テレビから聞こえる新手の声、悪意を纏ったその声は心底面倒そうな声色と顔をしながら画面に映っていた。
『あ、こっちの映像見えてます? せっかくのプロモーションなのに音声だけじゃ物足りないですからねぇ』
画面に映ったのは三人、その内の正面に立ったジャケットとスカートを身につけた少女がリーダーだろう。気怠そうな雰囲気の少女だが、得体の知れない何かを感じるのは気のせいではないだろう。
「......誰だか知らんが、暗部がどうこう言ってたな」
『そりゃ勿論知っていますよ、私達が暗部ですから。と言ってもそちらの情報テロで動かされたって感じはしますけど、まぁ仕方ないことです』
......よく見れば、一人はテンプが以前交戦したという銃使いと特徴が一致していた。データすら無く、だが確かに存在した暗部が、こうも簡単に尻尾を出すのか。その思い切りの良さに、なんとなく寒気を覚える。
ハンドサインでイナとテンプに指示を出す。イナにはブルースカイとスターライトの監視、テンプにはこの巫山戯た通信の逆探知を。
ブルースカイとスターライトは、この状況を飲み込めず黙りこくっている。下手に割り込まれるよりは都合が良い。このままにしておこう。
こちらが後手、少しでも対応をミスればこの盤面は負ける。ボク達は少数精鋭、一度負け始めたら取り戻すのは容易ではない。是が非でも避けたいが......
『まぁ、魔法少女協会暗部と一口に言ってもまだホワイトな方ですよ。表向きに付けられている制御チップはありませんし、お仕事さえなければ基本的には自由です』
「そりゃクリーンなことで、ご用件は? こっちにお友達でもいて救出するために取引でもしたいのかな?」
そんな考えは浅はかだと言わんばかりに、ジャケット少女は笑いながら首を横に振る。
『私達のプロモーションですよ。
『あ、自分の出番すか......面倒だなぁ』
ジャケット少女と銃使い以外の最後の一人、夏祭りの屋台で売っているようなお面を被った少女がパソコンを弄り始める。察するにあいつが通信に割り込んだ奴か?
「ちょっ、お前。このプロテクトは......ッ!」
それに真っ先に反応を示したのは、通信の逆探知を試みていたテンプだった。苦虫を噛み潰したような表情、テンプが電脳戦で苦戦しているだと?
『無駄無駄、それじゃあ意味はないよ。自分に勝ったことない無い癖に、最強とかイキってんじゃないよ
「ぐ、あぁ!?」
「テンプ!?」
お面少女がそう言った瞬間、テンプの身体に紫電が走る。遠隔での攻撃......いや、攻撃へのカウンターか? その攻撃で意識を手放したのか、だらんと横たわるテンプ。不味い。
早指しチェスで一方的に詰められている気分だ。こちらの挙動を一手ずつ的確に潰され、相手はさらに次の手を打ってくる。危惧していた負けに、近づいている。
『今回は私達、協会暗部のプロモーションとして――怪人達、つまりは組織と。【ディザスター】の殲滅を宣言しようと思いまして。手慰み程度ですけど、これ見えます?』
そう言ってカメラが切り替わると、映ったのは怪人達の首の山。苦悶の表情が連なったその骸達は、誰が倒したかなんて一目瞭然だろう。
『一番上の獣耳が生えた首が確か――、
その言葉のインパクトは、プロモーションとしては十分なほど強烈な印象を受けた。
――ボクとイナの二人がかりで戦った第9席は、最終的にチートを使わないと苦戦するほどの強さだった。それより強いであろう第8席をチートも無しに、倒しただと。
「へーやるじゃん......そろそろそっちのターンは終わりでいいかな、一方的にやられるのは嫌いなんだ」
『いやぁ――この前の情報テロで、好き勝手されたツケがありますよね。
反撃をする暇もくれないか、と脳内で一人毒づく。通信に割り込んだ以上はこちらの位置も割れている、そこに至らなかった自分の浅さに嫌気がする。
「クソが、誰だか知らないが良い性格してんな」
即座にイナに負傷したテンプを回収させ、撤退の準備。残された時間で出来るのはせいぜい敵戦力の整理くらいか。
『あぁ、名乗るのが遅れました――お面が《
舐めた真似しやがって、後悔させてやる。差し当たって――
「――今回は逃げだが、テメェらはその内ぶっ潰す」
『えぇ、楽しみにしていますよ――悪意同士、地獄に辿り着くまで踊り狂いましょう?』
捨て台詞を吐いてアジトを脱出した数秒後、空からエネルギーの塊が降り注ぎアジト周辺が灰塵と化した。目視では塵一つ残らないクレーターが、敗北の爪痕を残して。
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「良いんですか? 初動の不意打ちなら確実に葬れたでしょうに、わざわざ奴らが逃げる猶予を与えるなんて。あと私全然喋んなかったんですけど、労基に訴えれば出番増えます?」
「これで良いんだよ、【ディザスター】の目的は極端に言えば私たちと同じと見て間違いない。焚き付けて、適当に組織を間引いてもらおう」
「愚妹の手綱を引いたやべー奴がいるって聞いたのに、思ったよりまともだった件について自分はビックリしてる」
「「お前の方が変だわ、寝言はそのお面だけにしろ」」
「そんな理不尽な」
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3501:名無しの掲示板在住転生者
安価から展開アクロバティック飛行しないで???
