前々回、前回と非常に下手くそな文書を投稿してしまい、本当に申し訳ございません。なぜいきなり日記形式ではなくなったのかというと、作者にとって《空の境界》という作品が大好きだったため、アニメネタを入れて雰囲気を壊したくない、と考えたためです。ですが、そもそもこの小説をお気に入り登録していただいている大半の皆様は序盤のギャグの方を読んでお気に入り登録をしていただけたのだと、今さらになって気付きました。ですので、今回から、また日記形式に戻したいと思います。迷走してしまい本当に申し訳ございません。そして、《空の境界》の世界観を楽しみたいと思っていただいている方については、この小説では前々回からかなり作風が変わってしまうので、お手数ですが別の作者様の作品をお探しください。本編前に長々と失礼いたしました。前回の夜からのスタートとなります。
──月──日 雨
あかん、我ながらキモすぎて吐きそう。どの口が「人は暖かさを求めてしまうモノなんだよ」なんてほざきやがるんですかねぇ。しかも、家に帰ってから咳とくしゃみが止まらんのだが。あかん、このままではこのノートがお茶の入ったコップを倒した小学生の宿題プリントみたいになってしまう。とりあえず、とっとと風邪を治すために寝ることにする。
──月──日 晴れ
今日一日、エレイシアに看病してもらった。まだ中学生程の子に看病してもらうのは大人としての沽券ががががが。
そういえば、なぜかことあるごとにエレイシアが抱きついてきた。そういうのは志貴君かアルクとやってください。
ちなみに、今日でわしはエレイシアよりも力が弱いことが分かった。いや、いくらシエル先輩といってもまだ中学生だぜ?その中学と組み合って一瞬でベッドに押し倒されるわしって一体・・・。腕相撲したらエミヤといい勝負になりそうだ。
話を戻すと、あと数ヶ月後の九月には本来であれば【殺人考察(前)】が始まるはずだ。つまり、あの数ヶ月のうちにコクトーと式を出会わせてなおかつ式がコクトーに気を許すぐらいまでは持っていかないといけない、というわけだ。
我ながら不可能のような気がするが、なんとかするしかない。
頑張って、蒼﨑紅!ここを耐えれば、夢の未来(幹式)が待っているんだから!次回、蒼﨑紅、生きる!
──月──日 曇り
ふぇ?な、なんでぇ?・・・・・・
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ある日のことだった。俺が熱でうなされている時、ピンポーン、とチャイムがなった。あいにく、青子、橙子、エレイシアは用事で出掛けており、『伽藍の堂』には俺一人が留守番をしている、という状況だったため、悲鳴を上げる体に鞭をうちながら扉を開けた。
「伽藍の堂、はここで間違いないかしら。蒼﨑紅さん」
おおよそ、こんな廃ビルには似合わない雪のような着物を着た、彼女が立っていた。
「貴方、これを落としていったのよ」
彼女が一枚の小さな紙を差し出す。その紙は日本に帰った時に橙子が作った名刺だった。
驚きすぎてフリーズした俺に構わず、事務所内に入った彼女は来客用のソファーに座った。
「こんなところにあるだなんて、見つけるのに少し手こずったわね」
たしか、伽藍の堂には橙子が人避けの結界を張っていたはずだ。それこそ、コクトーが本気で探さないと見つからないレベルのものを。
それを『彼女』ではない、式が見つけるなんて。まだ式に直死の魔眼は発現していないはずだ。つまり、式は結界を殺さずにこの場にたどり着いたことになる。人避けの結界を通り抜けるなんて、それこそ遠坂凛でも不可能だろう。
まずいことになった。向こうから俺に接触してくるなんて。おそらく、式はコクトーではなく俺に興味を持っている。最初に会ったのが俺だったからだろう。時計をチラリと見ると、針は午後四時を指し示している。時間から考えて、放課後、コクトーと話すことなくここに来たと思われる。まずい、なんてものじゃない。ヤバい。このままじゃ本当に《空の境界》が始まらない。一体どうすれば────。
俺の焦る様子を見て、彼女はふふっ、と小さく笑った。
これからも頑張りたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。