【悲報】清楚系で売っていた底辺配信者、うっかり配信を切り忘れたままSS級モンスターを拳で殴り飛ばしてしまう 《書籍化&コミカライズ、書籍1巻8/29より発売開始!》   作:アトハ

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書籍版『【悲報】清楚系で売っていた底辺配信者、うっかり配信を切り忘れたままSS級モンスターを拳で殴り飛ばしてしまう』が、

明日9月2日(月)より全国書店様にて発売開始です!!


発売記念SS『レイナ、ギルドポスターを作る』

 それは、ダンジョンイーターズ結成発表から数日後。

 

 

「レイナ様、ギルドポスターは作らないんッスか?」

「ほえ?」

 

 突如としてミライちゃんがそんなことを言い出し、私は首を傾げます。

 

「ギルドポスター、ギルドのメンバーを募集するための広告ッス!

 ダンジョン・イーグルスでは、随分と力を入れて作ったスねえ……」

 

 ミライちゃんが言うには、ギルドポスターは新たな探索者にアピールするために重要な宣伝方法らしいのです。

 見栄えをよくするため、イーグルスでは随分と力を入れて作ったそうです。

 

 私としては、身内で細々とやれればと思っていましたが……、

 

 

(とりあえず千佳に相談してみよ!)

 

 私は、そう結論を出すのでした。

 

 

 

 そうして帰宅した私は、千佳に相談すると……、

 

「実は、カクカクシカジカで──」

「ギルドポスターか! 面白そうやん、ドンドンやろ!」

 

 千佳は予想外にノリノリといった様子でした。

 その後、どこかに電話をかけ、あっという間に撮影所のスケジュールを抑えると、

 

『急やけど、明日、ギルドポスターを作るで!

 来れる人は来てな!』

 

 とルインに書き込み。

 あれよあれよという間に、ギルドポスターの作成の話が進んで行くことになるのでした。

 

 

 

***

 

 そうして迎えた撮影当日。

 

 撮影スタジオには、千佳・私・ミライちゃん・ゆきのんといういつものメンバーに加えて、軍曹と剛腕さんまで揃っています。

 急な予定にもかかわらず、駆けつけてくれたのです。

 

 

「レイナ、表情固いで!」

「こ、こう……?」

 

 撮影スタジオでカメラを向けられ、私は曖昧な笑みを浮かべます。

 ちなみに撮影者は、本人の強い要望で軍曹になりました。

 

 

「こう、もっと自然な笑顔で?」

「わ、笑ってるよ?」

 

「う~ん? たとえば──ドラゴンゾンビをワンパンしたときみたい感じとか?」

「黒歴史を思い出させないで!?」

「バーサクレイナちゃんこそが至高!!」

 

 あの時は、血まみれで哄笑する己の姿にドン引きしたものです。

 今でもネットの海に、切り抜きは流れている(どころか凄い勢いで再生されているけれど)あくまで私は、癒やしを届ける配信者!

 間違ってもポスターで、あの表情を見せてはいけません!

 

 

「う~ん、ならグっと手を握って──こう、やるぞって感じで!」

「頑張るぞい、のポーズ?」

「ぞいのポーズ最高!!」

 

 パシャパシャと写真を撮るたびに、カメラマンこと軍曹が雄叫びを上げていましたが、

 

「あの……、少しだけ静かにしてもらえへん?」

「あ、はい──」

 

 千佳に釘をさされていました。

 

「ねえ、ミライちゃん。やっぱり私と言えば……」

「レイナ様と言えば、やっぱり狩りッス!

 その圧倒的な強者ぶりを示すため、やっぱりまずはモンスターの死体を持ってくるッス!」

「待って!! ミライちゃんの中で、私はどんなイメージなの!?」

 

 思わず突っ込む私を、不思議そうに見返してくるミライちゃん。

 

 

「バーサクレイナちゃん見たい!」

「ゆきのん先輩まで!?」

 

 一方、ゆきのん先輩は平常運転──ぷくりと膨れる私です。

 

 

 

「……露出、露出が足りないのか?」

 

 そんなやり取りを聞いていた軍曹ですが、突如、そんなトチ狂ったことを言い出しました!

 

 

「軍曹、見損なったで! 教え子をそんな目で見とったんか!?

