暇をもて余した俺のもとに、SNSのフォロワーから肝試しのお誘いがきた。
暇つぶしにちょうどいいかと軽い気持ちで行ってみた先で、想像より遥かに怖い思いを…………






……えっと、これ何の話だったっけ?




ようぐそうとほうとふ様主催の『インターネット都市伝説杯』参加作品です。1話完結。
ネタバラシ&裏話は活動報告にあります。
匿名時投稿者名:逆立ちするほどユートピア



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深夜営業『オカルトパーク』

 

 

 現在22時ちょっと過ぎ。

 

 暇を持て余した俺は、夏の夜といえばなんだろうかとインターネット記事を雑に漁っていた。

 花火に盆踊り、天体観測……まあそれっぽいものはたくさんでてきたがイマイチやりたいと思うものがなく、特に収穫もないまま時間だけが過ぎていく。

 こうして時間を無駄に浪費するのもある意味夏休みの学生っぽいので、夏の夜らしいと言えなくもないのかな。

 

 スマホをいじるのにも飽きてきて、今日は早めに寝てしまおうかと思いはじめた頃、SNSでのフォロワーのつぶやきに目が止まった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

やばすぎ太郎 ★YabaYabaLEGEND

このお化け屋敷、霊感があるっていうダチがすげー嫌がってたんだけど、面白そうだから誰か一緒に行かない?

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 そんな文言とともに、おどろおどろしい廃屋の写真が添えられていた。

 そうだ夏といえば、怪談話やら肝試しやらそういう手もあったか。

 なんとなく興味を惹かれたので、そのフォロワーのつぶやきにリプライを飛ばしてみる。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

主人公の俺 ★MainCharaORE

なにそれ廃病院?

営業中には見えないんだけど

 

 

やばすぎ太郎 ★YabaYabaLEGEND

夜間だけ営業してるお化け屋敷の豪華版? テーマパーク? みたいな感じらしい

俺くん行こうぜ決定な!

 

 

主人公の俺 ★MainCharaORE

まあいいよ、ちょっと気になるし

いつにする?

 

 

やばすぎ太郎 ★YabaYabaLEGEND

よっしゃ今から車で迎えに行くわ

 

 

主人公の俺 ★MainCharaORE

今から!?

 

 

 


 

 

 

 

 そんな急な流れで、お化け屋敷『オカルトパーク』に向かうことになった。

 やばすぎ太郎が来るまでに少し時間がかかるはずなので、一応屋敷名を検索してみるとどうやら小さなテーマパークのようなものらしい。

 ちゃんと営業中で、簡素なホームページが表示されている。

 ホームページの内容からは所在地とオカルト関連の施設であることがわかるくらいで、詳しい内容や料金表などは記載されていない。簡素すぎる。

 

 SNSでも検索をかけてみたが、行ってみたいだの怖いらしいだの、そういった誰かのつぶやきはちらほらと見受けられるが、実際に行った人のレビューが全く見当たらない。

 たいして語るほどでもないのか、それとも本当にオカルト的な意味でヤバくて、行った人は全員レビューを残せるような状態じゃなくなったとかだったりして。

 

 オカルト板で検索してもまともな情報はひとつもなく、結局実際に行った人も見つけられなかったため、少しだけ不気味な気がした。

 ただまあ暇を持て余していたし、本当にヤバそうなら帰ればいいか。

 

 

 

 

 

 

 そう楽観視したことを、この後の俺は後悔することになる────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とか言っておけば、フラグが立って面白いことが起きたりしないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時刻は深夜2時頃。

 やば太郎が俺の家に迎えに来た時には23時を過ぎていた。

 そこから車で約2時間。ホームページで所在地を確認した時は、そんなに遠いところではないと思っていたが、山道に入ってからがやたら長かった。

 街灯もほとんどない暗がりの道が続いた先に、ポツンと照らされた看板が立っていた。

 黒い看板に白い文字で『WELCOME to OCCULT PARK』と書かれている。

 

 看板からは意外とおどろおどろしさは感じられず、BARの看板のようなシンプルなオシャレさを感じるくらいだ。

 やば太郎がSNSに載せていた建物らしきものが、看板の奥にうっすら見える。

 看板しか照らされていない暗がりのせいでよく見えない。

 

 

「よし! やっとついたな、降りるぞ〜」

 

