ジョジョの奇妙な学園 ~stardust stratos~   作:エア_

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ほんとは28日に投稿したかったんだ。

でもパソコンがネットに繋がらなくなってな



まぁいいや。


とりあえず一万文字超えましたのですこし長ったるいかもですね。

すまぬなガルウィングさん。







あ、これはコラボ回です(今更な説明)

※サブタイ変更しました。


特別話~平行世界の仮面戦士

 

夏休み、空条承太郎は久しく実家へと帰省していた。母親であるホリィに顔を見せ、自身の無事を伝えに帰ってきたのだ。寮から帰るその途中、電車の中一人窓の外の風景に視線を向け、自身の空間を確立していた。これから数十分後には自身の家の前につき、玄関の扉を開ければ母親がいつものように抱きついてくるのだろう。そうすこしばかり面倒くさそうに、それでいていつも通りだとほくそ笑みながら、この帰省を満喫しようと考えた。

 

(この帰省中の間くらいはDIOの事を思い出さずにゆっくりと過ごしたいものだな。流石にこの休暇中に面倒ごと(いちかたち)に巻き込まれることはないのだろうがやれやれ、俺も一夏達(あいつら)の扱いに慣れたものだな)

 

帽子を深くかぶり隠れた顔。少しばかり隠れきれていない口端がほんの少し上がる。心を許した友が持ってくる面倒事を思うと、面倒だとは思っても嫌だと全否定しないあたり、やはり彼は心を大分許しているのだろう。それでもこの休暇を満喫し、休み明けの厄介ごとに備え、体を休める・・・・・・ようは締める時は締め、緩める時は緩めると言ったところだろうか。

 

だが、彼の休暇は休暇ではいられなかった。

 

駅のホームについた。聞きなれたアナウンスを耳にしながら承太郎は席を立つ。ドアが開くのを視認し、彼は駅のホームへと降り立った。

 

しかし、改めて確認したその風景は、自分がさっきまで見ていた景色とはまったく違うものだった。

 

彼の住む町はそれなりに栄えてはいるが、適度に緑の残った町だった。この町の町長はその緑を大切にし、今もなお続けている。町の住人はそんな町長を支持しているため、余程のことが起こらない限り町長が変わることなどない。

 

ならば今彼が見ている光景は何なのだろうか。都市ビルが多く並び聳え立つビル街、まさに彼が以前から見慣れていたものとは180°も変わっているのだ。

 

「・・・・・・いったい、どうなってやがる」

 

更にそれだけではなかった。右を見ても左を見ても先ほどまで確認できていた駅の姿が影も形も存在していないのだ。

 

この感覚を例えていうのなら、浦島太郎が竜宮城へ行き、戻ってくるとそこは既に何百年もたった未来だった・・・・・・そう、ジェネレーションギャップというのだろうか。よくわからないがそれだ。

 

あるいは、最近巷で話題? の神隠しに遭遇したようだ。

 

(なんだ? この感覚は・・・・・・ISの仕業にしちゃあ範疇を超えてやがる。だが、これがDIO達亡国企業の仕業か? だが、俺がISに関わった後、ちょくちょく実家には帰っていた。これだけの近代化は数ヶ月で出来るものじゃあねぇ、数年単位のはずだ・・・・・・つまり、ここは俺の住んでいる町じゃあない・・・・・・はずだ・・・・・・もしかすると)

 

承太郎は思考を巡らせ、またひとつ結論を見つけた。

 

(まさか乗る電車を間違えたか・・・・・・!?)

 

絶対に違う(コラボ的に考えて)

 

(だがさっきのアナウンスは紛れもなく俺の町の駅の名を読んでいた。特別難しい名前ではないがそんなに多い名前ではない。ならばいったい、何が起こってやがる)

 

もしも彼がスタンド使いとしてこの場にいるのであるならば、こんなに戸惑うことはなかったのかもしれない。スタンドの仕業であると仮定すれば、対処の仕方もわかる。つまり目的を持った動きができる。しかし彼はIS操縦者、それも国を背負った国家代表だ。目的もない我武者羅な動きなどできない立場の彼は、動きたくても思うように動けない。承太郎は帽子をかぶりなおすと、いつもの口癖を吐き散らし、あたりのビル街をゆったりと進んだ。止まっていても仕方ない。行動が一番だと、例え立場がどうであろうと関係ないと言いたげに彼はその当てのない解決方法を求め、その足を前に繰り出したのだった。

 

