マザコンなトガちゃん   作:白虎しゃも

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Q.火伊那ちゃんが幼い女の子を撃ち殺しました。何故でしょう?


謎解『ウミガメのスープのなり損ない』

 部屋の中には、噎せ返るような血の匂いが充満しています。死体が一つ、床に転がり、近くには火伊那ちゃんが呆然と立ち尽くしていました。

 

「ハッ……ハッ……」

 

 返り血で真っ赤になっている火伊那ちゃんは、浅く呼吸を繰り返します。右腕の『ライフル』からは硝煙が細く立ち昇っていました。地に臥せる屍は幼い体躯をしており、どこか少女に似ています。頭を撃ち抜かれたのでしょう。辺りには脳味噌だったものが散らばっていました。

 座ったままその光景を眺めていた少女はパチパチと目を瞬かせると、ハンカチで頬についた返り血を拭きながら母親に話しかけます。

 

「掃除が大変そうだねぇ」

「……死体はどうしましょう」

「うーん、裏山に埋めるとか?」

「ふむ」

 

 母親はそう答えると、火伊那ちゃんに歩み寄り、手を取って引き寄せました。そのまま抱擁して、あやすように囁きます。

 

「だいじょーぶですよ、火伊那ちゃん、だいじょーぶ」

「……うん」

 

 火伊那ちゃんは、酷く憔悴した顔で頷きます。少女はその様子をじっと見つめていました。

 

***

 

 一佳ちゃんとのタンデムツーリングを楽しんだことも今は昔。少女が夏休みの宿題を終わらせるころにはカレンダーがまた一枚めくられていました。

 

「あーつーいー」

「ですねぇ」

 

 うだるような暑さの中、少女はぐでぐでと母親の膝を枕にして寝転んでいます。内地に比べれば涼しい気温が続くとはいえ、地球温暖化の影響か、ときたまやってくる真夏日に身体が溶けそうになっていました。

 ずっと北海道で育ってきた少女が暑さに対する免疫など持っているはずもなく、冬はモコモコの防寒具と大火力の薪ストーブで乗り切っているので寒さに対する免疫も存在しませんが、夏は狩猟に出ません。

 元々猟期は冬だけですが、増えすぎた鹿による農作被害への対策として一年を通して害獣駆除の狩猟が認められています。そのあたりは火伊那ちゃんがやっているので、少女は学生の本分である勉強に励みます、と扇風機のそばを離れることはしませんでした。

 

「だらけてんなぁ」

 

 火伊那ちゃんが作り置きの麦茶をコップに注ぎながら呟きます。少女は反論することなく、だるーんと脱力したまま欠伸をしました。

 

「あ、火伊那ちゃん」

「んー?」

「母さんからメールが来てて、火伊那ちゃんの手を、というより腕を借りたいみたいなんです」

「ふーん、また畑が鹿にやられたんかな」

「かもしれませんねぇ」

 

 母親は少女の頭を撫でながらカレンダーを見遣ります。

 

「それで早く来てほしいとせっつかれているので、今日にでも一度実家に帰ろうかと。被身子はどうします?」

「おばあちゃんの家! 行きます!」

 

 元気よく手を上げた少女が相変わらず膝枕から動かないのを半目で見つつ、火伊那ちゃんは頭をかきました。

 

「帰るのは構わんが、本当に急だな。もうバスないだろ」

「車で行きます」

「私は、先輩に二度と車の運転はさせないと決めているんだ」

「ママと一緒なら死ぬのも怖くないですよ」

「なんで二人ともそこまで覚悟を決めた顔をするんですか?」

 

 被身子はもっと自分を大切にしましょうね、と諭しつつ、少し拗ねたように頬を膨らませます。

 

「それじゃあ火伊那ちゃんが運転したらいいじゃないですか」

「流石に人里まで無免許で行くのはなぁ」

 

 いや人里だけでじゃなくて公道を無免許で走るのは駄目だけど、と口の中で呟きつつ。基本的にこの辺りの土地は誰かの私有地だから……と心の中で言い訳しました。

 ちょっと火伊那ちゃんの気分が落ち込んだところで、こてんと少女が寝返りを打ちます。

 