「意外と遠かったな。着くまでに夜が明けるかと思ったわ」

 

「や〜まぁね、でも山道で遭難!? みたいなドキドキ感あったからいいっしょ」

 

「たしかに肝試しっぽさはあるかも」

 

 

 やば太郎はやたらウキウキとしている。

 こういうちょっと危なっかしいようなことをすることに躊躇しない辺り、悪ガキっぽい感じだ。悪いやつはだいたい友達みたいなイメージ。

 元々ネット上だけでのつながりだったが家がわりと近いこともあり、今日のようにたまに遊ぶような関係。

 リアルの友人というほどには知らないところが多いが、まあノリがいいので気楽なやつだと思っている。

 

 

「あ! そうだ、霊感があるっていうダチがいるって言ったじゃん? そいつから来る前にこれを渡されたんだけど、なんかヤバいことが起きそうだったら絶対にこれを開けろって言われて、俺くんの分ももらったから渡しとくわ」

 

 

 やば太郎が紐をプラプラさせながら差し出してきたのは、小さな巾着袋。開けろって言われたというわりに、開け口はかっちり縫いかためられている。

 

 

「なにそれ、お守り?」

 

「さ〜? とりあえず何か本気でヤバイって思った時にだけ開けろって言われた」

 

「何が入ってるんだろ」

 

「御札とかじゃね? まあ気持ち程度のなんかだろたぶん」

 

「ふーん。まあいいや、一応持っとくわ」

 

 

 お守りを受け取り、ついに俺たちは建物へと向かう。

 オカルトパークの外観は蔦がはっていて、ところどころ壁にヒビが入っている。今からここに入ることを思うと、安全面でも少し心配だ。

 ひび割れた壁をバンバン叩きながら歩くやば太郎にヒヤヒヤして軽く注意をしながら、玄関らしきところにたどり着く。

 茶色く両開きの扉は、やたら重そうだ。

 朽ちた建物にしては新しく見えたので、おそらくテーマパークのために必要なところだけ改築したのだろう。

 

 

「すんませーん! お邪魔しまーす! 入りますよー!」

 

 

 躊躇なく扉に手をかけて、急に大きな声を出すやば太郎にちょっとビビってしまった。

 心霊的恐怖でビビったのではなく、お前遠慮ってやつを知らないのか!? っていう引き気味のビビり。

 

 やば太郎が扉を開けると、扉の奥に小さな明かりが見えた。どうやらエントランスにろうそくが点々と灯っているようだった。

 お化け屋敷らしく、雰囲気がバリバリに出ている。

 

 

『ようこそ──いらっしゃいました──ここは、オカルトパーク。2名様──ですね』

 

 

 内装を物珍しく見回していると、どこからか人の声が聞こえてきた。

 

 

「ふたりでーす! どこにいるんすか?」

 

『姿──を、お見せできずに──失礼、いたします。ここではまず──当館のルールを──お伝え──します、ので、お聞き逃さないよう──お気をつけください──』

 

「あぁ、そういうアトラクションみたいな感じなのかな」

 

「いいじゃん雰囲気あるじゃん、よろしくお願いしゃーっす!」

 

 

 やば太郎の存在が雰囲気台無しにしてる気がするなと思ったが、それはもう気にしないことにして説明を聞く。

 

 

『まず──今から──私語厳禁に──なります。声を──発しては──いけません。ひとりごとも──不可です。充分にお気をつけいただかないと──身の安全は──保証──できません──』

 

「まじっすか! うわーそういうの苦手なんだよなーっともう喋っちゃだめなのか、おっけおっけ黙るっす」

 

 

 早速ルール破りをしているやば太郎に呆れた目線を送ったが、正直俺も反応しそうだったので俺より先に失敗してくれてありがとうという気持ちである。

 

 

『また──右手側を──ご覧ください。大きな箱──そちらに入って──ひとりずつ──スマートフォンを──預けていただきます──』

 

 

 右手側と言われた方に目を向けると、仮設式公衆トイレや電話ボックスに似た見た目をした縦長の箱がある。

 

 

『必ずひとりずつ──お入り──ください。近い方から、どうぞ──5分以内に──出てきてください──』

 

 

