転生したら轟焦凍くんの幼馴染みだった。   作:室賀小史郎

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かなり間が空いてしまってごめんなさい。
お話考えてる時間がなくなってました^^;

取り敢えず今回もご都合主義をサービス!




相変わらず平和です。

 

 時が過ぎるのは早い。

 入学してもう5月ですよ。

 え? クラス委員長は誰に決まったのかって?

 飯田くんだよ、飯田くん! 当然じゃん!

 でも香山先生は推薦形式だった。

 俺は当然、原作通りに飯田くんを委員長に推薦したら、みんなも『地毒が言うなら飯田が適任だな』ってなって決まっちゃった。

 しょうくんと被身子ちゃんのせいで副委員長になりかけたけど、推薦する側は一人だけ推薦するなんてルールもなかったから、八百万ちゃんを副委員長に推薦したら、飯田くんの時と同じになっちゃった。

 いや原作通りだしいいんだけどさ。飯田くんも八百万ちゃんも俺にすげぇ目を輝かせて『期待に応えるぞ(ますわ)!』ってやる気に燃えてた。

 精神年齢おじいちゃんの俺には若い子のフレッシュさは眩し過ぎるよ。

 

 やっぱり俺が転生したこのヒロアカ世界は、俺が転生前に読んでた原作と違って、雄英高校にマスゴミが侵入するなんて騒動もなかったし、13号先生が手掛けたUSJでのレスキュー訓練もなかった。

 ひたすら色んなグラウンドでチームに分かれて仮想敵ロボの鎮圧とか個性を高める訓練がメイン。

 あ、心操くんのサポートアイテムは俺が失念してたのもあって当初のやつは使い物にならなくて、バワーローダー先生が考えたサポートアイテムに落ち着いた。

 まんまペルソナコードだったし、心操くんも笑顔になってたし、よし!

 

 んで、今日から雄英高校に入って初めてのゴールデンウィークなんだな。

 日頃ハード……いやヘルモードの学校生活だから、こういう大型連休って本当に最高すっわ。

 宿題は多いけど、初日にしょうくんや被身子ちゃん、響香ちゃんと済ませちゃったもんね!

 てことでゴールデンウィークを満喫する気満々ですよ。

 

「お兄ちゃーん!」

「ぐふかすたむっ!」

 

 昼まで寝る気満々だったのに、天使のフライングボデープレスで強制起床させられる俺。

 

「……妹よ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ……」

「あたし疲れてない! お兄ちゃんがいるもん! 起きて遊ぼー!」

「今何時?」

「6時!」

「いつも通りではないか、妹よ。休日ということを忘れているのか?」

「お休みだから遊ぶの! お兄ちゃんはあたしのだもん!」

 

 なんというジャイアニズム。兄は妹の将来が心配だ。

 でもぶっちゃけ黒刃には俺しかいないんだよな。

 当然、父さんや母さんが黒刃に愛情を注いでいないなんてことはないし、寧ろ溺愛してる。

 でも医者という職柄、あまり家にいれる時間がない。休日でも祝日でもうちの両親じゃないと手に負えない急患が搬送されて来たら、両親は必ずその人を救うために病院へ向かう。

 だから基本的に轟家で預かってもらってて、俺が学校から帰れば俺が出来る限り黒刃の世話をしてた。

 なので黒刃にとって兄(俺)は両親よりも大好きな存在で、唯一無二なのだ。

 前に母さんが『私の料理より白刃の料理が食べたいって言われた時はショックだったわ』なんて言われた。

 黒刃にとってはおふくろの味は俺の味になってしまっている。

 かくいう俺もおふくろの味は冷母さんの料理の味なのだが……。

 

 母親としては悲しいのかもしれないけど、俺も黒刃も両親から愛情を注がれてないなんて思ってない。

 小学生の時に一度だけ父さんから『もっとわがままを言ってもいいんだぞ?』なんて言われたことがある。

 聞き分けがいいのはそれだけ我慢させていることでもあるんだと。

 ごめん、父さん。それは俺がただ単に精神年齢おじいちゃんだからです。我慢してないし、寧ろ無邪気に甘えられるメンタル持ってません!