「私が運転してもいいですよ? 若葉ですけど」

「先輩よりは確実にマシだな、そうするか」

「むむむ」

 

 母親は絵画以外のことは基本的にポンコツです。学生時代、家庭科の授業でやらかした実習の有様を知っている火伊那ちゃんからしてみれば、現在家事ができていることすら奇跡だと思っています。しかし何分、本人の自覚は大いに足りていませんでした。

 

「被身子ばかりに働かせるわけにはいきません。疲れたらいつでも運転を交代しますからね、任せてください」

「……うん!」

 

 少女は嘘を吐きません。疲れたら母親と運転を交代することでしょう。

 

「サービスエリアについたらアイス奢るわ」

「やったぁ!」

 

 なので、疲れる前に休憩しつつ祖母の家へ向かうことにしました。目の前で行われた少女と火伊那ちゃんの作戦会議を、母親は『アイスくらいなら私が買うのになぁ』と寂しげに眺めています。

 

「じゃ、ちょっと着替えてくる」

「そのままでいいのに」

「移動があるからな。不特定多数が相手になると、他人の空似とかそっくりさんとかじゃ済まなくなるんだよ。普段は……溶我の関係者が特別なだけでさ」

 

 火伊那ちゃんが濁した『特別』という言葉を、母親は当然のように褒め言葉として受け取り、胸を張って答えました。

 

「身体よりも脳味噌の方が溶けているんじゃないかと評判の溶我家ですからね」

「それ普通に罵倒だろ」

「液体のような柔軟な思考をお持ちですね、という意味では?」

 

 首を傾げた母親の目は本気の色をしています。そういう解釈もあるかもなぁ、と火伊那ちゃんは適当な返事をして、黒のノースリーブの上にだぶついた灰色のパーカーを羽織り、黒縁のメガネをかけ、髪の毛をしまうように帽子を被りました。

 

「地味です! やぼやぼ! −100点!」

「はいはい」

 

 せっかくカァイイのにぃ、と嘆く少女を軽くあしらいます。

 

「ふむ、腕にシルバーでも巻きますか?」

「巻かない」

 

 何か言ってる先輩のことも軽くあしらいました。

 

***

 

 お昼頃に出発して、祖母の家へ到着する頃には夕暮れ時を追い越し、宵の口に片足を踏み入れていました。少女の家の周りよりも山と畑に対する人工物の割合がそれなりに上がっています。なにより、鹿よりも先に人影を発見しました。

 人影は畑を見張っている男性で、こちらに気づくと、勢いよく九十度のお辞儀をしながら大きな声で挨拶します。

 

「ご無沙汰してます姉御ォ!」

「はい、お久しぶりです」

 

 母親は車の窓を開けて挨拶を返しました。大人になったので呼び方については諦めています。

 

「あ、トマトのおじさんです」

「お嬢! えぇ、えぇ、またトマトが実りやしたらお届けしますぜ」

「わぁい、ありがとうございます!」

 

 男性は少女に対して親しみを込めた笑みを浮かべて、少女も笑みを返します。どちらも子どもが泣いて逃げ出しそうな悍ましさを感じますが、本当に性根の腐ったヤツが浮かべる笑みよりか全然マシだよなぁ、と火伊那ちゃんは思いました。母親は相変わらず人が良さそうな男性だと、そして娘が今日も世界一カァイイと思いました。

 男性は火伊那ちゃんに視線を向けると、軽く手を上げて声をかけます。

 

「おう、筒美も元気か?」

「まぁ、ぼちぼち」

「そうか、そりゃ良いことだ」

 

 多くは聞かず、それでも仲良く。溶我の関係者はコレを徹底しているから付き合いやすくもあり、少し不気味でもある、と火伊那ちゃんは嘆息しました。先輩は実家のことを普通の農家だと言っていますが、当然のごとく一笑に付しています。

 そのまま談笑をしていると、遠くの方から慌てた様子の人物がやってきました。

 

「兄貴ぃー!! アイツら来やがりました!!」

「何ィ!?」

 

