内容アッサリにしたせいで文字数が少ないぜ!(建前) AC6楽しすぎるだろ(本音)
負けた…ここまでやられてしまっては、そう認めざるを得ない。
ゴロゴロと地面を転がり、仰向けになるようにして放り出された私は、雷模様の曇天を見上げながら、そう思った。
やられた…原理は分からないがまさか斬ったのが本体ではなかったとは流石に思わなかった、あれをあの状況でもやられてしまえば何も出来ない。
ポツリポツリと小雨が振り始める、徐々に徐々に強くなる雨が私の身体を打つ。
…美しいと感じた、美しいと感じてしまった。
あの溶けるように消えた幻の向こうから現れた、白黒の狼…黒い雷を纏うその姿を目にした時、私は危険を感じるのと同時に…ほんの一瞬見惚れてしまった。
その結果が今のこの状況なのだから、馬鹿と言うしかない。
『流石に…お前もここで打ち止めか?』
声が聞こえた、声の方向に視線を向けてみれば、そこには相も変わらず黒い雷元素を纏った狼がいた。
身体のあちこちでパチパチと放電し、バチリバチリと弾けるその雷は、まるで私のことなんて何時でも貫けるぞと言わんばかりに音を鳴らしていた。
その音がどうしようもなく、心地良い。
「……負けだ…私の」
改めて口に出して宣言する、私の負けだと、私の敗北だと。
『…そっか、じゃあ…俺の勝ちか』
「あぁ、お前の勝ちだ」
私の言葉にそっかと返した狼は、何を言うでもなくその場に腰を下ろし、辺りの風景を見渡すように首を動かした。
『…派手にやったね、お互い』
「……まぁ…な」
そこは否定するまでもなくそうだろうと思う、実際派手にやった自覚はあるのだ。
抉れていない箇所は少なく、周囲に存在していたはずの木々も最早無く、岩はバラバラになっていたり真一文字か縦一文字に斬り裂かれていたり、草原が妙に焦げていたりと無事な箇所を探す方が難しい。
きっと、何処ぞの誰これが見ようものなら、きっとあぁだこうだと見当違いの推測を立てた後に噂としてバラ撒いて、それがあぁでもないこうでもないと歪みに歪んで国を超えて伝わっていくに違いない…少なくともそれだけの荒れ様だ。
だというのに今の私達は穏やかそのものだ、つい先程まで殺し合っていたとは思えない程に私達は穏やかに言葉を交わしている。
「なぁ、狼」
『ん?』
私が呼ぶと、何か? とでも言いたげに狼が首を向けてくる、その姿には先程までの絶対に殺してやるという殺意に満ちた姿は無い。
あるのは犬のように座り込み、気怠げそうに私を見てくる穏やかな姿の狼だけだ…言葉にしてみるとあり得ないと思ってしまうのは殺し合ったが故なのだろうか?
「トドメは、刺さないのか?」
『だってお前そのままでも死ぬじゃん』
だからトドメは刺してやんないと、狼はあっけからんと言い放った。
その言葉に、私は一言そうかと返して、上を見上げた。
そして、確かにそうだと、自分の状態を確認する。
腹から下を文字通り両断され、そこから溢れ出るように流れ出す緑色の液体、所々で悲鳴を上げる関節、ノイズが奔って今にも消えてしまいそうな己の視界…なるほど、確かにこんな状況ではトドメを刺す必要性など感じられないだろうと、そう納得した。
しかし、それはそれとして、目の前の宿敵の手で壊れたいと願うのは、些か我儘だろうか?
霞む視界で曇天を見上げながらため息をつく、分かっていたことだが、やはり口惜しい。
結局私は…こいつの
結局私は、自分の中で未だに熱を持つこの衝動を何と呼べばいいのか分からなかった。
ようやく、ようやく入口に立てたと思ったらこれだ、幾ら何でも中途半端にも程がある。
楽しんでいたのは私だけ、きっと狼は楽しんでなどいなかった、私だけが一方的に楽しんでしまった。
悔しいな、出来ることなら、叶うことなら、互いに楽しんだ末に、殺されたかった。
『あぁ、そういやさ、お前が使ってるのって風元素で良かったんだよな?』
『さっき雷元素使ってたけど、アレって多分風元素で集束して撃ってたんだろ?』
『だったらさ、それと同じような感じで雷元素ごと吸収とか出来たりしない?』
『お前多分部類で言うなら
『…ん? あれ?』
『おーい? 剣鬼〜?』
『……………………』
『…………………なんだよ…これからだってのにさ』
『……つまんねぇの』
『…トドメ、刺しときゃよかったなぁ…』
「やっぱ、そうなるよなぁ」
白い狼と絡繰という枠組みから逸脱した剣鬼の決着を見て、俺はため息を吐きながらそう零した。
眼下では、トボトボと落ち込んだ様子を隠すこともなくさらけ出した白い狼が…俺の弟が悲しげに目を擦りながら帰路についている。
…なんとなくではあるが、こうなる予感はあった。
何故とは言わない、こういった経験が無いことくらい見れば分かる。
初めてだっただろう、あそこまで何の躊躇もなく戦えたのは。
初めてだっただろう、あそこまで戦いを楽しんだのは。
初めてだっただろう、闘いの中であそこまで怒ったのは。
どれを取っても初めて尽くし、彼方のことだから半ば無意識的に好感すら抱いていただろう。
だからあんなことになる、戦って自分で壊した相手に素直に治してやろうかと言えない、これから殺す相手に楽しかったと笑顔で言えない。
今までにも殺すことはあっても楽しかったと心の底から言えた相手はいないだろう、よしんば居たとしてもそれは命を懸けていない時のことだ、意味が違う。
だから、哀れに思う。
もしも初めてでなけりゃ、アイツは何の躊躇もなく選び取れただろうから。
即ち、生かすか殺すか。
少なくとも選び取れていたなら、あぁはなっていないはずなのだから。
「……と、言うわけだ
そう、背後で元素を迸らせる少女に、声を掛けた。
「…それで、私が止まると思う?」
「…まぁ、無理だろうな」
振り返り、蛍を視界に納める。
今日は雷元素かと、蛍の手にある黒色の剣…『斬岩・試作』に奔る紫色の雷を見て、そう判断する。
「じゃあ、止めなきゃな?」
「…君相手だと、手加減出来ないよ?」
「望むところ…とだけ」
「…そう……じゃあ──」
──退かすね?
その言葉を合図に、曇天の下に雷音が響き渡った。
鬼
最後の最後で主人公が本気になっただけで全力にはなっていないことに気づいてノイローゼになった、悲しい。
結局最後の最後まで自分が抱いていた感情には気づかず、何だったら狼の心情にも気付けなかった人…人?
最後の主人公の提案を聞くまでもなく機能停止した…一応言っておくと死んだでも壊れたでもなく機能停止である。
主人公
多分今頃泣いてる、ミナとかナヒナヒに慰められてる。
お兄ちゃん&蛍
曇天の元で、武器を手に戦っている…お兄ちゃんvsストーカー(仮)…ふぁい!
それはそれとしてこの小説でやりたいこと大概やり尽くしてしまった…どうしよう?