ああ良いよ!良いよドレミーさん!!
夢の世界
「どうにかならない?」
「なりません。寝過ぎても害にならない身体を私はどうすることも出来ませんよ」
「困ったわね…」
私は、この隙間妖怪を昔から嫌いだったと言うべきだろうか。それとも、今嫌いになったと言うべきだろうか。いつからか、起きている時間のほうが短い彼を私から取ろうとする女などと言う構図で見るようになったのか。自分でもわからない。
「無理なんですよ」
「無理やり起こしたら」
「健康に害が及びます」
「むむむ…」
「さ、帰ってください。現実での出来事は貴方たちの出来事。夢での事件ならば解決しますが…。」
「そうですね…でも、これは現実と夢の話。そしてこれは警告」
「?」
「彼は…周りから好かれてるわよ」
「本人はそう感じてはいないようですが」
「何せ六時間寝てるから。良い?私は言ったわよ」
「はい、わかりました。それでは」
「…それでは。」
「全く。わざわざここにまできて言うことがそれですか…」
「意味がわからないわね」
出てきたのは永遠亭の医者。彼女はこんな時間に寝ていて良いのだろうか…それとも、もうそんな時間なのだろうか。彼の夢にいれば彼と話せたのに…あんな妖怪と夢の中で会話をするべきではなかった。失敗した。彼と話せていたのなら今頃は…
「聞いてる?」
「何でしょうね、あの妖怪と話すのは疲れると言いますか」
「アレが悩む素振りを見せる時は大体行き詰まる時ではないから…そうね、嫌がらせをしようとしているのかしらね」
「嫌がらせ?」
「そうよ。例えば…そうね、色々とあるけど…一番効きそうなのは彼に悪戯をすることね」
「…まさか」
「夢の中でやるならまだマシでしょうね。でも、現実でやられたら…貴方はもう何も」
「そう言うことでしたか。安心してください」
「既に何か対策を?」
「ええ。一人」
「…誰かしら」
「風見幽香ですよ」
「なるほど…ね。良い対策だわ」
「良い対策でしょう?他にも数人、まあ難しいでしょうが…とにかく数人。送ることが出来そうですよ」
「どうやって?」
「夢の内容が現実に影響を与えることは多々あるんですよ。例え風見幽香と言えど、刷り込まれたらどうしようもないんですよ」
「夢の管理人がそれをやって良いの?」
「管理人ですから。閻魔が私怨で判決しているのとは別なんですよ。私が法です」
医者はそれを聞いたら消えた。起きたのか、はたまたあの妖怪の力か。どちらかなんてどうでも良いが。そろそろ彼も眠る時間だろう。ならば私は彼の夢に出なければならない。理由なんてあるものか。今日も彼と話すのだ。
夢の世界(十八時間寝る奴)
「おや、今日は九時間なんですね」
「おーよ!風見幽香のところで寝たら大体九時間になるからな!」
「なるほど…余計なことを」
「花の香りだとかなんとか」
「それならば寝起きに支障はないでしょうが…そう言うのは私に言ってからにしてくれませんか?その度に砂時計が壊れてないか確認するんですから」
「ん、そりゃすまん」
「全く…」
「全くだ!」
「私が言ってるんですがね」
「夢の中なんだから良いだろ?」
「まあ良くはありますが…とにか」ボンッ
「…うわぁ」
「どんな妄想しました…?貴方の妄想通りになりはしますが、流石に私がこんな服って」
「白いワンピースってそんなに不自然か?」
「不自然じゃありませんね!」
「…何故?」
「奇跡ですよ。愛と奇跡があれば何でも出来るんです」
「何を言っているんだか…」
「しかしお前が連れてきたんじゃないんだな」
「まさか。そんな危険なこと頻繁に出来ませんよ」
貴方のような例外を除いてではあるが。と付け加えることはしなかった。する気はなかった。永遠亭の医者が来た時は夢の中でなければ彼が保たなかったからである。そんな感じで眠ってる時間でなければ出来ないことをする時には連れてくるのだけれども。
「で、早苗は何するんだ?」
「夢の中でも一緒にいたいんですよ!」
「あー…お前風呂でもついてくるしな。せめて夢の中では一人にさせてくれ」
「嫌です」
「まあ良いんじゃないですか?好かれてるようですし」チッ
「ドレミー?」
「風見幽香のところで眠り、夢の中に巫女を連れ込む…何ですかね。緑髪が好きなんですか?」
「あー…青も好きだぞ」
「そう言う話ではないんですよ」
「そうですよ!彼女はきっと」
「言わなくて良いですよ」
「っ…」
「どうしたドレミー」
「いえ、何でもありません。奇跡ですか…それも対策しなければなりませんねぇ」
「ドレミーの新実装ですか」
「ええ。運が良ければ…なんて、あり得てはいけませんから」
「ありえちゃだめなのか」
「まあまあ!今回からずーっと一緒ですよ!」
「くんな!」
「またまた〜!」
「抱きつくな!」
「ふん」ズォッ
「げぇっ!?」
「助かったドレミー」
抱きつかれそうになった彼を突如現れた岩によって助ける。感謝されるのは嬉しいが、それよりもあの巫女に対する不快感の方が大きい。前まではこんな風ではなかったと思うのだが。あの隙間妖怪も同じように嫌いになったのだろう。仕方ないことではあるが…
「離れなさい」
「ぬぅぅぅぅう!」
「奇跡なんて夢の中では関係ありませんよ」
「えぇ!?」
「と言うよりも…貴女、寝てませんよね」
「え?」
「あ、はい」
「ですよね。奇跡…の力で入り込んできた感じでしょう」
「当たりですよ!」
奇跡<え、何それ俺知らん…
諏訪子<え、何それ私知らない…
神奈子<夢の世界ってあんの!?