 箱に近いというと俺だったが、急に背中を押されてつんのめった。

 押された方を見るとやば太郎がいたずらっぽい顔で手を振りながら、先に箱へと入っていった。

 あいつ……。まあ別にどっちが先でもいいけど、なんかちょっとだけムカついた。

 

 少ししてやば太郎が出てきたので次は俺。

 やば太郎の肩を小突きつつ、箱に入る。

 中に入ると、青みを帯びた間接照明のほのかな明かりに包まれる。

 前方には小さなカウンターがあり、そこに居酒屋やカラオケボックスでたまに見かける、スマホの充電ボックスのようなものが置いてある。どうやら鍵をかけられる様子だ。

 

 壁には数字が表示されており、俺が入った時に05:00だったのがどんどん減っていっている。

 5分で出てこいっていうやつ、カウントダウンされてるのか。結構ゲーム性あるんだな。

 

 ちょっと焦りながら空いているところにスマホを入れようとすると、スマホに通知が来ていたことに気がついた。

 しばらくスマホを確認できなくなりそうなので急いで見てみる。

 

 ……? 誰だろう。

 SNSのDMに見知らぬ人からのメッセージが入っていた。

 

 

 

 


 

 

T-da ★teraumare_Tda

その袋は絶対に開けるな

 

 


 

 

 

 

 てぃ……だ?

 フォロワーでもない、フォロワーのフォロワーでもない完全に知らない人だ。

 その袋って、やば太郎からもらった袋のことか?

 ということはもしかしたら、霊感があるっていうやば太郎の友人からのメッセージなのだろうか。

 気にはなったが時間もないので、電源を切りスマホを箱に入れる。

 

 さっさと出ようと扉を押すと、あれ? 開かない? え? 扉が異様に重くて開けることができない。

 制限時間の数字が残り1分を切ると、照明が赤く変化し点滅しはじめたので、更に焦ってドアノブをガチャガチャしながらタックル気味に押しまくる。それで扉が少し開いたが押し戻される。

 あっこれ、やば太郎あいつ、やってんなぁ!?

 

 やば太郎のやつが扉を開かないように押してきている。

 やーーーめーーーろーーーと思いながらも声を出して抗議しなかった辺り、律儀だなぁと褒めてほしい。

 

 残り10秒くらいの時にやっとやめてくれたのか、扉を押していた勢いで思いっきり飛び出してしまった。

 地面に倒れ込み、肩を少し痛めたようだ。

 服を整え、肩をさすりながら立ち上がり、爆笑を堪えているように腹を抱えて肩を揺らしているやば太郎を少し強めに叩いておいた。

 

 

 

『準備は──整い、ましたね──』

 

 

 これからが本番だというのに、なんだかもう疲れてきたかもしれない。

 

 

『それでは──おふたりには──それぞれ別のコテージに──移動して──いただきます。そこで──指示されるミッションを──完了──してください。完了するまで──コテージから出ることは、できません──。右前方と左前方の通路どちらかに──おひとりで──お進みください──』

 

 

 俺たちは顔を見合わせた。

 ここから先はひとりで肝試しか。

 ちょっとだけ怖いような気はするが、やば太郎が一緒だとまた変に邪魔されそうだし、ヒヤヒヤするからいっそひとりの方が気楽ではあるかも。

 

 やば太郎はニヤッとしたあと、左前方に駆け出していった。

 え、別に競争じゃないよな?

 まあいいか……俺は俺で、右前方の通路に進む。

 そういえば、スマホに来ていたDMのことをあいつに伝えなくてよかったのかなと思ったが、なんのこっちゃわからんから伝えてもしゃーないか。

 

 

 通路をしばらく進むと、中庭のようなところに出た。

 真ん中には2階建ての建物がある。これがコテージか。思ったよりでかいんだな。

 窓に鉄格子がかかっていて、なにやら物々しい。

 

 恐る恐るコテージの扉を開けると、エントランスと同じくろうそくがひとつだけついていた。 

 周りを見渡すとソファやタンス、ダイニングテーブルなどがあり、意外と普通の民家っぽくて拍子抜けした。

 テレビもあるが、つけてみても砂嵐にしかならない。今の状況だとこえーよ。

 

 ろうそくが置かれているテーブルの上には、ペットボトルの水とコップ、裂け目から綿が見えている犬のぬいぐるみと裁縫道具、爪切りと──これは生米? あと白い粒……これはたぶん塩か砂糖? うわっ包丁、こういうところで見ると物騒に見える。あとは──タブレットが置かれていた。