 駆け寄ってきた若い青年が指差す方向を見ると、鹿が防獣柵をひょいと飛び越え、モシャモシャと作物を食べています。これには温厚な男性も大激怒。

 

「どこのシマのもんじゃワレェ!」

「鹿だよ」

 

 火伊那ちゃんが端的に言い表しましたが、男性の怒りは収まりません。

 

「誰のシマ()荒らしとんのか分からせてやるぁ!!」

 

 鼻息荒く鹿を追い掛け回す男性の後ろ姿を、少女が指で丸を作り覗いていました。

 

「射線がトマトのおじさんで遮られちゃってるねぇ」

「この辺で撃つなよ、誤射るぞ」

「はぁい」

 

 火伊那ちゃんが念のため少女に忠告をしていると、畑の方で大きな音がしました。男性の“個性”である『爆竹』です。驚いた鹿が四方八方に逃げていきます。

 

「原材料名のところに『大豆(遺伝子組換えでない・“個性”不使用)』とか書いてあるの、今トマトのおじさんが“個性”使ったからあの辺りのは“個性”使用お野菜になるのでしょうか」

「ならないんじゃねェの、あの人そういうの気を使ってるし。前に『クスリ(農薬)には手を出さんのよ。それが俺の仁義(オーガニック)だ』とか言ってたぞ」

「ふーん」 

 

 農林関連の法制度にちょっとだけ気が惹かれた少女でしたが、それよりも今はおなかすいたなぁ、と思いました。アイスクリームを食べてから結構な時間が経っています。

 男性たちは暫く戻ってこなさそうなので、先に祖母の家へと向かい、車から降りました。少女が歩きながら思い切り伸びをします。すると、ぽふりと、何かにぶつかりました。

 

「おろ?」

 

 見下ろすと、小さな女の子が尻餅をついています。見た目から推測するに三歳くらいの幼女で、おでこに生えた一本の角が特徴的でした。

 

「ごめんねぇ、だいじょうぶ?」

 

 少女が屈んで手を伸ばすと、幼女は怯えた様子で身を引きます。

 

「だ、だめっ」

 

 明確な拒絶に、少女はオロオロと母親と火伊那ちゃんがいる方へ目を向けます。その大人たちが動く前に、逆方向から、幼女とは別の幼い声が聞こえました。

 

「おや、もう来とったんか?」

 

 歩いてきたのは、見た目だけで言えば十に満たないくらいの年頃の童女です。しかし、立ち回り、仕草、口調があまりにも老練で、チグハグな印象を受けました。

 癖の強い金髪や目元が少女に似ており、ますます不思議な感覚が襲ってきます。親戚の子かとも思いましたが、ソレにしては初めて出会った気がしません。

 童女が少女に気づくと、満面の笑みを浮かべ、猫撫で声をあげました。

 

「む? ひぃちゃんではないか! よぉ来たよぉ来た! どれ、おやきは食べるか? お煎餅もあるぞ?」

 

 その仕草と声色から結びついた人物の名前を、少女は口にします。

 

「……おばあちゃんです?」

「そうじゃよ? おばあちゃんじゃよー」

 

 明らかに自分より年下の童女が祖母を名乗っている現状に、流石の少女も困惑しました。前に会ったときは、年齢と見た目が合致していただけにますます頭が混乱しています。

 

「…“個性”か?」

「んー、母さんはそうポンポンと“個性”を使ったりしないはずですが……」

 

 火伊那ちゃんと母親が難しそうな顔をして話していますが、少女の祖母で、母親の母親である童女が人の困惑など察せるはずもなく、視線は大人たちをスルーして幼女に留まりました。

 

「おぉ、壊理もおったのか。外で遊ぶのも良いがそろそろお勉強の時間じゃぞ?」

「でも、だって……このままだと、きえちゃうよ……?」

 

 不安そうな幼女に対して、童女はカラカラと笑います。

 

「安心せぇ、儂に任せれば何もかもズドンと解決じゃ!」

 

 そう言って、エヘンと胸を張りました。

 

***

 

