男をゴミを捨てるように放り投げた。見ると周囲には他にも死体が転がっており、そのどれもが例外なく水分を感じさせないカラカラの搾りかすの様な有様で死んでいた。

 

 生きていた最後の男を投げ捨てたマンダラは、周囲に動くものが居ない事に鼻を鳴らして変身を解いた。

 仮面の下から出てきた、千里達のクラスの担任である孝蔵は周囲に転がる死体には目もくれずその場を歩き去る。

 

「コガラシ……次は必ず殺してやる……」

 

 千里……コガラシへの殺意を隠すことなく夜の闇へと消えていく孝蔵。

 

 深夜、夜の闇の中という事もあり、その存在と殺意に気付く者は誰も居ないのであった。




という訳で第14話でした。

轟雷の正体は所謂ガンブレードタイプの武器でした。刀身の上に銃身が乗った、パラサイトイヴ2というゲームに登場するガンブレードみたいな感じと思ってください。鞘は銃として使う際に銃身を手で押さえられるようにする為のハンドガード的役割しかもっていないので、抜刀状態でも普通に撃てます。そういう使い方もその内させたいですね。

執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!

次回の更新もお楽しみに!それでは。
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