 なんだかよくわからなかったので、とりあえず情報がありそうなタブレットに触れようとした瞬間、自動で起動しはじめたので少しビクッとしてしまった。

 

 タブレットの画面が無地の青から、ゲームのタイトル画面のように『オカルトパーク』の文字に切り替わる。

 どうやら画面に触れても何も切り替わらないので、操作はできないようだった。

 

 少し眺めていると、また自動で画面が切り替わる。

 

 

 

 


 

 

 

 

  あ なた は  いま  から 

  ミ   ッション を  達成 

  しなければ ならない

  達成 するまで  外に出ることは

  かなわない

 

 

  まず は

  ぬいぐるみに 名前をつけて

 

 

  『     』

 

 

 

 


 

 

 

 

 これがミッション……?

 名前をつけろという指示の下に、入力欄がある。

 ここは操作できるのか。

 

 触れてみると、キーボードが表示される。

 こういう名前を決めるとかいうやつ、ゲームでもめちゃくちゃ悩むんだけど……でもずっとこうしてるわけにもいかないので、『ポチた』と入力する。

 なんとなく、なんとなくだ。犬だし。

 入力が終わるとまた画面が切り替わった。

 

 

 

 


 

 

 

 

  ぬいぐるみの 綿を出して

 

 

  米と 自分の爪を 入れて縫って

 

 

 

 


 

 

 

 

 綿を出すの!?

 自分の爪を入れるとか、なんかの呪術的なやつをやらされている気がするんだけど。

 そんな感じのやつをどこかで見かけたことがある。

 

 一旦外に出てみようと扉に手をかけると、開かない。

 ドアノブがロックされているようでまわりすらしない。力任せにやってみてもびくともしなくなっている。

 すると突然タブレットがビービーと警告音を出し始めた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

  終わるまで 外に出ることはかなわない

 

 

  ぬいぐるみの 綿を出して

 

 

  米と 自分の爪を 入れて縫って

 

 

  残り 10分

 

 

 

 


 

 

 

 

 一気に変な汗がブワッと出てきてしまった。

 さすがにこれは怖い。

 ドアも開かない窓も格子のせいで出られない、制限時間を過ぎたらどうなる……?

 

 恐る恐る、ぬいぐるみを持ち上げて、指示通りに進めることにした。

 制限時間での焦りや暗がりでのこの作業の怖さで、爪を切る音にいちいちビビったり、縫う時に針を自分の指に針をさしてしまったり、結構もたついてしまった。

 

 

 なんとかやり終えると、待ってましたとばかりに画面が切り替わる。

 

 

 

 


 

 

 

 

  隠れる場所を 決めて

 

 

  塩水を そこに置く

 

 

 

 


 

 

 

 

「……ぁッ!?」

 

 

 思わず声を出しそうになった。

 隠れるというワードで、唐突に思い出したことがあったのだ。この儀式、俺はおそらく知っている。

 細かい手順はおぼえていないが、同じようなことをやっているのをネットで見たことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これ、『ひとりかくれんぼ』だ。

 

 

 

 

 

 

 

 ネットのオカルト板とかで有名な、コックリさん的な降霊術の儀式だったはず。

 迷信かもしれないけれど、怖そうすぎて試したくはないって思ったやつだ。それをやらされているっぽい。

 

 超帰りてぇ。けど出られない。

 いくらお化け屋敷といえども、そんな曰く付きのことをやらせるなんて攻めすぎなんじゃないだろうか。

 こんなお化け屋敷がオカルト板ですら話題になってないとか嘘だろ。

 まじで呪われて誰もまともな状態で帰れなかったとかじゃないだろうな。

 いやそうだったとしても、そういう事件として話題に上がったりするだろう。

 

 このまま実行するべきかしないべきなのかを悩んでいると、また警告音が鳴り響いた。

 

 

 

 


 

 

 

 

  隠れる場所を 決めて

 

 

  塩水を そこに置け

 

 

  残り 10分

 

 

 

 


 

 

 

 