 童女に任せた結果どうなったかというと、一先ず詳しい説明は省きますが、冒頭のシーンに戻ります。少女たちは手分けして血が乾く前に全て拭き取り、童女の死体は裏山に埋めてきました。

 

「本当にズドン(銃弾)で解決しようとする人がいますか? おかしいと思いませんでしたか?」

「じゃって……」

「じゃってではありません」

 

 正座した童女を前に母親はストンと感情を落としたような顔で問い詰めています。

 

「ママが怒ってるの珍しい」

「……」

「壊理ちゃんに怒ってるわけじゃありませんから大丈夫ですよ。ほら、おやき食べましょ?」

 

 少女がおやきの乗ったお皿を幼女の前に差し出すと、幼女は浮かない顔をしたまま、小さく頷きました。また、火伊那ちゃんは一人にしてほしいということで別室で休んでいます。

 

 さて、事の顛末を語るにあたって、発端を探っていくと祖母の昔話にまで遡ります。その昔、農村で生まれ育った祖母は、裏社会でブイブイ言わせていました。しかし、生まれと環境からそうせざるを得なかっただけで、当時からずっと周りの皆と同じように畑を耕して平穏に暮らしたいと願っていました。

 母親が生まれる頃には、自分の組を解体し、指定ヴィラン団体から外れ、自分の畑を持つことも出来ました。初めて収穫を迎えたときには、もうすっかり抗争もなくなり平和になったと満足していたものです。

 とはいえ、構成員がそのまま従業員になったかたちのため、立ち振る舞いはヤクザのままですし、よくよく見てみれば身体に入れ墨があったり指の本数が少なかったりします。それは周囲と比べて特別なことで、ともすれば異端の烙印を押されかねないものでした。特に、子どもたちの世界では。

 

 前世からずっと異常者扱いがデフォルトだった母親は何も気にすることなくスクスクと育ちましたが、もし仮に前世の記憶がなかったとしたら、早々に実家との縁を切って自立して、それから家庭を築こうとしたかもしれません。極々普通で、平凡で、どこにでもいるありふれた家庭を、希求してやまなかったかもしれません。

 

 仮定の話は置いておいて、再び祖母のお話です。子どもたちが独立して、そろそろ隠居しようと考えていたときに、母親が離婚しました。孫もまだ幼いのにのぅ、と心配していたら、今度はテレビで交通事故により死んだことが報道されているヒーローを犬猫でも拾ってきたかのように紹介してきました。何しとるんじゃコイツ。

 こうなっては心配で心配で呑気に隠居なんて出来ません。昔のツテを使い、何かあったときは家族を守れるよう、四方八方に手を尽くしました。

 そして、ツテの一つである死穢八斎會組長の孫娘こそが壊理です。とはいえ、勘当した娘の子どもということで、祖母は組長に孫がいることも知りませんでした。むしろ一人娘に家を出ていかれた組長に孫自慢をする程度に人の心がありませんでした。

 

 出会いは唐突なものです。そのとき祖母は情報収集と商談を兼ねて、将棋を指しながら組長と世間話をしていました。そこへ、制止する若い衆すら振り切って、組長の娘が部屋に飛び込んできたのです。なんと気骨のある娘じゃと感心したのも束の間、切羽詰まった様子で組長になにやら捲し立てると、壊理を置いてさっさと帰ってしまいました。

 

 娘の言い捨てた言葉から推測するに、壊理の“個性”が暴発した結果、父親が消えていなくなったそうです。とはいえ、そんな危ないことになるような“個性”は娘も父親も持っていません。そこで、どうしてそう考えたのか祖母には理解できませんでしたが、ヤクザである組長に原因があると娘は考えました。であれば、壊理は組長が育てるべきだと。

 祖母は言いたいことが山のようにありましたが、余所様の家庭事情に口出しすまいと、黙って娘を見送りました。とはいえ、母に堂々と捨てられた壊理のことが不憫でなりません。せめて少しくらい慰めになればと、『あの爺はあんな怖い顔をしておるが、そう悪い奴ではないぞ』と声をかけ、組長に余計なことは言うなと睨まれながら、壊理の頭を撫でました。