 だから『じゃあ、ハグして』って精一杯甘えてみたら、泣きながらめっちゃ抱きしめられて焦った。

 変に前の記憶がある上で甘えるって本当に難しいんだよね。

 

「黒刃はお友達連れてきたり、お友達の家に遊びに行ったりしないのか?」

「今日はしない!」

 

 良かった。黒刃はボッチじゃなかった。何気心配してたんだよな。普段からヒーロー科のことで忙しくて黒刃の話を聞くより、黒刃が俺に色々と訊いてくる方が多いから。

 

「まあ取り敢えず起きるか……朝飯は何食べたい?」

「ごちゃごちゃたまご!」

「はいよ」

 

 俺が返事をしつつ黒刃の頭をポンポンと撫でれば、黒刃はにこーっと満面の笑みを浮かべて俺の上から退いた。因みにごちゃごちゃたまごとはスクランブルエッグのことだ。

 てことで俺は適当な服に着替えて黒刃と共に1階のリビングへ向かう。

 

 ◇

 

「おはよう、白」

「おはよう、しょうくん」

 

 当然のように我が家のリビングでソファーに腰を下ろして新聞を読んでいる幼馴染み。

 もうナチュラル過ぎて慣れてしまっている自分がいる。

 というか、俺の隣にいないことの方が年に数回あるかないかだからね。

 

「いつ来たんだ?」

「ついさっきだ。おじさんとおばさんは病院行ったぞ。午後には帰るみたいだ」

「番犬がいるなら家空けても安心だもんな」

「俺はいつの間にか白のペットだったのか。その割には可愛がってくれねぇな。ペットは責任持ってお世話しないといけないんだぞ?」

「うん。今日のしょうくんも天然ボケキレキレでお兄さん泣いちゃいそう」

「俺はキレてないぞ? 寧ろ喜んでる」

「はいはい。朝飯食うだろ?」

 

 俺の質問にしょうくんはコクリと頷いて返した。

 犬だったら絶対尻尾ブンブンなんだろうな。

 

「焦凍はお兄ちゃんに何か用事?」

 

 俺が台所で朝飯を作っている中、黒刃はしょうくんの隣に座って質問する。

 

「用事がねぇと来ちゃいけねぇのか?」

 

 対してしょうくんはイケメンだけが許されるセリフを決めた。

 普通の女の子なら胸キュンするだろうけど、

 

「うん。用事ないなら帰って。朝ご飯は食べてってもいいから」

 

 黒刃にはそんなもん通じないんだよなぁ。

 黒刃にとってはしょうくんは幼い頃から兄を自分から攫っていくから、敵認定してる節がある。

 

「なんでそんなこと黒に決められなきゃならねぇんだ?」

「今日のお兄ちゃんはあたしだけだから。焦凍に構ってる暇ないの」

「白がんなこと認める訳ねぇだろ。妹なんだし俺より白と過ごせる時間あるんだから譲れ」

「学校も一緒なんだからあたしに譲るべき。年上のくせに」

「んなこと言ったら年下のくせに先輩の言うこと聞けよ」

「焦凍は年上っぽくない」

「黒だって年下とは思えねぇ」

 

 火花バチバチで静かに言い争う幼馴染みと妹。

 ねぇ、やめて? 朝っぱらから殺伐とした雰囲気出さないで? 僕は平和の中で朝飯食べたいの。

 

「白!」

「お兄ちゃん!」

 

 ほらね。結局俺が決めないといけなくなる。

 やめてよ。どっちの味方しても俺にメリットないんだもん。誰かヒーロー呼んでくれ。

 

「おはようございまーす♪」

 

 信じる者は救われる。

 そうさ。信じてさえいれば、必ずヒーローが救いに来てくれるんだ!

