ウマ娘プリティーダービー She'll be DAYBREAK   作:ポンドアップル

5 / 8
戦場での期待とは、往々にして裏切られるものである。


第5R 一夜の光

ーー 第5R 一夜の光 ーー

どうしたらいいか一人立ち尽くしていると、またドアが開く。

「ただいまーお菓子買ってきたよ」

すると、クォークは勢いよく席を立った。

そうして向かった先には、大量の買い物袋を持ったウマ娘がいた。

彼女にクォークが聞く。

「チョコレートは買ってきてくれたか?」

「勿論、ちゃんと50枚あるよ。二人で分け合ってね~」

すると、先ほどクォークに質問をしていたウマ娘が真っ先にその袋を奪った。

彼女は板チョコを一枚取り出し、美味しそうに食べる。

「あーっ! レプトンお前ぇ!!」

怒る彼女を前に、レプトンは我が物顔で立っていた。

「これは私が頼んだものだ、あなたに食べる資格はない」

「うるせぇ分け合う気がないのかよ......おらぁ!」

「ちょ、何をする! この!」

狭い研究室の中で、彼女らは取っ組み合いを始めた。

それを彼女は苦笑いしながら見ている。

「ははー、まったくバカだなぁ......あ、私はライゼンボースって言います。よろしく~」

ボサボサの髪をしたそのウマ娘は、私にそう言って手を振った。

「お邪魔させてもらってます」

すると、彼女は私をまじまじと見た。

「ふ~ん......君、もしかしてトレーナーかな?」

「はい、そうです!」

そう言ってトレーナー免許を見せると、彼女は頷く。

「ほぉ......なるほど、良い目してるじゃん」

「そ、そうですか?」

「うん。良いトレーナーになれると思うよ~」

そう言うと、彼女は荷物を降ろしてため息をついた。

しかし後ろを振り向けば......彼女らがチョコレートを取り合っているのが見える。

「いい加減にしろ! 私は死んでもこれを離さないぞ!」

「諦めが悪いのはお互い様だな、どちらが上か勝負といこうか......ッ!」

それを見ると、ボースは彼女の元へと歩いていく。

「はい、二人とも喧嘩しないの。じゃないと次は買ってこないよ~?」

そう言って二人の頭にチョップを落とすと、二人は彼女に言った。

「すまない、もうしない」

「それだけは.....それだけは勘弁を!」

その様子を見ながら、彼女は楽しげに笑っていた。

「お二人は仲が良いんですね」

「はは、まぁ~ね」

笑顔でそう返すと、彼女は部屋の奥へと帰って行った。

すると、チョコを食べながらクォークが私に言う。

「そうだ、そろそろ帰った方がいいかもしれないぞ」

その言葉に首をかしげると、彼女は続ける。

「一時間後、警備員のローテーションが変わる。もし変更が入ってなければ今日はこの辺に来るはずだ。私たちの仲間だと思われるといろいろ面倒だからな、今のうちだぞ」

それを聞いて、私は焦り始めた。

「そうなんですか! じゃあ私はこの辺で......」

「待て、最後に少しだけ」

足早に去ろうとする私を、彼女は引き留める。

すると、彼女から何やら薬品らしきものを渡された。

「これは......?」

「トレーナーって聞いたからさ、役に立つかなぁと。ウマ娘用の栄養補給剤だ」

「どれくらい栄養が入っているんですか?」

すると彼女は得意げに語る。

「そうだねぇ......瘦せこけたウマ娘も、これを飲めばたちまち元気になるくらいには」

「これ、もっと下さい!!」

私は彼女に頭を下げた。すると、びっくりした様子で彼女は言う。

「......君の担当、何かあったのか?」

「かなりバ体が細くて......トレーニングすらままならない状態なんです」

すると、彼女はスカラを呼んだ。

義足の足音を響かせながら彼女はやってくる。そして、クォークが言った。

「久しぶりの仕事だ。経口摂取型液体栄養剤を6瓶作ってくれ、今すぐがいい。できるか?」

すると、彼女は大喜びで答える。

「はい! 少し待ってて下さいね!」

彼女は嬉しそうに研究室の中へ消えていった。

その様子を見ると、クォークは私に向き直る。

「安心してくれ、彼女の作る薬は安全だ。薬剤師の免許も持っているからね」

少しして、ビニール袋を下げて彼女は戻ってきた。

それを渡して、嬉しそうに言う。

「久しぶりに仕事ができて良かったです。使用法などはラベルに記載されているので、用法・用量を守ってご利用ください!」

