99年目アニメ化PV見て触発されて筆を取りました!!!
テイエムオペラオー大好きだ!!!!!

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シニア期3年目 1月1日

「クラシック三冠の冠は、このテイエムオペラオーにこそふさわしい。そう思わないかい? 何故なら‪──‬」

 

 コレは、ボクが頂点に立ち続ける物語なのだから! 

 あの時の君は、この後なんと言っていただろうか……

 

 pipipipipipi…………

 

「朝、か……」

 

 洗面台へ行くボク! 辛気臭い顔で出迎える鏡の中のボク! 

 

「…………フッいや、わかってるよ。何時までもそんな顔するのは〝ボクらしくない〟よな。全く、キミはとことんイジワルだがそういう所も覇王らしくて好きだ。せっかくの正月なのにコレでは世紀末覇王の名折れだ」

 

 そう言いながら身支度を済ませ、部屋を後にする。それでも鏡の中のボクの顔が頭から離れない、〝恐れるな〟と言っているかのようなあの顔を。

 

「ボクは、何も恐れてなんかない……なのに何故だ、鏡の中のボクよ」

「すまんオペラオー、待たせた」

 

 近くで止まった車の窓から呼びかけてきたのは他でもない、我が親愛なる伴侶にして命分かちし戦友。トレーナー君だ。

 

「いいや、大丈夫さ。キミを思う熱で、寒さもへっちゃらだったからね」

「あのなぁ……まぁいっか、風邪ひく前にさっさと車に入りなさいな」

「あぁ!」

 

 そう返事をし助手席に腰を据える。元々は去年同様神社へ初詣をしに行く予定だったが、先程唐突にトレーナー君から一緒に行きたい場所があると言われた。別段断る理由もなかったから了承した。

 たどり着いた先は大きな山、その山頂だった。

 

「さて、そろそろ聞いてもいいかいトレーナー君? 今日何故ここにボクを連れ出したのかを」

 

 トレーナー君は眼下に広がる山々の景色に目を向けながら語り始めた。

 

「そうだな、一つは単純にリフレッシュだ。自然の中に入る事で心機一転する、今日なんて新年初日だ。まさにうってわけだ」

「それで?」

「それで、あとは」

 

 そう一旦息を整え、今度はボクに目を向けながら臆する事無く言い放った。

 

「我が覇王との行く末をもう一度決めようと思ったんだ、進むか……退くか」

「‪──‬は?」

 

 覇王に直接謀反宣言を。

 

「な、何を言っているんだいトレーナー君? 縁起でもない事を‪」

「俺が今迄、君の事でジョーダンを言ったことがあったか? テイエムオペラオー。それに確定で退く訳ではない、しっかりと君と話し合った末に〝もしかしたらそういう決定をするかもしれない〟と言うだけだ」

「‪──‬ッ」

 

 ふざけるな、そんなのこのボクが許すわけが無いだろ。

 声が出ない、目眩がする、足がおぼつかない。

 なんだ、なんだこれは? 一体なんだと言うんだ? 

 いや、理由なんてわかってるさ。

 

「は、はは……さしもの君も、最近の不甲斐ないボクを見てたらそう、考えても仕方ないか」

 

 そうだ、仕方ないのだ。あんなにも息巻いて己が頂点だと誇示していたのに関わらず勝ちきれない、1歩及ばない。

 覇王となれないボクと覇王の伴侶たる覚悟を決めた彼。コレはもう、決まった事なんだ……

 

「なぁ、テイエムオペラオー。俺はお前にとって、なんだ」

「?」

 

 俯き、涙すら目尻に浮かぶボクに、トレーナー君は不思議な問いを投げかける。

 

「ボクの、トレーナーだ」

「それで?」

「ボクの、誉れ高き戦友だ」

「そうだろう」

「そして、我が愛しき伴侶……だった」

 

 そこまで話してとうとう彼の顔には怒りすら見えた、そのままボクの目の前に立つと言葉を荒らげながら悲しそうに口を開く。

 