 ここまでじっと堪えてきた壊理は、その慰めに対し、堰が切れたようにポロポロと泣き始めます。なんで、どうして、と小さく呟いて、それから、あのころにもどりたい(・・・・・)、と泣きじゃくりました。それがきっかけになったようで、壊理の“個性”が祖母に発動されました。

 

 運が良かった点が三点あります。壊理の“個性”が父親に対して使われてから然程経っておらず、エネルギーが少なく進行が遅かった点。壊理の“個性”は身体を『巻き戻す』もので、祖母の“個性”は身体を『変化(へんげ)』させるもののため打ち消しが可能だった点。上記二点から稼いだ時間で、一か八か『身代わり』による“個性”の停止を試み成功した点。どれか一つでも欠けていれば祖母はこの世にいなかったでしょう。

 

 さて、自害から生き返って、ブカブカの和服を着た(『身代わり』は生前に着ていた服も身体と一緒に生成されます)少女になった祖母は考えます。これはかなり危険な“個性”だと。

 暴走による人体消失の危険性はもちろん、コントロールができるようになった先にある擬似的な不老不死は、表であれ裏であれ、よからぬ考えを持った人間を引き付けてやまないでしょう。そう考えると、あの娘が警察でも病院でもなく組長を頼ったことはある意味ファインプレーかもしれません。少なくとも、何かと情報漏洩しやすい公的機関に壊理の“個性”が登録されることはなかったのですから。

 逆に考えると、“個性”がコントロールできない場合、まず真っ先に頼るべき公的機関である病院が使用できません。本来であれば医者の指導の下、コントロールが出来るまで入院したり、どうしてもコントロール出来なかった場合でも診断書を出してもらえば“個性”を制御するサポートアイテムを手にすることができます。まれに藪医者か不良品にあたって欠陥を抱えたまま社会生活を強いられる場合もありますが、それはともかく。

 余所様の家庭事情に首を突っ込むべきではありせんが、“個性”に巻き込まれた手前、当事者と名乗っても問題なかろうと、組長と話し合います。父親が消えた件で、娘を経由して死穢八斎會まで辿り着くかもしれない。自分なら今回のように対処できるし、こうなったケジメもあるし壊理は溶我で引き取らせてもらう。ええい大体お主、一人娘を勘当するわ、最近じゃと子どものときから育ててきた若頭にも反抗されとるわ、子育てド下手くそじゃろが。

 最終的に、まず“個性”がコントロールが出来るまでは溶我で預かり、それからのことはまた話し合うということで決着しました。なにはともあれ、壊理が“個性”をコントロールできるようになることが最優先であるという共通認識が存在しています。父親のようにまた人を消してしまったかもしれない恐怖と間近で人の死を目撃したショックで怯える壊理を宥めつつ、残った自分の死体を処理するよう組長に押し付けて、祖母は家に帰りました。

 

 それから数回、壊理の“個性”を試す機会がありました。『身代わり』のストックは昔、お菓子感覚でみぃみぃ鳴くあんこの入ってないあんまんのような味がする饅頭を食べていたため、問題ありません。また、『巻き戻し』の対象に『身代わり』のストックは入っていませんでした。問題は、身体が幼くなったため自害がしにくく、段々と幼くなり、ついには童女まで戻ってしまっていることです。拳銃(ハジキ)でこめかみを撃ち抜いても即死できないことがあるのですから、人体というのは丈夫だと、童女は感心しました。

 そこで、じゃあ他の人にやってもらえばいいと。例えば、ライフルで延髄を吹き飛ばせば流石に即死するじゃろと。童女は思いついてしまいました。そうして、童女は壊理の“個性”を自分の“個性”で打ち消せる時間を以て経緯を説明し、火伊那ちゃんに対して『さぁ、殺して(たすけて)くれ、ヒーロー』と笑顔でお願いしました。

 

 以上が、事の顛末です。なお、『おやき』とは別名『今川焼き』『大判焼き』『回転焼き』『太鼓饅頭』などなどと呼ばれるお菓子のことです。




A.殺さないと死ぬけど、殺したら生き返るから。
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