おめでとう!悪役令嬢は悪のカリスマに進化した! 作:ギブソン・ガール
上半期の中間考査の科目は以下である。
●1年生必須科目
・一般教養魔術
・魔法学
・歴史
・総合薬学
・数学
●1年生選択科目
※全2科目の選択
・占術
・結界術
・詠唱術
・錬金術
・紋章術
・魔獣環境学
・霊薬学
・魔導工学
続いて、中間考査成績の順位。
首席
リーゼ・ポンパドール=ダックテイル
一般教養魔術…首位、100点
魔法学…首位、100点
歴史…首位、120点(来期分加点)
総合薬学…首位、120点(来期分加点)
数学…首位、100点
錬金術…首位、110点(来期分加点)
霊薬学…首位、120点(来期分加点)
考査合計点…770点
《所見》
非常に優秀な成績を収め、授業態度は意欲的です。
考査内の小論文は、非常に論理的かつ革新的な意見が多く、それぞれの担当教師の判断で満点を超えた科目が多かったです。なお、満点を超えた分の点数は来期分の考査に加点されます。
これからも引き続き優秀な成績を残せるよう、願っています。
次席
アールヴ・ナロー
一般教養魔術…第2位、99点
魔法学…第3位、98点
歴史…第2位、97点
総合薬学…第2位、100点
数学…第2位、98点
錬金術…第2位、100点
結界術…首位、100点
考査合計点…692点
《所見》
非常に優秀な成績で、ポンパドール嬢が居なければ首位を取れていた程の秀才です。
結界術に秀でているので、本人の希望通り、進路は中央魔法院を見据えた指導する方針です。
3位
トーマス・ジョン・デトワイア
一般教養魔術…第3位、98点
魔法学…第2位、99点
歴史…第3位、96点
総合薬学…第3位、99点
数学…第3位、96点
紋章術…首位、99点
魔導工学…首位、99点
考査合計点…686点
《所見》
紋章術と魔導工学では首位、必須科目も高得点ですが、最終問題で減点される傾向が多く、集中力の欠如がやや散見されます。
今後の課題は問題文の見直しと思われます。
素行は良好で友人も多く、有志研究の目処も立てているので、今後に期待が寄せられます。
4位
べアトリックス・セネル
一般教養魔術…第5位、96点
魔法学…第4位、95点
歴史…第4位、95点
総合薬学…第4位、97点
数学…第4位、95点
錬金術…第3位、98点
霊薬学…第2位、99点
考査合計点…675点
《所見》
入学当初は上位10名にも入らない程の成績でしたが、放課後もポンパドール嬢と自主学習を欠かさず行っていたようで、驚異的な成績の向上が見られました。
素行も良好で同級生との交友も多く、教員の手助けも率先しています。
運動能力がやや低いので、今後の課題は身体能力の向上と思われます。
5位
ハンプティ・ダンプティ8世
決闘士倶楽部所属(特別推薦枠)。
一般教養魔術…4位、97点
魔法学…52位、61点
歴史…最下位、13点
総合薬学…75位、38点
数学…最下位、15点
詠唱術…首位、225点(来期分加点)
魔獣環境学…首位、225点(来期分加点)
合計点…674点
《所見》
第8代目ハンプティ・ダンプティは、極端な成績で、特に歴史と数学は壊滅的ですが、名家に相応しい成績も収めています。
上半期の主な成績として王国立中央決闘会年少の部で優勝(最年少記録)、6年生との非公式対外練習試合に全勝、3等級魔獣環境巡検資格の取得があり、これらの功績は来期の考査点に加点されます。
今後の課題は必須科目の改善です。
…………………
ご覧の通り、1年生の中で圧倒的な成績を残し、同級生や教師だけでなく、上級生にさえ、その偉業は轟くことになった。
◆
あまりにも存在感の強すぎる生徒が居たので、軽く尾行したり、決闘士倶楽部所属の上級生に聞き込みをしたり、ベディが聞いた噂話を検証したりして、少し調べることにした。
ハンプティ・ダンプティ8世。
毛が一つもない禿頭で、顔は丸く、艶のある卵白の様な肌も相まって、まるで卵の擬人化だ。
体格は6、7年生の男子生徒と同じかそれ以上に大柄で、授業中だろうが決闘中であろうが常に何かを食べているため、かなり太っている。
目は常に充血していて、偏頭痛持ち、典型的な魔力性多血症の症状だが、食堂での様子を窺っても霊薬の服用している様子は確認できなかった。
性格は少し精神遅滞しており、どこか図々しいが気前も良く、娯楽が好きで無教養。
杖は木製の短杖…と言うより、もはや短めの棍棒。
外観を見る限り、塗装や装飾などをしていないほぼ生木のようだったので、直ぐに
阿利襪の木で出来た杖は硬くて重く、勝利や生命の象徴に結び付けられるほど、詠唱術と相性が良く、発声詠唱だけでなく無言詠唱や動作詠唱でも効率的かつ適正な出力で発動できる、高価な素材だ。
ちなみに、流石に杖芯までは特定できなかった。
主な功績として、本来は倶楽部活動が出来ない1年生にも関わらず決闘士倶楽部に顧問教員と在部生からの特別推薦枠で所属。
他校生や在校生との練習試合で無敗、決闘会年少の部で最年少優勝記録がある。
圧倒的な実積によって、本来必須科目なので一度でも基準点を下回れば原級留置されるはずの考査で最下位を取ったにも関わらず、特別に進級が許可された化け物である。
コイツを戦力として確保できれば、今後の計画がかなり有利になる。
買収や色仕掛けや交渉など、色々と手を組むための手段はあるが、普段の無茶苦茶な素行を見る限り、こちらの実力を示さないと、話を聞いて貰える事すら拒絶されそうだと感じた。
実際に決闘している様子をこっそりと覗いてみたが、
正直な感想、一対一でまともに殺り合えば、絶対に敵わない。
闇討ちや人質作戦以外で勝てる気がしない。
なので、何か勝利あるいは交渉への手掛かりを見つけるために、ダンプティ家について調べようと、深夜に図書館に篭ったり、貧民窟の情報屋を端金で雇ったり、過去の新聞を軒並み洗ってみたら、かなり興味深い来歴を発見した。
ハンプティ・ダンプティ家は112年前から存在する家系だが、初代から今代まで、
全員、
理由は定かではないが、初代ハンプティ・ダンプティは、実の妹であるロリーナ・ダンプティと14歳で結婚した後、妻に対して、中央魔法院に対してずっと隠していた、密かに開発した呪術を2つかけた。
1.子どもは必ず一男一女で産まれる。
2.子どもが14歳になると兄妹間で必ず発情する。
そして、初代ハンプティ・ダンプティは長男に2代目ハンプティ・ダンプティと、長女にロリーナと名付けた。
この悍ましい、異常で、狂気的な
過去の新聞の記述によると、初代以降のハンプティ・ダンプティ達は皆、多血質で精神遅滞で決闘に強く、妻を愛し、そして孫と顔を合わせることが出来ないほど短命であった。
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