TS魔法少女イッチと掲示板と人外系美少女   作:餅持

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 いろんな演出を考えていたら遅れました。今回は特にありませんが、近いうちに本文後にイメージしてた曲の歌詞が載ってるかもしれません。......楽曲コード載せればいいんだよね? ゲームのOPみたいな感じでやりた(ry


出会いと世界の法則 ②

 

 

「ふんふ〜ん、今日の夕飯は〜、何が良いかな!」

「夕飯の時間があるなら良いんだけどね」

 

 朧げながら、ふわりと意識が覚醒する。確かボクは化け物に襲われて......っ、意識を手放した? 何が起きた?

 

「ッ!? あッ......」

「あっ、起きたんだ。まだ治してないから動かない方が良いよ、痛くなりたいなら止めないけど」

 

 知らない天井を眺めながら、どことなく覚える既視感(デジャブ)に身を震わせる。すると足は裂けるような痛みを思い出し、思わず息が詰まる。

 

 また死後の世界......いや違う、この世界には痛みがある。よく分からないが......助かったのか──?

 

「おはよ〜、華奢な見た目に反して勇気のある子だね〜。さっきは妹を助けてくれてありがとうね!」

 

「......はァ?」

 

「駄目だこりゃ、そりゃ状況把握してからじゃないと天然相手はキツいよね」

 

 回る状況、ミキサーで掻き回されるような情報の追加。知らない部屋の中で、ボクの間抜けな声が木霊した。

 

「はいじゃあ自己紹介、私は天音(あまね)。それでそっちのぽわぽわとしたバカが──」

回理(かいり)だよ〜、さっき貴女が助けたのは私の妹だったんだよ〜、よろしくね!」

 

 どうやら命の窮地は抜けたらしいが、そんなボクを次に待っていたのは尊厳の危機であった。

 

 ひらひらと手を振る辛辣な物言いの少女と、天真爛漫な少女。それに対してボクは、言葉に詰まっていた。

 

 あれ、人と話すのってどうやるんだっけ。前世での日雇いの仕事は事務的な話しかしてないし、よく考えれば機械以外とまともに関わったのも久しいか?

 

 

「◾️◾️◾️です......ここは?」

 

 

 なんとか自己紹介と疑問を口から捻り出すことに成功した。人間の生活って難しいな......機械が恋しい。

 

 自分でも、どう名乗ったかは覚えていない。前世と同じ名を名乗ったかもしれないし、変わり果てた新しい自分を受け入れたのかもしれない。

 

 足は痛みで動かせないが、周囲を見渡せば軽い消毒液の匂いに包まれている。ベッドに横になっているのを見るに、ここは病院だろうか?

 

「まぁ普通に病院だね、足の腱が切れてるし......しばらくは入院じゃないかな」

「え〜面倒だよ、こうすれば良いじゃん!」

「ちょっ、やめろオイ──!」

 

 ぽわぽわとした雰囲気を醸し出す回理が私の足に触れると、目に見えて天音が慌て出す。しかし静止は届かず......

 

 ボクの足元を明るい光が包み込む。反射的に身体は動くが、そこに先ほどまでの痛みはない。

 

「ふふっ、やっぱり人間、元気じゃないとね!」

「あーもうマジで......わざわざやること増やしてどうすんだか、私は知らないよ〜っと」

 

 何が──起きている? 身体の傷が瞬時に癒えるなんて、そんなのまるでフィクションの......

 

 

()()──?」

 

 

 何やらご満悦の回理と、頭を抱えて知らぬ振りをする天音が目に入る。

 

 

「そう、これは魔法──私達は魔法少女、まだまだ珍しい存在だけれどね?」

「今は政府主導で色々してるよ〜、目指すは正義のニチアサタイムってね!」

 

 

 病室の時計の針が、無機質に時間を刻む。何かが始まる祝福の音が、やけに大きく聞こえたような気がした。

 

 ▼

 

 

 

「切実なお願いだから早く拒否権が欲しい」

「身元不明者には権利がないんだわ、基本的な人権が尊重されているだけ感謝してほしいな」

「ボクの人権は本当に尊重されているのか......?」

 

 

 魔法少女の権限とやらで即退院とさせられたボクは、流れるまま2人に連行されていたのであった。主な罪状は身元不明、天音と回理がいたのも見張りってところか。

 

 そうしてドナドナされたのはごく普通のショッピングモール、途中で菓子パンを貪ったりしたが、主な目的はボクの荷物の買い出し......らしい。

 

「一般人は工具箱を持ち運ばないよ〜、別に事情は聞かないけれど......せめて服くらいはないと辛いでしょ?」

「いや十分だって、あの制服でも──」

「◾️◾️◾️ちゃん、血塗れの制服と病衣は服じゃない。普段使う分にはその辺の布切れ以下だよ」

 

 妹を助けてくれたお礼! と服売り場を駆けていく回理は、正直言って怖い。え、なんで?

 

 妹を助けたから......理由に足らないだろ。身元不明の少女など、それこそ病院に叩いたままでいい。魔法とかいうワケの分からないモノまで出てきて──マジで分からん。

 

 人の善意......か。本当に分からないモノだ。機械は決められたことしかやってくれないから、ボクには縁がない。

 

「まぁ適当に──私としては、()()()()()()()()()()()

「ほら、◾️◾️◾️ちゃん。次はこれだよ〜!」

「ちょっ、ワンピースの次はドレスって......ここ絶対に普通の店じゃないよねぇ!?」

 

 犠牲者1名、死因は元男の尊厳の破壊であった。

 





◾️◾️◾️(後のナナシ)
・魔法の存在を知る
・人の善意が分からない
・元男の尊厳は服屋で死にました

回理
・回復魔法の使い手
・前回ラストの魔法少女の片割れ
・無自覚に◾️◾️◾️にダメージを与えている

天音
・適当な物言いが多い
・前回ラストの魔法少女の片割れ
・魔法はあまり見せたくない

ナナシくんの幸せなパートはあと少しだけ続きますが、その前に掲示板が動きます。
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