世界一の大剣豪になりたくて!   作:リーグロード

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ブシン祭を書きたい!でもその前にシャドウガーデンとの関係も作りたい!!
そうだ、ゼータを使おう!


ミホークとゼータ

 ブシン祭5連覇という履歴もあり、予選を免除したシード枠として出場することが決定した。

 暇つぶしに予選を遠くから見物するが、どれも見るに耐えん内容の試合ばかりだ。

 

 あのジミナとかいう男ならばと思ったが、雑魚を相手に手を抜いた試合だった。

 まあ、一定以上の実力者にしか分からない高速戦闘は余興としては面白かったが。

 

 俺がいない間のブシン祭優勝者のアイリス・ミドガルという女魔剣士も遠目で確認したが、あれは駄目だ。

 才能があるだけでこの世界の連中と技術の差で言えばどんぐりの背比べとしかいえん。

 

「やはりこの祭りで俺の剣を振るうに値するのは、ジミナ。お前くらいなものか……」

 

 落胆した感情のまま、俺はさっさと宿屋へ帰り上等なワインを堪能して眠りについた。

 だが、ここで問題が起きた。

 

「…………寝るのが早すぎたか」

 

 昼に飲んで寝た為に、起きた頃には陽が沈んだ真夜中だった。

 これは流石に反省せねばなるまい。今の俺にとってブシン祭がいくら程度の低い子供のチャンバラ大会に成り下がってしまっていたとはいえ、いい大人が生活リズムを崩すハメになるとは。

 

「散歩にでも行くか」

 

 ジミナとの出会いも会ったのだ。今夜の散歩も俺の退屈を散らしてくれるような存在とも出会える可能性もなきにしもあらず。

 早速外へ出て夜風を浴びる。それだけで体の中のアルコールが抜けていき、肉体が歓喜しているような気がする。

 

 とはいえ、あてもなくただフラフラと歩くだけでは人と出会うどころか、開いている店すらない。

 現代社会でならばこういう時はネットや漫画などで時間を潰すことができるのだが、あいにくとこの世界ではそういった類の物は存在しない。

 小説などは売ってはいるが、あいにくと俺の趣味嗜好に合うジャンルのものは置いてはいない。

 

 本格的にやる事もないので宿屋に戻って剣でも振るかと考えたが、それよりも面白そうな事があったのを思い出す。

 

「…………」

 

「……あれ?」

 

 俺は何気なく道の角を曲がった。それと同時に自慢の脚力を生かしてその場から空へ飛んだ。

 そのすぐ後に俺が消えたのに気づいた追跡者が隠れていた場所から身を乗り出す。

 

「……動くな」

 

「…………っ!!?」

 

 建物の煙突の陰に隠れていた者の背後に気配なく近づき、その首筋にナイフを当てる。

 

 追跡者は女スパイのようなライダースーツを着た獣人の女だった。

 この街にやって来てから後ろから観察される視線をずっと感じていた。とはいえ、俺は剣士以外の人種には基本的に興味を持たないので別に放置していたのだが。

 

 このまま宿屋へ戻っても日課の素振りしかすることがないので、多少の暇つぶしになるだろうと相手をすることにした。

 別にこの女は剣士ではないのだろうが、そこそこの強さを持っているのだろう。

 

 現にこうして背後を取ったというのに、心臓の鼓動はすぐに平常に戻り呼吸も安定している。

 隙あらばすぐさま逃走を選択しようとしているな? 敵意や悪意といった感情が見受けられないから個人的なものによる追跡ではなく、仕事か組織によるものか? 

 

 だが、こいつの装備には見覚えのある。魔獣の一種であるスライムを利用した装備。

 

「貴様、ジミナの関係者か?」

 

「…………」

 

 あの時に出会ったジミナも服の下に同じような装備を身に着けていた。つまり、ジミナとこの女は何かしらの繋がりがあると見て間違いないだろう。

 

 しかし、女からの返事はなし。呼吸も心臓の音も安定しており、汗1つかいていない。普通ならばここで無関係なのだと判断しているところだが、今は俺の持つナイフが首筋に当たっている状態だ。

 

「見事なものだ。汗どころか、呼吸や心臓も何一つ動揺はみせなかった。しかし、ナイフから伝わる血液のほんの僅かな変化が貴様の心境を教えてくれたぞ」

 

「……化け物め」

 

 口からの誤魔化しは通用しないと判断したのか、観念して素直な心境を口にする。

 あのジミナの強さと、この女の組織に所属している者特有の動き、それら2つを加味して考えると、今の俺の知っている情報の中から答えは自ずと出てくる。

 

「お前たちがシャドウガーデンなる組織に属する者どもか……」

 

「はぁ……、そこまで分かってるんだ。っで、私を殺すつもり?」

 

「いや、別にそんなつもりは一切ない。これは俺のただの暇つぶしだからな」

 

 首筋に当てていたナイフを仕舞い込み、そのまま解放された女は立ち上がって逃げることなく俺に向き直る。

 

「あんたは知ってるの? この世界で暗躍するディアボロス教団のことを?」

 

「昔、そう名乗る連中から勧誘を受けたことはある。まあ、興味が無かった故に断ったがな」

 

 その際にならば死ね! と襲ってきた者がいたが、その全てを剣の錆にしてやったりもしたが。

 俺の返答に噓は無いと感じ取ったのか、女はそうと安堵したような声で消えていった。

 

「……シャドウガーデンか。存外、俺を満足させてくれる集団やもしれんな」

 

 やはり俺は神に愛されているのだと感じながら宿屋へ戻り、再び上等なワインを堪能してもう一度眠りについた。

 

 




短いですが、シャドウガーデンとの関係作りの為にしゃーなしです。
感想待ってるんで、評価もして送ってね。

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