(まぁ、最終手段でジジイに連絡するか・・・・・・ラウラにこんなところは見せられねぇ。なんて顔して迎えに来るかわかったものじゃあねぇ)

 

残念なところを見られて困るというより、助けを求めた時のラウラの反応が気になる承太郎は、連絡手段の一つをプライドで潰してしまった。たぶん本人がそのことを知ったら絶望して引きこもるのではないだろうが、この事は彼の心の中に押し込め墓まで持っていってもらおう。

 

ビル街を練り歩くこと数分。住宅街へとその足先は向かっていった。もしも戦闘をするならビル街に行き民間人を避けるような戦いをするだろう。だが彼は戦いに来たわけではない。身を隠しながらも、情報を集めるため、住宅街とビル街のちょうど境を進んだ。

 

そこまでくるとビルというビルが先ほどの3分の1以下に数を減らし、代わりにマンションや一軒家を多く見るようになった。こういった住居の密集はどこでも同じなのだろうかと承太郎はふと考えながらも、ここがいったいどこであるのか情報を求めて歩みを進めた。

 

神隠しもどきにあって既に4時間はたった頃。承太郎は歩みを止め、目の前のそれにその視線を向けていた。

 

何か変わった点があったということではない。ただふと立ち止まってみるほどのものがあったかといえばそんなことはない。ただの何処にでもありそうな店に承太郎は違和感を覚えることなく、その店を見つめていた。すると承太郎は何を思ったのか、おもむろに進行方向をその店にむけ歩みを進め、その扉を開けた。カランコロンと喫茶で聞くような音が聞こえたかと思うと、物腰の落ち着いた男性の声が聞こえた。

 

「いらっしゃい」

 

「・・・・・・ここは、写真屋か?」

 

「えぇ、趣味でコーヒーを出す写真館ですよ」

 

店に入ると、見た目とても優しそうな老人が丁寧な対応をしていた。あたりに人がいないのを見ると、一人で切り盛りしていると伺える。見た目相当な老体であるのかはわからないが、承太郎はほぅと感嘆の声を上げた。

 

「確かに疑問に思っていたぜ。【光写真館】と書かれているのに、コーヒーの香りが強かったからな」

 

「あくまで趣味だよ。それで? 飲んでいくかい?」

 

「・・・・・・なら一杯いただこう」

 

その落ち着いた物腰に、老人は軽く会釈すると店の奥へゆっくりと消えていった。それを見送った後、承太郎は店を一周見渡した。自身の想像していたような写真屋そのもので、辺りにある機材に触れては感心し、そして丁寧に持ち上げた。一つ一つが大切にされているのが素人目から診てもわかる穂d細部にまで掃除が行き届いた機材、歴史を感じさせながらもその光沢を鈍らせないオールドマシン達に心底感服した。

 

(流石は職人と言ったところだな。あの爺さんは何年もしてるんだろう。ここまで綺麗に手入れされてこいつらも機材冥利に尽きるってもんだ)

 

再びキョロキョロと辺りを見渡すと大きなスケッチボードを髣髴とさせる壁が一枚存在した。何を思ったのか彼は、そこへ向かい壁を背にして立ってみる。

 

(・・・・・・こんな事をしたのは何年ぶりだろうか)

 

幼い頃、家族と取った写真を思い出した彼は、懐かしい思い出に耽った。まだ8歳の頃だ。彼の周りには今世界中で音楽を奏でている父空条貞夫、そんな父を広い心で待ち続けている母空条ホリィ、そんな母を溺愛して周りのことを考えない祖父ジョセフ=ジョースター。そんな祖父と親友になった変わった中年の男性更織楯無。そしてその娘で今の彼の先輩に当たる少女更織刀奈の姿だった。

 

(あの頃はIS何ざ関わりがなくて、ただの平々凡々な生活だった。今ほど非日常じゃあねぇがそれなりにやんちゃをしてたな)

 

一通り眺め終わると、カウンターの椅子に腰掛け、飾られている写真へ視線を向ける。そこに写るいくつかの写真には見慣れた人間がちらほらと、そしてその隣には知らない青年が写っていた。

 

一瞬目を見開き、その写真をじっくりと眺め、そうして理解した。その写真数枚によってすべてを理解したのだ。

 

(まさか・・・・・・別の世界に来るなんてな・・・・・・やれやれだぜ)

 

どのような事があって等の行程は一切理解出来ない。だが、現状自分が置かれた立場についてはすぐに理解できた。確かに一瞬目を見開いたが、そのおかげで理解できたのだ。

 