 うわ、怖さを煽ってくる。

 やるしかない……のかなぁ。

 やりたくはないけれど、とりあえず隠れる場所は探しておいて損はないかもしれない。ので、探す。

 リビングとキッチンは……開けていて隠れられそうにない。

 浴室やトイレも怖い。浴室もトイレも、ただ入ってるだけで隠れた判定になるかは微妙そうな気がする。

 あと、水場ってたしかオカルト的に何かよくなかったような。タンスや冷蔵庫もさすがに無理だろう。

 

 部屋の隅に2階へと上がる階段がある。

 タブレットと塩水が入ったコップを持ち、2階に上がる……3つ扉がある。

 ひと部屋ひと部屋、そーっと覗く。一応、ひと部屋につき1つほど、ろうそくが灯っているようだった。

 2階には押入れやベッドなどがあったので、どうにか隠れることはできそうだ。

 ウォークインクローゼットと呼んでいいのかわからない、物置部屋のようなものもある。

 

 部屋を見て回るついでに、窓も鉄格子が緩んでいるところがないか確認したが、どこもガッチリと固定されていた。

 窓から外を見ても、暗くて歩いてきた道すらも何も見えない。恐怖が加速していく。

 

 

 隠れる場所をどうするかだが、ベッドの下は安直すぎて少し抵抗がある。

 寝転がると寝落ちしてしまう可能性があるし、寝落ちしてしまったとしたらどうなってしまうのかわからないため、そんなリスクは避けておきたい。こんな状況で寝られるわけもなさそうだが、念のため。

 押入れも、閉じこもると考えると怖すぎる。いざという時に抵抗できるスペースは確保したい。

 ウォークインクローゼットには、誰のかもわからないコートなどがかけられていて、その部分にはカーテンがかけられるようになっていた。

 そこならある程度広さはあるし、もしかしたら服とカーテンのダブルのガードで安心できるかもしれない。

 

 

 正直かなり怖い。

 怖いけど、これを終わらせられればちゃんと帰れるはずだ。そう信じないと何もできなくなる。

 やば太郎のやつは大丈夫なのだろうか。

 ヤバそうなことになにも気付かず、ダメかもしれないことを全部やらかしてる可能性があるな。

 終わったらあいつとラーメンを食って帰る、そうだ。そのために頑張る。

 

 少し気力を取り戻し、手に持っていたコップをクローゼットの奥に慎重に置いた。

 

 その瞬間、タブレットの画面が切り替わる。

 どこかにセンサーか、監視カメラでもあるのだろうか……。

 

 

 

 


 

 

 

 

  午前3時まで あと10分

 

 

  午前3時になったら 以下の順に行動 する

 

 

  1.ここ に自分 の 名前を 入力

 

  最初の鬼は『     』。

  最初の鬼は『     』。

  最初の鬼は『     』。

 

 

  2.浴室 に 行き 風呂桶に

  ぬいぐるみ を 入れる

 

 

  3.テレビ を つけて 目を瞑り

   10秒 数える

 

 

  4.包丁 持って 浴室

 

 

  5.ここに ぬいぐるみ の名前を 入力

 

  『     』見つけた。

 

 

  入力 したら ぬいぐるみを 包丁で 刺す

 

 

 

  6.ここ に ぬいぐるみの 名前を 入力

 

  次は『     』が鬼。

  次は『     』が鬼。

  次は『     』が鬼。

 

  入力 後 すぐに

  塩水 置いた

  場所に 隠れる

 

 

 

 


 

 

 

 

 これは始まってしまうやつだ。

 単純に怖いのはもちろんそうだが、誰のものかもわからない端末に自分の名前を入力するということに、地味に抵抗があるなという嫌さもある。

 仕方ないと割り切ることにして、入力していく。

 

 

 最初の鬼は『主人公の俺』。

 最初の鬼は『主人公の俺』。

 最初の鬼は『主人公の俺』。

 

 

 なんだかいや〜な感じだけど、次。

 浴室に向かい、すでに水が入っていた風呂桶にぬいぐるみを沈める。

 リビングに戻り、テレビをつける。砂嵐が鳴り響いているのを聞きながら、目を瞑り10秒。

 数えるたびに心臓がバクバクしているのを感じる。目蓋がピクピクと痙攣する。耳鳴りもしている気がするし、口の中がやたら乾燥している。

 