3502:名無しの掲示板在住転生者
これ手駒を増やして組織にぶつけるって話だったのにな
3503:名無しの掲示板在住転生者
ブルースカイちゃんとスターライトちゃんは?
3504:TS魔法少女イッチ
ンなもんアジトに放置ですよ......チップの反応消えたから多分死んでますけどね、まぁ運が良かったら生きてるでしょ知らんけど
3505:名無しの掲示板在住転生者
放り投げ過ぎてて草
マジで余裕ないじゃん
3506:名無しの掲示板在住転生者
テンプちゃんの姉妹らしき人いましたけど???
3507:名無しの掲示板在住転生者
あれ以上のスペックとか考えたくないんだけど
テンプちゃんの時点で下手なチートより強いんだけど
3508:TS魔法少女イッチ
にしてもこれで問題点が明確になりましたね
3509:名無しの掲示板在住転生者
情報テロの時みたいに攻めなら良いけど守りが手薄過ぎる
3510:名無しの掲示板在住転生者
普通のスレならライバル組織登場!!で収まるのに
3511:名無しの掲示板在住転生者
終始手玉に取られてて草なんだ
3512:名無しの掲示板在住転生者
いや草じゃないが???
3513:名無しの掲示板在住転生者
もう下手な手は打てないな、打ったら詰められる
3514:TS魔法少女イッチ
あーもう知らんとこから想定外が生えやがって......
これだから計算外は嫌いなんだよなぁ
3515:名無しの掲示板在住転生者
荒れてんなぁ
3516:名無しの掲示板在住転生者
イッチのキャラが進行形で壊れてるよ
3517:名無しの掲示板在住転生者
まぁ初敗北ですしお寿司
3518:TS魔法少女イッチ
とりあえず戦況の整理でもしますか
ずっとキレてても意味ないですし
3519:名無しの掲示板在住転生者
まぁ負けも最後に取り返せば良いよ
3520:名無しの掲示板在住転生者
安価の結果を糧に人は強くなるんやで
ナナシ
・敗走
・協会暗部を潰す、と明確に宣言
・初敗北にご機嫌斜め
イナ
・正直終盤は空気だった
・迂闊に駆け引きに割り込めない......
・次は多分彼女のターン
テンプ
・得意の電脳戦で敗北
・カウンターまで決められ終盤は荷物
・姉妹らしき人物が協会暗部に?
魔法少女ブルースカイ/鳥谷空
魔法少女スターライト/星空光
・まともに話に割り込めなかった
・身動きも取れなかった
・アジトに取り残され両者生死不明
謎の声/大垣
・協会幹部の人
・協会暗部のリーダーも務める
・組織とディザスターの殲滅を宣言
銃使い/時雨
・正直空気だった
・私いる意味あったかな......?
・いや、別に良いんだけどね......?
お面少女/添元
・電気系統の魔法を使う
・言動からしてテンプの姉妹らしき人物
・テンプの攻撃を防ぎカウンターを決める手腕