 うちのレイナは、エロ売りはせんで──」

「本当ですよ!」

 

 半眼になる私を見て、慌てた様子で軍曹は、

 

「いや、断じてエロではなく!!

 広告というのは、ぱっと目を引く、華やかさというものが必要なのだ!」

「……一理あるな」

 

「下品であっても、もちろん駄目。

 上品で、それでいて通りがかったものの目を引く最強の武器が我々には既にあるのだ!」

「その心は?」

「男心というのは、見えそうで見えないというところに惹かれるものでな!

 ズバリ──今は、太ももの時代なのだ!」

「な、なるほど……!」

 

(サッパリ分からないけど、軍曹の熱量が凄まじいことは分かった!!)

 

 いまだかつて無い威厳を持って、言い切る軍曹。

 その迫力に飲まれた千佳は、何やら真面目な表情で頷くと……、

 

 

「レイナ、時代は太ももや!」

「ええ!?」

 

 そんなことを言い出しました!

 

 

 そうしてノリノリになった二人に抗うことはできず、

 

「こ、こう……?」

「どうや? 軍曹?」

「ふむ……、ほんのちょびっと足りないな」

 

「こ、こんな感じ……?」

「そ・れ・は! やり過ぎだ!!」

 

 

「レイナ様! ブルーマスカットを抱えたまま撮るのはどうッスか?

 キャッチコピーは、誰でも簡単に毒耐性が手に入るギルド、ッス!!」

「やっぱり、イチオシはバーサクレイナちゃん。

 バーサクレイナちゃん──足りないものは…………、ハッ、返り血?」

「やっぱり太ももしか勝たん!」

 

「みんな、完全に面白がってますよね!?」

「「「うん!(勿論や!)」」」

 

 これ以上ないほどに、良い笑みが返ってきました。

 

 

 

***

 

 翌日、千佳の家で完成したポスターを見せてもらった私は……、

 

 

「……って、この馬鹿でかい【悲報】って文字は何なんですか!?」

 

 思わず、そんな突っ込みを入れずには居られませんでした。

 

 

 ポスターの右上に、デカデカと悲報という文字が踊っていたのです。

 

(ギルドポスターって、そこ、公約書く場所じゃないの!?)

(世界中のモンスターを食べ尽くすって!)

 

 

「いやぁ、収まりがよくてついな。

 まさか、こんなメイド服を着た可愛い子が……、

 うっかり配信を切り忘れたまま拳でSS級モンスターを殴り飛ばしてしまうなんて──!

 改めてレイナは持ってるなあって思ってな!」

 

 たしかに、悲報だったけど!

 起きて、バズッてるのを見て、軽く絶望したけれど!!

 

 

「ちなみに発案者は、ゆきのん先輩ッスよ!」

「ゆきのん先輩まで~!?」

 

「いやあ、実に良い。

 悲報の文字で目を引きつつ、太ももで芸術性を感じさせる崇高な一枚!

 これぞ、ダンジョン・イーターズに相応しい!」

「……軍曹は、なんか酔ってますよね!?」

 

 私が、ゼェゼェと肩をしていると、

 

 

「レイナ、どうする?

 本気で嫌なら……、もちろん作り直すで?」

 

 千佳が、そう問いかけてきます。

 

 

 数々の悪ノリが合わさって出来たギルドポスター。

 それは数あるギルドポスターとは違って、突拍子もないものではあったけど……、

 

(これでも、皆が真剣に考えて作ってくれたものだし。

 何より、これはこれで──らしいのかな)

 

 そうとなれば答えは1つ。

 

 

「千佳、良いと思う。これで行こう!」

「よしきた!」

 

 そうしてギルドポスターを提出し。

 後日、無事、ダンジョン・イーターズというギルドが承認されることになったのでした。




そんなこんなで、レイナのギルドポスターがそのまま表紙になった

『【悲報】清楚系で売っていた底辺配信者、うっかり配信を切り忘れたままSS級モンスターを拳で殴り飛ばしてしまう』が

講談社Kラノベブックスより明日9月2日から全国書店で発売開始です!

でっかい悲報の文字と、清楚で癒やされそうなレイナちゃんが目印!
コミカライズも鋭意製作中です!!
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