「嘘をつくなんてな、結局はこれもお前の物語の一幕に過ぎないのかな」

「ち、ちがっ」

「違わねぇよ」

「違う! 本当にボクはキミの事を誰よりも想って」

「なら、なんでお前は未だ一人で立とうとしているんだ!」

「‪──‬え?」

「なら、なんで今も俺の手を取ろうとしない! なんで今にも折れそうな足だけで立ち続けようとする!」

 

 ああ……ボクは……ボクが……

 

「俺たちは同じ場所を共に立ち続けるとあの日誓った、その為に助け合い頼り合おうと誓った筈だ!」

 

 ボクの方が、先に……

 

「コレを裏切りと言わず、なんと言う!」

 

 彼を裏切っていたんだ。

 彼の献身を裏切った、彼の心配を裏切った、彼の優しさを裏切った、彼の強さを裏切った。

 彼の覚悟を裏切った。

 ボクの足元には、雨が降っていた。

 

「〝オペラオー〟、あの日俺が君に誓った言葉を覚えているか?」

「あぁ……あぁ、覚えているとも」

 

 それなら俺は、オペラオーが何時かふらつくような事があればその時は‪──‬

 

「〝俺が君を、世紀末覇王と言うのは何か思い出させてやる〟」

 

 彼はあの時の言葉を一言一句、違わずにもう一度言ってくれた。ボクは彼の胸で叫んだ。

 勝てない悔しさ、それに揺らいだ自分の弱さ、彼のボクに対する覚悟の心地良さ。たくさんだ、たくさんの感情を一度に全てぶちまけた。

 

 

 ♢

 

 

「まずは世紀末覇王たる傲慢さを取り戻す」

 

 怒って驚いて泣いて叫んで、ようやく落ち着いた所に普段のボク以上にトンチキな事をぶっ込んで来たトレーナー君。

 

「流石にもう少しはインターバルを欲しいのだけれど」

「今逃したらお前逃げるかもだろ、根っこの所で変に気恥しさ属性持ってるし」

 

 そ、そんなことないよ……多分。

 

「とにかく、お前は今ライバルに負けて、それ以上に自分自身に負けてるんだ。そんな状態じゃ傲慢さなんて、到底出せない……だけど、覇王にはソレが絶対必要だ。なぜなら、世紀末覇王とは絶対的でないといけないからだ」

「言いたいことは分かるけど……」

「分かってる、オペラオー自身には必ず傲慢さを取り戻してもらう。だが、ソレはすぐじゃなくていい」

「なら、どうするんだい?」

「俺がその傲慢さという役割を肩代わりする」

 

 はい? 

 

「今日の夕方頃に会見を開く、そこで俺がある事を話す。オペラオーにはソレを実践してもらうだけでいい」

「だけって、ソレで傲慢さが出るってことはものすごい無茶ぶりなのが確定してるじゃないか?!」

「普通のウマ娘相手だったらな」

「だったら!」

「もう忘れたのか、お前は世紀末覇王テイエムオペラオーだ」

「ウッ」

「安心しろ、必ずお前なら出来る事だ。何ならこの命かけたっていいぜ」

「いや、流石にそれはちょっと……いいかな……」

「ねぇ待って、なんでそこで引くの?」

「と! に! か! く! その発表する内容ってのはなんだい? ソレを聞かない事には始まらないよ」

「あぁ、それはだな‪──‬」

 

 

 ♢

 

 某日某所、会見の会場には俺のツテで急の呼び声にも関わらず沢山の人がカメラやメモ帳を手に俺らの言葉を今か今かと待っていた。

 さぁ、番狂わせの何たるかを見せてやる。

 

「今日は皆さんお集まり頂きありがとうございます、今年やる事が決まったので早速皆さんにもお伝えしたいと思いこの場をお借りして話させて頂きます」

 

 その日、世紀末覇王が掲げた指標により中央レース関係者は震撼した。

 

「今年は出るレース全部勝たせて頂きます、コレは目標でもなんでもありません。既に俺らが定めた決定事項です」


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