ーーー月ーー日 台風
とうとう二人目の妹が産まれた。名前は「青子」。これでついに「魔法使いの夜」が始まると思うと、一人の型月ファンとしては胸にジーンとくるものがある。
それはそうとしてなんか橙子さんの様子おかしくない?なんか、こう、獲物を見つけたライオンみたいな、唐揚げを見つけた小学生男子みたいな目でこっちを見ている。
ほらこうして日記を書いている間にも、後ろから抱きついてあばばばばばば
みみみみに息がががががが
ーーー月ーー日 晴れ
ほんとうにやめてください死んでしまいます(不夜キャス風)。
あぶないあぶない、あともう少しで兄でありながら妹の顔を見て鼻血を出す変態になってしまうところだった。
話を戻すと、魔法使いの夜時の青子の年齢が17歳だったはずであるため、原作開始までは残り17年ほどの虚無期間があることになる。
え?うせやろ?あと17年もあるん?ちくせう、転生の時に原作直前からって神を名乗るあのスケスケドレスの痴女神に言っとけば良かった。
まぁ、なったものは仕方ない。ここは魔術師らしく、魔術の鍛練に励むとしよう。
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私、青子にとって、兄である「青崎紅」への第一印象は〔怖い存在〕だった。姉が兄に私を近づけなかったためもあるが、一番の理由は何を見ているのかが分からなかったからだ。こちらを見ているようで、実際には私達ではなく、私達の後ろにある『何か』を常に観察しているように感じることがあった。かといって、私達を見ていない、ということはなかった。私や姉が兄の近くで遊んでいると、愛情に満ちた瞳でこちらを見ていたからだ。私はその矛盾が怖かった。それが恐ろしかった。だから、私は兄が近くにいるとき、できるだけ顔をみないようにしていた。でも、兄は私を嫌うことはなかった。
ある日のことだった。
私が保育所の帰り道に公園で遊んでいたときのことだ。車道に飛んだボールを取りに行った時、近くにあった車から大勢の男が出てきて私を取り囲んだ。そのまま車の中に押し込まれ、気がついた時には何処かもわからない場所に投げ出されていた。
男達は全員、私を見ると舌舐りし、襲いかかってきた。私はあまりの恐怖に震え、逃げることすらできずに、自分の最後を覚悟した。その瞬間の事だった。
『ソウェル』
その聞きなれた声が空間に響き渡った瞬間、彼らは
『俺の妹に手を出したんだ。それ相応の罰は受けてもらうぞ』
兄が来たとわかった瞬間、私は安心のあまり涙を流した。そこから先は圧巻だった。
彼らが兄に襲いかかるも、兄は軽くいなして呪文のようなものを発した。それだけでみるみる男達は倒れていった。そして、最後の一人になったときだった。男が私を持ち上げ、首にナイフを押し付けてきた。私は叫んだ。
『助けて、お兄ちゃん』
男のナイフが私の首を斬るより早く、兄の呪文が発せられた。
『アンサズ』
兄が燃え上がる男の手から私を離し、抱き抱えた。そのまま振り返り、帰り道に歩を進めた。私は、その夜の月に照らされる兄のルージュのような赤い長髪と、神に作られたように思うほど美しい横顔、その手のぬくもり、その瞳の優しさに幼いながらに、恋をしたのだ。
ちゃうねん。わしは普通の青子が書きたかってん。