転生したら轟焦凍くんの幼馴染みだった。   作:室賀小史郎

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ご都合主義の袋小路!

遅くなってごめんなさい!


学期末試験の勉強をしよう!

 

 はい、ビューンと時が進みまして、期末試験が近付いてきました!

 え? 職場体験? やったよ?

 俺はせっかくだから原作で見たことないヒーローの事務所にお願いしようとしたのに、しょうくんが捨てられた子犬みたいに訴えてくるもんだから仕方なくエンデヴァー事務所行きました。

 事故に遭った人の救助補助だったり、高所作業が出来ないお年寄りの代わりに庭の木の剪定をしたり、エンデヴァー事務所のシュレッダーが壊れたからって俺が代わりに切り刻んだり……まあ色々とやりましたよ。

 後半はもうヒーロー関係なくね?って思ったけど、まあヨシ!

 

 あ、因みにクラスのみんなは原作通りのプロヒーローのとこへ職場体験に行ったけど、緑谷くんは爆豪くんに連れられてベストジーニストの事務所行ってた。

 夜嵐くんはラウドクラウドの事務所行って、心操くんは雄英高校で職場体験受けたみたい。心操くん、ヒーローになりたいけど将来はヒーローを育てる先生にもなりたいんだって。素敵だよね、そういうの。そう伝えたら心操くんはめっちゃ照れてて、それがまたかわいくてかわいくて……もう浄化されちゃいそうだったよ。あ、されてたわ。

 

 んで雄英高校生活初の期末試験が迫ってます。

 原作だと敵の襲撃とかで敵が活性化したことから、教師であるプロヒーローを相手に実技試験やったけど、この世界ではそんなことない。だって全然平和だもん。

 というか、香山先生が普通に実技試験の内容を教えてくれたんだよね。

 実技試験は昨今のヒーロー事情を踏まえた上で、救助活動試験になるらしい。

 

 それはいいんだよ。それは。

 ただ筆記試験の方が問題なのよ。

 範囲クソ広いからね。流石エリート校って感じ。前世の記憶があるっていうチートなかったら完全に赤点取ってた自信あるよ。ガチで。

 

「んぁー! どうしよう! 筆記マジでやべぇ!」

「私もヤバーい!」

 

 上鳴くんと芦戸ちゃんはもう阿鼻叫喚って感じ。

 分かるよ。勉強難しいもんね。

 

「仮に実技試験の結果が良くても、筆記試験で赤点取ってしまえば、合宿では地獄の勉強会だものね」

 

 蛙水ちゃ……梅雨ちゃんの言う通り。

 なんでも、夏休みに入ったらすぐに夏合宿というものがあるそうだ。

 原作でも林間合宿ってのがあったけど、俺たちの行き先はワイルド・ワイルド・プッシーキャッツのところじゃなくて、13号先生が手掛けたUSJでの夏合宿らしい。

 香山先生曰く、

 

『今のヒーローに求められているのは災害時等の救助活動。よって夏合宿では様々な災害を想定しての救助活動訓練を行うから、覚悟しておくこと!』

 

 だとか。

 どんなに敵が減ったとしても、日本なら地震災害はいつでも起こり得るし、火山噴火や津波被害だって起こり得る。

 そんな時に駆けつけて救助にあたるのがヒーロー。

 ヒーローが駆けつけて最前線に行くからこそ、消防隊員やレスキュー隊員たちが職務を全う出来るんだ。

 

「あー! もうオシマイだー! 俺はみんなが合宿でワイワイキャッキャしてる中で勉強地獄の時間を過ごすんだー!」

「大丈夫だよ、上鳴! 私もその隣にいるから!」

 

 うーん。上鳴くんも芦戸ちゃんも諦めるの早いなぁ。

 んでもって、

 

「白……ん」

「おー、はいはい。よしよし」

「ん♪」

 

 しょうくんはしょうくんでさっき抜き打ち小テストで満点取ったからって俺に褒めてもらいに来てる。

 おいちゃん、わんこなイケメンってマジでズルいと思うの。かわいいんだもの。

 

「白刃様ー♡ 今度またお勉強会しよー♡」

 

 その横で被身子ちゃんは相変わらず俺にべったりだ。

 まあこうなってもう数年になるし慣れてるからいいけどね。

 ただ背後から峰田くんの嫉妬の眼差しが背中に刺さる刺さる。舌打ちと貧乏ゆすりの音が半端ねえ。

 