 目を開けるのを怖がっている自分を頑張って無視して、思いきりよくバッと目を開く。周囲に変わりがないか一応見回しておいたが、たぶん何も変わっていないはず。

 長引くと怖さがでかくなっていくから、サクサク行くぞサクサク。

 

 

 そして浴室──

 

 

 『ポチた』見つけた。入力。

 

 

 これ、刺さないとダメ、なのか。

 めちゃくちゃ抵抗がある。だってぬいぐるみって刺すもんじゃないもん。抱きしめて寝るやつだもん。

 もしくはうつ伏せでゲームをする時に、顎の下のクッションにするやつだもん。

 嫌すぎて内心の口調までおかしくなっちまいやがるぜ。へへっ。

 ケーキ入刀だと思おう、ケーキ入刀。誰とのはじめての共同作業になるんだこれ。

 

 こうしてめちゃくちゃなことを考えて気を紛らわせながら、さり気な〜くのつもりでぬいぐるみに包丁の刃を押し込んだ。

 ジャクッて感じの感触はきっとクッキー的な何かだ、きっとそうだ。美味しそー!

 

 

 

 はい次。

 次は『ポチた』が鬼。

 次は『ポチた』が鬼。

 次は『ポチた』が鬼。

 

 

 はい入力完了。鬼っていうか悪魔じゃないの?

 とか考えてる場合じゃない、ここまで来たらあとは急いで隠れないといけない。

 浴室から出てリビングを通り過ぎ、階段を登る。

 リビングのテレビの音が、少し大きくなっていたような気がするのはきっと気のせいだと信じたい。

 

 ウォークインクローゼットの中に入り、扉を閉める。

 塩水が置いてある奥まで行き、カーテンを閉め、ベッドからかっぱらってきておいた毛布で自分の体を包む。

 これで隠れるのは完了したはずだ。

 

 それを感知したのか、タブレットの画面が切り替わった。

 

 

 

 


 

 

 

 

  残り 1時間

 

 

  みつからない ように

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 このままここでじっとしていたらいいらしい。

 あと1時間さえ耐えきれれば終われる。

 あと1時間さえ耐えればラーメン。

 ラーメンそうめん担々麺。とんこつラーメン塩ラーメン、味噌ラーメンに醤油かな。俺はとんこつ醤油ラーメンが好き、とんこつ醤油ラーメンが好き。本当はお寿司が食べたいな、北海道にも行きたいな。うにカニまぐろにウニとウニ、死んだらウニを棺桶に。詰めてくれたら嬉しいな。

 

 頭の中で欲望丸出しの即興ソングを歌って恐怖を誤魔化していく。

 タブレットの画面は残り1時間と書かれているが、これはカウントダウンされているわけではないから、あと何分なのかもわからない。

 腕時計をしていればよかった。スマホがあれば腕時計はいらないなって思っていた自分を叱りたい。必要な時もあった。

 

 

 

 

 そうやって何十時間にも感じる数分を過ごしていると、やたら肌がベタつく感覚がしはじめた。汗をかきすぎたのだろうか。

 

 いや、毛布もだんだん湿気っていっている。

 肌に触れていた部分ではないところを触ってみると、洗ってから干すのを数時間忘れていた洗濯物みたいな、嫌な湿り気がある。

 汗だけでこんなにも湿るとは思えないから、ついに心霊的な何かが起きているのかもしれない。

 湿気が酷くなってきて、息苦しくすら感じてきた。

 

 

 それでいて、寒い。

 肌の感覚は梅雨時期くらいのジトジト感なのに、ひどく寒い。

 湿った毛布が冷たいと感じるわけではなく、風邪を引いたときでも感じたことがないくらいの異様な寒気が襲ってきた。

 

 かと思えば、カーテンの隙間から生温い空気が漂ってきた気がする。カビのような変な匂いもする。

 まだなったことはないけれど、自律神経失調症ってもしかしてこれだったりする?