 

「被身子ちゃん、会いたかったよ!」

「ひゅい!?」

「ありがとう。(救いに)来てくれて本当にありがとう!」

「ど、どういたしまして……いひひひひ♡」

 

 俺の心からのお礼に被身子ちゃんは緩んだ頬を両手で包んでくねくねする。被身子ちゃんの喜びの舞だ。

 

「被身子ちゃん、おはよー! 焦凍を追い返すの手伝って!」

「ふぇ?」

「被身子。お前なら俺の味方してくれるよな? 黒が白と俺の仲を引き裂こうとしてくるんだ」

「…………」

 

 しょうくんの言葉に被身子ちゃんはスンッと表情を落とし、無言のまま黒刃の隣に移動。つまり、

 

「焦凍、白刃様は焦凍だけのじゃないよ?」

 

 被身子ちゃんは黒刃の味方になったということ。

 

「被身子、てめぇ……」

「あのさ、昼ドラ展開?みたいなとこ悪いんだが、朝飯出来たから食べようよ」

 

 こうなるともう収集つかないので、俺は朝飯に逃げる。

 そうすれば黒刃もしょうくんもご飯にまっしぐらだ。欲望に忠実で実に結構。

 

「被身子ちゃんは……施設で朝飯食べてきたか」

「はい♪ あ、食べさせてあげようか?」

「大丈夫。気持ちだけ受け取るね」

「口移ししてみたかったのに……」

「俺にそういうことしなくていいから……」

 

 なんか年々被身子ちゃんの俺に対する扱いが重たくなっていくな。過保護どころじゃない。

 というか、被身子ちゃんが俺の家に当たり前のように上がってきてるのもデフォと化してるなー。

 

「それで、被身子ちゃんもしょうくんと同じように俺と一緒に過ごしたい感じ?」

 

 言っててかなり自意識過剰マンで嫌なんだけど、しょうくんも被身子ちゃんも基本的に用事があろうがなかろうが俺の側にいたがるからね。

 

「あ、ううん。今日は用事があるの」

「おぉ、どんな?」

「白刃様じゃなくて焦凍になんだぁ。ごめんね、白刃様」

「謝る必要ないよ」

 

 そう言って被身子ちゃんの頭を撫でると、被身子ちゃんは「うひひ♡」と破顔した。

 

「俺に何の用だ、被身子?」

「今日焦凍暇でしょ?」

「暇じゃねぇ。白といる」

「暇だね。実は今日お茶子ちゃんと単発でアルバイトするの。それでもう一人連れてこれないかってアルバイト先の人に昨日言われたんだぁ」

「それでどうして俺なんだよ?」

「お蕎麦屋さんのアルバイトだから」

「まかない飯は?」

「いや、しょうくん。そこ仕事内容聞こ?」

「お蕎麦食べ放題」

「いく」

 

 しょうくん……。ホント君お蕎麦大好きっ子だね。瞳輝いてますやん。かわいいなぁもう。

 

「やった♪ じゃあ服装はそれでいいから、ご飯食べたら行こ!」

「ああ。今食い終わる。白、悪いが行ってくる」

「気にせず行ってこーい」

「でも俺は白との友情より蕎麦を取ったんじゃないからな?」

「分かってる分かってる。お蕎麦と俺どっちが大事なの?みたいなカオスなこと聞かないから」

「白に決まってる。蕎麦はいつでも食えるが、白との時間は限られてるからな」

「イケメンスイティーボイスで囁かないで。お耳が幸せになっちゃう!」

 

 俺の言葉にしょうくんは満足したのか、フッと得意げに笑った。

 当然のように被身子ちゃんや黒刃も張り合ってきたので、お耳が幸せになって浄化しかけた。

 

 ◇

 

 ということで、被身子ちゃんがしょうくんを連れ出してくれたので、俺は洗い物を終えて黒刃と共に縁側へ。

 黒刃は特等席であるあぐらをかく俺の脚の隙間に腰を下ろして、上機嫌に足をパタパタさせてる。

 