「勉強会やるならウチも参加していい?」

 

 そこへ響香ちゃんが顔を出してきた。

 当然、恋人を拒む理由はない。被身子ちゃんも響香ちゃんにすごく懐いてるし。

 

「なあなあ、勉強会するなら俺も参加していいか?」

 

 すると瀬呂くんも訊ねてくる。

 うーん。被身子ちゃんと響香ちゃんに加えて瀬呂くんもってなってると、流石のおいちゃんでもちゃんと教えられるか不安になるな。当然のようにしょうくんオプション付きだし。前世が教師とかだったら出来たかもしれないけど、如何せん前世はただの引きこもりニートだったんでね。

 

 あれ? というか、この流れって原作だと八百万ちゃんに教えてもらう場面じゃんか。

 ただでさえ原作と流れがかけ離れてしまってるんだから、今更感もあるけど個人的に八百万ちゃんがみんなに頼られてぷりぷりしてるの見たいやん?

 

「八百万ちゃーん」

 

 なので俺は八百万ちゃんに声をかけた。

 

「は、はい! 地毒さん、どうされました?」

 

 ビクッてしたよ。そんなに意外だった感じ? 授業で何度もチーム組んだりしてその都度意見交換とかして、それなりに打ち解けてると思ってたんだけどなぁ。

 まあでもヒーロー科の授業でもないのに男子から声をかけられるのって慣れてないかも。お嬢様校であんまり同世代の異性と接したことってなかっただろうしね。

 

 驚いてる八百万ちゃんに俺は手招きした。

 八百万ちゃんは首を傾げながらも、ちゃんと来てくれた。

 なんか地味に嬉しい。

 

「八百万ちゃん、中間テスト1位だったよね?」

「は、はい。それが何か……?」

「期末の勉強会するんだけど、俺だけじゃみんなを教えてられないから八百万ちゃんに助けてほしくて……お願い出来る?」

「い、い……」

「?」

 

 なんか俯いて肩震わせてるんだが? 正直表情見えなくて怖いんだが?

 

「いいですともー!」

 

 あ、良かった。原作通り……いや、ここは作品違うけどどっかの新世界の神になろうとした人みたいに計画通りって思うべきか。

 おーおー、めっちゃぷりぷりしてるやん。かわいいなぁ。

 あ、これ浮気じゃありませんよ? 犬や猫の仕草を見てかわいいって思うとの同じですよ。

 

「では今度の土日に私の別荘へ、参加をご希望される方々をご招待致しますわ♪ 私の別荘がどこにあるのかご存知ない方もおりますでしょうから、雄英高校の最寄り駅に集合ということに致しましょう♪ あとは我が家の使用人たちが安全に、皆様をお連れしますわ♪」

 

 わぁ、話がトントン拍子に進んでいくー。

 お嬢様ってすげぇ。というかお迎えまでしてくれるのマジで優しい。

 

「ちょ、ちょっと待ってヤオモモ!」

 

 盛り上がってる八百万ちゃんに待ったを掛けたのは響香ちゃん。

 響香ちゃんの言葉に八百万ちゃんは「どうかされまして?」と首を傾げている。

 

「いや、ウチらとしては至れり尽くせりでとてもありがたいんだけどさ……ヤオモモのえっと……使用人さん?たちとかの都合もあるんじゃないの?」

「あら、そんなお気遣いは無用ですわ。使用人たちだってそれが仕事ですもの」

「でも……」

「確かに私の家の別荘は雄英高校よりは狭いと認めますわ。けれどヒーロー科の全員をご招待してもまだまだ余裕はありますから、ご心配はいりませんわ」

 

 八百万ちゃんがそこまで言うと、響香ちゃんは「なら、いいのかな?」と疑問系だったけど無理矢理に納得することにしたみたい。違う、違う。そうじゃなぁい。って思うけど八百万ちゃんが楽しそうならそれでいいと思う。

 それにダメだよ、響香ちゃん。超セレブなお嬢様の感覚は常人とは違うんだから。

 

 その後は芦戸ちゃんやら葉隠ちゃんやら、クラスの大半が八百万ちゃんの別荘での勉強会に参加するということになり、みんなに頼られて八百万ちゃんはとってもぷりぷりしてた。

 

 響香サイド

 