本来写真、それも少し古いタイプの写真屋は四隅のどこかに取った日の日時を正確にデジタル数字を用いて書かれているものだ。その日時の一つ、ラウラが写った写真の日時を見ればすぐにわかるのだ。

 

彼女が写ったその写真は・・・・・・彼女が承太郎とモールで買い物をしているちょうどその頃なのだ。写真に書かれた日時は紛れもない本物であるならばこの写真は自分の世界ではありえるはずがないのだ。嘘の日時であるかも知れないが、何のメリットも写真屋にはない。つまり、別の世界などという大それた考えが生まれるのは仕方のないことなのかもしれない。

 

「・・・・・・おや、その写真が気になるかい?」

 

「・・・・・・あぁ、知り合いに似たやつが写っていてな。少し違うようだが」

 

「そうなのかい? まぁいいか。さて、お待たせしてすまないね。これが僕の淹れたコーヒーだ。召し上がってください」

 

そう言って老人はカウンターにお皿に載せたコーヒーカップを音すら立てずに置いてみせる。見た目相当なご老体だというのによくもまぁ綺麗に老いて魅せると、承太郎は口癖を吐かずにはいられなかった。

 

「はじめに言っておくぜ? 俺は不味い物には金を払わねぇ。そうやって生きてきたんでな。そこら辺は覚悟しといてくれよ?」

 

「なぁに、もとよりお金を取るつもりはないよ。ただここへ訪れた珍しい(・・・)客には欠かさず出しているんだ」

 

「・・・・・・その顔はもう俺を見抜いているな? やれやれ全く、休みだっていうのに気が抜けねぇな」

 

流れるような会話をし終えると、承太郎はカップを持ち上げそのコーヒー独特の香りを花で楽しんだ。

 

深呼吸をすればその香りが自身の肺と胃袋へ流れ込む。旨いコーヒー独特の香りを発する眼前の一品。見るからに絶品であることを物語っているようだ。

 

鮮やかな黒と茶色の絶妙なバランスに、たまには騒がしくないこんな朝を迎えたいものだとしみじみに思うほど彼の心は穏やかになった。

 

クィッと口の中へ流し込む。その独特の苦味と渋み、そして酸味が彼の口腔内を刺激する。苦渋など一切感じないその快楽とも言って良いほどの旨みが広がり、彼の心を弾ませる。

 

 

旨い・・・・・・。

 

 

そう心の底から思えたのは何時以来だろうか。彼の心は虜になったと言わんばかりにそのコーヒーを求めた。

 

喉が一つ、また一つと音を鳴らす。この味を全身で感じたいと細胞が語りかけるように彼はそのあまりにも小さすぎるカップの中にあるあまりにも少ないコーヒーをものの数秒で飲み干してしまった。

 

「・・・・・・どうだい? 僕の淹れたコーヒーは」

 

「・・・・・・あぁ、言葉にできねぇしろものだが、あえて言葉にするなら・・・・・・【旨い】。最高の一品だったぜ」

 

「それはそれは、淹れた甲斐があるね」

 

そこから暫く、老人と承太郎はいろいろと語った。コーヒーの話からいろいろと発展してゆく話は止まることを知らず、二人の時間は加速をしていった。その中で老人は彼の存在を理解した。

 

「・・・・・・そうか、やはり君が今回の漂流者だね?」

 

「やっぱりというか、前例があるんだな?」

 

「う~ん、前任者とでも言うのだろうか。以前からこうやって漂流者が訪れることはあったんだ」

 

老人・・・・・・光栄次郎が言うには、以前にはイマジンとよばれる人外生物が来たこともあるのだとか。肝っ玉の強い老人だと感心した承太郎は、そんな着物強さに感心しながらも帰り方を知らないかと尋ねた。

 

「そうだね・・・・・・僕の知り合いが道を開いてくれるよ。外にいる彼がすぐに連れてきてくれるだろう」

 

「ん? 誰のことだ?」

 

『おや私には気がつかなかったようですね』

 

外から電子音が聞こえたかと思えば、栄次郎がその扉をガチャリッと開いた。そこに存在したのは一台のバイク。とても普通の公道を走っているものとは逸脱したフォルムのそのバイクはライトを点滅させながら器用に挨拶をしてきた。

 

「・・・・・・やれやれ、漂流の次は喋るバイクか。最近徹夜続きで頭が痛くなるな」

 

頭を抑えるしぐさを見せる承太郎にバイクはお礼と捕らえておきましょうと得意げに答えた。なかなかどうして今まで彼の周りにいないタイプのその性格に、彼は笑わずにはいられなかった。

 