「焦凍はちゃんとアルバイト出来るのかな?」

「注文受けて伝えるのと、料理運ぶのと、食器下げるのくらいだったら問題なく出来るだろう。そもそも洗い物係かもしれないし」

「そっか!」

 

 なんだかんだしょうくんのことは心配してるんだよな。子どもに心配されてるしょうくんもしょうくんだが……。

 

 そんなことを考えながら俺が上半身を後ろに倒すと、黒刃もそのまま倒れる。

 

「いい天気だなぁ」

「いい天気〜♪」

「おっす、お二人さん」

 

 突如聞こえてきた声に俺と黒刃が同時に頭だけをあげて声の主を見ると、

 

「あはは、ホント二人ってそっくりだね……ははは♪」

「あ、響香お姉ちゃん!」

「響香ちゃん、やっほー」

 

 響香ちゃんがいた。

 肩にはいつものようにギターケースがある。

 

「あれ、今日って午前中にレッスンだった?」

 

 俺の質問に響香ちゃんは「ううん」と首を横に振る。

 

「レッスンは午後からなんだけど、ウチ今日特にやることもなかったから。お邪魔だったかな?」

「響香お姉ちゃんならいいよ!」

「ホント、黒刃ちゃん? 嬉しいなぁ♪」

 

 黒刃はギターを習い出してから響香ちゃんに凄く懐いた。

 まあ被身子ちゃんにもよく懐いてるから、やっぱり同性ってなると接しやすいのかな。

 

「白刃、せっかくだしセッションしない?」

「ハーモニカと篠笛、どっちやればいい?」

「この前ハーモニカやってもらったし、今日は篠笛で♪」

「はいよー」

「あたしが持ってくる!」

「ありがとな、黒刃」

「うん!」

 

 そうやってすぐに黒刃が篠笛を持ってくると、俺は響香ちゃんのアコースティックギターに合わせて、篠笛に息を吹き込み、黒刃は楽しそうに手を叩いて穏やかな休日を過ごした。

 

 被身子サイド

 

 響香ちゃん、少しでも白刃様との仲を縮められたかなぁ?

 

 私は昨日の夜に今日のアルバイト先から連絡をもらった時点で焦凍を連れて行くことを決めていた。

 だってそうすれば響香ちゃんが誰にも邪魔されずに白刃様と過ごせるもん。

 あ、ちゃんと黒刃ちゃんも響香ちゃんが白刃様のこと好きなの知ってて、協力してくれてるよ。

 響香ちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しいんだって。かぁいい♡

 でも響香ちゃんって意外と奥手だからなぁ。白刃様は響香ちゃんの好意に気づいてなさそうだし、まだまだ道は遠いかも……。

 

 というか今は、

 

「被身子ちゃん! 5番テーブルの天盛りと野菜天盛り出来たで! それと7番テーブル空いたから次のお客さんご案内して!」

「はーい!」

 

 すっごく忙しいんだけど!

 焦凍は愛想笑いも出来ないから接客も出来ないし、洗い物も素早く出来ないから、お店の前で客引きしてるんだけど、あの顔に釣られてくる女性客がいっぱいなんだよ!

 お茶子ちゃんも『イケメンってすごいわ』って感心してた。

 

「いやぁ、うちの店にこんなに女性客来るの初めてだ」

「嬉しいわねぇ♪」

 

 お蕎麦屋さんのご夫婦は嬉しそうだけど、動かしてる手はめちゃくちゃ早い。

 

「お会計お願いしまーす」

「はーい! 只今ー!」

 

「お次のお客様、6番テーブルにどうぞですー!」

「はーい」

 

「忙しそうだな。俺も何か――」

『焦凍(轟くん)はそのままで!』

「お、そうか」

 

 授業とはまた違う疲れを感じたけど、終わった時にお給金に色つけてもらえて、お茶子ちゃんは喜んでた。そして『やっぱりイケメンってすごいわ』ってつぶやいてた。分かるよ、その気持ち。

 でも忙しかったけど初めてのアルバイト楽しかった!




読んで頂き本当にあございました!
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