 ヤオモモの別荘で勉強会をすることになった。

 本当は学生恋愛モノのドラマや映画みたいに、白刃と二人きりで勉強会して二人きりなのを言い訳にして……みたいな展開を妄想してたりはして痛い自分がいたけど、フツーに考えればそんなことないよね。

 勉強会を白刃の家でするにしても黒刃ちゃんはもちろん、被身子と焦凍も参加するに決まってるんだし、そんなドラマみたいな甘い雰囲気にはならない。

 

 ってことでヤオモモの使用人さんたちがわざわざリムジンで駅まで迎えに来てくれた。

 もうこの時点でウチを含め、参加することになったメンバーはみんな驚いたけど、別荘に着いたら着いたでそのスケールの大きさにまたみんな驚いた。

 

 別荘ってなんだろう?

 これ豪邸の間違いじゃない?

 ここ売ったらその後の余生まで余裕で暮らしていけそうなくらいのお屋敷なんだけど?

 

「……大きい……」

「…………博物館や」

 

 被身子とお茶子はもう目の前の現実を受け入れるのがやっとっぽい。

 

「大きいー!」

「大豪邸だー!」

「流石は八百万ちゃんね。ケロケロ」

 

 こっちの3人はいつも通りっぽいな。

 なんか羨ましいんだけど、そのメンタル。

 

「ようこそ、いらしてくださいました、皆様! ささ、遠慮なくお上がりになってくださいまし!」

 

 ヤオモモ、今日は一段とテンション高いなぁ。よっぽど嬉しいんだな。普段は大人びてるのに、かわいい。

 

「行こうぜ、響香ちゃん。ほら、荷物」

「あ、ありがとう、白刃……」

「カレシだからね」

「うん♡」

 

 白刃はホント、付き合ってからウチを女の子扱いしてくれる。

 こういうさり気ない優しさはズルいと思うんだよね……ますます好きになっちゃうじゃん。

 

「地毒くんってスパダリだねー!」

「勉強会ってこと忘れてなーい?」

「二人共幸せそうで、見ていて微笑ましいわ。ケロ♪」

「そういうのいいから!」

 

 ウチは照れ隠しで思わず三奈たちに怒鳴っちゃったけど、3人はニヤニヤしてくるだけ。というか、梅雨ちゃんに至っては寧ろお母さんみたいな、母性あふれる微笑み浮かべてるから余計に恥ずかしいんだけど!

 

 ◇

 

 それからも結構からかわれたけど、勉強会が始まればみんな真剣になった。

 ヤオモモがわざわざ参加者全員の不得意な科目の問題集のプリントまで用意してくれて、躓けば噛み砕いて教えてくれるしで、本当に助かってる。

 ただ、

 

「うーん……分からん」

「響香、分かんないの?」

「うん」

「オッケー。ダーリンさーん、ハニーさんがヘルプだってよー!」

「ちょ!?」

 

 こんな感じでウチが躓くと周りが勝手に白刃を呼ぶんだよね!

 そんで白刃も白刃で、

 

「おーう、今行くー」

 

 なんて恥ずかしげもなく返して、平然と来るし!

 ウチばっか恥ずかしい思いしてる気がするんだけど!

 表情は見えないけど透のやつめっちゃ笑ってる! めっちゃクスクス笑ってる声するし! 勉強どころじゃないんだけど!

 

「はーい、来たよ、響香ちゃん」

「あ、う、うん……ありがと……♡」

 

 くぅ、来てくれたのは純粋に嬉しい。

 というか、ウチしか気付けないと思うんだけど、白刃ってウチと話す時だけ声のトーン若干柔らかくなるんだよね。本人は自覚してないと思うけど、思い遣りがあって優しい人だから無意識にやってるんだと思う。

 こういう微かなところでも優越感というか、恋人として接してくれてるんだって感じてドキドキするんだよね。

 ああ、もう好き!♡

 

「響香ちゃん、聞いてる?」

「あ、ごめん……ちょっと飛んでたわ」

「……苦手なのは分かるけど、頑張って。もう一度教えるから」

「う、うん……♡」

 

 ああ、耳が幸せ。

 だけどすぐ隣で透が未だにクスクス笑ってるから、そのお陰で浮かれ過ぎずに済んだよ。

 あと峰田が無駄に切れ散らかしてくれたから余計に。

 

 ホント恥ずかしかったけど、勉強会に参加出来て良かった。




読んで頂き本当にありがとうございました!
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