「とりあえず悪ぃが・・・・・・その元の世界へ戻してくれるってやつの居場所へ連れて行ってくれないか?」

 

『いいでしょう。乗ってください』

 

バイクの了承を得るなどという前代未聞な事を目の当たりにした承太郎は若干違和感を覚えながらもバイク・・・・・マシンディケイダーに跨った。大型のバイクだというのにそんなに大きく見えなくなるほど巨体な彼は独りでに動き始めるバイクに驚きを隠せなかった。

 

加速するマシンディケイダーに慣れ始めた彼は目的地へつくまでに、元の世界へ返してくれるであろう存在、門矢士についてレクチャーを受けていた。

 

「とりあえず、写真以外は何でもできるってわけか」

 

『はい、少々高飛車な点もありますが、彼にはそれに見合った実力が御座いますので』

 

「興味ないな。俺は元の世界に戻れるんならそいつの性格なんざどうでもいいだろ?」

 

『左様ですか』

 

「あぁ、どうせもう会うこともねぇだろ? そんな奴を覚えてもどうにもならねぇよ」

 

少しドライに言い放つ承太郎に、マシンディケイダーは若干不満を見せている。確かに自身の相棒を《その程度》と言わんばかりな彼に少々むかっ腹を立ててしまうだろう。だが、もし彼のことを一ミリでも理解できていれば・・・・・・そうだとも、彼の世界の友人ならすぐに気がつくのだろう。

 

彼は繋がりが切れるのを嫌う。その為なら繋がりを新しく作ろうとはしないということに気がついただろうが、残念なところこの世界には彼を知るものなど一人もいなかった。

 

いくら最近一夏達によって性格が穏やかになったからといって、彼の本質は変わりはしない。そのクールな仮面のうちに存在するのは一族きっての気性の荒さと、大切なものを失うことに対しての恐怖だけだ。

 

『・・・・・・そうですか、それは残念です』

 

「・・・・・・やれやれだぜ」

 

話していると、既に目の前には見慣れたはずの建物、IS学園が見えてきた。水上を低空飛行するバイクにもはや驚きもしない承太郎は面倒なことになったとため息を吐かずにはいられなくなった。

 

彼自身の姿は確かにいつもの黒い学ランである。それはもしもの時のためもあるが、彼自身学生の身なのだ。学生が学ランを着ている事に可笑しな点など一つもない。だが、問題はそこではないのだ。

 

彼は今、ISを所持している。この一言で皆すぐに理解できるだろう。

 

そうとも、世界に497個程しかないISを見ず知らずの男が持っていたらそれこそ職務質問されてしまう。そんな時に別の世界から来たなどと面と向かっていえるだろうか。彼なら言うかもしれないが普通言わないだろう。頭が狂っていると思われても仕方がない。

 

(まぁ、堂々としてりゃあいいだろ。もしもの時はもしもの時だ)

 

少し楽天的な考えだが、もうこの状況は成り行きを見守るほかないのだ。確かに、元の世界では最強と呼ばれた千冬と暮桜を相手に遠距離武器など一切なしでその四肢のみで対等に戦い抜いた彼だ。余程のことがない限り引き分ける事はおろか負ける事はないだろう。

 

『さぁ着きました。士の方には既に連絡をしています。第2アリーナへと向かってください』

 

「あぁ・・・・・・礼を言うぜ」

 

自分はここまでと言わんばかりに停止をしたマシンディケイダーから降りた承太郎はまるで自分の庭のように(元の世界じゃ毎日通る場所)歩み始めた。右を向いても左を向いても自分の知っている風景。変わることない懐かしい?風景であった。

 

道行く人々がなぜ男がいるのか不思議そうに観察している。彼が放つオーラに気圧され近づくことが出来ないでいたのだ。途中警備員が現れたが端的に目的をいい、簡単に足払うと目的の青年、門矢士のいる第2アリーナへと足を踏み入れた。

 

 

 

 

砂埃が何故か舞う第2アリーナ、その中央には目視するだけで10人確認できる。その中でも、彼が名を知っているのは9人。

 

織斑一夏、織斑千冬、山田真耶、更織楯無、篠ノ之箒、鳳鈴音、セシリア=オルコット、シャルロット=デュノア。

 

そして、ラウラ=ボーデヴィッヒである。

 

「・・・・・・平行世界であり可能性の世界へ漂流したとはいえ、やれやれどうしてこうも皆似ているんだろうな」

 

「とりあえず、はじめましてだな。俺が門矢士だ。よろしく」

 

