教室の隅にいて、たまに学校を休むけど友達がいないわけではない、そんな女の子が考えるだけの話。

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第1話

 

 学校で、席替えがあった。

 

 教室の中央やや窓側、可もなく不可もなかった座席から、最後方窓側に移動した。俗に言う主人公席、と言うやつである。

 

 特別感のある席だ。

 ここは、小説に出てくるような主人公がいつも座っている位置なのだから、特別なのだろう。

 

 ここで疑問なのだが、主人公はいつも窓側の一番後ろに座って窓を眺めている。毎回毎回ストーリーの一番初めに主人公がそこにいる確率とは、一体どれほどのものなのだろうか。

 

 もちろんこの疑問は野暮なものだ。

 そこに主人公が座る理由など、絵になるからとか主人公だけ特別だということを示すためだとか、その程度のものだろう。

 実際、一ヶ月に一回席替えがあるのなら、八月を除いても年に11人がこの席に座ることになるのだ。

 クラスが40人で同じ席にならないとすると、一年間でクラスの4分の1がこの席に座ることになる。

 

 こう聞くと、なんだか特別だと思う自分が馬鹿らしくなってくる。私はこんなものに特別感を抱いているのだから。

 

 それでも、やっぱり私にとってこの座席は特別なのである。

 

 特別だと言えば特別なのだ。

 

 利点を挙げると、先生に当てられにくくなり、寝ていてもバレにくい。内職ならなおさらバレないだろう。

 さらに、遅刻が多い自分からすれば、授業中に入って座りやすい席というのも大きい。

 

 そんな座席になったところで、出席率も成績も上がらないし、むしろ下がるかもしれないけれど。

 

 そんな話を友達にしたら、笑われた。

 

 解せぬ。

 

ーーーーーーーー

 

 学校には、行きたくない。

 

 朝起きるのが面倒だ。

 あんなに朝早くから起きる必要性はないのでは無いか。

 朝が弱い私にとって、朝の7時に起きるなんていうのは徹夜でもしない限り不可能なのだ。

 午後1時くらいから始まって、午後9時に終わる進学校はないものか。

 

 そうだ、進学校だ。

 

 進学校というのはそろって朝早く起きて、学校に行って面倒な部活までやって午後6時くらいにならないと帰れない。

 しかも家から遠くて、登校するのに1時間近くかかる。

 

 時間の浪費だけど、実際に普通の学校とは教育の質が違うというのはよく聞く話だ。

 

 まあ、実際自分なら近場の学校でも起きれる自信はないのだが。

 

 親は進学校に行かせたがるものだが、私のようなちゃんと起きれもしないやつに、なにを期待しているのだろう。

 

 将来働いても、親を養うほど金を稼げる気はしないし、小さい頃から我が子の教育に力と金を注げるような両親の財力なら老後も食っていけるだろう。

 

 なら、なぜこんなに私に期待するんだろう。

 普段の様子を見ていれば、この子はダメだな、とわかりそうなものなのに。

 

 最近、両親とは話していない。

 

 お父さんとも、お母さんとも、両方だ。

 

 親の真意はわからない。親の心子知らずという諺を実感させられる。

 

 諺というのは大抵、やった後にしか気づかない。時にやった後にも気づかないけど。

 

 やった後にしか気づかないというのは結構重要だ。

 実際に体験しないと人間は本当には学べないのだろう。

 

 歴史から学ぶというのは、歴史を知ることで失敗を回避できる、というだけで、失敗を学んだわけではないのだから。

 

 そして、私は学ぶのが苦手なのかもしれない。

 早寝早起きを徹底して、きちんと勉強すれば、いい点が取れる、というのは自分の短い過去の経験にすらあることだ。

 それなのに、毎日家に帰ればすぐゲームをやってしまう。毎日朝は起きれないし、授業を聞く集中力はない。

 

 きっとそこが自分の限界なのだろう。

 

 

 あーあ

 

 人生、やってられないね。

 




作者が常に思っていることではあります。

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