 心霊的な何かのせいよりそっちの方がまだいい気がするんだけどそれで手を打たな──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────タブレットの画面が、急に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1階のテレビの砂嵐が、ここまで聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 階段を、誰かが歩いているような、軋む音がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 窓か扉か、何かがガタガタと揺れている音が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウォークインクローゼットの扉が、開かれた気配がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────どれだけの時間が経っただろうか。

 

 長いこと、息をするのすら忘れていた気がする。

 

 

 

 

 意識が乖離していたのか、思考がどこかへ行ってしまっていたようだ。

 

 気付いたらタブレットを抱きしめていて、やば太郎から受け取ったお守りを両手で握りしめていた。

 もしかして、これを開けるならさっきのタイミングだったのだろうか。

 

 タブレットを体から離すと画面がついていて、新しい画面に切り替わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

  塩水を 口に含む

  そのまま ぬいぐるみを さがす

 

 

  みつけたら コップの塩水をかける

  口に含んだ 塩水も かける

 

 

  ここに ぬいぐるみの 名前を入力

 

  『     』の負け。

  『     』の負け。

  『     』の負け。

 

 

  残り 5分

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 は? あと5分!?

 どれだけ呆けていたのかわからないが、残り時間はだいぶ少なそうだ。

 急いで水を口に含み、コップを片手にしたまま勢いよく湿気った毛布を剥ぎ取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 毛布を剥ぎ取った瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 毛布の中から、ぬいぐるみが出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブボォ゛ッッッッ!?!!?!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思わず手に持ってる物も何もかもをぬいぐるみに向かって投げてしまい、口に含んだ塩水も全部吹き出してしまった。

 

 

 あっあっあっ見つかって、いやこれって見つかった判定なの?

 触れてないしギリギリ捕まってないとも解釈できるからセーフだったりしない?

 大丈夫ってことにして大丈夫?

 というか今塩水を吹き出したのはセーフなの?

 たぶんコップの水も全部一気にかけたことになったっぽいけど、手順とか色々大丈夫?

 大丈夫ってことにさせてもらっていいですかね?

 

 あっそうだタブレット!! 早く早く早く早く早く入力しなきゃ!! やべえやべえやべえやべえ!!

 

 

 今までの人生で1番の焦り具合だったと思う。

 ぬいぐるみの横に転がっていたタブレットを見ると、まだ入力画面はそのまま変わっていなかった。

 

 焦りつつもぬいぐるみに触れないようにタブレットを拾い上げ、震える指で、

 

 

 

 

 

 

 

『ポチた』の負け。

『ポチた』の負け。

『ポチた』の負け。

 

 

 

 

 3回、入力した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

  おめで とう ござ い ます

  あなたは 帰れるみ たい です ね

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 終わった……のか……?

 そこから画面が切り替わることはなく、フリーズしてしまったようだ。

 

 ぬいぐるみから目をそらしつつクローゼットから抜け出して、リビングへ向かう。

 テレビは砂嵐のままだった。

 

 早く終わったことを確認したくて、玄関の扉に手をかける。

 すると、固く閉じていたのが嘘かのように、簡単に開いた。

 

 外に出ると、少しだけ空が明るく白んでいた。

 そのおかげで来たときよりは辺りが見渡しやすく、このコテージは思ったより狭い中庭に建てられているのがわかった。

 

 

 あまり長居する気にはなれず、来た道であろう通路を戻っていく。

 同じことをやらされているのであれば、やば太郎も終わっている頃だろう。

 早く再会して文句のひとつでも言ってやりたい。

 というか文句は言うだろうけど、それよりも一刻も早く人と喋りたすぎる。人と喋ってちゃんと安心したい。

 

 

 ヘトヘトになりながらも早足でエントランスまでたどり着くと、案内人の声が聞こえてきた。

 

 

『おかえり──なさい──。主人公の俺様──あなたはすぐに──ここから──出てください────ね』

 

「えっ? やば太郎は………あっ喋っちゃっ……」

 

『今はもう──声──を、出しても──大丈夫──です。やばすぎ太郎様は──先に──おつかれさまを────しており──ます』

 

「あ、そうなんですか……。ってあいつもしかして先に帰った!? いや超怖かったから気持ちはわかるけど!! まじかよ歩いて帰るのか俺……!?」

 

『今出れば──夜が、明ける──ので。道に迷うことは────ありま、せん──よ』

 

「そうかもですけど……ははっ、来るときめっちゃ時間かかったからなぁ」

 

『大丈夫──です──から──』

 

 

 案内人の方も早くお仕事を切り上げたいのかな?

 それなら大変でもさっさと出ていった方がよさそうだな。

 

 

「お代とかって説明されてないですけど、いくらなんですかこのアトラクション……?」

 

『お代はすでに──やばすぎ太郎様──より──いただいております──』

 

 

 なんだあいつ、そんな律儀なところあったのか。

 意外だな、俺を置いてくのに後ろめたさがあったけど、恐怖が勝っちゃったやつかな?