「別にこれから会わねぇ奴に宜しくするつもりはねぇよ」

 

その言葉にその場にいた人間の殆どが険悪そうに彼を睨んだ。確かにもう会わない存在ではあるが、何も口に出して言うこともないだろうと思ったからだ。そんな険悪ムード張り針の中、山田教諭は今にも泣き出しそうになっている。ちなみに楯無は疎外感MAXである。

 

そんな重たい空気を打ち砕くようにソプラノの声が響いた。

 

「感情的な奴らですまないな・・・・・・お前が門矢の言っていた漂流者という男か? 私は織斑千冬、ここの学園の教員だ」

 

一歩前に出て彼を見上げるのは黒のレディスーツのよくにあう千冬だった。この空気を打開するために、彼女が仲介を買って出たのだ。そんな彼女へ、いつもならアリーナではジャージなのになと内心そのギャップに苦笑しながら、承太郎は端的に自己紹介をした。

 

「・・・・・・空条承太郎だ。今回は迷惑をかける」

 

「あぁ・・・・・・ところでだ空条、門矢が言うには平行世界に住むISの使い手らしいな」

 

千冬の言いたい事を何となく察しがついてしまった承太郎は大きくため息を吐き出した。

 

もしもこの世界の彼女が自分の知っている千冬と同じなら言うことは大体わかる。まぁそれほど親しい仲だったのだ。

 

「つーわけだ門矢士とか言ったか・・・・・・とりあえずISを起動しな」

 

「why!? 唐突にどうしたってんだよ」

 

「ようはテメェんとこの教員が俺の実力を知りたいらしくな。出来るならさっさと帰りたかったがやれやれ、納得しないと帰してくれそうにないからな」

 

「という訳だ門矢。本気で行け」

 

初対面なのに何故こんなに連携が取れるのか理解出来ないその他全員はこの謎の同調を前に目を疑った。

 

「教官! 嫁が出る幕もありません。ここは私が」

 

「いいえ、ここはイギリスの代表候補生、セシリア=オルコットがお相手しますわ」

 

「織斑先生! 相手の力がわからないならオールラウンダーの私が行くべきです!」

 

ヨーロッパ三姉妹がいち早く手を上げた。確かに自分の好きな人間を負けないにしても道の存在と相手させたくはない。それがわかってか承太郎は今日何度目になるかわからないため息を再び吐く。ため息を吐くと幸せが逃げるというが、もう逃げる幸せすらなさそうだ。

 

「面倒だ。テメェら全員かかって来な。片っ端から叩き潰してやるぜ?」

 

「ほぅ、これでも私の教え子だぞ? そこらのチンピラと一緒にしてないか?」

 

「興味ないね。さぁ、やるのか? やらねぇのか? 提示してんだ。さっさと決めな」

 

全員・・・・・・この中にはあのロシア代表の楯無も入っている。いくら承太郎でも個々を倒せても全員を倒せるとは思えない。その何処から湧き上がって来るのかわからない自信に、山田教諭は驚きを隠せないでいた。

 

「待つのはしょうに合わないんでな。さっさと来な」

 

「・・・・・・All right 何だかしらねぇが、後悔すんなよ」

 

士がそういうと同時に、後ろに控えていた一夏達はその肉体にISを纏う。既に戦闘準備は万全だ。あとはこの戦いの鍵が開かれるのを待つだけ。

 

「一応聞いておいてやるぜ・・・・・・テメェ何様だ?」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

マゼンタ色の戦士が率いる代表候補生達と星をも砕く拳士の闘いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

先ずは小手調べと言わんばかりにセシリアが得意の狙撃を始める。当たればただでは済まない鋭利な射撃はけん制には十分なものだった。承太郎はそのダイアモンドよりも固いと思わせるその拳を用いてビームを弾いていく。

 

「嘘っ、ビームを拳で弾くなんて」

 

「セシリア、構わず撃ち続けなさい!」

 

しかしそこへ立ちふさがるのが鈴音、箒、一夏の近接戦闘者達だった。まず迫る鈴音の牙月を蹴り飛ばし体勢が崩れたところをその足を持ち上げジャイアントスイング一夏を薙ぎ払い後方で捕らえているシャルロットへと投げ飛ばした。

 

「鈴っ、大丈夫!?」

 

「ダメージはないわ。でもあいつの立ち回りは異常よ。まるで軍師と戦士を掛けたような男だわ」

 

承太郎はすぐさま飛び上がり、上から迫る楯無のランスへと身構える。その間もセシリア、そして一瞬呆然としていた士からのビームを避けつつ、彼女へ迫った。

 