「ありがとうございます、お代は......」

言いかけた所で、スカラは微笑む。

「お試しという事で......今回は無料にしてあげます! その代わり、次はお友達も連れてきてくださいね!」

彼女らに感謝し深くお辞儀をして、私は部屋を出た。

......どこか不思議な体験だった。が、この出来事は明日に繋がる。彼女を変える。

期待と薬品を胸に、私は足早にここを歩き去った。

ーーーーーー

翌日。朝練をするヨアケノカネに、私は声を掛けた。

「ヨアケノカネちゃん、ちょっとこっちに」

すると、彼女は私の元に駆け寄ってくる。

不思議そうに私を見つめていた。

「どうしたんですか.....何か悪い事でもしていました?」

心配そうに見上げる彼女に、私は笑いかける。

「そんな事はないわ。渡したいものがあるの」

そう言って、バッグからあの栄養剤を取り出した。

それを渡すと、不思議そうに彼女はそれを見る。

「栄養剤......ですか?」

「昨日、薬局でもらったのよ。少しでも良くなればと思って」

私が言うと、彼女はその蓋を開けた。

中には無色透明の液体が入っている。匂いはなく、ただの水にしか見えない。

「『付属のキャップに入れて飲み、一日一杯を目安に服用すること』......飲んでいい?」

そっと頷くと、彼女はキャップにそれを注いで飲んだ。

そして、顔をしかめる。

「ごめん、苦かった?」

「うん......でも、薬の味には慣れてるから」

そう言って、彼女は瓶を私に返すとまたグラウンドに向かって走り始めた。

そして......彼女が栄養液を飲み始めて一週間が経つ。

筋肉の付きも良くなり、血色もかなり良くなっている。走りにも影響が出始めて、より良いタイムが出るようになってきた。

またデトネータさんが時々遊びに誘ってくれたりしたお陰で、心にも大分落ち着きが出始めている。

走る彼女の横顔にも、段々と自信が出始めた。

「よし、昨日よりも速くなってるよ!」

「本当ですか!?」

そう言ってストップウォッチを見る彼女の目は、光り輝いて見える。

確かにすごいタイムではないし、絶対に勝てるという程でもない。普通だ。

周りから見れば小さな一歩かもしれない。が、私たちにとっては普通こそが大きな一歩であった。

「ヨアケノカネちゃーん! 今日も併走しよー!」

「うん、今日こそは負けない!」

そう言って芝を駆け回る彼女らを見て、私の心は安らいだ。

ーーーーーー

そして、私たちが契約を結んで12日が経った日。トレーナー室の中、ついに決断を下した。

「2月8日、この日にデビュー戦をセットしたわ」

私が言うと、彼女は腹を決めて答える。

「このレース......絶対に勝って見せます」

「デトネータさんもこのレースに出るみたいね、追い越してやりなさい!」

大きくガッツポーズをしながら返す私に、彼女は元気よく言った。

「はい!」

「じゃあ、最後の仕上げと行きましょうか」

そう言うと彼女はトレーナー室から出ていった。私もそれに続く。

(......)

出走表の中にあったある名前が気になったが、私を呼ぶ彼女の声に引かれてそこを後にした。

『ターフアドミラル』

 

 

 




本作品はpixivにも投稿されています。ご了承ください。

ウマ娘プリティーダービー She'll be DAYBREAKをここまでお読みになってくれた皆様、大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。次話、デビュー戦となります。二人の変革を、ゆっくりと見守って下さい。
本章は少し短めとなりますが、どうかご理解下さい。

執筆にはAIのべりすとを使用しております。
生成された文章には加筆・修正を加えて投稿しています。
AI/人力の割合は4/6程です。

感想や良点悪点などございましたら、ぜひコメントお願いします。
参考にさせて頂き、本作品の改善に努めて参ります。

私の小説が、あなたの日常に少しでも彩を加えられたのなら幸いです。
ここまで読んでくれたあなたに幸のあらんことを。

この後の展開が気になりましたか?

  • 気になった
  • 気にならなかった
  • どちらとも言い難い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。