 それならまあ、謝られたら許してやろう。ついでにラーメンも奢ってもらおうかな。

 

 

 

 

 

 

『さようなら。主人公の──俺様──』

 

 

 

 

 

 

 どこにいるかわからない案内人の方にペコッと頭を下げておいて、数時間前に通ってきた扉を開けた。

 

 そんなこんなで俺は無事、謎のお化け屋敷『オカルトパーク』からの脱出に成功したのだった。

 

 

もしかしたらやば太郎が車で待っててくれたりしないかなと思ったが、やっぱり車は見当たらない。

 歩いて帰ることを思うと気が重いが、ひとりかくれんぼをやらされるよりは全然マシだ。

 疲れているけれど足取り軽く、山道に入った瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前にはどう見ても山道ではない、よく知る景色が広がっていた。

 ここ、俺んちの近所の公園じゃん。

 後ろを振り返ると、そこもよく知る公園の茂み。

 

 

 脳が混乱しているが、やば太郎に連絡を取らなければと思いポケットをまさぐろうとして、スマホは預けたままだったことを思い出す。

 ポケットからはお守りが出てきた。

 スマホを取りに……戻、れるのか? これ? というか、今までのことは全部夢だったりして?

 

 なんとなく、お守りをプラプラさせてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破ぁーーーーー!!

 

 

 

うおあ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうしようかと途方に暮れていると、耳元で急に誰かに叫ばれて、一瞬だけ辺りが光り輝いたような気がした。

 振り返ると、俺のすぐそばにはやたらオーラがスゴイお兄さんが立っている。太陽と見紛うほどの存在感だ。

 

 

「なんっ、なんなんですか!?」

 

「完全には防げなかったようだな。まあ、君はもう大丈夫だろう」

 

「えっ? 何? 何のことです?」

 

「いや、君が先ほど落としたコレを渡すつもりで声をかけたんだ。驚かせてすまなかったな。いつでも決めセリフを発せるように、発声練習はかかさないものでね」

 

「あっスマホ! 何か忘れてるような気がしてたんですけどそれか、ありがとうございます! 発声練習ってことは役者か何かなんですか?」

 

「まあ似たようなものだよ。あぁ、君が今驚いて落としたこれ、もらってもいいかい?」

 

 

 お兄さんがプラプラしながら見せてきたのは、小さな巾着袋。開け口はカッチリ縫いかためられている。

 

 

「え? それ俺のじゃないと思いますけど。なんですかねそれ、お守り?」

 

「ただの音がなるおもちゃだろうよ、ほら」

 

 

 お兄さんが袋を噛みちぎると、袋がけたたましい笑い声を上げ始めた。

 

 

「うわ、これって笑い袋ってやつですかね? はじめて見たかも。やっぱ俺のじゃないみたいですよ、そんなの見たことないですもん」

 

「そうか、ならこれは俺が引き取ろう。この笑い声に負けないくらいに、発声を鍛えていかなければな」

 

 

 そう爽やかに言い放ち、お兄さんは自転車に飛び乗って走り去って行った。

 

 

「役者さんってスゴイ」

 

 

 俺はいろんな意味でそう思った。

 

 

 

 

 

 

 さて、俺もそろそろ帰ろっかな。

 そういえばなんで公園なんかにいたんだっけ?

 

 寝ぼけてたんだろうな、きっと。

 なんだか悪い夢を見たような気がするし、体がやけにだるい。

 帰ってから二度寝でもしよう。

 

 

 

 

 

 とりあえず、拾ってもらったスマホでSNSを確認する。

 

 あれ、フォロワーがひとり減ったような気がする。

 ……誰だろう? まあ、別に気にすることでもないか。

 

 

 ポチポチとつぶやきを投稿する。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

主人公の俺 ★MainCharaORE

 

ねぼけてたのか気付いたら公園にいたぜ

「破ぁ!!」って何の決めセリフか知ってる人いる?

その役者さんが起こしてくれた

ハリウッド映画とかにも出てそうなスゴイオーラがあったな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

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参考元ネタ:ひとりかくれんぼ/寺生まれのTさん


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