「あら、それは悪手よ?」

 

「残念だが・・・・・・これで失敗した(ためし)がねぇんでな」

 

ランスをスター・プラチナが受け止め、承太郎自らが楯無へ拳を放つ。鎧の上から伝わるその重たい拳に、一瞬顔を歪ませながらもなんとか彼から離れ体勢を整える。流石は代表と言ったところだろう。そこへ、ついに士が近づいてくる。となりには一夏もいて二人で同時に攻撃するようだ。

 

「『ATTACK RIDE・・・SLASH!!』一夏、一気に決めるぞ」

 

「おう!!」

 

着地地点を確認した承太郎はそこへ迫る二人を目視し視界に捉えた。良い連携だなと少し余裕を持ったのか関心をしつつ綺麗に着地をしてみせる。そこ目掛け士のライドブッカーソードモードの下から押し寄せる縦一閃と一夏の雪片の上から迫る縦一閃。本来ならサイドに避け崩した体勢を整えなければならない。だが、そのサイドにて目を光らせているのがラウラのレールカノンであった。セシリアもビットを飛ばし彼女の援護に回っている。すぐに横へ動けば二人からの一斉射撃が彼を蜂の巣にするのだろう。

 

だが、別の世界であろうとも、世界最強という肩書きは伊達ではなかった。

 

「ウェイ!? そんなのありかよ!?」

 

「素手で、受け止めた!?」

 

そうとも、世界最強は素手でさえも最強たるものだったのだ。放たれるビットからの攻撃をスター・プラチナに任せ、本人はその両の手で二人の剣一閃を止めていたのだ。長身の利点は体に応じたため四肢が長いこと。それを利用し承太郎は剣の根元を思い切り握り締め、攻撃を中断させていたのだ。すぐさま二人は左右に退避するとその真後ろから迫り来るレールカノンの銃弾。しかし彼は迷うことなくその銃弾を己の拳で殴りぬいた。とても並の人間では出来ない事を彼は平然とやってのけた。側だけを残した銃弾の芯は遥か彼方に吹き飛びアリーナのシールドに突き刺さった。

 

「ば・・・・・・化け物かよ」

 

一夏の思うことは間違いではない。普通の人間が出来るはずもないのに、簡単にやってのける承太郎を人間のカテゴリーに入れてよいものなのだろうか。考え物である。

 

しかし、戦いは終わっていない。箒が承太郎の横っ腹目掛けて超高速で迫ってきたのだ。彼女だけ打鉄ではあるが、元々のセンスも光ってか他に劣らぬ動きを見せる。ISブレードの切っ先が承太郎の首を捉え、切り裂かんとした瞬間。箒の体が上空へと吹き飛ばされていた。

 

そう、スター・プラチナが一時的に承太郎の中へと潜伏していたのだ。

 

「な、なんて動きだ」

 

「俺のISは【憑依型(スタンドタイプ)】。卑怯というんじゃあねぇぜ?」

 

未だに続くセシリアのビットから放たれるレーザーの嵐を軽々と避けながら、迫るシャルロットのパイルバンカーをスター・プラチナで受け止め、

 

「オラァッ!!」

 

そして握りつぶした。流石はスター・プラチナと言ったところなのだろう。その力はまさにこの世界では異常と言っていいほどのシロモノである。その後すぐにシャルロットの装甲に拳を毎秒50発叩き込み、シールドエネルギーをゼロにする。

 

「てめぇが一番面倒だ。潰すならてめぇからだな」

 

「ぐっ、ごめん士」

 

「いんや、このタイミングならナイスだ!」

 

振り返ったその目の前に先ほどから動きをみせなかった士が現れる。その手のライドブッカーはガンモードに切り替わっておりゼロ距離からビームを発射できる状態にあった。

 

「驚いたぜ、あんたみたいな超近接超高速超打撃のタイプは俺みたいなカードをつかうタイプの天敵だぜ。だったら」

 

『ATTACK RIDE・・・BLAST!!』

 

「【この距離なら、バリアは張れないな!!】」

 

一発、二発と撃ち込まれるビームに承太郎はこの試合初めてのダメージを受ける。それも10や20といった小さいダメージではない。大きく100やら200のダメージを負ってしまう。本来なら大会規約やらでシールドがゼロになっていたはずだろう。だが、その考えが甘かった。

 

何せ承太郎はDIOとの戦闘のあと、そのシールドエネルギー量を本来の30000(未だ上限あり)から下げていなかったのだ。

 

「しぶといなぁあんた!!」

 

「生憎、頑丈なのが取り柄なんでな」

 

「嘘付け、この似非軍師が。軍師が戦場に出てくんな!!」

 

「今時頭のきれる不良は珍しくねぇんでな」

 

承太郎が士の手首に膝蹴りをかます。あまりの衝撃にライドブッカーを手放してしまった彼を目の前に、スター・プラチナの高速正拳突きが炸裂する。シールドゲージが表記されているビューワーが大きく揺れた。仰け反りながら吹き飛ばされる士を目の当たりにして、一夏達は一瞬だが呆然とした。

 

何ということだろうか。目の前の巨漢は今、8人のIS、それも殆どが代表候補生、そして一人は代表、そしてもう一人はあの千冬ですら負かした男。この構成であったというのに、この空条承太郎という存在はその全てを正面から叩き伏せたのだ。小細工などない。ただの正拳突きと蹴り、そして少ない立ち回りで圧倒しているのだ。呆然としないわけがなかった。

 

「どうした。もっと来いやオラァッ!!」

 

「くっ、本当に化け物じゃねぇか」

 

その咆哮に一夏は悪態をつきながらも、その手に持つ雪片弐型を構える。負けられないと強く思う。強くなりたいと刹那に願う。そして再び彼へ向かって飛び出した。

 

「・・・・・・良い目してんじゃあねぇか」

 

放たれた雪片をその拳で打ち砕かんとスター・プラチナが構えたその瞬間。

 

「一夏君!! そこから離れて!!」

 

「へっ!?」

 

「この声は・・・・・・ちっ、忘れてたつもりはなかったんだがな。スター・プラチナッ!!」

 

突如として聞こえた楯無の叫びと共に一夏はラウラのワイヤーで回収された。そのコンマ数秒後に承太郎を中心とした半径20mにて超高密度の水蒸気爆発が起こった。流石の彼も一たまりもないだろう。

 

ボロボロになり、少し体を引きずりながらも士が戻ってくる。その体を支える鈴も満身創痍で己の武器は龍砲共々使いようがないほど壊されていた。一度大型メンテナンスを実施しなければ直らないのではないかと言うほどだ。シャルロットは既にラファールを収納し終え、千冬達と共に彼らの勇姿を見守っていた。ここでまだ無事なのはセシリアとラウラだけではないだろうか。肩で息をする楯無と箒。もうランスもブレードも砕けており、彼らの攻撃手段は殆ど残されてはいなかった。

 

「これで倒せなきゃ、私達の負けね」

 

「悔しいですけど・・・・・・そうですわね」

 

「いや、まだ私とセシリアがいる。終わったと決め付けるのはよくない」

 

轟々と煙を上げるアリーナ中央。煙が次第に納まっていく中、皆が目撃したのは。

 

 

「・・・・・・やれやれ、あの時の爆発よりも派手にやったな。楯無」

 

「う、うそ」

 

「無傷だというのか?」

 

目撃したのは埃一つついてない学ランを纏い悠然とした歩みをする承太郎の姿だった。あの爆発までのコンマ数秒のうちにスター・プラチナのギアを一瞬だけトップにあげ、その時のエネルギー放出により爆風を吹き飛ばし身を守ったのだ。ATPを用いたエネルギーは酸素が供給される限り無限に作られる。彼は曽祖父から続く波紋の呼吸を使ったように高速、それでいて一回の呼吸量を多くし、エネルギーを急造させた。若干世界がぼやけるときがあるが、承太郎は構わずゆったりと歩いた。

 

皆が戦意を喪失する中、士だけが前へと歩み寄ってきた。鈴音から離れた彼は時折倒れそうになりながらも、その手に持つカードをバックルに入れる。

 

「確かにお前は強い。だがな、俺も負けられないんでな」

 

『FAINAL KAMEN RIDE・・・BLADE!!』

 

[EVOLUTION KING!!]

 

バックルにカードを入れたかと思えば、士はその姿をマゼンタ色から金色の姿へと変貌した。先ほどの面影といえば昆虫のような大きな複眼をモチーフにしたアイシールドとバックル以外は何処にも存在しない。

 

「これで、決めさせてもらうぜ」

 

『FINAL ATTACK RIDE BBBBRADE!!!』

 

バックルが何かを叫ぶ。すると士の持つ大剣、【重醒剣キングラウザー】へと五枚のカードが挿入されていった。一枚、また一枚入ると共に、その大剣の刀身の金色は輝きを増す。

 

[SPADE TEN JACK QWEEN KING ACE・・・ROYAL STRAIGHT FLUSH!]

 

「・・・・・・はぁ、感情的な部分があると推測したはいいがやれやれ、ここまで熱いとはな・・・・・・スター・プラチナッ!!」

 

スター・プラチナのリミッターが再び外された。その周囲を闘気が包むように空中へ生命エネルギーによる水蒸気が現れる。承太郎を再び眩暈が襲う。しかし彼の体は打ち勝ち、眼前の敵に向かってその眼光を光らせた。

 

「ハァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

黄金の一閃が承太郎目掛け放たれた。ただ愚直に真っ直ぐと飛んでくる士の攻撃は、今までに一度たりとも見たことのない莫大なエネルギーを有した塊であった。スター・プラチナから警告音が聞こえる。直撃すれば最悪意識不明になると訴えかける。だが、承太郎はそれを聴かなかった。彼は警告音を無視し、両腕をクロスさせ真正面からロイヤルストレートフラッシュをまともに受けたのだ。バチバチと鳴り響く機械音。スター・プラチナを体内にしのばせ、その肉体を保護し攻撃に耐えているのだ。ズリズリと後退する彼の体は仰け反りはしない。だが足が砂のせいでうまく踏ん張れていないようだ。ジリジリと後ろへ下がってしまう承太郎。だが、彼は次の瞬間、皆の想像がつかないことをやってのけたのだ。

 

[オラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!]

 

 

そう。その両手を大きく広げたと同時に、士の攻撃を消し飛ばしたのだ。

 

桁違いの腕力、桁違いの耐久力、そして桁違いの精神力があったからこそ出来たことであり、それこそスター・プラチナと空条承太郎のシンクロがあったからこそ出来た完璧な力技であった。それを最後まで見届けると、士の変身は解け、大地に体を倒れこませた。

 

かくいう承太郎も限界だったのか、それとも緊張が解けたのか。士が倒れたのを確認すると、糸が切れたように前のめりで倒れこんだ。

 

 

この勝負、セシリア及びラウラ、鈴音、箒、一夏、楯無が戦闘を続行できるため、士達の勝利である。

 

 

 

 

「たぶん、このオーロラで戻れると思うぜ」

 

「確信を持てないんじゃあお前は二流だろうぜ」

 

「いんや、どれも一流にこなせるぜ。写真を撮ること以外はな」

 

「もう一つある・・・・・・全てを一流にこなすも出来てねぇからな」

 

あの戦闘から二時間後にきっちりと目を覚ました承太郎と士。清清しい朝を迎えたように晴れ晴れとした表情の二人はどこか打ち解けたようにも見える。決して隣に置いてあるセシリアの料理に殺気を感じたからではない。本当である。

 

その後、オーロラを出現させ(今回限りだと思われる)た事により本当の別れとなる。

 

「じゃあな空条。次はタイマンで勝つぜ」

 

「それは無理だな。先ずはテメェら束をまとめて倒してからだ」

 

「よくいうぜ」

 

互いにがっちりと握手を交わし、友好を示す二人は既に和解をし終え本当の意味で友人になった。

 

「寂しくなったら来いよ。コーヒーくらい出してやるから」

 

「あの爺さん以上のシロモノじゃあねぇと俺の口は受け付けねぇよがな」

 

「マジかよ。至難の業だぜ」

 

「精々努力しな・・・・・・テメェもこっちに来ることがあるなら俺を頼りな。ジョースター財団、SPW財団。どっちに連絡しても俺に掛かるよう手配しといてやるからよ」

 

「おぅ。その時はよろしくな」

 

オーロラへと足を突っ込み、承太郎はその姿をオーロラの中へと消してゆく。士はその姿が見えなくなるまで最後まで見届けたのであった。承太郎も別れを惜しみながら、オーロラを抜け、あの時聴いたアナウンスを耳にした。

 

「・・・・・・戻って、きたのか」

 

元の世界へ戻れたことによる安堵を肩をおろすことで表現すると、自分の名前を呼ぶ女性の声を耳にした。

 

言わずもがな、母ホリィであった。

 

「・・・・・・ったく、あっちもこっちも騒がしい奴らだな」

 

帽子を深く被ると、承太郎は母の元へと足を向ける。今度は変なオーロラに飛ばされないように、そしてまた出会えるであろうオーロラの向こうにいる友人との短い思い出を母に語るために。

 

彼は、再び足を前へと振りかぶった。

 

 

 

 




難しいな。コラボって・・・・・・。

次は書いてもらおっと
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